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サマ―タイム導入法案の顛末      08.6.15

<全議員根回しの理由>
 前号で報告しましたとおり、6ページのペーパーを作り、参議院の議員会館を手始めに、ほぼ全議員を、私自身が2人のインターンを連れて回りました。なぜかというと、サマータイム法案は、臓器移植法案と並んで「党議拘束」がなく、個々の価値観、識見で採決する典型的な事例とされていたからです。普通は、各党で議論をして、各党で可否を決めるのですが、例外となる代物なのです。一人一人に訴える以外に国民に不便を強要する法案を阻止する方法が残されておらず、時間がありませんでした。
 中には私が説明すると、「何だ、時計を変えるなんて知らなかった、ただ1時間始まる時間を早くするだけかと思っていた」というような方もいましたし、問題は提起できました。

<反対しにくい超党派議員立法>
 超党派議員連盟というのは、何か、清く正しく美しいことをしているというイメージがあり、超党派議員連盟で立法したものについては反対しにくいとも言われているようようです。その点については、さすが二階俊博総務会長は「超党派の議員立法が多すぎて内容もわからず総務会で簡単に了承されるのは問題だ」と指摘されました。私も全く同感です。さすがです。
 平成16年の社会経済生産性本部による議員アンケート調査では、ほとんどの人が賛成でした。明白に反対している人は10人弱、どちらかというと反対という人は10数人、その2番目のグループに私も入っています。

<福田ビジョンとの連動>
 今回、急に騒ぎ始めたのはおかしいなと思っていましたら、原因は後からわかってきました。洞爺湖サミットを控えて発表された「福田ビジョン」の中に「2010年度からサマータイムを導入する」という1項目が入っていたのです。これがために5月29日から急に一挙に走り出したようです。
 やはり、政権与党・自民党は大したものです。民主党はネクストキャビネットに法案登録しただけで党内では何も議論していませんが、自民党では、環境部会、総務会等で議論されたようです。私のペーパーに沿っていろいろな会合で発言していただいた方がたくさんおられ、時期尚早ということで今国会には提出されなくなりました。徒手空拳の動きでしたが、目的は達成されました。

<然るべき援軍>
 援軍もあちこちからまいりました。一つは、睡眠学会がさっそく睡眠障害がおこるという文書を全議員に送りつけてきました。もう一つは、毎日新聞に坂村健東京大学教授がコンピュータの観点からサマータイムは好ましくなく、世界に向けてサマータイムの廃止を提案していくべきだと主張されました。これは、私が日本型のサマータイム(時計を変えずに始まる時間を早める)がうまくいけば、世界中が日本のやり方に倣ってくるということと同じ主張です。

<久し振りの小泉元首相登場>
 そうした中で、もう一つユニークだったのは、小泉元総理で、私に直接電話で「賛成だ。自分も1年前から全くそう思っている。がんばれ」と言って激励してきました。その後、横浜市内の講演では「サマータイム法案について反対だ。サマータイムを導入したい企業や役所は勝手にやったらいい。法律で縛る必要はない」という発言をされています。

<時計をいじることこそ国家の介入>
 少々カチンときたのは、3年前、食育基本法が国家の食生活に対する介入だとして、民主党が愚かにも反対しました。私は地産地消、旬産旬消を唱導してきた手前、立つ瀬がありませんでした。それを今回、そう主張した同僚議員がこのサマータイム導入法案に賛成していることです。矛盾は明らかです。食育基本法で計画を作っても強制力もなく、食生活の介入などにはならないと思います。それに対して、このサマータイム法案は時計をいじるわけですから、強烈な国家の介入です。これこそ許せないわけですが、環境にやさしいということだけで賛成してしまっています。論理的な思考ができないのでしょう。

<おせっかい政治は慎むべき>
 サマータイム法案、今国会では諦められたようですが、また出てくるかわかりません。私はひょっとすると国会議員になって一番大きな仕事をしたかもしれません。なにしろ、ほぼ9割の議員の部屋を回ってサマータイム法案の断念に貢献したのですから。
 私が議員に届けたビラのほうにも書きましたが、最近の政治は「おせっかい」が過ぎます。教育基本法、憲法改正、裁判員制度の導入、みな同じです。
我々政治家は余計な出過ぎは慎み、本当に必要なところに力を注がなければなりません。