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行き過ぎる国会議員叩き―政治の停滞を招く「政治とカネ」の揚げ足取り―07.09.12

07.09.05記 (メキシコ・シティからサン・フランシスコへの機内にて)
 今回のキューバへの視察出発日(9/1)に既に遠藤武彦農林水産大臣の政治とカネの問題が取り沙汰されていました。私は、安倍総理の組閣へのお節介アドバイスでは、政治とカネの問題を避けるため、民間人、中でも学者を大臣にしたらと書きました。こうしたゴタゴタによる農政の停滞を憂慮したからです。若林新大臣の任命は、ブログに書いたとおり、歓迎すべきことですが、気になるのはマスコミによる国会議員叩き、大臣叩きの行き過ぎです。

<公務員→国会議員→大臣叩きの連鎖>
 ひと頃、公務員叩きがあり、政府自民党もそれに乗じて選挙時に野党=公務員の味方という単純なキャンペーンを張りました。ここ数年の「いじめ」ともとれるほどの公務員叩きにより、Ⅰ種試験の志願者は大幅に減っています。よくない傾向です。
 それにも増して、ひどさを増しているのが、昨今の国会議員叩きであり、その延長線上にある大臣叩きです。
 大臣叩きは、昔からありました。閣僚の一員と一議員の発言の重みの差が分からず失言し、大臣の椅子を棒に振った人は多くいます。しかし、役人時代、現場に居合わせて感じたことは、悪質な引っかけ質問であり、陥れようという意図すら見えたということです。それをくぐり抜けるのが政治家だというなら、それまでですが、揚げ足取りが多すぎるような気がします。

<「秘書が」という言い訳の真実味>
 大臣は、一国会議員よりも襟を正さないとならないのはわかります。だからと言って、何一つ間違いがあってはならないというのはあまりに要求過多のような気がします。
 例えば、事務所経費や政治資金収支報告を何一つ間違いなくせよという要求があります。不祥事に対し、よく「秘書が」という言い訳が聞かれますが、多分私を含めどの国会議員も多忙過ぎ、細かくチェックできず、秘書任せは事実なのです。私のような公費と政党助成金しかない者でも同じです。そして、地元の女性秘書は、お金の出し入れの処理にほとんどの時間を割かれています。

<経理担当の第4の秘書が必要>
 大きな矛盾を一つ訴えたいと思います。
 これだけあれこれ言われ、すべてのお金の出し入れに領収書をつけ、それに数万円の間違いがあってもつつかれるとしたら、きちんと訓練された専門家を一人雇わなければなりません。自民党の億というお金を動かす人は数人必要かもしれません。私のように総額数千万の経費でも絶対一人は必要です。政策秘書1人、第1、第2の2人の公設秘書のうち1人をそれに割かれたら、あと2人しか残りません。こんなことを言っては失礼かもしれませんが、選挙が安泰で、議員活動もろくにしない議員ならともかく、公設秘書だけでは政治活動をやっていけません。
 これだけ騒ぐなら、経理事務の堪能な第4の秘書を公費で設置する以外になくなりますが、それは愚かな話です。
 私は、地元の女性秘書には事務所全体の動きを知ってもらうために担当地区を指定し、支持者訪問もやらせています。その他に名簿の整理等の業務もやってもらいたいところですが、わずか5、6人の事務所の経理にほとんどの時間を割かれています。今の揚げ足取りに備えるには、専属できちんとやってもらうほかありません。

<簡単に辞めさせすぎないか>
 遠藤さんの辞任は、農業共済組合の不始末の責任で、今までの政治とカネと性格が異なるのは事実です。私は率直に言って、指摘しっぱなしの会計検査院、是正しなかった農林水産省にも相応の問題があり、むしろ糾弾されるべきは、そうした杜撰な役所仕事ではないかと思います。〔後記:9月7日成田に着いたとたんに入ってきたニュースが同期の小林芳雄農林水産事務次官の退官でした。〕
  選挙違反のの連座制といい、あまりにひどい死刑宣告(大臣辞任、議員辞職)は考えものです。本人が全く知らない所の不始末で、いとも簡単に辞めさせられるのは、選んだ有権者に対しても失礼な気がします。その意味で、与謝野官房長官の連座制の見直し発言には全く同感です。

<国会議員の資格基準の違い>
 政治とカネに加え、議員年金、赤坂議員宿舎と、日本中がヒステリー状態となり、鵜の目鷹の目で国会議員をいじめているように思えてなりません。アメリカではセックス・スキャンダルで辞任に追い込まれた議員がいます。政治にはお金が必要と割り切るアメリカでは、余程ひどくない限りは政治とカネは問題になりません。5万円の献金、数十万円の事務所費などでつつかれる話は聞いたことがありません。それよりも、モラルが問われ、セックススキャンダルなどが明らかになると、政治家生命は絶たれます。つまり、アメリカでは中川秀直さんや細野豪志さんのほうが危ないのです。ただ、フランスだと問題になりません。国柄によるのです。ただ、今の日本の、国会議員の金にまつわる重箱の隅をつっつくような荒探しは、他国と比べて度が過ぎています。明らかに政治の停滞を招いています。何事につけ行き過ぎには気をつけなければいけません。

 私は帰国後、この点について、一文を物にして訴えていこうと思っていますが、それも臨時国会の成り行き如何です。余裕があったら、私の政治とカネをつまびらかにした上で、具体的な改善案を提示してみたいと思っています。