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2008年4月30日

外交官を給与で援護射撃し(今回)、外務省人事を真正面から爆撃する。(次回)08.04.30

前回に引き続き、外務委員会での質問(その2)をお送りします。

<偏りすぎの在米総領事館>
 外務省より出てきた資料を見て、なぜこんなにアメリカに領事館が多いのだろうと不思議に思えました。ワシントンの日本大使館は、100名の大使館員が勤務しています。以下、NY、LAをはじめとしてその他全部で14箇所(191名)もあり、フランス10、イギリス7(領事館を含めると10)、韓国9と比べ、日本の総領事館数の多さが目立ちます。また、アメリカ側からは、東京の大使館に232名、領事館は5つでたった28名しかいません。異様なアンバランスです。
 もちろん、日米関係が日本外交にとって非常に重要なものであり、また、日本と違い広大な面積でもあります。しかし、交通手段や通信手段は世界一発達している国なのです。
 もっと、それらさえままならないアフリカや発展途上国に重視して配属させるべきではないかと問い質しました。

<偏りすぎの外務省人事>
 次に外務省の管理職以上の略歴を一覧表にしてみました。現在の管理職の偏りがあまりにも顕著に出てしまう状況であったためか、他の委員や答弁者がそのページを開いた瞬間に、おやっという顔をしたのが分かりました。それもそのはずです、留学は米英中心、韓・露・中等の留学組みは見当たりません。勤務地では、アフリカの勤務をしたことのある人は奥田 中東アフリカ局長たった一人しかおらず、発展途上国への勤務経験者など、ほとんどいないのです。本人が悪いというわけではありませんが、河相総合政策局長と齋木アジア太平洋局長は、それぞれシンガポール、ジュネーブ代表部を勤務しただけで、他はずっとアメリカ勤務と二カ国しか知りません。もちろん、アメリカのスペシャリストをつくるという意図での人事もあろうかと思いますが、他の幹部も欧米に偏りすぎています。こんなところにお公家様集団と呼ばれる理由があるのかもしれません。

 また、外交官ならば、外に出ていっぱい仕事をして、日本でその経験を生かすべきなのですが、彼らの本省勤務は管理職以降だけでも15年間程度もの長期になっています。林官房長官が答弁で本省勤務を不健康地勤務とポロリと言いましたが、外国との時差もあり本省勤務は激務ですが、これまた片寄りすぎです。その蔭でほとんど本省勤務をさせてもらえず、大使館勤務ばかりしている人もいるのです。
内閣人事庁が一般採用して、あちこちの省庁に行かせて、幅の広い官僚を育てようという議論が行なわれている中で、あまりに閉鎖的な人事と言わざるをえません。


 外交官とはいえ、どうしても、自分の勤務した国をひいき目に見てしまうことはあると思います。ところが、欧米勤務経験者に偏った局長ばかりになっている今、誰が発展途上国のために骨を折るというのでしょうか。ODAの現場を知らない幹部ばかりなのです。たとえば、再び増やさんとしているODAについて、だれが親身になって財務省との折衝を行なうのでしょうか。それはおろか、知らない発展途上国の問題点や情勢を正確に大臣に進言することができないのではないでしょうか。そして、大臣も、現場とかけ離れた進言の中から、どうやって外交判断を下すのでしょうか。

 例の外交機密費の不正流用が何年も放置されたのは、一部のグループのみが枢要ポストを独占し続けていたからなのです。その後、そうした人事が改善されたと思いきや、同じなのです。今でもアメリカ、条約局勤務者が幅を効かせ過ぎているようです。これでは多様な人材が育つはずがなく、同じ穴の狢ばかりでは大胆な外交戦略などできるはずがありません。

<必要な大局的人事>
 これは明らかに人事上の問題ではないかと思います。今のままでは、欧米勤務からはずれ、途上国勤務になった外交官たちは、自分の将来は閉ざされたと思わざるをえません。その上、彼らの途上国勤務の貴重な経験は外交判断に活かされなくなりかねません。

 高村外相には、もっとバラエティに富んだ人材を育成するためにも、前途のある人材に若いうちに途上国勤務をさせ、その後に欧米勤務とするなどの、人事の工夫が必要なのではないかと訴えました。
外相の答弁は、私が言ったような方向でこれからの人事を進める。既に次官に指示をしたところだという前向きなものでした。すぐにでも実行してもらいたいものです。

2008年4月28日

外交官を給与で援護射撃し(今回)、外務省人事を真正面から爆撃する。(次回)(その1)-08.04.28-

 外務委員会での質問が続いています。ガソリン暫定税率の期限切れをきっかけに、なかなか進まなかった国会審議も、堰を切ったように始まり、今月三回目の外務委員会での質問登板になりました。「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案」という非常に長い名前の法案の審議で、50分間、外交官手当てや外務省人事のあり方等について質しました。今回はまず手当について報告します。

<安すぎるのではないか?大使の価値>
 私は、農林水産省から出向で、OECDの政府代表部参事官としてパリに勤務したことがあります。その時の、私を含む日本の外交官達が悪戦苦闘する様子を「花の都パリ『外交赤書』」(講談社+α文庫)として出版し、一部登場人物を除き(?)好評を頂いております。
 そんな経緯もあり、昨年5月ドイツ黒い森視察の際に古巣のパリのOECD代表部を訪ね、北島信一大使とお会いしてきました。その際の大使の話に手当てが大幅に削減させていて大変だなどと聞いておりましたので、例によって資料要求して調べてみました。
 15年前、私の役職は参事官(本省の課長になりたてと同じ)で、在外勤務手当ては71万3千円でした。ところが今は、大使の手当てが74万円(93年 大使は124万円)と当事の参事官クラスにまで下がっているのです。手当ての下げ幅は当時比で大使は-40%(公使-30%、参事官-20%)で、一国の特命全権委任大使の手当がバーゲンセールになってしまっていたのです。
 これは01年に起こった外交機密費流用問題に端を発し、外交官の手当てが減額された名残ですが、大使や公使は、赴任地でいろいろな付き合いをすることこそ外交でもあるのです。一罰百戒でケチなことをせずに、今の何倍もどんと出して、後は領収書も何もとらずに自由に使ってもらったほうがいいのではないかと提案しました。その代わりに、目に見える外交成果を上げてもらわなければなりません。

<安すぎるのではないか?配偶者の価値>
 政治家の中には、配偶者の人気でやっと当選する人もいます。同様に、配偶者のサポートが重要な仕事の一つが外交官です。夫婦同伴での招待が多々あるだけでなく、奥さんのつながりで外交がうまく行くなどということもあり、配偶者も立派な外交官でもあるのです。ところが、最近は赴任地に奥さんを連れて行く人が減ったと聞いています。もちろん、男女共同参画社会でもあり簡単に仕事はやめることは出来ないでしょうし、夫唱婦随が正しいこととは思いませんが、その問題点が手当てであるならば考慮はするべきです。
 かつて40%あった配偶者への赴任手当が、現在20%に減額されているのです。しかし、再就職が可能な欧米先進国ならまだしも、今の仕事をやめて、子どもの教育環境の悪化が懸念される、発展途上国への赴任に20%の手当でついてきてくれるという奥さんや家族はどれくらいいるのでしょうか。
 私は、高村外相に、先の大使の手当や配偶者手当を、もっと大胆に上げる改革をやってもいいのではと提案しました。高村外相からは、ポピュラリズムに流されない私の提案に賛成しつつ、国民の理解が得られず、民主党も賛成しないので難しいとの答弁でした。外務省は財務省とこのくらいの国内交渉も出来ずに、欧米の手練れた外交官との外交交渉なんか出来はしないと思いました。

<近藤元次元農林水産大臣(宮沢内閣の官房副長官)>
 この点は、今はなき近藤大臣(近藤基彦議員の父)の主張を追悼の意味でぶつけたのです。
 上記の拙書は少々歪んだ編集方針の下、私や同僚のドジ話ばかりの本にさせられてしまいましたが、原稿にはほのぼのとしたいい話がたくさんありました。その一つが近藤大臣の暖かい配慮と鋭い指摘でした。パリが好きで、大臣になる前にも何度かこられ、私が在パリ中に最も多く訪問された政治家でした。その大臣が「お前らだけではなく、日頃迷惑かけている女房たちを連れて来ればごちそうする」と言い出されたのです。そこで、農林水産省から出向していた私たちカップルも恩恵にあずかりました。
 その席で、大臣はまず女房たちをねぎらいました。そこで例の配偶者手当の増額こそ時代の流れに沿うものと指摘されたのです。 その返す刀で「逆もある。俺なんかパリが好きでよく来ているが、あんた方は立派なダンナを持ったおかげで、3年もパリにいられるんだから感謝しなくちゃね。」といって両方をたててくれたのです。私は女房たちが聞こえないように「そう言われてみるとそうね、大したたことないダンナだけど」と言っているのを聞いていました。

<少なくなった味のある政治家>
 何人かの農林族の中に私を特に目をかけて(?)くれた方がおられ、近藤さんはまぎれもなくその一人でした。そのパリで「宮澤内閣ができたら、宏池会には俺みたいな党人はいないから、官房副長官になって支えなくちゃならない」と言い出されました。私は、「大臣経験がないのは藤波さんぐらいじゃないですか」といいかけたが、「そうしないと、内閣はもたない」と話さえ切られました。そして、その通り官房副長官になられ、私の帰国前に亡くなられてしまいました。
 私はお世話になった近藤さんに敬意を表して、高村外相に質問したのです。
(その2へ続く)

2008年4月27日

― 山口2区平岡秀夫候補の応援 ―08.04.25

08.04.25
【最終盤での応援】
 今月に入ってから週二回のペースで質問していたので、山口2区補選の畏友平岡秀夫候補の応援には残念ながら一度も行ってませんでした。質問を断り、どんづまりになって、今週、馳せ参じました。その前に地元事務所の秘書2人を光市事務所に派遣してあり,私も4月23日から行く事にしました。民主党三幹部揃い踏みが23日とは聞いてましたが、私の行く日と重なりました。数ヶ所で三役が揃い踏みするのだと思ったら、光市だけでした。雨にも関わらず、3000~4000人集まっていたのではないかと思います。

【電話作戦のお小言】
 夜は電話作戦をしまして、長野からわざわざ応援にきていることを強調して、支持者名簿に従って投票依頼をしました。ほとんどが頑張ってという激励の声でしたが、時たま小言を言われる方に出くわしました。「三幹部揃い踏みの応援に行ったけれど、顔が全く見えなかった」と言うお叱りです。私もさっぱり幹部の近くに行けないほど二重三重に人が取り囲んでいました。ところが、小沢さんの有権者の目線で話をするという方針が貫かれ、ビール箱の上の街宣なのです。雨で傘を差さざるを得ず、ますます顔は見えなくなります、かくして、せっかくめったに見れない大物幹部の顔を見に集まった聴衆はイライラするばかりでした。
【顔を見に来た有権者】
 後で、光市事務所の皆さんもがっかりしていました。彼らが本部から言われたのは、とにかく人を集めるということで、一杯あちこちに電話したりポスティングをしたそうです。  しかし、予想以上に関心が高く、動員した人たちをはるかに凌ぐ一般の有権者がたくさん集まってしまったのです。ここに、本部と地元のミスマッチが重なります。
 地元はちゃんと台をつけて欲しいと言ったにもかかわらず、本部の方は、人集めは地元、どのように進行するかは本部で決めるということで、顔が見れないという状態になってしまいました。私は始まる準備のところに着きましたが、三幹部はもみくちゃで、終わったあともいつまでも顔を見たさの握手が続きました。人口5万人の田舎町の人たちは、直に顔を見たいという有権者の切なる願いに対する配慮のはなはだしい欠如です。いま一つ大衆の人気を吸収できない民主党の理由がこの辺にあるような気がします。良く見れば2~300人あるいはもっと多くの人達は声しか聞こえず、おこって帰ってしまいました。そして、その何人かに私も電話して、お叱りを受ける事になってしまったのです。
【相変わらずの硬直的対応】
 かわいそうなのは、これを担当してきた地元A県会議員で、翌24日は奥さんともどもお詫びの挨拶回りをしていたそうです。
 昨年の参議員選挙の折に小沢代表は1人区だけしか回りませんでした。各県庁所在地の人が多くいるところでは一切街宣はやらずに田舎へ直行し、ビール箱の上で農家の皆さんと同じ目線で話しをしました。それを都市部でもそのままやっているわけです。どうも応用動作がきかない民主党の硬直的な対応が、このような面にも現れているようです。
 地元の光事務所の人たちに代わり、党本部と岩国の本部に意見を伝えることになりました。嫌われ役で損な役回りでしたが、私しかこの件を伝える人はいないので仕方ありません。
 政策的にも言えることですが、もっと柔軟に対応していかないと民意は離れていきます。
【気のきいた女性助っ人】
 こうした中でひとつだけ、ほっとするようなことがありました、私も、一応前のほうに行こうとしたけれども、押しのけていくのをやめました。入口の橋のたもとで傘を差してボーと立っていると、一人の女性がアレッといって近づいてきました、「こんなところにいないで、中に入って下さい」と言って、私の手は引っ張ってくれませんでしたけれど、人を掻き分けて中心に押し出してくれました。
 私にはとても出来ないことでしたが、黄色い服を着たその女性担当者は鮮やかにやってのけました。私はおかげ様で小沢代表の演説の最後半には間に合い、翌日の山口新聞の写真にはしっかりと小沢さんの後ろに載っておりました。私の顔を知っていたのか国会議員バッチに気づいたのかどうか知りませんが、まさに臨機応変の対応でした。
【本人不在の大演説会】
 三人の大演説会を聞きましたが、三人とも政策の話が中心で平岡さんの紹介や持ち上げがあまりありませんでした。
 驚いた事に平岡さん自身もこの場に来ていなかったのです。別の地区で集会がセットされており、日程を変更して光市には来れなかったのが実情のようです。
【走って握手の平岡さんの頑張り】
 その翌日、平岡さんが光市に街宣に来ました。私も電話以外にそれほどすることがないので、街宣につきあうこととなり、前座を務めました。あちこちの住宅街をゆっくり街宣し、手を振ったり、表に出てきた人がいると候補者が走って握手をし、運動員がビラを渡すというオーソドックスなやり方です。数箇所は何人かが集まり待ってました。平岡さんの頑張りにはほとほと感心しました。
【入念な街宣ルート設定に脱帽】
 もう一つ、街宣の先導の見事さには感激しました。支持者の地図落としをした地図をじっくり見て支持者の多い場所を通るようにし、何回も下見運転をして、街宣の時間を計算して、組み立てているそうです。平岡さんが頑張りすぎて遅れると、適当に省いたり、臨機応変で20時にはピタリと柳井市の境で街宣が終わりました。
 私の2回の選挙はただ大きな通りをさっと通るだけの街宣でして、私はほとんど乗りませんでした、しかし、光市の街宣のようにスポット的にマイクを握って話をし、ゆっくり反応をみて握手して歩くのなら私もやってもよいと思いました。
 岩手の平野達男参議院議員選挙の応援の時も同じ経験をしました。秘書に長野でもそのような街宣ルートを作ることを命じてあり、次回は同じような街宣をしようと思っています。
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        山口新聞4/24朝刊 左側の背の高いのが私(篠原孝)

― 平岡秀夫候補のよいしょ前座 ―08.04.27

08.4.25.
<渡部恒三節を真似る>
 民主党の中で話のうまい人はたくさんいます。「人を攻撃するには菅直人、人を笑わせるのは渡部恒三、率直にわかりやすく話すのは山岡賢次」とは、2月23日に山岡さんに長野の自治体議員研修会に来ていただいたときの紹介です。
 「山岡さんは、要するに失言しやすいことを別の言い回しで言ってるだけじゃないか」という口の悪い同行記者もいましたが、私は笑って答えませんでした。渡部恒三さんは、議員の応援演説もユーモアを交えて盛り上げます。私もその方法を真似ています。
 平岡さんは、財務省(旧大蔵省)出身、内閣法制局にも出向し、弁護士資格もあり、極めて有能な人です。前座なので、せいぜい2~3分ですが、いろいろ紹介しましたので、1つの話にして平岡さんを紹介してみます。

<政権担当の要の一人>
 平岡さんは、民主党になくてはならない人です。ですから昨日(4/23)、民主党の幹部が揃って光市に来たのです。こんなことは前代未聞です。世上よく言われているとおり、政局を左右する大切な補選ということもありますが、政策に強い平岡さんがいかに重要な議員かという証左です。
 私は、平岡さんより1期下ですが、同じように役所出身です。平岡さんは役所中の役所大蔵省、私はチビた農林水産省。自民党には役所出身が多いのですが、我が党は、年齢順に、1に藤井裕久さん(引退宣言されています)、2に福岡の古賀一成さん、そして3番目は私、4番目が平岡さん、5番目が岡田克也さん、あとは役所の経験も中途半端なちょっと未熟な方々ばかりです。
 民主党は、あとちょっとで政権をとれるかもしれません。しかし、小沢代表は、ポロリと政権担当能力に疑問があると、あまり言ってはならないことを言ってしまいました。こうした状況を心配したのかもしれませんが、大丈夫です。平岡さんがいます。そして、不肖私もおります。我々に安心してお任せください。

<五言居士>
 せっかくの機会ですので、民主党内の平岡さんの働き振りを紹介いたします。
昨年1年は、私は平岡NC法務大臣と週1回閣議で一緒になりました。皆さん、ほとんどご存知ないと思いますが、民主党にはNC大臣というのがあり、私も農林水産大臣をやらせていただいておりました。その席で、平岡さんは必ず発言していました。世の中一言居士という言葉がありますが、私が勝手に秘かにつけた渾名が五言居士。平岡さんに一言居士は過小評価で失礼です。
それだけあれこれ言うと、ろくでもない意見が多いのですが、平岡さんの場合は3つか4つは的を射ているのです。それだけ理論的で、誰もきちんと反論できないのです。

<何でも活性化する異能>
 委員会でも同じです。法務委員会の野党筆頭理事として、自説を主張してテコでも動きません。厚生労働委員会と並んで最も敵対的委員会になりました。もちろん共謀罪とか問題の法律がありましたが、平岡さんが1人で引っ掻き回していたといっても過言ではありません。今年は内閣委員会に移りましたが、今度は内閣委員会が同じようになり、平岡さんの行くところどこでも議論が活性化します。その延長線上で、日本の活性化も平岡さんの手にかかればすぐできるかもしれないのです。平岡さんは、それだけパワフルな方です。

<嫌われない得な性分>
 ところが、人柄がそうさせるのか、あれこれ言っても、自分のいい加減な政策に文句を言われた同僚NC大臣からも叩かれどおしの与党自民党議員からも、それほど嫌われないのです。エリート官僚出身なのに、飄々として飾らない性格で誰からも好かれています。同僚としてこんな頼もしい議員はなく、民主党だけではなく、国会になくてはならない人なのです。ですから、すぐにでも国会に戻していただかなければなりません。

<意外なユーモアのセンス>
 平岡さんは、ユーモアのセンスもある人です。私は、同僚議員の励ます会に行くとちょうど夕飯時なので、必ずきちんと食べることにしています。他の議員は、どこかへ飲みに行ったりするのでしょうが、私は議員会館に戻って仕事をするので腹ごしらえします。ところが、平岡さんはそれをしっかり見ていて、私が「一番よく食べている議員だ」というのです。たいへんな、嫌らしい観察眼です。そして続けます、「議員同士は招待で我々は2万円払ってないのだから食べる資格ないのに、食べちゃダメじゃないですか」。もちろん、冗談でつっかかっているのです。私は「このケチな財務省の主査みたいなこと言って」と反論していますが・・・。

<平岡当選で政治の流れを変える>
 このように平岡さんは人間的にもたいへん味のある魅力的な人物です。もうちょっとすれば、民主党に平岡ありと世に知られていく人です。そして、民主党が政権をとったら、すぐに法務大臣、そしてゆくゆくは財務大臣です。
 この選挙区では、佐藤信二運輸大臣、通産大臣、吹田晃自治大臣以降、大臣を出していないんじゃないですか。早く大臣を出すためにも、平岡さんを当選させて、政治の流れを変え、民主党政権を実現させようではありませんか。これが光市のため国民のためです。

 とまあ、こんな風に細切れに紹介しました。確かに大物議員が多数応援に駆け付け、どこも私の出る幕などありませんでした。それでも平岡さんは、「3幹部以外ではめったにマイクを握れないのに、篠原さんは握った」とか冗談を言っていました。
 4月28日からまた同僚議員になってもらわなければなりません。

2008年4月18日

道路特定財源・森林環境税化再論- 一般財源化礼賛は疑問 -08.04.18

― 道路特定財源はGood減税・Bad課税の原則にのっとり、大半を納める地方に還元する森林環境に改めるべき―

(60対30の数字の意味)
福田総理の、道路特定財源の一般財源化は一つの進捗である。全体をみると現実的であり、踏み込んでおり、捨て身の提案になったのではないかと思われる。「政治を動かすのは国民だ」この言葉に嘘はない。よくよく考えてみたら、国民が一般財源化を求めている。つまり、一般財源化を求めているというよりも、道路ばかりに使われるのはよくないという評価を下したのではないかと思われる。読売新聞の世論調査によると国民の58%が賛成、反対が28%。ガソリンの価格が下がったことは56%が賛成、31%が反対。面白いことに、60と30という数字がいろんな所に出てくる。3分の2の再可決には57%が反対、27%が賛成している。内閣の支持率は28%、不支持が58%。民主党の今回の対応に対しても評価が30%、評価しないが59%。

(大人の対応をすべき民主党)
 この総理の提案を遅すぎたとか、自民党の中にも反対があるし、民主党は暫定税率の廃止を相当優先しているので、どのみち実現出来ないといって、否定的な見方をする人が多い。しかし、私は、ここで民主党も大局的、暫定税率の廃止は実現したのであり、今後はもう少し大人の対応をしていくべきではないかと思う。国民は政権与党になれるかどうかじっと見ているのであり、日銀総裁人事を含め、硬直的すぎる対応に疑問を感じているはずである。政府の深追いはやめる必要がある。その代わり、びた一文変えない、2009年以降しか修正はしないという福田首相の先延ばしとしたしかとれない頑な態度は改めてもらわなければならない。

(納税者に配慮)
私はこの福田提案、それなりに評価するが、福田総理自信が述べているように、納税者の理解を得るには少々無理があるように思えてならない。石油ユーザーや自動車関係業界がいきなりの一般財源化には反発している。また、税の公平、中立、簡素という事からすると、圧倒的に収入が少ない地方の人たちが税金を払っており、それがいきなり一般財源化されるのには少々問題がある。もう少し考えると、減税・Bad課税の原則にのっとること、そして、貧しい地方の人が集めた税金は地方に戻すという事が必要ではないかと思われる。
非常に荒っぽい提案だが、政治が動いているプロセスの中の出来事であり。頭を柔軟にしていろいろな要求に応える案を考えていかなければいけないのではないか。

(1年間は暫定税率はなし)
自民党あるいは政府の立場だったら、一年間はこのままにしておいて、来年から改定するのが穏便である。しかし、今、参議院の民主党の勝利によって、参議院で政府案が通らず、暫定税率が撤廃され、ガソリンの価格が下がっている。これは6割以上の国民が支持している。地方は、食料費も上がり困っているのだ。政府与党もこの現実を厳しく受けとめる必要がある。福田総理は4月に暫定税率が廃止されたら大混乱に陥ると言われていたが、再可決でガソリンの価格を上げたらそれこそ混乱する。従って09年の税制改正までの一年間は、暫定税率は廃止しておき、その後の議論で復活を含め決めればよいのではないか。
自民党内にも一旦下げた揮発油税を再可決によって上げるのは、乱暴すぎるという声もあるし、とりあえず一年間は仕方ないということですます以外にないのではないか。そうすれば、60%が支持しているわけで、それを福田総理が追認することにより、国民の声にも応えることになる。

(環境税、地球温暖化防止税の導入議論を先取り)
ここで、民主党と自民党の両方の顔あるいは福田首相の顔を立てなければならない。その案として、私は、元の提案(道路特定財源を森林環境税に(篠原試案)08.2.27)に戻るが、将来的には全体でもいいが、少なくとも暫定税率分は森林環境税へのシフトがベストだと思われる。理由は上記の一般財源化の欠陥を補うからである。CO2を車が一杯出している。それを吸収しているのが森林だ。納税者も納得する理由が存在する。
洞爺湖施サミットがあり、環境税、地球温暖化税にことも考えるべきでという声もある。ただ、それが工場廃液の超過とか、騒音の防止とか、都市部の環境対策に使われたのでは地方は納得しない。地方に戻すべく、森林環境税というのは一番合点がいく。
森林は疲弊し金にならず。地方は困っている。320万haに及ぶ不在村地主の民有林もあり、荒れている。それをなんとかしなければならない。それには、この道路特定財源を使うのはちょうどいいのではないか、地方に多くある森林が活性化すれば、地方が活性化するということである。

(2.6兆円の穴埋めは埋蔵金で)
最後に、福田総理の問題視する2兆6千億の穴の開いた財源はどうするのかに応えなければならない。節約して捻出するというのでは国民も有識者も納得しない。これには埋蔵金を今年限りの緊急措置ということで使うしかないのではないか。財務省の財政融資資金特別会計は既に他用途に使われている。今まで国土交通省に握られていた道路特定財源が自らの手にくるのだから、そのぐらい出血しても罰は当たらない。

(ボールを政府自民党に投げ返す)
 政府自民党は、民主党が修正協議を拒んでいると嘘をついている。遅ればせながら協議をしようと正式に申し込んだが、遅すぎてあまり報道されなかった。民主党がきちんと対応していることを国民に向け明確に示すためにも、ボールを投げ返さなければならない。政府と自民党の間にはかなり溝があるはずだし、簡単にはまとまりそうにないが、民主党が小沢3原則だけで何ら具体的提案をしないのは許されない。政治を動かす為には、民主党が動かなければならない。

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