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劇場型選挙の悪夢再び -3匹目のどじょうを狙う自民党-08.09.17

私は、このブログや取材の中でも、「小沢代表で当然行くべきである。ただし、選挙をやらないのはよくない。第一の理由としてサポーターに代表を選ぶ権利があるといいつつ、さっぱりその権利を行使してもらっていない。二番目に、党首選はマニフェストあるいは公約を知ってもらう大きな機会で、党首選をやればマスメディアが当然報道せざるを得ない。ただで宣伝してもらえる機会を失ってはならない。3つ目には、自民党は相当激しく総裁選をやるであろうから比べられると困る。」と述べてきました。(週刊ダイヤモンド9月6日記事)

<辞任予知能力?>
 一方もう一つの不安として、福田総理が自分で解散総選挙をする気はないだろうなぁというのは大体分かりました。多分総理はいつやめるかという辞め時をうかがっているということも分かりました。何故かといいますと、私は鈴木善幸内閣の時に内閣の総合安全保障関係閣僚会議担当室に出向を命じられ、鈴木善幸さんが突然の辞任表明するまで、2年間きっちり仕えました。その時、鈴木総理の記者会見を見たり聞いたりしておりまして、いち早く心境の変化を捉え、「総理が早々お辞めになるのではないか」と同僚や上司に言い、皆から何を言ってるんだと馬鹿にされました。しかし、私の予言どおり、言い出してから1週間か2週間ぐらいで突然辞任表明をされました。同じ状況で古い話ですが、ヤイター農務長官の辞任も予測しました。

<トップが辞め時を探るのは必然>
以前のブログで、「T次官の帝王学」私に対して、「組織のトップは、トップに就いたときからどのように辞めるかという事を常に考えておくものだ。」と言われ、ウルグアイラウンドを理由にほかの省庁の次官が留任する中、一番関係の深い農林水産省のT次官が鮮やかに辞めていかれたことを書きました。(篠原ブログ07.12.03)

<無責任な突然の辞任>
ですから、福田さんも同じだろうと分かっていました。しかし、内閣改造を終わり、臨時国会の日程を9月12日召集と決め、これから政策を断行しようという時に突然辞めるというのは予想外でした。非常にふざけた話であり、自分の美学のほうを、国民の生活、日本の建て直しよりも優先した不届きな行為だと私は思います。この点については、もう報道されている通りです。

<選挙の顔で選ばれる自民党総裁>
賑々しく総裁選をし、そのまま解散総選挙に流れ込もうという自民党の意地汚い政権維持のための戦略です。これは当然予想されました。2001年参議院選挙では自民党がぼろ負けするとの予想でした。しかしその前に行なわれた総裁選で、党首の選挙用の顔、いわば党首力が問題となり、選挙に勝つためにということもあり、あまり総理総裁にふさわしくないと思われていた、小泉純一郎さんが総裁になりました。その勢いを駆って、参議院では圧勝しました。よく私が例に出す一人区は、非自民は2、自民25の圧勝でした。
2回目の劇場型選挙は、小泉郵政選挙です。女刺客、分かっていたにも係わらず、毎日日替わりで公表し、無党派層の興味を引き付け、そのまま圧倒的な勝利となりました。両方とも、選挙前の世論調査等では野党が有利という事でしたが、直前のマスメディアの言ってみれば操作により状況を覆しました。その2匹目のドジョウならぬ、3匹目のドジョウを狙っていると思われます。これに対して選挙民はまたやっているという冷ややかな目もありますが、今後の成り行きでは前2回と同じようについつい報道に引きずられ、自民党の擬似政権交代、偽の政権交代であるにも拘らず、新しい総理への期待感が高まり、そのまま自民党の勝利ということになりかねません。

<小沢代表へのつら当て辞任> 
 私は、あからさまには言いませんでしたが、この事を当然憂いていました。福田総理の辞任の記者会見でも、民主党、特に小沢代表に対する恨みつらみが出てきました。大連立がうまくいかなかった事で頭にきているのではないかとはいえ、見苦しい記者会見でした。福田総理はその中でも、総裁選をきちんと賑やかにやってほしいと明言していました。福田総理は漏れ聞く所によりますと小沢代表の無投票当選に対し、一泡吹かせたとほくそ笑んでいるそうです。非常に次元の低い話ですが、我々民主党はこれを当然予想しなければなりませんでした。そういう点では、政局オンチの民主党の大きな作戦ミスです。

<いつも出たがる哀れな隣人、河村たかし>
私は、国会の事務所が隣のよしみもあり、かつ選挙はやったほうがいいということから、河村たかしさんの永年推薦人です。今回もいつものとおりほとんど推薦人が集まりませんでした。議員の悪口を言って人気を博している面もあり、とても代表にはできないという一般的な気持ちは分かりますが、河村さんなら毒にも薬にもならず波風も立ちません。悪知恵の働く自民党ならば、推薦人が集まらない河村さんに手を貸してでも推薦人を集め、わざと代表選に選出するといったことをしたはずです。我が党は、そうした手当を講ずることなく、無投票で代表が決まりました。
9月8日に無投票で小沢代表が決まったという記事も一面には小さく書いてありましたが、トップは大相撲協会の不祥事でした。そして、テレビのワイドショーやニュースは依然として与党自民党の総裁選挙なりを大々的に報道しています。これが一ヶ月続くとどうなるでしょうか。都市部の無党派層、無関心層はそういうものにほだされて、また自民党に投票してしまうのではないか心配です。多分、私のかつての同僚議員、途中で苦杯をなめた議員は戦々恐々としている頃ではないかと思います。
悔やまれるのは、一つ、代表選をやっておくべきであった。これに尽きます。

<無駄なTVコマーシャルと行政の無駄>
政治資金報告書で民主党がTVコマーシャルに55億も使ったのを知り愕然としました。代表選が報じられることが、TVコマーシャル代としてどれだけかかるか計算してみれば分かることです。民主党は無駄な行政を削って財源に充てると言っていますが、自らの無駄のカットもできずに行政の無駄を削ることが出来るのか疑問に思います。

<最悪のシナリオ>
 世上、麻生総裁確定といわれています。これなら戦えるかもしれません。しかし、女性初の総裁となると有権者は再び騙される懸念があります。もっと恐ろしいのは、麻生総裁でも支持率が上がらないとみるや、わざと党を分裂させ、内輪もめ選挙を演出することです。つまり、「上げ潮派」と「財政再建派」なり、小泉路線の継続か否かで新党を造り、それぞれ新しい候補を立て民主党を埋没させることも視野のうちに入っているはずです。自民党政権維持の為には何でもござれなのです。そして、民主党を蹴落としておいて、選挙後元自民党が大連立して、再び政権を維持するのです。
こんな悪だくみはもうこりごりです。