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2008年02月29日

中国ギョーザをコナン流に探る08.02.29

(某雑誌に出すエッセイですが、事前にお送りします。)
 食料自給率が39%に下がり、日本の食料安全保障はガタガタだが、店には食料があふれ国民にはこの危機的状況もピンとこなかったに違いない。ところがメタミドボス・ジクロルボスといった聞きなれない農薬が入った中国ギョーザにより、変調をきたす人が現れるに及び日本中が震撼した。

 テレビのコメンテーターは、一様に食料自給率の低さを問題にし、地産地消に戻るべきだと同じ用語を連発していた。こんなに中国に頼っていたことは知らなかった、日本の農業は競争力がなかった・・・とまことしやかな説明も付け加えられた。今頃何を言い出すのかというのが私の率直な感想である。日本
の食卓はとっくに昔に中国依存を強めており、野放図に輸入される食料が日本の農業・農村を痛めつけて来たのである。

 日本政府の対応は素早いがどこかずれている。まず、日本側に原因がないことを明らかにするため、天洋食品工場から日本の食卓にあがるまでを追い、ダンボール箱が調べられ、販売段階まで検証が行われた。また、メタミドボスの成分もチェックされ、日本のものと異なることが判明した。そして得られた結論は日本側に問題なし、中国側に疑いがあるとしたもの。

 ここまではいいとして、この次が問題である。日本側から天洋食品へ調査団が送られたが、そこでは何の原因も突き止められず、逆切れした天洋食品の関係者が「我々が一番の被害者だ」と言い出す始末である。ただこれで幕切れにされたのでは日本の消費者にたまらない。

 川下を調べたら、川上を調べるのが道理。川上を辿るとまず思い浮かぶは残留農薬。しかし、これだと一つ二つではなくあちこちが汚染されているはずであろう。

 となると名探偵コナンよろしく推理すると、袋に原因があるとしか考えられない。理由は二つある。
 まず、袋の外がベタベタしていたかと思えば、中身も汚染されていたこと。
 次に、ギョーザの皮の汚染濃度がより高く、具の方が低いこと。

 つまり、袋が内外問わず、汚染され内側の袋についたメタミドボスがじわじわと皮にしみ込み、ついに具までしみ込んだとしか考えられない。汚染源は袋の製造・流通段階にあるのである。

 また、いろいろな食品に農薬が発見されているが、多分包装紙が同じ工場で製造されているのではないか。それをいろいろな食品工場が使っていると考えられる。

 残るのは、袋の製造工場の衛生管理が悪くて間違って混入してしまったのか、故意に入れられたかのどちらかという問題だけである。これは、中国当局による、袋製造業者への捜査を待つしかない。

画家 三沢忠 文部科学大臣賞受賞祝賀会における挨拶。08.02.29

( 私の地元中野市の生まれ育ちで日展の評議委員の画家三沢忠さんが、
この度日本の絵画での最高の栄誉である文部科学大臣賞を頂きました。
私もその受賞祝賀会に招かれて挨拶をいたしました。その挨拶をご紹介
いたします。)

 三沢忠画伯、栄誉ある文部科学大臣賞受賞おめでとうございます。
私は三沢さんの絵は、三沢さんの才能が根底にあるとは思いますけれども、
我が故郷中野市の風土が生み出したものではないかと思います。中野には
すでに全国的に著名な芸術家がいます。作曲家の中山晋平です。それから、
合併いたしました豊田村の作詞家の高野辰之です。長野県中野市といって
も、なかなか皆さんにおわかり頂けませんが、中山晋平、高野辰之二人の
名前をあげ、日本の心の『ふるさと』はメロディー・歌詞も我が郷土の作詞家
・音楽家が関わっているといって自慢しております。日本のふるさとの歌はま
さにこの北信濃の風土の賜物です。そこに今回三沢忠画伯が加わりました。

 芸術家には、私は感性が必要だと思います。かつて私の講演を、知らなか
ったですが山本コウタローというシンガーソングライターが聞いておりました。
そこで私は、今と似た様な話をいたしました。そうすると山本コウタローさんが
私に言ったことは、「自分は東京生まれの東京育ち。だから、『走れコウタロー』
のあと『岬めぐり』と、この2つで歌手生活は終わった。自分には感性がなか
った」と嘆きました。それに対し松山千春さんは、北海道に根を張ったシンガー
ソングライターで、長続きしています。

 今日大雪が降っておりまして、皆さん方がおっしゃる通り、「雪の画家」、
「山の画家」三沢忠にふさわしい日じゃないかと思います。三沢さんの山の
絵は、毎日毎日見て育った北信五岳、あるいは高社山、これがずーっと心
に残っておられるからではないかと思います。

 私が大学時代、友人を中野北の駅で降ろして、ずーっと北信五岳をみなが
ら田麦まで歩かせたことがあります。そのときの私の友人は、ずっと感嘆詞
を発し続けました。「綺麗だ、こんな山の形が綺麗なところは見たことがない」
そう言っていました。私も、言われてみればそうだなぁという気がしました。
「篠原、よくこんな良い景色のところであんなくだらない受験勉強などする気に
なったなぁ」と余計なことを言っていました。残念ながら、私の住家は田麦でし
て北信五岳が見えません。それに対して、三沢さんは若宮の生まれ、まさに
朝起きたときから目の前に幾通りもの北信五岳を見て育たれたのではないか
と思います。私も画才は無い訳ですけれども、若宮に育っていたならば、もう
少しまともな絵を描けたりするのではないかと悔やんでおります。

 私は芸術心は全くありません。先ほどは青木市長が、芸術的素養がないと
言っておられましたが、あの格好でフルートを吹いたりしています。私は、芸術
の都パリに3年ほどおりましたけれども、恥ずかしいことに今でもそれ程絵画に
対する知識は深くありません。しかし場所が場所ですので、色々絵も見て歩き
ましたところ、同じ山の絵ばっかし描いている画家にも出会いました。そして有
名な画家には、そこで生まれて育った風土というのがあり、それが根強くずっと
その画風に残っているというのも知りました。三沢さんは典型的なそういうタイ
プの画家ではないかと私は思います。

 中野の三沢忠から長野の三沢忠になり、日本の三沢忠になりました。芸術
家の人生は長いと聞いております。これを機に更に世界の三沢に発展される
ことを祈念いたしまして、私の今日のお祝いのあいさつとさせて頂きます。

2008年02月28日

旬を忘れた日本の食生活08.02.28

 細かい日にちは忘れましたが、2月頃のNHKの番組で、冬のイチゴ(「アイベリー」)を旬体感として報じていました。季節感が完全にズレているのが分からなくなった典型例です。

 2000年秋に、オランダのマーストリヒトでの持続的農業ワークショップの3人のゲストスピーカーの一人として招かれて、45分間話しました。そこで、はじめて英語で地産地消・旬産旬消の話をしました。今考えると拙い英語で“Produce There, Consume There” “Produce Then, Consume Then”と言っていましたが、通じたようです。(今は”Produce Locally, Consume Locally” “Produce Seasonally, Consume Seasonally”で統一しています。)質問時間には80%私に集中しました。
 そこでのイチゴのやりとりをわかりやすく紹介しておきます。
「日本のイチゴの生産全般は、いつが一番多いか。驚くことに12月。何故か、Xmasのショートケーキの上にイチゴをのせることから始まり、冬のイチゴが定着した。日本人は紅白を縁起がいいと考え白いケーキに赤ということにこだわる。」
 これに対して、質問時に、
「日本は南半球の国で、キリスト教国かと思った。」といったユーモア溢れる前置きがつけられました。

 日本の食生活は乱れ狂っています。風土と隔絶した食生活に陥り、世界中から輸入しまくり、ついにギョーザまで中国で作らせ冷凍して輸入し、学校給食にまで使い出す始末です。しかし、それよりもっと程度がひどいのが、全く季節感を失った食生活、そして、それに振り回された生産、販売活動です。生産と消費どちらが先かわかりませんが、狂いも極まれりです。

 この地球環境時代に重油をたいて温室栽培して作った季節はずれの大きなイチゴ・アイベリーを旬の食べ物として堂々と紹介する神経に驚かざるをえません。旬の感覚が完全に麻痺して恐ろしい国になってしまったのです。目を開かせるにはどうしたらいいか、ため息が出るばかりです。

地産地消はすっかり定着しましたが、旬産旬消をわかってもらうにはどうも時間がかかりそうです。


付記:2月29日(金)日本テレビ 夜8時からの「太田光総理、秘書田中」の番組で、中国ギョウザや食料自給率の問題が取り上げられ、私も収録には参加しております。2時間が30分に編集されるようで、私の出番はないかもしれませんが、お手すきの際はご覧ください。

2008年02月27日

道路特定財源を森林環境税に(篠原試案)08.2.27

 道路特定財源について議論が沸騰しています。与党と野党が、がっぷり四つに組んで譲る気配がありません。しかし3月31日をめざして何らかの修正協議をして成案を得なければなりません。が、農林水産省の行政というのは、米が余ったといってはしかられ、足りないといってはしかられ、あっちの先生はこう言い、こっちの先生はこう言いというので、典型的な足して二で割る行政でした。落としどころを探して妥協する。そういった行政を経験してきて、知らず知らずのうちに両者の主張をみとめることを真剣に考える癖がつきました。
 今それをあてはめて考えた場合どういうふうになるか、あまり試案というのを出すのはよくないのかもしれませんけれども、幸いなことに私は元代表でも何とか大臣でもありませんので、私の見解を述べさせて頂きたいと思います。今まで2年から5年しか暫定期間を伸ばしてこなかったのに、このいろいろ議論があるときに10年間暫定値を続けるというのは、悪乗りであり暴走している法案というしか言い様ありません。それに対して民主党の一般財源化というのは非常に理想的です。私はこれには反対するわけではありませんが、なかなか理想どおりには進まない。このねじれ国会ではやはり着地点探しが必要ではないでしょうか。ちょっと長くなりますが、皆さんに私の案をお送りいたします。
前からいろいろ考え検討してきましたが、2月23日山岡賢次国対委員長をお迎えしての研修会で、下記の資料を配布して道路特定財源について議論しました。それを皆様にお送りします。
最後に政府案、民主党案、篠原試案の功罪を表にしました。PDF形式でご覧ください。

(記)
                                        2008.2.23
                                          篠原孝

Ⅰ 道路特定財源の問題解決に当たって考慮すべき基本原則

 1.<国民のために> 国民の目線に立った改革とする(→地方自治体の首長の声は必ずしも国民の声ではない。)
 2.<行政の安定> 地方自治体の行政に混乱を生じさせない(→あまりに急激なものは実現が困難)
 3.<財政再建> 長期的には国の税収を確保する(→減税のみで終わるのは無責任)
 4.<地方活性化> 何よりも疲弊した地方への援助を優先する(→地方の納めた税金は地方へ戻す)
 5.<時代の要請> 時代に合ったものに改革する(→今までの惰性の10年の延長ではダメ)
 6.<使途の合理性> 石油からとる税金であり、使い道は、理屈に合ったものでないとならない(→いきなり一般財源は理解しにくいのでは?)
 7.<地球環境> 国際的に通用するものとする(→京都議定書、洞爺湖サミットを意識して環境問題を加味する。)


Ⅱ 具体的提案

A 長期的には森林環境税
 ○ 揮発油税等(走行段階の課税)は、環境税(地球温暖化対策税)が必要という考えもあり、少なくとも暫定分はCO2の排出者がその吸収者である森林に回すという「グッド減税、バッド課税」の理屈にあう森林環境税に衣替えする。
   暫定税率分は、例えば森林面積に応じて各都道府県に配分する。これにより森林の多い地方の県に多く回る。
 ○ 但し、使途を森林整備だけに限定することをせず、森林の多い地域(ex 山村振興地域、過疎振興地域)の生活道路、林道・作業道等今まで手が
   つけられなかった地域の「地方道(県道、市町村道)」には自由に使えるものとして、どれに使うかは地方自治体に任せ裁量権を広くする。
 ○ 道路特定財源の一般財源化は、今日の社会経済状況からみれば理想ではあるが、激変を避けるため、とりあえず森林整備に関係するものに広く使える、半一般財源化(自主財源化)にとどめ、まずは、地方(特に疲弊の最もひどい中山間地域)の活性化に役立てる。
 ○ 本則も含めた道路特定財源制度については、環境税への移行を中心にして数年かけて検討する。ただ、その場合でも森林環境税は、荒れた森林を整備することにより地球環境を守り、山間地を活性化するために必ず残す。
   さもないと、中山間地域や森林はますます疲弊し、荒れ果ててしまう。

B 短期的には1年間暫定税率廃止
 ○ 公共交通機関もなく車なしでは生活できない地方の困窮を救うため、それこそ一時的(暫定的、1~2年)に暫定税率を廃止し、(1~2年後に)Aに移行。森林環境税に衣替えして再スタートする。


A 長期的には森林環境税

 (1)理由を箇条書きにすると以下の通り
  1.揮発油税は1954年に始まり、1974年に暫定税率が設定されたが、34年も暫定が続き、いつまでも道路特定財源を道路にのみ使うのは時代錯誤、国民を欺きすぎ。
  2.道路特定財源、今までの期間は5年、2年なのに、10年延長はあまりにも突出しており、認められない。
  3.道路特定財源は余りつつあり、他に用途を考えるいい機会。
  4.だからといって、34年も続いた暫定税率をいきなり廃止するのは、過激すぎて地方自治体等は簡単には受け入れられない。
  5.地方自治体関係者が道路特定財源の維持を叫ぶのは、三位一体改革で6兆円近く財源が削られ、道路特定財源なしでは予算が組めないからであり、この事情をある程度考慮する必要がある。
  6.車の台数が多い地方が、少ない都市部より多く納めている。(自家用車:中野区0.288台/世帯対愛知県飛島村2.916台/世帯(約10倍)、茨城県旧千代川村3.93台/世帯(約14倍))(家計の自動車維持支出:東京都区部9.8万円対町村27.8万円(2.7倍))また、所得が低い地方が多く納めており、きわめて逆進性が高い(cf 東京479万円/1人(1位)、長野 284万円/1人(19位)、沖縄202万円(47位))(世帯収入:東京都区部507.6万円、町村456.1万円)。
    地方は自分たちの納めた税金は、自分たちの為(つまり今のところ道路)に使われるべきと主張。これは一理あり、考慮する必要あり。
  7.地方(行政担当者)を納得させるには、所得が低いのに多くの自動車関係税を納めている地方に道路特定財源がより多くいくことが必要。
  8.ところが、それを道路のみで押し通そうとするから国民的コンセンサス、特に道路の足りた都市部の支持を得られない。
  9.今まで、都市間を結ぶ高速道路等が中心で、費用対効果(B/C)の低い地方道は後回しになっていた。やっと地方の道路に回ってくると思っていたのに、財源がなくなるのは、あまりに酷ではないか。後回しにされてきた地方の声にも耳を傾ける必要あり。
  10.バッド(Bad(すなわちCO2を排出している))をしている車(ないし石油、ガソリン)がそれを吸収して帳消しにするグッド(Good)をしている森林に回すのなら誰しも納得する。
  11.一方で環境税(地球温暖化防止税)の必要性が叫ばれており、環境を重視する洞爺湖サミットの議長国としても、何らかの対応が必要。
  12.しかし、民主党の主張のように一度暫定税率をなくしてしまうと、その後に新しい税を導入するのはなかなか難しい。
  13.財界(産業界)は新しい税の導入はいやがるが、今まで納めている揮発油税等が環境税に代替するのには反対しずらい。
  14.ヨーロッパのガソリンは大体200円/ℓ、日本は、アメリカ、カナダに次いで低い価格であり、今の150円/ℓを維持しても(あるいは上げても)国際的にはおかしくない。
  15.日本の木材は戦後の拡大造林された木が伐採期になっているのに、作業 道がなく、間伐代さえ賄えないことから放置されている。これでは、宝の持ち腐れ。
  16.こうした実情を改善せんとして半分以上の県が県レベルで森林環境税を導入しているが10億~数十億では、とても森林の有効利用までには回らない。国も責任をもって森林の有効活用を支援すべき。
  17.中山間地地域は限界集落が多く、崩壊集落寸前といえる。鳥獣被害もあり、条件の悪い農業ではとても立ち直れず、身近にある地域資源である森林をよみがえらせるのが最も有効な地域再生策。
  18.ふるさと納税は悪くないが、所詮施しで地方の対面を傷つけている。緑の保全、CO2の吸収等の多面的機能を評価する森林環境税による援助が最も合理的。

 (2)関係者の利害得失とその反応
 <一般>
  国民一般:道路特定財源だけでなく、森林環境税にだんだんシフトしていくことは許容する。
  都市住民:道路のみに使われるのは問題視しても、森林に使われるなら許容する。
  地方住民:公共交通機関がなく、一家に3台に車という家も少なくないことから、多くの揮発税等を納めている。その負担が少なくなり、かつ、それが地方に戻ってくるのは歓迎。
  自動車ユーザー:いきなり一般財源化には疑問を抱くも、車の排出しているCO2を吸収をする森林に使うことに納得する。

 <首長、行政関係者>
  貧しい地方が納めた税が地方に戻るのは歓迎。森林整備のみでなく、地方道路に使えるのも歓迎。半分以上の都道府県が森林環境税により、森林を間伐をせんとしており、国からの援軍は大歓迎

 <関係業界>
  トラック業界:負担が減るのは歓迎、道路に戻らないのは不服としつつも、基本的に自動車ユーザーと同じ。
  農林漁業者:地方に戻ってくるのは歓迎、但し、環境にGoodをしているものにより多く戻ることを主張するはず
建設・土木業者:大きな道路にはそれほど造られなくても、生活道路、林道・作業道等で仕事があり、影響は少なく大きな不満は出ない
森林・林業関係者:森林整備にも、森林整備がらみの道路にも使え歓迎。

 <役 所>
  財政当局(財務省):理由はどうあれ、税収が確保されるのは歓迎

  国土交通省:道路特定財源が減り自分たちの権限が少なくなるので不満

  環境省:道路特定財源がCO2の吸収源である森林に使われるのは大歓迎。洞爺湖サミットを迎え、国際的にも面目を保てる
  農林水産省(林野庁):森林整備と林道・作業道の整備につかえるので大歓迎
 <政 府>
  福田総理:総裁選当時より、道路特定財源は一般財源化するよりも環境税(森林税)にと言っている


B短期的には1年間暫定税率を廃止し、1年後にはAに移行

 (1)理由を箇条書きにすると下記の通り
  1. 民主党の主張と全く同じ。
  2.今、石油価格が高騰し、地方が困っているのであり、まずは応急措置として地方を援助すべき(つまり真の意味の暫定)。
  3.ショック療法でとりあえず、ガソリンの価格を下げて、国土交通省や道路族の度肝を冷やしておいてから今後を考える。
  4.Aに至る議論をする時間をとる必要があるが、1~2年ぐらいの猶予期間が丁度いいのではないか。
 (5.ガソリンの価格が下がっては混乱が大きすぎるので、逆に1年今のままにしておいて、じっくり議論すべしという案が与党から出ようが、関係者はなまくらになり、本気で改革に取り組まないので、ダメ)

 (2)関係者の利害得失とその反応
 <一般>
   国民一般: ガソリン代が安くなるので歓迎。

   都市住民:車を持つ割合が少なく、あまり関心なし。

   地方住民:車に依存せざるをえず、ガソリン代の高騰に悩まされる折、大いに助かる。大歓迎。
   自動車ユーザー:とりあえず、ガソリンが安くなり歓迎。

 <首長、行政関係者>
   都道府県知事、市町村長、地方自治体関係者:ねじれ国会下にもかかわらず、予算が通る前に見込みで予算編成したため、多少混乱あるも、国が地方分を手当てすればさほど混乱無し。
 <関係業界>
   トラック業界: 大歓迎

   農業者:大歓迎

   建設・土木業者:当面のコストダウンは歓迎するも、仕事が減るのではという不安(地方道整備は必要である。それほど影響なし)
   森林・林業関係者:一般国民と同じく歓迎

 <役 所>
   財政当局(財務省): 1年間の税収不足は困るものの、全面廃止とならず一息

   国土交通省:10年間延長で突破しようとして、首長を大動員したのに実現せず。地方の信用を失い立ち上がれず。道路だけに固執するのをあきらめて、総合的交通体系の確立に向けて頭を使い出すのではと期待
   環境省:一年後に期待をかけ、遅ればせながら環境税化に向けて活動開始することを期待
   農林水産省(林野庁):一年後の森林環境税に向けて真剣に取り組むべきだが、素早く対応する気配なく心もとない。

   
 <添付資料>道路特定財源の改革案の評価(PDF形式)http://www.shinohara21.com/blog/archives/pdf/080223douro.pdf

2008年02月16日

つなぎ法案の意外な決着08.02.16

<両院の出動命令>
前のメルマガで、報告したつなぎ法案が意外な決着を見ました。政府与党が前代未聞のことですが、強行採決した法案を取り下げました。河野議長が、あまりにも筋が悪く、とても本会議開会のベルは押せないという態度を示したのが一因で、その前に、何があったかは分かりませんが、河野議長と江田参議院議長が事態の収拾斡旋に乗り出していました。
30日朝 再び我々、1・2・3期生は召集を受け、財政金融委員会の会場に赴きました。怒号の中で原田委員長が議会開催を告げ、自民党が質問をしはじめました。法案は一応出来ていたようですが、だれも内容を詳しく見ている人はおりません。提案者5人並んでおりましたが、多分提案者たちもろくすっぽ見てないはずです。急造の法案です。こんな前代未聞のことはありません。

<つなぎ法案提出の理由>
もう一度、なぜこういうことを政府与党がしだしたかおさらいしてみます。
①3月31日に日切れで暫定措置に穴が開いては困る。
②だからといって今更10年暫定措置を続ける本法案の方を強行採決はできない。
③総理が絡んだということになると、問責議決をされる恐れがありそれを避けたい。
④議員立法ならばうまく行けば、委員会もすっとばし、本会議だけの可決で、一日で全て終えられる。
⑤3月31日に二ヶ月延長の法案を60日のみなし否決で、衆議院で再議決をし、さらに、60日後、5月31日に本法案を再議決すれば、10年の暫定税率の延長が決まる。
こういう筋書きです。やり方が滅茶苦茶です。福田総理は予算委員会の答弁でも自分の責任ではない、与党が勝手にやっているといわんばかりでシラをきり続けました。薬害肝炎の時は自らが指示して、議員立法で修正したといっていたのです。今回も知らないはずがありません。野党と話し合っていくと言いつつ、その舌も乾かないうちに違うことをしているのは前にも述べたとおりです。
<支離滅裂な理屈と手続き>
もし本当に暫定的に2ヶ月延ばしたいならば、政府提案を出すべきです。しかし、それはしなかった。もう一つどの新聞も書いていませんでしたが、同じことは昨年の11月1日に期限切れしたテロ特措法についてこそすべきだったのかもしれません。そちらのほうは放っておいて、補給艦をわざわざ日本に帰させて、あとからまた出かけていくという無様なことになりました。ですからこれと比べても新テロ特措法については熱心さに欠けていたということが分かるのではないかと思います。もし、同じような手段をとるとしたら、新テロ特措法のほうこそできたはずです。
山岡さんの発言、「絶対通さない」と言った、だから政府はそれに備えるという詭弁を使っていますけれども、政府のほうこそ、ゆっくりきちんと議論をするといっていつつ、結論を先に出してしまっているのです。つまり、是が非でも通し、絶対穴を開けないという事ですから、先が見えていて議論するなどという失礼なことこのうえありません。
<前代未聞の取り下げ>
しかし、天網恢々疎にして漏らさず、民主党の不退転の決意が通じ、恐れおののいた与党が法案を引き下げました。その前兆は29日の議運理事室を封鎖しているときも見られました。何を議論しているのかわかりませでしたが、野党が抜け、与党だけになった理事室で大激論があったようで、怒号が飛び交いました。たぶんこんなひどいことをしているのはおかしいという者ともうこれで行くしかないという人たちが大激論していたのではないかと思います。その音がぱたっと止まったので、窓から抜け出したことが分かったのです。政府自民党にもあるいは公明党にも良識は存在するはずです。
<河野議長あっせん案>
あっせん案は簡単に言うと、3月31日までに何らかの結論を得るということが一つ、二番目は修正もありうる、三番目は、超筋悪のつなぎ法案を取り下げるということです。その解釈をめぐって既に与野党でいろいろ違うことが言われていますけれども、振り出しに戻ったといっていいのではないかと思います。政府はこれで、4月1日以降25円ガソリンが下がることはありえないと楽観視していますが、そんなことはありません。
<修正の行方>
修正がどのようになるか。例えば、合理的な考えにもとづけば、一年間はとりあえず、暫定的に暫定措置を廃止する。つまり、一年間はガソリンを安くする、しかし、一年後景気が良くなったりした場合は見直すという事が考えられます。それは修正すればいいことです。
ろくに議論もしないうちに10年間暫定措置を伸ばすというのはもってのほかです。
他に例えば、25円引き下げのはひどいから、10円引き下げて、15円だけ取り二年間の延長し、二年後にまた検討しなおすというのも考えられると思います。
<国民の立場で修正>
つまりそういったいろいろな妥協が考えられます。それならば民主党が応じるということで、法案が通るかもしれません。いままで自民党は数の力で何でも絶対通してきましたが、それことは改めなければなりませんし、我々民主党側も、民主党の意見を参議院が多数だからといって否決して動かないようにするということはやめなければなりません。
そういう意味ではこの国会の議論が非常に大事になります。ねじれ国会をどのように運営していくかという試金石になるのではないかと思います。

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