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民主党農政についての論説・解説委員懇 06.12.20記

<参院選の争点・農政>
小沢代表就任以来、民主党の農政に関心が集まってきている。
代表選の政権構想の中にも、全ての販売農家の所得を補償しようという「戸別所得補償制度の創設」を掲げている。
政府は、4ha(北海道10ha)以上の農家と20ha以上の集落営農組織(集落で固まって農業生産を行う組織を立ち上げた場合)にのみ「直接支払い」を実施することになった。
こうした政策の違いにマスコミも関心を持ち始めており、私も「ビートたけしのTVタックル」等に出演して解説してきたばかりだった(http://www.shinohara21.com/blog/archives/2006/12/post_41.html参照)。

<急な開催>
こうした中、急遽マスコミの論説・解説委員の懇談会を開催することになった。
12月18日(月)に案内を出し、20日(水)の開催という失礼な通知にもかかわらず、新聞各社のほとんどが参加してくれた。
旧知の私の名前を見て義理を感じてきてくれた方も何人かいた。

<中身の濃い質問・意見>
懇談会では、非常に核心をついたすばらしい質問が多く飛び出した。
農業の現状のうち、農家の規模拡大が進まない点を非常に憂慮する指摘が多かった。一方で後継者難の農業だが、跡を継ぐ者がいないのに農地は集約されず、耕作放棄地になっている点を民主党がどう考えているかも質問にあがった。
しかし、政府案のように大規模農家に重点的に補助金を出すことで本当に規模拡大が進むのかというとそう簡単な話でもない。民主党案は、まず耕作放棄地を失くして農産物を作らせることに重点をおく、それも食料自給率を向上させる米・麦・大豆・菜種・そば等の雑穀・飼料作物に限定して戸別所得補償の対象としている。戸別所得補償制度は対象とする品目・農家・支払額を柔軟に選べ、例えば、大規模な農家に支払い単価を高くすることにより、結果的に大規模農家が生まれるように政策誘導もできる、と説明した。
議論は白熱し、予定した1時間半はあっという間に過ぎたが、日本農業の将来を真剣に濃密に議論できた。いろいろ示唆もいただいたので、生産者・消費者ともに理解されるような政策を打ち立てるため、今後もこうした機会を持ちたいものだ。

<過度な個人情報保護への疑問>
今回は2004年6月の参院選直前に開催して以来2回目のものだったが、2つ驚いたことがある。一つは各省の記者クラブの担当論説委員名簿が個人情報の保護とやらで教えてもらえないことだった。つまり新聞各社に電話して、担当論説のFAX番号を聞いて案内を出さなくてはならず、開催に手間がかかった。何という不便か。住所のない住所録も生まれており、過度な個人情報保護は困ったものである。各社の論説委員の名前と連絡先をどうして隠す必要があるのか全く理解に苦しむ。自宅を聞いてなどいないのだ。

<論説懇は農林水産部門会議のみ>
 次に2年半前の開催のとき、2~3名が「民主党本部」とタクシーに告げたところ、社民党本部に連れて行かれてしまい、それだけ民主党は論説委員へのPRをしてないと厳しい指摘を受けた。その後、こうした会合をするよう同僚に働きかけたが、どうもどの部門会議(民主党の政策グループ)も開催した気配はなかった。これでは、いくら立派な政策をまとめても政権政策(政策マグナカルタ)を作ったところで、社説にうまく書いてもらえないのも当然である。まして国民に理解してもらうのはもっと難しい。内弁慶の民主党は、もっと外に向けてPRしていかなければなるまい。