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2008年5月16日

国会回りの黄色い菜の花 ―写真― 08.05.16

 5月9日のブログ記事「頑張れ環境省―環境条項をありとあらゆる法律に書き込むー」の<国会回りの黄色い菜の花>をお読みいただいた読者のかたより、面白いとの評価のメールを送っていただき嬉しく思っています。
 もっと他の写真はないのかとのお問合せを頂きましたので、当日の環境委員会で委員の皆さんに配布した資料をアップします。
 普段はどす黒い国会が、黄色い美しい花で彩られる写真をご覧下さい。


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追加のお知らせ
 明日、明後日は第8回菜の花サミットが 信州大町にて行なわれます。
 ○日 時:5月17日(土)エコツアー・シンポジウム・リレートーク・交流会
       5月18日(日)分科会・まとめの全体会議
 ○開催地:アップロード(JR信濃大町駅すぐ)
 ○参会費:2000円(交流会・エコツアーは別途)

 私もどこかに参加したいとおもっています。

2008年5月15日

タバコ自動販売機 タスポ(TASPO)の愚行08.05.10

<自販機大国日本の恥>
 先週、地球温暖化対策推進法の審議で、私も質問しました。このときによく問題にされるのが自動販売機の問題です。約500万台あり、アメリカの約700万台に次ぐ、世界第二位。アメリカは人口が2倍、面積が23倍という事を考えれば、日本の自動販売機はいかに多いかわかります。外国人観光客は、日本の古い神社仏閣の参道にすら平気でドンと設置されている自動販売機に眉をひそめます。便利さの蔭で、景観をそこね、エネルギーの無駄となります。
その中でもタバコの自動販売機は、未成年の喫煙を野放しにするということで、国際的にも批判を受けてきました。そこで登場したのが、TASPO、20歳以上でタバコを吸う人用のカードです。
 我々は環境委員会でそもそも自動販売機が必要かということを議論をしているのです、20歳以上専用の喫煙者カードを登録するという愚行を賢明な日本国民は当然受け入れず、8%しか登録していないということです。これで諦めると思いきや自動車運転免許でも代替できるように変更せんとしているのです。

<花岡コラムに大賛成>
 この点について、産経新聞の花岡信昭さんが『「タスポ」に見るおぞましさ』というコラムを書いています。
 長野高校の先輩であり、一時は田中康夫元知事の対抗馬として選挙に出ようとした人です。私は、一度もきちんとお会いしたことはありませんが、なかなかの辛口のコメントは納得するものもあれば、いやぁちょっというのもたくさんある方で、いつも楽しみにコラムを読んでいます。今回のコラムは、全く同感のコラムでした。 いくらそんなことをしても、だれかのカードを借りて買う人がいる、何のためのものかという批判でした。

<環境のために自販機禁止、健康のため一本1,000円に>
 私はそもそも、タバコのようなものは対面販売が常識で、自動販売機で販売すること自体が問題だと思います。タバコの自動販売機からまず失くしていくことが先決ではないかと思います。
 タバコ業界は血迷っています。日本たばこ産業株式会社、中国ギョウザ事件でもJTフーズと名前を変えていますけれども、ミソをつけています。こんな儲けに走ることはやめてもらわなければなりません。これから企業は何にもまして環境に優しい活動を考えていかねばならず、そもそもタバコは人間の健康の害になるもの、そういったもので儲けるというのはよくないのではないかと思います。つまり、対面販売が第一で、次に、一本500円か1000円にしたほうがいいのかもしれません。TASPOなどという馬鹿なことを考え出すのはやめてほしい。この関係の事業費だけで1000億円だそうです。これで儲かるのはカード会社と自動販売機会社だけ、こんなことをしていては、日本の経済は一向によくならず、未成年喫煙も止まらないのではないかと心配になります。

<愚かな制度は早くやめるが勝ち>
 そして、このままいくと酒の自動販売機も同じようにカードとセットであちこちに置かれてしまうのではないかと心配です。全く時代の流れに逆行し、日本の環境を劣化させ、未成年の健康をむしばむことになります。制度は環境に優しいものにしないといけません。後期高齢者医療制度が問題になっていますが、それをはるかに上回るおかしな制度です。すぐ撤回すべきです。

善光寺の見事な発信―聖火リレーは長野県民・市民のオリンピック精神で盛り上げられたはず―(5月9日外務委員会質問をもとに修正加筆)08.05.15

2008.5.9記
胡錦濤主席が今、来日されています。それに関係して、長野市民、長野県民の気持ちを代弁して、聖火リレーの関係もありますので、訴えを聞いていただきたいと思います。
【長野県から一番多く行った満蒙開拓】
私は、この場でチベット問題等の質問に関係したところでちょっときついことを申し上げましたけれども、中国の人たちに非常に感謝しています。長野県と中国というのは関係が深いんです。私の親戚にもいるわけですけれども、長野県から満蒙開拓団というのがいっぱい行きました。満州は寒いところです。日本国政府もわかっていました。鹿児島の人を寒いところにやったってやっていけませんから、長野県が一番多く満州の北の方に行ったんです。そして、国策に対して非常に素直に従っていて、長野県の大日向村というのは、外務大臣のお友達にもそういう名前の方がおられるようですけれども、村じゅうの半分が満州に行きました。

【悲惨な集団自決】
一番北に行かされた結果、ソ連軍の突然の侵攻により一番ひどい目に遭うんです、私の地元から行ったのは高社郷で、ピストルで集団自決の途を選びました。一人、木島平村の高山さんという女性が生き残るわけですけれども、「ののさん(仏さん)になるんだよ」と言って二人の子供をピストルで泣く泣くあの世に送って、自分も自決しようとしたけれども急所がはずれ、中国人に助けられて、帰ってきて手記を本にしています。残留孤児もそうですが、みんな中国人が助けてくれたのです。
【満蒙開拓団農地を奪った侵略】
私の親戚も満蒙開拓団長で行きました。列車に乗って開拓地に近づいてきたら、「ほろをおろして、外を見てはいけない」という指令があったそうです。みんなに見てはいけないと命令しました。本人は、なかなか立派な人なので、そうは言いつつ一人だけこっそり外を見たら、北へ北へ行く列車のわきで、中国人が裸足で逆の方向に歩かされている姿を見たそうです。そして着いたら、全く新天地で開拓するという話だったのに耕した跡があるのです。これは違うじゃないかといって上層部に食ってかかったそうです。そうしたら、いやいや、中国人は、やったけれどもだめだからほったらかしにして逃げ帰ったんだと言い訳しました。そこで彼は嘘を悟るわけです。中国人を追い払ってそこに日本人を入植させたわけです。私はこれは侵略だと思います。
【長野県民の中国人への大恩と親愛感情】
優しい中国人は自分たちの農地を奪われたにもかかわらず、その生き残りの女性を介抱し、子供たちをちゃんと育ててくれた。ですから、私たち長野県民は、中国に対しては大恩があり、そうした関係で、長野県と河北省は姉妹県省で、県内自治体と中国との姉妹都市はかっての入植地を中心に10組もあります。
また、長野県日中友好協会というのがあります。私の尊敬する井出正一さんがずっとその会長を務めておられる、私は大体正月なりにその会合に行っています。大恩ある中国に対して敬意を払わなければいけないと常に感じています。
【聖火リレーの歓迎体制を整えていた長野市民】
そういう気持ちがありますから、北京オリンピック聖火リレーには、八百人を超えるボランティアの登録がありました。日の丸と五星紅旗の小旗を四百枚ずつ用意して準備をしていました。それから日本人独特の、中国の国旗の赤と日本の国旗の白をもじった、紅白まんじゅうを千個用意していました、おめでたい催しだからです。
北京五輪を心から喜び、最大限の歓迎をしようと心待ちにしていたのです。その点、他の国の聖火リレーと趣を異にしていたのです。しかし、中国人留学生が全国各地から多数集まり、長野市街地は大きなサイズの中国国旗で埋め尽くされてしまいました。長野市民やボランティアの人たちが日中相携えてお祝いしようとしてもできない状況になってしまいました。五輪精神を中国に伝えようとした長野市民には気の毒でした。
【ボランティア精神溢れる長野市民】
手前みそになりますけれども、ボランティア活動をオリンピック中にやってなれたせいか、日本陸連の方の話ですけれども、全国でマラソン大会がいっぱいあるそうですが、このマラソン大会のボランティア活動を最もきちんとやり、進んでやってくれるのが長野県の人だそうです。ですから中国人留学生が押し寄せなくとも、温かい長野県民・長野市民が聖火リレーを守ったのです。そして日中友好の印として両国の小旗を振って声援を送ったのです。
【中国人留学生はせめて日中両国旗をかざすべき】
せっかく長野に集まっていただいた中国人留学生は振るとしたら、日中両国の国旗、そして五輪旗を振ってしかるべきなのです。チベット支持者も多く長野に集まり、小競り合いが起きてしまいました。多勢に無勢、チベット支持者は追いやられ、罵声を浴びせられている光景を目にしました。五輪開催国とは自国の旗を振るより、遠来の各国の旗を振って歓迎できる国でなければなりません。長野県民・市民はそれを十分心得ていたのですが、勝手な中国人留学生は、そうした長野県民・市民の健気な気持ちを完全に踏みにじったのです。
【客観的報道に努めて欲しい】
TVで中国人コメンテーターは、日の丸もあったが、TVが中国国旗しか映していないと日本の報道を問題にしていました。現場にいた私には日本国旗など見えませんでした。毒ギョーザ事件でも、天津食品工場が詫びもせずに、自分たちこそ被害者だと開き直るのと同じ構図がみえてきます。平和裡に進むはずだった聖火リレーを変な対立の場にした中国人留学生には反省してもらわねばなりません。日本は諸外国と違うのです。特に、中国にすまない気持ちと親近感の両方を持つ長野県民・市民は心から聖火リレーを歓迎せんとしていたのです。
【善光寺の慈悲深い英断】
4月18日に、同じ仏教徒のチベットのことを考えて、善光寺がリレーの出発地点を返上しました。私は、外務大臣や総理大臣は立場立場がありますからきついことは言わず、中国と友好関係を保たざるをえないと思います。そうした中で、善光寺は世界に向けて、日本にもチベットの人権問題に思いをはせている人たちもいるということを発信しました。これはインターネットで世界じゅうに広まっています。私は外務委員会で指摘しましたが、日本にもいろいろな意見があることを世界に発信しなければなりませんが、それを政府首脳になりかわり善光寺がしてくれたのです。さすが我が長野県の善光寺だと誇りに思います。
【善光寺さんが穢されたショック】
もう一つ、最も長野県民が残念に思っているのは別にあります。許しがたいことに、善光寺の英断2日後に善光寺に白のスプレーで落書きされていることが発覚しました。長野にもいたずら小僧はいっぱいいますし、落書きするのもいます、しかし、長野市民はそんな罰当たりなことはできません。我々は善光寺と呼ばず、善光寺さんと呼びます。京都や奈良のお寺と違って拝観料もとりません。夜中でも誰でも自由に近づけます。私たち長野県民・市民の宝なのです。1400年の歴史とか国宝だからというのではありません。我が長野県民の敬愛する善光寺さんだからです。
こういうことは何かの場所で中国側にぜひ伝えなければならないことです。長野県民・市民の、中国初のオリンピックを成功させたいという素直な気持ちを今回の聖火リレーで相当踏みにじられたことは紛れもない事実です。何よりも他ならぬ善光寺さんを穢されました。
中国が一日も早く国際社会に広く受け入れられる国になるには、外国で五星国旗を振りまわし、大国意識をかざすのは自制していく必要があります。
中国側から善光寺なり長野市に一言あってしかるべきと思うのは私だけではないはずです。

2008年5月 9日

頑張れ環境省―環境条項をありとあらゆる法律に書き込むー08.05.09

 しばらくぶりに環境委員会で、地球温暖化対策防止法の改正について質疑に立ちました。環境は、私のライフワークの一つでもあり、地産地消・旬産旬消や森林環境税の導入などを提唱するとともに、環境行政をもっと積極的に推進するよう環境省を激励しました。

<電気に片寄った世論調査>
 内閣府が地球温暖化対策について世論調査が行い、環境税の導入に対し42%が賛成、37%が反対と初めてその賛否が逆転しました。環境に対する近年の国民全体の意識の向上は目覚しいものがあります。
 平成9年の生活の中での環境に配慮している点についての設問で、選択項目は、資源2、電気3、生活4、食品1、自動車1と実に様々な方面の環境に優しい行動が項目として提案されていました。しかし、同じ設問の平成17・19年の調査を見ると、選択肢10項目のうち、資源1、水2、自動車1で、電気が6項目と妙に電気の節約関連に片寄った選択肢ばかり連なっています。

<環境に優しい>生き方を誘導>
 私は、環境に優しい商品を選択するように心がけることや、地元材を利用し家を建てるなどの選択があってもよいのでは提案しました。先日、中国毒ギョーザ事件がありましたが、あれは中国で冷凍し、日本へ輸送され、冷凍されたまま売られ、食卓で解凍されてやっと食べることができる、いわばエネルギーの塊です。毒物の混入がなくても、地球環境保全の面からそもそも素性悪な食べ物です。また、利用されることなく放置されている、地元の木材を無視して、わざわざカナダ産の安い材木を利用し家を建てるのも同罪ではないかと思います。次回には、是非、地産地消、旬産旬消、ウッドマイレージを啓蒙する選択肢を盛り込むべきだと注文をつけました。

<世論を味方に環境政策を推進>
 また、環境省はこのような世論調査を行ないっぱなしではなく、その結果により政策変更して行かなければなりません。例えば、24時間店舗、73.5%の人が深夜にほとんど利用していないという結果が出ています。この結果を踏まえ、例えばセブンイレブンは名の通り、7時から11時に戻すなどの環境省主体の行政指導があってもいいと思います。
 地球温暖化防止はもはや国是であり、地球全体の地球是です。環境省は、独自に法律を作っているだけではなく、他の省庁の法律に対しても、常に、環境条項を入れるように働きかけるべきです。環境省は若手だけではなく、局長、それで駄目なら大臣まで一丸となって各省に、働きかけるべきなのです。

<環境問題に取り組む業界と自主規制>
 2年前の環境委員会の質問でパチンコ業界を皮切りにいろいろな業界に働きかけていけばいいのだと指摘しました。ちょっと失言があり、業界の方から叱られました。
パチンコ業界も環境に優しい業界に脱皮しようとしています。埼玉県と栃木県の県境に廃棄されたパチンコ台、私の質問の直前に、日本遊技関連事業協会が自主的に自分たちの資金で回収されていました。廃棄物業者がいい加減な処理をしていたのですが、もとをつくったのは自分たちだと回収に乗り出したのです。また、昨年には環境自主行動計画を策定し、地球温暖化防止対策に業界で取り組んでいると聞きます。
 このような自主行動計画は、各業界に広がりつつあるところですが、環境問題というのは強制していかなければならず、主管の環境省はもう一歩踏み込んで、業界ごとに法律を作るべきではないかと提案しました。しかし、鴨下大臣からは、財界に気遣ってか、なかなか前向きな発言は聞くことが出来ませんでした。

<環境問題も焦点になる民主党アメリカ大統領選予備選挙とデタラメなブッシュ政権>
 さて、目を海外に転じてみますと、民主党のクリントン、オバマ両候補とも、地球温暖化防止に対してきちんとした態度を取っています。環境条項を入れて直さなければ、NAFTA(北米自由貿易協定)から脱退すべきだと発言しています。何でも食いつく日本のEPAやFTAとは大違いです。
一方、共和党のブッシュはデタラメで、京都議定書から脱退してろくなことをしていない上に、2025年までにCO2排出量の伸びを止める、つまり、17年間は排出量の増加も仕方ないなどとの発言をしています。日本は一生懸命排出量を減らそうと努力している時に、こんな国には制裁も視野に入れて対応すべきだと思います。例えば、アメリカの製品は環境のルールを守らないで造られているのだから関税をかけるなど考慮してもいいのではないかと思います。

<環境税の導入、森林環境税(篠原私案)披露>
 先ほどの、世論調査の結果でも示されたように、国民ひとりひとりの環境に対する意識は高まっています。私は、こういったときにこそ、政府が一気呵成に環境税を導入していっていいのではないかと、鴨下大臣に質しました。大臣もいままでなかなかかなうことのなかった環境税の導入、今回は税制改正で旗を降ろさぬよう頑張るとの答弁でした。絶好の機会であり、是非がんばってもらいたいと思います。

<国会回りの黄色い菜の花>
 私のブログでご紹介したり、新聞等でも報じられましたが、私は菜種の栽培を推進しており、その一環として国会の衆議院第一議員会館の土手に菜種を蒔き、ここ2年春になるとまっ黄色な花で土手が彩られていました。ところが、議員会館の立替工事で、その土手が根こそぎ削り取られ、菜の花も土手とともになくなってしまったのです。さすがにいたしかたなしと思っていたところ、菜の花のファンの田中真紀子さんや他の同僚議員に「篠原さんの愛する菜の花はどうするの」とか言われました。ここは引き下がるわけにはいかないなと思った私は、去年11月のある日の夜中、秘書と2人で国会と議員会館の間の道路脇の生け垣と中央分離帯に、千曲川べりで3ヶ月かけて集めてきた菜種を蒔きました。途中、夜中に怪しい黒い粒粒を国会の回りに蒔いているのを発見した警察が駆けつけてくるなどのアクシデントもありましたが、無事蒔き終わり、この春、国会の道路は見事に黄色い菜種の花で彩られました。
 環境委員会では、このエピソードを紹介し、菜種こそ循環社会の代表です、お忙しい合間にでも、是非、国会に咲いた黄色い花々をご覧いただき、循環社会への思いを育てていただきたいと質問を締めくくりました。


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ヒラリー・クリントン候補への親近感08.05.09

<虫の好かない2人の候補>
だれでも人の好き嫌いがあります。私は誰とでも付き合うタイプですがやはり趣味があります。アメリカの大統領選挙で言うと、オバマ候補も、ヒラリー・クリントン候補もどちらも趣味ではありません。あまりにも自信に満ち溢れた言動、態度、謙虚さに欠ける、私はこういう人はもっとも嫌いなタイプです。特にオバマ氏がポケットに手を突っ込んで話したり、したり顔で指を差してわめく姿は全くいただけません。そういわれると今の民主党の党首や同僚議員はどうかなどと言われるので困りますが、昔から、見向きもしないといったことはなく、ほかのいい面を評価し付き合ってきました。

<学生時代の意外なアルバイト>
しかし、全く無縁のアメリカ大統領選には趣味を出してみてきました。そして、テレビ画面から流れてくる雰囲気、主張はどうも相いれませんが、共和党のマケイン候補のほうに親近感を持ってきました。

そうした中、3月10日の読売新聞の小さな記事にふと目が行きました。「鮭のわたとりで政治家修業 ヒラリーを追う」という記事です。その中で、ヒラリーさんは1969年夏、大学卒業の直後に、アラスカのアルバイトで、鮭のわたとりをしたということが報じられています。日本人の職人が鮭の腹を割いてイクラを取り出す。ヒラリーさんは膝まである長靴を履いて、残ったはらわたをスプーンで掻きだすというアルバイトだそうです。

<普通の学生だった証拠>
私は1976年から8年にワシントン州のシアトルで過ごしました。ワシントン大学の学生のその当時の夏のアルバイト先として一番割がよいとされていたのはアラスカの漁業でした。時代は数年ずれていますけれども、同じだったのです。ひと夏必死で稼いで戻ってきて、また、ワシントン大学で勉強するという学生がまわりにもいました。ヒラリーさんもそうした学生の一人だったということが分かり、急に親近感を覚えました。どこにもいる学生の一人だったのです。

日本へイクラを輸出するための作業をヒラリーさんがひと夏やったということ、私はこの一事で以って、今までの生意気な女性というイメージを多少は払拭出来そうな気がします。

<庶民派ヒラリー.エリートオバマ>
最近ヒラリーさんはアメリカ国民に向かっても、人情味のある政治家だということを盛んにPRしていると聞きますけれども、アメリカ人も私と同じような感情を抱くのではないかと思います。
そうした折、オバマ氏が、「田舎町の白人労働者が生活苦から銃や宗教にすがっている」と発言し、ヒラリー陣営からエリート主義者と非難され出しました。アメリカメディアはオバマ氏を高級志向のワイン派、ヒラリーさんを大衆的なビール派と評しています。日本ではあまり知られていませんが、学歴や収入が高い人がオバマ氏を、低い人がクリントン氏を支持する傾向が出ています。
"We can change"と対照的演説を続ける若き指導者オバマ氏には意外な落とし穴かもしれません。

<アメリカにも国民皆保険を>
私は、水産加工のアルバイトの他に政策でヒラリーさんを支持する理由があります。マイケル・ムーア監督の「シッコ」ではないですが、アメリカの医療制度は問題で、4500万人もの無保険者がいます。あれこれいわれていますが、実は日本の医療制度はそれなりに優れており、皆安心して医療にかかれる幸せな国なのです。そしてそのもととして国民皆保険があります。ヒラリーさんは皆保険の推進論者で、大統領になるとアメリカの貧しい人々がやっと医療を受けられる可能性があるのです。
崖っぷちのヒラリーさんですが健闘を祈るばかりです。

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