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林業関連育成による100万人雇用創出-究極の雇用創出は農山漁村で(その2)-09.01.08

<東国原知事のひやかし>
 2007年5月、私は菅直人代表代行と、山田正彦さんと三人でドイツのシュワルツバルトに行った。当時、検討を重ねてきた林業再生プランの追い込み時期に来ており、林業先進国のドイツの現状を見て歩くためであった。その成果が「森と里の再生プラン」であり、そこに100万人雇用創出という項目が書かれている。ちらっと見たテレビ番組で、東国原知事が民主党の参議院選挙のマニフェストの中で一番気がひけるのは林業による100万人の雇用創出だと言っていたことを覚えている。宮崎県は紛れも無い林業県だからである。東国原知事のいい振りはとてもできないけど、それが本当に実現出来るならといった、やや冷やかし半分の発言であったと記憶している。

<山村に戻ろう>
 しかし、そのプランを創りあげた私はそんな軽い気持ちで100万人雇用を打ち上げたのではない。数字を考えればすぐ分かることであるが、日本には30年前40年前に1500万人ぐらいが農林漁業に従事していた。各地の過疎山村にも今の二倍~三倍の人達が住んでいたのである。かつて住めて今は住めないということはない。前回のメルマガでも書いたが、見ず知らずなところに出ていったり、戦地に出ていくより、生まれ故郷に戻るのはずっと簡単なことなのだ。

<人工林放置は罰が当たる>
 今、都市部で人が溢れ仕事がなくなりつつある。だからといって輸出依存型の第二次産業でこれ以上雇用を拡大することは無理である。この人たちの働き場所として農産漁村しか無いことは前回のブログで述べたとおりである。この雇用を吸収する地域として一番可能性があるのは山村である。我々の祖父母の時代から戦後荒れた山をなんとかしなければということで、山のてっぺんまで木を植えてくれている。しかし、残念ながら切っても二束三文にしかならないということで間伐もされてきていない。

<作業道の建設が鍵>
 やる方法はいくらでもある。なぜ出来ないかというと、ドイツと比べれば一目瞭然である。作業道が足りないためである。林道予算はつけられたけど、悪名高いスーパー林道などに予算が行き、間伐したり切り出す肝心の道路が造られていない。ドイツでは1ha.あたり100メートル強の道路が造られているのに対し、日本はわずか16メートルである。


 京都議定書の約束では日本のCO2の排出のうち3.8%を森林が吸収しなければならないといわれている。都市部のCO2を出すところがお金を出して山村をバックアップしても何らおかしくない。EUではとっくの昔に固定買取制度が導入されており、廃材やおがくずや枝で発電した電力は、電力会社が通常の電力料金の6倍の値段で買われている。環境政策を通じた地域産業政策である。つまり、都市で便利な生活をしている人たちが山村をバックアップする制度が政策に埋め込まれているのである。日本もそのような政策を講じればよいということになる。
 昨年、原油高、食料高が懸念されていた。実はそれよりも3年~4年前から木材の価格は高騰している。そういう意味では木材こそ国際価格に近づき、国産材が使われてもよい状況が生まれつつある。
ネックは作業道である。日本の林業は山地ばかりで木が切れないというのは南ドイツも同じであった。違いは、道路がちゃんと作ってあり、大型のハーベスターが入れるか入れないかの差だけである。作業道を造る財源は道路特定財源である。税の世界にGood減税、Bad課税という大原則がある。CO2の排出で悪いことをしているのは何か?それは道路であり、車である。5兆円に及ぶ道路特定財源があり、余りかけている。一兆円ぐらいはよいことをしている森林・林業に向けられてもなんら文句は言えまい。形をかえた環境税である。地方の人たちがいっぱい払っている道路特定財源であり、地方に還元されてしかるべきであるという考え方もなりたつ。

<ウッドマイレージは少なく>
 かつて山村に人が住めたのは山の木が使われたからである。いくら農業を振興してももともと条件が悪い地域であり限度がある。山の木に昔並みの価値を与えれば中山間地域はたちどころに甦るはずである。そして、日本の森も緑も守れるのだ。裏山の木を切って家を造るよりも、米材や北欧材で家を造ったほうが安いといった愚かな政策を続けているのは日本だけである。木こそ地産地消でなければならない。なにしろかさみ、重いものであり、遠くから運んで来るとCO2をそれだけ出すことになる。ウッドマイレージを少なくしなければならない。

<中山間地域は林業で活性化>
 何も山の労働だけで100万人といっているのではない。建設業も公共事業費が削られ、アップアップである。しかし、地方でも家は造られている。その家も外材によるツーバイフォーなどという安直な作り方でなく、地域材を使って地域にあった建物を造るということになれば、地域の建設業も仕事が増えるにちがいない。木材関連産業で100万人の雇用創出というのは、何も絵空事ではなく、ちょっと政策的な転換をすれば実現できることである。