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【安倍の前原化現象の予感】

                                                 2006.12.15
本会議の前に脱稿

<仲良し内閣の危うさ>
安倍内閣の閣僚の特徴の一つは、総裁選の論功行賞と、もう一つ仲良し側近の重用だろう。前者は全得票の7割の支持を受けるという圧倒的勝利をおさめる中ではあまり意味がない。後者は政治経験が浅く、ご指南番が必要というのに何たることかと首もかしげたくなる。確かに民主党にとっては安倍内閣が危うい方が、早く政権交代のチャンスが訪れて結構なことだが、一国の命運を握る内閣がこのような宴の後の人事や仲良しグループの同窓会でよいのかと心配が募る。

<したたかな人事による恫喝>
ただ、参院側に挑戦的発言(候補者差し替え発言)をしつつ、最後は青木参院会長におもんばかって、二人の推薦をそのまま受け入れた。また、派閥の推薦は受けないといいつつ、支援した派閥には気を使いつつ、自主投票だった津島派は避けるなど、敵と味方をはっきり峻別し、人事で峻別するあたりは、小泉前総理の刺客まで送るという超懲罰人事をそのまま踏襲している。

<選挙の顔で選ばれる自民党総裁>
政権政党の自民党が、経験も不足、力も不足、タカ派そのものという危険満載の安倍総理になるのは傍から見ていてもハラハラする。国民は小泉で刺激を受けすぎ、もう普通の政治家では関心も持たず、支持もできなくなってしまっている。小選挙区制の下、無関心層なり無責任層の多い都市部では党首で投票先を選ぶ有権者が多い。まして有権者と議員の関係が遠い参議院議員選挙は、まさに党首の人気が勝敗を左右する。5年前に自民党が参院選の顔として仕方なしに小泉を選んだため、今またその次が安倍でなければ持たなくなっている。安倍を凌ぐ刺激は女性初の総理総裁、野田聖子ぐらいしかない。情けない話である。

<早すぎるトップ就任>
そこへいくと民主党は、前原前代表は別に選挙の顔として選んだわけではなくまだましである。
ただ、以前ホームページで書いた(http://www.shinohara21.com/katudo_log/katudo_060403.html 『前原代表に10年後の再起を期す』)とおり、前原にいずれ再び代表になってほしいと思うが、前回のタイミングではない。もっとしっかり実力を蓄えた後、民主党が政権に向かったりする絶頂期の時にこそふさわしい党首である。
安倍も、67歳ですい臓癌で逝った父晋太郎の無念さが先立ち、焦って総理の座を手にしたのが命取りになる可能性がある。「当選10回、60歳そこそこ、党三役1回、閣僚2~3回」はだてにできあがった自民党総裁の条件ではない。森元首相が言うとおり、長期的にみたら、自民党のためにも本人のためにも安倍温存が正解だったろう。

<小沢人事、中曽根の大番頭待機論>
それに引き換え、小沢人事は全く逆で全体に目を配り、ベテランやプロを配置した見事なものである。
前原体制はやはり、党運営の為の根回しの仕方も知らない仲良しグループで周りを固め、墓穴を掘った。中曽根康弘元総理は衆議院議員になった時から総理を目指し、満を持して総理に就任した。それでもかなり考え方の違う後藤田正晴という重鎮を自分をチェックしてくれるご意見番として官房長官に据えている。前原43歳、安倍52歳若くしてトントン拍子で自信過剰になり、驕りが過ぎるようである。

<2ヶ月半の安倍政権の凋落>
安倍内閣は、「いざなぎ景気」を超えたと、盛んに景気回復をアピールしているが、大企業の業績は上がれども、国民の暮らしは一向によくなる気配すらない。国民の間に広がる「格差問題」も安倍内閣の下で、一段と拡大傾向を見せている。安倍総理がしきりに「再チャレンジできる社会」を述べているが、生活保護世帯の増加、ワーキングプア層といわれる新たな貧困層の拡大など国民の多くが将来に対して大きな不安を感じているのに対して、なんら有効な対応策も示していない。
また、ブッシュ米大統領もブレア英首相も、国内においてイラク戦争の開戦の判断が誤りであったことを認めているのに対して、安部総理は頑なに戦争支持の姿勢に固執している。これを誤りだったと認めることは、イラク戦争に自衛隊を送った政府の責任を認めることになってしまうからだ。
今や安倍総理は危機に対して有効な手段を打てず、これまでの政策に対する責任をとることもしない。こうした総理の姿勢を国民は厳しく見ている。安倍内閣の支持率が、ついに50%を切るほどに低下しているのがなによりの証拠だ。就任から2ヵ月半でここまで急激に支持率が下がる内閣も他にないのではないか。
今日、12月15日臨時国会の最後に民主党は安倍総理の不信任案を提出することになった。

<安倍の前原化は政権交代のチャンス>
安倍も前原も、2人とも格好がよい、タカ派的体質、自信過剰と似ている所が多い。しかも、人事の側近重視もそっくりである。ベテランのアドバイサーの欠如から内部崩壊していくことも共通のような気がしてならない。つまり安倍の前原化である。
その次に、また自民党の中で総理の椅子をたらい回しされてはならない。我が民主党は、安倍政権の崩壊の時を絶好機ととらえ、一気に政権交代に向けて突進していくしかない。