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勝手な米軍に振り回される沖縄 - 09.04.23 -国会質問報告 在沖縄海兵隊グァム移転協定 1回目

 先の4月5日北朝鮮よりミサイルが発射され、日本の防衛というものを改めて考えさせられることとなった。実は、私の所属する外務委員会では北朝鮮のミサイルによる被害があった場合は、6日(月)に臨時に外務委員会を執り行う用意もされており、国会の周りでは非常に緊迫してこのミサイル発射の結果を見守っていた。被害などはあってはならないことではあったが、幸いミサイルは日本を通り抜け、直接被害は及ぼすことなく太平洋に沈んで行き、マスコミも国民の興味もあっという間に沈んで行った。そんな中、在沖縄海兵隊のグァム移転に係る協定について議論が行われた。4月3日(金)、4月10日(金)の2回にわたる質疑であったが、ここに4月3日分の質疑の要旨を紹介したい。

【国会承認なき行政合意】
 外務省のOBである孫崎亨氏が、「日米同盟の正体 迷走する安全保障」という本を出している。その中で、日米安保条約の変質について指摘している。そもそも1960年の日米安保条約は極東の平和、安全保障が中心だった。ところが、これがいつの間にか米国とテロとの戦いに世界中のどこでも協力していく条約に変質してしまったのというのだ。2005年10月小泉内閣下で、「2プラス2、未来のための変革と再編」という行政合意が交わされ、そこに明確に記されている。安保闘争に参加された70才近いかっての青年たちは、新聞にもマスコミでも騒がれることもなく、国民に全く知らされずに国の指針が大きく変わっていいのかと怒るにちがいない。
 私はグァム移転協定のような細かな実施法を国会承認にするよりも、日米安保条約、いわば日米安保の憲法となる部分の解釈を変えることこそ国会の承認を通し、何が変わったのかを国民の前に明らかにし、変わったところは変わったと改定していくべきであると質した。

【アメリカの世界戦略】
 日米安保の関係で沖縄に海兵隊が置かれていると説明されてきたが、これも変質してきている。アメリカは、ヨーロッパでも東アジア太平洋地域でも、在外駐留兵力をどんどん削減している。ドイツの駐留米軍数は冷戦時期の4分の1、韓国も約6割になっている。これはアメリカの安全保障戦略が決まった地域や仮想敵国対策というものから、どこにいるかわからないテロとの戦いになったことに呼応し、緊急の時もアメリカから直接展開して行こうとしているためなのだ。

【二つの懸念】
 私には今回の在沖縄海兵隊のグァムへの移転協定に対して2つの懸念を持っている。
 アメリカは本当に2014年までに海兵隊のグァム移転を完了するのか。日本は国会で審議し、条約にしているがアメリカは行政協定のままでいる、財政危機だのなんだかだと言い訳をして、またぱっと変えて沖縄に居残るのではないか。また、もう一つはその正反対で、もっと大幅削減され、グァムの海兵隊がさっさと本土に引き上げ、日本がせっかく日本の税金が投入されて作られた施設が協定にもない空軍や海軍の利用されることだ。
 朝日新聞の2月16日の一面に、本年度予算が海兵隊のみならず空軍・海軍にも使われることが大々的に報じられた。しかし、例えば港を造るなら、これは海兵隊の施設だ、こっちは海軍の施設だと二つ造るのではないので、将来何年もした後なら仕方がない話だが、我々は条約まで交わし、かつ日本の税金でアメリカの施設を造るのだから、少なくとも最初ぐらいは限定して使わせるべきであると質した。

【キルギスには基地使用料を支払う米軍】
 3年前の外務委員会の委員派遣でキルギスに行かせてもらい、アメリカ軍が使用しているマナス基地を訪れた。その際の駐キルギスアメリカ大使との議論が非常に印象に残っている。大使曰く、キルギスはとんでもない国で、当時、基地使用料としてアメリカがキルギスに1740万ドル出していたが、これを10倍に引き上げろといってきた。1億5千万ドルである。これをアメリカの議会は賄賂として使わずキルギス国民のために使われるなら承認しそうだという内容であった。
私は駐沖縄米軍に対しなんでもかんでも思いやり予算とかいい、多額の負担をしている日本と比較し、なんという違いなのかと驚いた。

【駐留米軍を追い出すキルギス】
 この件は3年たった今も、まだ決着が付いていなかった。私も3年前に拝謁したバギーエフ・キルギス大統領は、一旦まとまりかけた1億5千万ドルの基地使用料をこの2月に反故にし、駐留期限の終了を決定したのだ。理由は2点、金額の折り合いが付かなかったという、負担することばかりの日本では考えられない理由。もう一点は、米軍人による犯罪や事故に関する司法権がアメリカにあるため、米軍人が処罰されずに本国に送還される事に対し、反米軍基地感情が高まった。これは沖縄と全く同じ状況である。ただ対応の仕方は唯々諾々と泣き寝入りする日本と全く違うのだ。
 その後、バギーエフ大統領は、ロシアのメドベージェフ大統領と会談をし、20億ドルの融資と、1億5千万ドルの無償支援を引き出した。ロシアとアメリカを天秤にかけ、国づくりを行っているのだ。この対応の違いはどこから出てくるものなのかと質した。
 答弁では、日本とキルギスとは米国との関係、歴史的な経緯、地理学上非常に異なる。また、日米同盟が日本の外交の基軸であり、キルギスのように天秤にかけることは適当ではないというものであった。確かに日本とキルギスは全然立場は違う、しかし、絶対に共通なのは、地位協定に関する部分で、弱小国だろうが経済大国だろうと共通である。二国間の関係というところで主張する部分は主張するべきだと改めて意見を述べた。

【悪女の深情け予算?】
 冷戦時代、ヨーロッパにも米軍は多く滞在した。しかし、せいぜい基地使用料をとらないぐらいで、実額で出している国はほとんどなかった。金丸信防衛庁長官が世界に類例をみない大盤振る舞いを質され、思わず発したのが「思いやり」であり、以降思いやり予算と呼ばれている。そしてとうとう、アメリカ軍に出て行ってくれと要請して、やっと出て行ってくれるので施設まで造ってやるというのである。さすが、グァムはアメリカであり、米側も負担するが日本のほうが大きい負担となる。
 オバマ大統領は予算削減を公約しており、国防予算も大きく削減していく予定である。日本だけが負担し、アメリカは知らん顔ということも予想される。どうも安全保障がらみになると、日本の軟弱な態度ばかりが目立つ。それこそ国としての矜持を保つべくビシッとした態度をとらないとアメリカに馬鹿にされる。