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最初で最後の直接支払い質問08.04.17

2008年4月8日
農林水産委員会
<手塩にかけた法律>
私は、今国会では農林水産委員ではありませんが、4月8日(火)「農業者戸別所得補償法案」を審議する最後に質問させてもらいました。
この法案は、私が04年1月から手がけてきた「農林漁業再生プラン」がもとになっています。06年には、私が提案者の1人となり、衆議院で「農政改革基本法案(食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案)」として提出し、政府案(担い手経営安定新法)と同列に審議されたものの、多勢に無勢で否決されました。(ブログ参照: 06年4月27日菅元代表、農政で熱弁をふるう06年6月21日第164回国会 事後報告その3:農業政策と07年参議院選挙)今回の「農業者戸別所得補償法案」は、07年秋の臨時国会で、与野党が逆転した参議院に提出され、可決され衆議院に送られてきていました。従って、この法案は、私が民主党に参画して以来、それこそ手塩にかけて育んできた愛しい子供のようなものです。

<若林農水大臣との初対決>
こうしたことから、私は、現幹部に2時間の質問時間がほしいと頼んできましたが、質問時間は各政党の議席数によって配分され、今回は与党が質問するため、野党に割当が少なく、55分となりました。通常は当選回数が上の者が先に質問しますが、私が委員でないことから遠慮して、民主党最後の質問者となりました。ところが、前の2人の民主党議員が時間超過したため、さらに短くせざるをえませんでした。どうも民主党の皆さんは、ルールを守らず、また、諸所の配慮に欠ける人が多くてため息が出ます。
若林農林水産大臣は、農林水産省の先輩であり、郷土の大先輩でもあります。地元も初の対決ということで注目していました。環境大臣のときに質問したことがありますが、農林水産大臣としては始めての質問で、胸を借りるというか耳を借りて質問しました。

<直接支払いの意義>
一般の農業補助金は、地方自治体や農協、農業団体などが実施する事業費の一定の割合を補助するもので、施設の建設費や資材の購入費に当てられます。政府は長らくこうした補助事業を続けてきましたが、農業は衰退、農村は疲弊し、自給率は下がる一方です。一方、直接支払い(戸別所得補償)は、農業者が農業を続けることができるように、農業生産していることに対して直接補助金を支払うというものです。
EUでは、かなり前から条件不利地域、環境に加え、価格低下による損失を補償するための代償的措置を理由とした直接支払いが行われてきました。日本では、2000年に中山間地域の集落を対象にした直接支払いを始めたのみで、一般の農業生産に対する導入には否定的でしたが、政府は、昨年から、認定農業者等を対象とした直接支払いを始めました。これは、民主党案に対抗したものですが、大規模農家と集落営農のみを対象としたもので、現場に混乱をもたらしています。政府は、もう何十年も、規模拡大を進める農業政策をとってきましたが、農業生産は減少し、自給率は下がる一方です。

<2002年に生産振興をやめた政策ミス>
政府は、2000年の食料・農業・農村基本計画で、麦・大豆・飼料作物の生産を増やし、食料自給率を1997年(基準年)の41%から目標年の2010年には45%にするという目標を立てていました。しかし、自給率は上がるどころか、2006年には39%に下がってしまいました。
実は、小麦は2002年、大豆は2000年に目標(小麦12%、大豆5%)を達成していたのです。ところが、政府はそこで小麦・大豆の生産振興をやめてしまいました。もし、そのまま生産を増やしていれば、今頃は自給率目標も達成できていたかもしれません。

<緑提灯運動>
 自給率向上は地産地消が基本です。私の国会の事務所には、地場産品応援の店と書かれた緑提灯がかかっています。私の古い友人の丸山清明さん(独立行政法人・農研機構中央農業総合研究センター所長)が、北海道にいたときに発案したものです(緑提灯ホームページhttp://midori-chouchin.jp/)。私が、地場産品応援だけではなく、反対側に地産地消応援も入れてほしいと言っていたところ、この質問当日の朝、その改定提灯が送られてきました。せっかくなので、質疑で紹介し、途中から質問席のマイクのそばに下げたままにしておきました。

<循環社会の代表 菜種>
農業は、食料生産だけではなく、環境や地域社会の維持など、多面的な機能を持っています。食料・農業・農村基本計画には、菜種の個別目標がありませんが、民主党案では、菜種も主要な対象作物としてあげています。菜種油はカロリーが高く食料自給率の向上に役立ちます。また、揚げ物に使った後、回収してバイオディーゼルに再生して車の燃料に利用できるなど、CO2排出量削減にもなる循環作物の代表です。また、景観植物でもあります。私は、国会の周りに菜の花を植えていることを紹介しました(ブログ参照: 06年6月1日国会を黄色に染めよう!私の「菜の花プロジェクト」)。

<農業は政策次第で変わる>
自給率を高めるなんて無理だという指摘があります。しかし、EUでは、1960年大豆・菜種・ひまわり等の油糧種子は輸入自由化により、安楽死状態でしたが、政策変更により大復活を遂げています。つまり、農業は政策次第でどうにでもなるのです。実現できるかどうかは、国民のコンセンサスが得られるかどうかにかかっています。農産物価格は、発展途上国の価格が基準になります。国内の農業生産を維持するためには、農家の所得補償が必要で、多くの先進国が取り入れています。日本の食料自給率向上には、直接支払いが大きな役割を果たすはずです。