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急展開の中国ギョーザ事件 08.08.18

<勃興期の中国、衰退期の日本>
 私は、食べ物の安全性問題をかなり前からずっと追ってきました。それからもうひとつ、農産物貿易問題というのも私のライフワークの一つです。両方にからみ、かついろんな示唆を与えてくれているのが中国毒ギョーザ問題です。
 北京五輪が開催され、4時間に及ぶ大開会式は中国の国威発揚に大きく貢献していると思います。1964年、今から44年前の東京五輪もまさにそうだったのではないかと思います。勃興期にあった日本、そして中国、今日本はどう考えても衰退期に入っているのではないかと思います。こうした衰退期に入った国がどうやって生き長らえていくかというのが問題で、恩師、高坂 正尭教授の名著『文明の衰退するとき』(新潮社)にあるベニスのように、500年間反映を続けるというのは、巧みな外交、そして政治以外にはないのではないかと思います。そういう点では今の日本の政治状況には暗澹たるものがあります。

<立派な日本の警察庁>
 それはさておき、中国の毒ギョーザ問題で6月下旬にすでに回収されたはずの天洋食品の餃子が、多分間違ったのだろうと思いますが、再び出回り、日本と同じように塗炭の苦しみを味わった中国人がいたという報告が日本政府にもたらされました。中国が日本でメタミドホスが混入したという主張が覆されたのです。
 中国の主張というのは牽強付会も甚だしいものでした。日本の警察はメタミドホスが日本の純粋なメタミドホスと違い、中国の不純物がいっぱい入ったメタミドホスであることを指摘しました。それから袋の外からメタミドホスが餃子に浸透してしみつくことはないという実験結果も明らかにしました。

<中国の正直な情報提供>
 それに対して中国が言ったことはビックリ仰天です。日本の不良分子が中国のメタミドホスを密輸し日中関係を悪化させるために袋の外からメタミドホスをかけた。中国側の実験によると色々な条件で80%近くが浸透して餃子が汚染した。
 しかし、私は中国政府を評価したいと思います。そこまで強弁を使っていた中国政府が、五輪の前、サミットの前に正直に自分の国の不始末を通告してきたことです。成熟してきた証拠です。10年前だったらしらばくれていたと思います。それともう一つ、何かと気をつかってくれる日本に対する配慮があったのかとも思います。

<不届き千万な秘密主義の外務省と政府>
 ところが日本国政府が中国から止めてくれと言われたからといって、それを日本国民に対して公表しなかったのです。高村外務大臣が「しゃべったら情報が来なくなる」と、何か刑事と情報提供者と同じような関係のことを言っていました。
 日本国民に「中国毒ギョーザは、中国で汚染されていたと判明、現在調査中」と公表することがなぜ中国の捜査の進展を妨げるのか。少しでも早く情報を伝えることが国の義務です。それを隠蔽し続けるのは理解できません。
 そして、国対国の問題で、国家に任せられるべき問題、例えは安全保障上超機密事項ということだったらそうしたことも許されますけれども、国民生活に直結する食べ物の安全性の問題です。それをほったらかしておいて、そしてまたなぜか、北京五輪の直前に公表するという不思議さ、これはやはりおかしなことではないかと思います。
 私は、この一事をもってしても消費者庁の創設は見送るべきだと思います。私が消費者庁担当大臣なら烈火の如く怒ります。野田聖子新大臣はどうされるのかは知りませんけれども、私なら許しません。
同じ政府の中でも全く伝わってなかったというのは許しがたいことです。日本の外務省は何かというと機密を盾にして、国民に知らせない、各省に知らせないというケチな態度がまま見られます。これを直すためにも、今回のこの公表の遅れというのは徹底的に糾弾しなければなりません。

<日本で出来た旬のものを食べる>
 しかし、前にも書きましたが、中国毒ギョーザ問題は原点に戻ればいいのです。食べ物と言うのは2つの大原則。地産地消、旬産旬消、つまりその時できたものをその時食べる、それに尽きるのではいかと思います。安いからといって外国から輸入し、あるいは労賃が安いからといって外国で加工させ冷凍して運んで解凍するというこの膨大なエネルギーの無駄、これはひとえに中国の低賃金を悪用しているにすぎないのだと思います。もし、中国と日本が同じ国なら、わざわざ中国で作った餃子を輸送コストをかけて運んで日本で食べるということはしないはずです。このような愚かな食べ方自体を改めていくことが日本や日本人に問われているのではないかと思います。
 食糧価格が高騰し、世界中が食料・農業問題を見直そうとしています。それぞれの国が食べ物は違うんだということを認識し、なるべく近くで採れたものを、その時取れたものを食べるということをしていくことが、人間の健康にも、環境に負担をかけないという点でも合理的な生き方ではないかと思います。その点で最も自然な食生活とかけ離れた食事をしているのが日本であり、それを今回の中国毒ギョーザ事件を契機として改めるべきではないかと思います。
 中国毒ギョーザ事件の捜査の行方というのも大切ですが、これを教訓として日本国民なり、日本政府の振る舞いを直していくことが先決ではないかと思います。