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外交官を給与で援護射撃し(今回)、外務省人事を真正面から爆撃する。(次回)08.04.30

前回に引き続き、外務委員会での質問(その2)をお送りします。

<偏りすぎの在米総領事館>
 外務省より出てきた資料を見て、なぜこんなにアメリカに領事館が多いのだろうと不思議に思えました。ワシントンの日本大使館は、100名の大使館員が勤務しています。以下、NY、LAをはじめとしてその他全部で14箇所(191名)もあり、フランス10、イギリス7(領事館を含めると10)、韓国9と比べ、日本の総領事館数の多さが目立ちます。また、アメリカ側からは、東京の大使館に232名、領事館は5つでたった28名しかいません。異様なアンバランスです。
 もちろん、日米関係が日本外交にとって非常に重要なものであり、また、日本と違い広大な面積でもあります。しかし、交通手段や通信手段は世界一発達している国なのです。
 もっと、それらさえままならないアフリカや発展途上国に重視して配属させるべきではないかと問い質しました。

<偏りすぎの外務省人事>
 次に外務省の管理職以上の略歴を一覧表にしてみました。現在の管理職の偏りがあまりにも顕著に出てしまう状況であったためか、他の委員や答弁者がそのページを開いた瞬間に、おやっという顔をしたのが分かりました。それもそのはずです、留学は米英中心、韓・露・中等の留学組みは見当たりません。勤務地では、アフリカの勤務をしたことのある人は奥田 中東アフリカ局長たった一人しかおらず、発展途上国への勤務経験者など、ほとんどいないのです。本人が悪いというわけではありませんが、河相総合政策局長と齋木アジア太平洋局長は、それぞれシンガポール、ジュネーブ代表部を勤務しただけで、他はずっとアメリカ勤務と二カ国しか知りません。もちろん、アメリカのスペシャリストをつくるという意図での人事もあろうかと思いますが、他の幹部も欧米に偏りすぎています。こんなところにお公家様集団と呼ばれる理由があるのかもしれません。

 また、外交官ならば、外に出ていっぱい仕事をして、日本でその経験を生かすべきなのですが、彼らの本省勤務は管理職以降だけでも15年間程度もの長期になっています。林官房長官が答弁で本省勤務を不健康地勤務とポロリと言いましたが、外国との時差もあり本省勤務は激務ですが、これまた片寄りすぎです。その蔭でほとんど本省勤務をさせてもらえず、大使館勤務ばかりしている人もいるのです。
内閣人事庁が一般採用して、あちこちの省庁に行かせて、幅の広い官僚を育てようという議論が行なわれている中で、あまりに閉鎖的な人事と言わざるをえません。


 外交官とはいえ、どうしても、自分の勤務した国をひいき目に見てしまうことはあると思います。ところが、欧米勤務経験者に偏った局長ばかりになっている今、誰が発展途上国のために骨を折るというのでしょうか。ODAの現場を知らない幹部ばかりなのです。たとえば、再び増やさんとしているODAについて、だれが親身になって財務省との折衝を行なうのでしょうか。それはおろか、知らない発展途上国の問題点や情勢を正確に大臣に進言することができないのではないでしょうか。そして、大臣も、現場とかけ離れた進言の中から、どうやって外交判断を下すのでしょうか。

 例の外交機密費の不正流用が何年も放置されたのは、一部のグループのみが枢要ポストを独占し続けていたからなのです。その後、そうした人事が改善されたと思いきや、同じなのです。今でもアメリカ、条約局勤務者が幅を効かせ過ぎているようです。これでは多様な人材が育つはずがなく、同じ穴の狢ばかりでは大胆な外交戦略などできるはずがありません。

<必要な大局的人事>
 これは明らかに人事上の問題ではないかと思います。今のままでは、欧米勤務からはずれ、途上国勤務になった外交官たちは、自分の将来は閉ざされたと思わざるをえません。その上、彼らの途上国勤務の貴重な経験は外交判断に活かされなくなりかねません。

 高村外相には、もっとバラエティに富んだ人材を育成するためにも、前途のある人材に若いうちに途上国勤務をさせ、その後に欧米勤務とするなどの、人事の工夫が必要なのではないかと訴えました。
外相の答弁は、私が言ったような方向でこれからの人事を進める。既に次官に指示をしたところだという前向きなものでした。すぐにでも実行してもらいたいものです。