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漁業燃油対策にみる福田政権の変身 08.08.14

 <漁業ストの絶大な効果>
 政府与党は漁業関係者の一斉ストライキの後、785億円の支援を決定しました。石油の価格が上がり、資材価格が上がり、漁に出ても赤字が続く状態ではやっていけないという窮状を訴えた漁民が思いがけない予算がついたと喜んでいます。私は農林水産省30年の役人生活のうち、10年、3分の1も水産行政に携わりましたが、どれだけ漁業界に貢献できたかといつも引け目を感じています。その意味ではよかったとほっとしています。
農林漁業みな困っています。1次産業に対する本格的な対策を日本はずっと講じてこなかったためです。先進国の中でこれだけ1次産業が疲弊している国は多分ないだろうと思います。みな大変ですが、今の状況を考えると、漁業者が一番困っていることは明らかです。同じ重油を使うにしても、温室栽培はそれをやめ、路地で栽培できます。しかし、重油なしに漁にでることはできません。ですから影響はずっとずっと大きいわけです。

<自民党が漁民票の確保に走る>
 政府与党はこの次の衆議院選挙を考えてか、素早い対応をしました。その根底にあるのは、昨年の参議院選挙、農業者戸別所得補償が農民の支持を受け、今まで自民の候補者の名前しか書いたことのなく、比例区でも自民党としか書いたことしかない人たちが、民主党にやらせてみるか、ということで民主党に投票したのです。その結果、今まで自民党ばかりがずっと議席を確保してきた農村県の一人区で23勝6敗という結果になったことを自民党は深く反省しているからです。

<敗戦を反省する自民党、勝利の要因がわからない民主党>
 漁業者の数は農業者の10分の1にも満ちませんけれども、参院自民の青木幹雄さんは典型的な水産議員です。こうした自民党の有力者の声に応えざるをえなかったのが実情だと思います。この農業者戸別所得補償‐漁業燃油対策という関係を理解しているのは民主党よりも自民党の地方を選挙区とする議員たちです。
これも国民には知られていませんが、昨年末、自民党が民主党の農業政策の大半を言ってみれば採用して、悪く言えば横取りする形で農業予算が組まれました。農民にアピールするために分かりやすいように1111億円を増額したという徹底ぶりです。月刊自由民主に一生懸命宣伝し、農民票の取り戻しに躍起です。それに対し、我が民主党は参院選勝利を年金のせいと信じ込んでいる人たちが多いのが気掛かりです。

<よくないバラマキ発言>
 気になるのはこういった大盤振る舞いの予算をつけた自民党・公明党自身がバラマキと称していることです。予算をドンとつけてバックアップするのをバラマキというのは非常によくないことだと思います。
率直すぎて失言が多い麻生幹事長もバラマキの財政出動により、証券税制や住宅税制で景気回復などと言い出してしまいます。予算をつけることをバラマキという財務省主計局の思うつぼにはまることなのです。

<福田政権の変身>
 生活第一と民主党は掲げていますが、先の内閣改造で福田内閣もそちらの方に舵を取り直したような気がします。したがって自民党と民主党の差が分からなくなりつつあり、他の分野も含め、与党にいいとこ取りされては民主党の存在感が薄れていきます。そうした中、暫定税率の廃止により、1ヶ月だけガソリン価格が下がったことだけは皆さんが記憶していてくれるのではないかと思います。つまり民主党が政権を取れば、制度や仕組みを変えて、世の中を変えていけるということを実感してもらえたはずです。後期高齢者医療制度、年金制度等についても民主党にやらせてみようと期待をかけて民主党を選んでいただきたいというのが今の心境です。
 私の参院選以来使っている言葉でスローガンは「一度はやらせてみよう民主党。小沢一郎、一度はやらせてみよう総理大臣」です。
 今日(8月14日)の新聞に、政府・与党が秋の臨時国会に大型補正予算を提出する報道が流れました。いよいよ本格的に動き始めたようです。我が民主党も一層気を引き締めていかなければなりません。