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2009年2月24日

-また迷走の麻生政権-09.02.24-

<低調な予算委論戦>
予算委員会が佳境を迎えている。1月5日開会したものの、第2次補正予算案が先に審議され、更に政府与党がやたら焦って審議を進めようとするため度々紛糾している。今シーズンは民主党的な切り込み部隊を重用しており、やたら追求的な質疑応答対応に終始している。全閣僚が出席する予算委としてはいただけない状況である。はっきり言って論議が低調である。この未曾有の経済危機をどう乗り切るかについて、建設的な議論はほとんどなされていない。
 政府与党は予算を一日でも早く通し、二次補正予算に関わる予算関連法案も通し、景気対策を早く実行したいという。しかし、我党は景気対策の重要性はわかるとしても第二次補正予算案、特に定額給付金について反対している。予算案については審議がいつもの半分ぐらいしかされておらず、とても通せる状況ではない。

<中川大臣のローマでの失態>
そうした中、麻生総理は2月18日のサハリン訪問に続いて、2月24日には訪米し、オバマ政権との話し合いをしてくることになっている。政府与党は23日の予算案の採決を持ち出してきたが、当然のごとく拒否、26日以降となった。麻生さんの失言・ブレを原因に政権は迷走を続けているが、ここにきて私の古くからの友人ともいうべき中川昭一財務・金融大臣のローマでの失態でさらなる窮地に立たされることになった。

<勉強会仲間の中川さん>
私がもし最も親しい自民党の国会議員がいるとしたら誰かと問われたら、中川昭一さんと答えるであろう。いつかメルマガ・ブログで触れたことがあると思うが、はるかかなた昔、今の自民党の8期生議員が当選したばかりの頃、玉沢徳一郎さんが自民党農林部会長で、私が大臣官房企画室におり、その若手を対象に農政の勉強会が開かれた。その勉強会の初回の講師が私であり、以後役所側で事務局を担当した。それ以来20数年のつきあいである。この他に、大島理森国対委員長、あるいは金子原二郎長崎県知事等が同期生である。

<中川昭一総理への期待>
私は中川さんに期待していた。久方ぶりに農林族からの総理誕生も見込まれたからである。自民党農林族を牛耳っていた父親の中川一郎さん、あるいは渡辺美智雄さんも総理にはなれなかった。続いて、羽田孜さん、加藤紘一さん、このお二人が自民党農政を牛耳っていた。片方の羽田さんは総理になれたが、わずか2ヶ月の政権だった。加藤さんは例の「加藤の乱」で総理の芽を摘まれてしまった。その後は、中川さんであり、農林水産大臣を2回、経済産業大臣、政調会長、そして弱冠55歳の若さで財政・金融大臣就任と着実に総理への階段を昇りつつあった。

<停滞する農政改革>
ローマにおける失態については弁解の余地はない。中川さんの捲土重来を期すしかない。石破農水大臣も防衛族のように思われているが、昔からの農政通であり、農政改革関係閣僚会議というのを設けられて、財政の面から中川大臣に支えてもらわなければならない状況になっていったのに、真に残念なことである。
かくなる上は、我が民主党に政権を渡すしかない。我々に農政を任せてもらう以外に、日本の農業・農村の再生はできない。

2009年2月17日

経済危機克服の切り札は政権交代-長妻昭会合報告-09.02.17

 去る2月14日(土)「ミスター年金」こと長妻昭 民主党NC年金担当大臣を特別講師に迎えて、篠原孝国政報告会が中野会場(中野市中央公民館)・長野会場(NBSホール)で開催されました。予算委員会やテレビで鋭い質問を繰り出す「ディベートの達人」、「闘う政治家」長妻昭代議士を一目見ようと、両会場あわせて800人以上の方々が詰め掛けました。

 長妻代議士は、「はじめは『年金王子』という名前で呼ばれていたのですが、顔に合わないので、『ミスター年金』と呼ばれるようになりました。」といきなり会場を和やかなムードに変えました。「篠原代議士は民主党の農業・環境これらの政策を一手に引きうけ活躍している。」「03年の衆議院選挙で、かつて木枯紋次郎を演じられた中村敦夫さんが『民主党でピカイチの候補者が今衆議院選挙に立候補している。なんとか応援してこれを当選させたい』と紹介されたのが篠原代議士でした。」とエピソードも披露されました。「今求められるのは官僚主導の政治をきちんとコントロールし、日本の未来を国民の手に取り戻すことができる政治家なのです。官僚との戦いに勝つには、官僚に馬鹿にされない政治家でなければならい。その筆頭として挙げられるのは篠原代議士である。是非小選挙区で勝ち上がらせていただきたい」と力強く応援いただきました。

以下、長妻代議士の特別講演の要旨を紹介します。

<定額給付金は無策なバラマキ>
 2兆円と一概に言いますが、年収200万円の人を100万人雇用できるお金です。景気は今落ち込んでいますが、1年だけでも雇用を支えることができる金額なのです。私は今必要なのは一に雇用創出、二に雇用創出、三に雇用創出だと思います。そのために政治があるのです。例えば、今人手不足なのは介護分野ですが、まったく人手が足りていません。この2兆円を集中的に使い教育訓練を行い、ヘルパーになっていただくことが出来ます。あるいは、年金の紙台帳の照合に10万人近くの人出が不足しています。政府は20年かけてやろうなどと馬鹿なことを言っていますが、この2兆円で一気に片付けることができるのです。

<消えた年金のその後>
 例の宙に浮いた5000万件、その後も調査しましたが、ほぼ持ち主や住所、どこが抜けているか判明した方が、1050万件あることがわかりました。少なくとも日本人の10人に1人が年金のどこかが抜けた状態で、まだ通知もされていない状況にあることになります。この会場では50名の方が気づいておられないということです。自分のもっている年金の記録と社会保険庁の持っている、この通知をしない年金の記録が合致した場合のみ支払う、という冷たい対応なのです。つまり、官僚を政治がコントロールできていないのです。年金問題でも昭和39年の内部文書で、すでに厚生年金が100万件近く消えていたのです。それを報告しなかった。監督する与党もずっと放置してきた。こういう指導を行うのも政治の仕事であるべきなのです。

<今のままでは終わらない天下り>
 新聞記事を探していたら"天下りの渡り鳥人事廃止へ、政府検討"福田総理が渡りを禁止するという閣議決定をするように検討したという記事を発見しました。これは去年の福田さんかと思いきや、32年前の福田赳夫さんの時の記事なのです。32年間天下りをやめるといってずっと終わっていない。これは民主主義が日本にないと言う証拠に他なりません。普通の民主主義の国であれば、行政がおかしいと皆様が判断したならば、選挙を通じで国会議員を選び、そこから天下りがなくなって当然なのです。32年間なくなるどころか、増えつづけている、さらに悪質化して水面下にまで潜っている。皆様の1票で行政が変わらないことは、極めて深刻な問題です。今までは政治が行政をコントロールできていなかったのです。次の選挙は、どうせ代わらないと諦めるか、政権交代をすることによってそのコントロールを国民の手に取り戻せるかの大事な選挙です。

<民主党マニフェスト-民主党の政権ビジョン->
 民主党に政権をいただければ、年金制度一元化し5.8兆円、篠原代議士がつくられた農業者の戸別所得補償が1兆円、高速道路の無料化で1.4兆円、子供手当てで5.3兆円、医療改革で1.9兆円等々の一年間に20兆円以上の財源が必要になります。国の予算は、一般会計、特別会計併せて、ダブる部分を除くと今年度212兆円あります。政権交代をして民主党が政権を担うならまず212兆円のうち20兆円を政策実現の為に先に予算をつけさせます。残ったお金を各事業に配分する。もちろん無駄使い部分から削っていくのです。自民党は民主党の政策はできない、できないと言いますが、自民党のやり方ではできなくて当然です。

 <日本の切り札:政権交代>
 長年の一党支配の中で、官僚に自民党議員が弱みを握られて、逆に脅しをかけられ身動きが取れなくなっていることがあります。あるいは、相互不可侵条約のような形で官僚人事に政治家は口は出さない、その代わり予算での便宜を図ってもらうという下心があることもあります。お互いもたれあいの関係がずっと続いているのです。海外の記者によく言われることに、経済危機の中、日本がまだ打っていない切り札があるといわれます。その日本がきっていない切り札、それこそが「政権交代」です。政権交代により今までの政策を劇的に変えることができ、経済を活性化することが可能なのです。

2009年2月 2日

農政(農業者戸別所得補償)で火花が散った初日の代表質問-09.02.01

<鳩山・眞紀子コンビの代表質問>
 今日、1月29日代表質問が行われた。民主党からの質問者は鳩山幹事長と田中眞紀子さん。鳩山さんは毎度おなじみ。田中眞紀子さんは、民主党会派入りしてからの初の代表質問。偶然だが、鳩山さんは昨年6月1日に、田中眞紀子さんは10月10日に私の選挙区(須坂と長野)に応援に来ていただいた方である。真紀子さんを前面に押し出して選挙を戦う姿勢がここにも見られた。小沢内閣の陣形を発表して総選挙を戦い、その際、田中眞紀子、長妻昭と我が党の人気者が名を連ねる構想が進みつつある証左である。

<農林漁業再生の道は?>
 鳩山さんの質問は、いつもどおり皮肉を込めた鋭い質問だった。よくよく聞いているとかなりきついことを言っておられるが、育ちのよさからそうは感じられない。得な性分である。その中で農業者戸別補償について触れ、「民主党の戸別所得補償制度を批判されているが、それならば、どのような政策で日本の農林漁業を再生させるのか政策示してもらいたい。政策調整はどうするのか」という基本的な質問をされた。

<細田幹事長:品格を欠如の質問スタイル>
 驚いたのは、自民党の代表質問をされた細田幹事長である。本人はざっくばらんな調子で質問していると勘違いされているようだ。私から見ると、あるいは民主党からみると、酔っ払ってふざけて質問しているような感じで、非常に品格に欠けるものだった。代表質問という格調高い場にそぐわないスタイルの口調だった。その中で例によって、我が党の農業者戸別所得補償を口汚くこきおろした。

<食料自給に対する口汚い批判>
 07年の参議院選挙で大負けに負けた原因となった、我が党の農業者戸別所得補償によほど頭にきているのだろう。いろいろなところで、盛んに攻撃する。年金制度に関する民主党の提案について、自民党がこれだけむきになって歯向かってくることはない。いつも歯向かってくるのは、農業者戸別所得補償あるいは農政についてである。そういえば、2年前の代表質問では中川昭一政調会長(元農林水産大臣)は、小沢代表の完全自給を目指すという政治目標に対して口汚く毒づいていた。

<田中眞紀子さん激怒!>
 これにはもう一つ尾ひれが付いた。あまりにも格調低い指摘に、田中眞紀子さんも激怒されたようである。鳩山、細田、田中と続いたが、原稿に無い農政問題について皮肉たっぷりに「いつものとおり、バラマキ政策だ云々と批判しているが、定額給付金を棚上げにして、よく言えたものである。民主党のこのたぐいの政策は、農家の中に自給率の低い作物を生産する者・少子化対策等と政策目標が明確になっている。定額給付金は最初の福祉目的から消費拡大・景気対策へと変質するなどめちゃくちゃである」と喝破した。それに加えて、「農業者戸別所得補償を必要とするような農業にしてしまったのは、いったいどの政党なのか」、「人の心、荒れた貧しい農家の痛みを知らない、認識しない」と鋭く迫った。農政問題で二大政党の間に火花が散ったのである。

<「都市とみどりを守る会」での勉強仲間>
 眞紀子さんの質問は、長く外務委員会に所属している関係から、得意分野でもあることから外交問題についての質問が多かった。その中にもう一つ、答弁しろとまでは要求していないが、環境問題についての言及が2・3ヵ所あった。最近はどうも環境に強い興味をお持ちのようである。この点は私と関心が共通である。「都市のみどりを守る勉強会」を一緒に続けているところである。この詳細については、別途ブログで紹介したい。
 
 小沢内閣に向けて、真紀子節は滑らかである。