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【メルマガ】香港のたくましさ  2006.11.10記

<縁のなかった近くの隣人>                                    私は、未だ韓国に行ったことがない。中国は2003年に始めて行った。香港もその類いで今回、香港政庁府の招待で10月29日~11月3日まで訪問したのが最初である。招待プログラムは、どこの国にもあるが、過去2~3年のプログラムで、政治家のリストを見ると、羽田孜団長、北沢俊美団長で行っており、偶然だが民主党からは、3回連続で長野選出の議員が続いている。出発前にそれを知った北沢さんは「格が、ガクーン、ガクーンと下がっているな」と笑った。

香港②マカオ市場視察

香港③香港貿易発展局局長(中央) 内藤正光参議院議員(右)
<久しぶりの英語漬けの毎日>
 私の英語はパリ時代、娘に「お父さんの英語もフランス語も皆長野弁だ!」とほめられるほど(?)立派な日本人英語である。しかし、外国人留学生ばかりのドミトリー(学生寮)が最初の英語社会だったせいか、変な発音の英語も苦にならずに聞こえる耳を持っており、後々OECD代表部のマルチ多国間の会合でも役立った。
 めったにない機会なので、通訳をつけてくれたが、私は広東語しか話さなかった議員との会合以外は通訳を通さず、下手な英語でやり通した。ただ、同行した議員が、私よりも若く、米国留学もしているのに英語を使わず、貴重な時間を有効に使えなかったのが少々残念だった。

<一国二制度>
 長らくイギリスの植民地だった香港は、約束通り、1997年中国に返還された。あまりの激変を恐れてカナダなどに移民してしまった者も多くいるが、2006年の今、そんな騒ぎがあったのかと思わせる繁栄が続いている。中国は柔軟であり、50年間違う制度を許すことになった。日本人には考えられない気の長い話である。
 しかし、一国二制度は現実を見据えた賢明な道であり、中国が西側社会に順応していくにも、そして香港が徐々に中国の一部となっていくためにもプロセスとして必要不可欠だろう。

<英語の優位性>
 英語は、今や国際語であり、国際的ビジネスには欠かせない。香港人は、普通英語が話せる。広東語では北京語(普通語と呼ばれている)と発音などは大きく異なるが、文化・慣習は一体であり、中国への窓口となる。何よりも国際語の英語が通ずる地だ。中国の驚異的経済成長と共に香港の繁栄がある。主として香港政庁の高官たちと意見交換だったが、ほとんどが中国あっての香港の成長に自身を持っていた。一時の繁栄にすぎず、すぐに中国本土が直接各国と交渉するようにある。香港の仲介役としての役割も危ないし、観光資源などしれたものだ、と悲観論を展開したのは学者一人であった。
<3つの興味ある組織>
①Central policy unit(中央政策研究所)
 香港政府のシンクタンクとして政府から独立しており、事務方が非公務員で占められていた。いろいろな政策について、アドバイスするという。つまり日本でいうと、昨今やたら作られる内閣府直属の○○審議会、○○会議の総合版である。時間が足らず、その機能がどれだけ果たされているか不明だが、役所が忙しすぎる。日本にもシンクタンクが必要なことはいうまでもない。
②汚職監視委員会
警察・検察との別に、一般人の告発により汚職と摘発する組織が作られていた。我々が滞在中に教育問題のトップ(女性)が横滑りしたことについて、新聞は批判的記事を揚げていた。まだ談合までは、至っていないようだが、警察の汚職の割合が減ったと自慢気に話すところを見ると、汚職根絶はまだまだ先の話のようだ。
③30人の普通選挙と30人の業界代表からなる議会
 議会の相手は、観光業界代表の議員で、JALにもANAにも一票投じてもらったと笑顔でユニークな選ばれ方を紹介した。野党民主党が全員を普通選挙にせよと主張しており、その方向に動いているようだが、わが国の参議院の改革を考えると一つの参考になりえる。

<巨大な消費地の将来>
 地震のほとんどない地盤のため、押したら倒れそうな細長いビルが立ち並んでいた。地価が高いのはわかるとしても、小さなマンションの中で一生を終えていく人のことを考えると、私にはなかなか住めそうもない所である。自らなにも物理的に生産することはなく、ひたすら消費するしかない地域の危うさを感じざるを得なかった。
 食料安保を考える時、いつも決まって香港やシンガポールが例に出てくる。日本全体が香港のような通商地域になってもよいと極論する人もいるが、私にはとても是認できない。せっかく招待されながら、楽観的な香港の人々に代わって、香港の将来が心配になった。香港は国ではない。仲介役だけで、生きてこれたのは、特殊な事情による。皆が認めるように中国あっての香港でしかない。700万人の地域を1億2000万人の国は根本的に違うのだ。やはり、日本はバランスのとれた国を目指さなければならない。