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2009年04月30日

日本人船員、日本国籍船をとりもどせ-09.04.30-

国会質問報告 海賊・テロ対策
 
 数年前、ウオールトディズニーが、ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」をモチーフにした映画、「パイレーツ・オブ・カリビアン」を公開した。そもそも海賊といえばこの映画のように、髑髏マークの船で近寄り、海賊刀片手に乗り込んでくるイメージであったのだが、昨今、ソマリア沖で高速小型船に乗り込み、ロケット砲を片手にした海賊が暴れており、そんなノスタルジックなイメージも一転させられた。
 各国は自国の船舶、物資の輸送を守るため護衛艦を派遣し、日本も3月14日に「さみだれ」「さざなみ」の2隻の護衛艦をソマリア沖に派遣した。国会でも、この派遣に呼応し、「海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会」と少々長い名前の特別委員会が設置され、私は4月15日に質疑立った。ここにその要旨を報告する。

【蘇るシーレーン防衛】
 最近聞かなくなったが、シーレーン防衛という言葉がある。鈴木善幸内閣の時に始まり、それを引き継いだ中曽根総理が1983年レーガン大統領と会談した時に、これを裏打ちし、日本を不沈空母と例え世論より大批判をかった。そのシーレーン防衛も、東西冷戦も終わり、なくなったように思える。
しかし、今回の海賊対処法第一条は目的「海に囲まれ、かつ、主要な資源の大部分を輸入に依存するなど外国貿易の重要度が高い・・・・・・海上輸送の用に供する船舶その他の海上を航行する船舶の航行の安全の確保が極めて重用であること、並びに海洋法に関する国際連合条約において・・・」とある。海賊行為対策だけならこの「並びに」の後だけで充分なのだ。この前段はまさにシーレーン防衛の復活ではないかと思う。
 私は、どこへでものべつ幕なしに派遣するのではない、日本の懐に深く関わるところに限定するのだという意味でこの前段をつけたと答弁すれば納得すると質した。現に、期間も限定されていない、場所も限定されていない。この法案が端緒となり、海上自衛隊が海賊退治と称して世界中の海に出かけて交戦するようになるのだけは避けてもらいたい。

【桃太郎の鬼退治・海賊退治を好む日本人】
 海軍はそもそも自国の貿易を守り、海運業を守るために出来ている。はるか昔から、自国の軍隊を出す口実として使われるのが「賊退治」である。かつて満州、中国に進出したとき、馬賊・匪賊から日本人を守るために関東軍が必要なのだといわれた。
 内閣府の3月14日の世論調査によると63.2%もの人が海賊対策の派遣を行っていいと答えている。インド洋の給油、イラク派兵、アフガン対応などと比べると相当高い支持率である。これは、我々が子供の時からずっと桃太郎の童話を聞いて育ち、鬼退治、海賊退治といえば、いゃあ格好いい、やってくれと言うのが深層心理にあるからかもしれない。こうした日本国民の正直な正義感に乗じてか、麻生内閣は強引にこの法案を通さんとしている。

【激減した日本籍船と日本人海員】
 新聞は日本に守ってほしいといって手を挙げてきた船が2,595隻と報じているにも関わらず。日本関係船(という変な用語)の内訳がはっきりしていない。日本籍船数よりも外国籍船数が大幅に上回ってきているからである。この外国籍船というのは、パナマ船籍のような、日本の海運会社が運航しているが、外国の船籍になっているもので便宜置籍船と呼ばれる。
 海運先進国である日本は、1990年は日本籍船・外国籍船の比率は半々であった。ところが今は、日本籍船はたったの4%。船員も、10年前には1万5千人と日本人ほうが多かったのが、今はたった3千人の8%である。ほとんどが、フィリピン人、インド人、中国人なのだ。国際競争に勝つためには、少しでも税金を安くし、低賃金労働力を使わないとならないというのが理由である、グローバリゼーションの馴れの果てが、海運空洞化にも顕著に現れている。

【国籍問題にうるさい日本が、船籍にはルーズ】
 そもそも、日本は、国籍には非常にうるさいく、親子を引き離してでも強制送還する程の国なのだ。永住外国人の地方参政権についても、日本で働き税金を納めているのに与えるべきでないといわゆる防衛族、タカ派は主張する。そのスタンスならば、日本船籍を離脱し、日本人を雇用しない船など守ってやらなくてよいはずである。
 ましてや海洋法条約上は旗国主義が原則だ。ソマリアに護衛艦を派遣している17カ国はどの船を優先的に守るのかというものを取り決めている。例えばロシアなら、1番に戦略物資輸送船 2番にロシア籍船 3番にロシア関係船としている。ところが、日本は、日本にかかわりある船全部といっている。日本に税金を払うのがいやだからといって外国に船籍を置いた船を、日本国民の税金で守るのは甚だしい矛盾である。これではいくら桃太郎にほだされて鬼退治が大切だと言っていても、国民感情として許されないに違いない。この機会に、ちゃんと日本船籍にして、日本人船員を使う方向にしていかなければならないのではないかと質した。

【安全保障はパラレルに考えるべき】
 軍事・食料・運輸・エネルギーなど安全保障はパラレルに考えるべきである。しかし、日本の安全保障は軍事ばかり突出しすぎである。前述の日本の税金を払う永住外国人と税金逃れをしている便宜置籍船の扱い同様、日本人は論理的に考えるのが苦手なのだ。
 今、海洋国家日本の自国船籍率は4%、日本人船員率は8%、騒がれている食料自給率でさえ40%なのにそれ以下である。いざという時には、外国人船員はとっとと日本から逃げ出し、日本人で船をちゃんと動かせる人がほとんどいなくなり船は動かなくなる。護衛したくともする船がなくなるおそれもあるのだ。まさに本末転倒である。
 米、英、仏等はさすが自国籍船率を5割に保っている。特にアメリカにはジョーンズ・アクトというものがあり、内航海運はすべてアメリカ国内で造られている。また、アメリカでは船員の賃金は陸上の1.5倍高い。海運の自由化を訴える動きもあるが、戦争遂行のために自国に船舶技術を残しておかなければならないと頑として聞き入れないでいる。民間の船といえども、いざというときに軍事調達が出来るよう残しているのだ。

 今回の件を奇貨として、日本も軍事面だけの安全保障を突出させるのではなく、運輸安全保障の底上げにも勤めるべきである。まずは日本船員の増強、そして日本籍船舶にさせることであると締めくくった。

【元 商船大学の方からの感想メール】
 この質問を衆議院TVでご覧になった、東京商船大学 OBの方より“この法案審議の中で、安全保障の観点から日本人船員と日本船籍の強化を主張されたのは、法案のことのみにとらわれる委員が多かった中で一段と光って見えた。政治家はこうあるべきだと感銘を受けました。”との励ましのメールを頂戴した
 毎回、質問は資料を取り寄せ、文章を組み立てるなど前日の夜中までの作業をして臨んでいる。しかし、その模様はインターネットの衆議院TVで放送されるが知る人は少ない。お叱りも含め時々メールをいただく。一段と身を引き締めて質問しないとならないと肝に命じた次第である。

2009年04月27日

政治とカネ ―企業献金の禁止(廃止)―(その2)-09.04.27-

<昨年秋の選挙準備での出費>
 もう一つ、選挙準備にどれぐらいお金がかかるか示しておかないとならない。昨年10月、選挙が取沙汰された。長野市の中心部に事務所開きをしたが、家賃40万円・礼金40万円、手数料40万円。駐車場を別途近くに借らねばならず、月極15万円。電話とパソコンの設置30万円。事務机等のレンタル20万円、パーテーション29万円等事務所絡みだけで一挙に200万円払った。3ヶ月借りたままだったが、結局選挙がなく、すべて水の泡。他にポスター印刷・リーフレット配布で300万円。金のない民主党は、まだ選挙が始まってないということで、選挙の際くるはずの特別選挙資金はなしのつぶてだった。
 10月10日には田中真紀子さんに来ていただいて総決起大会を開いた。会場代、ポスター・チラシ代等で80万の出費となった。

<大物政治家の収入と支出>
小沢代表の件ばかりがマスコミに取り沙汰されているが、小沢の収入は、全体でみれば、意外に低いことが知られていない。08年秋の読売新聞の集計によると、07年の麻生首相(当時は外務大臣・幹事長)の収入は4億8000万円(パーティ等3億2000万円、個人・企業の寄附7200万円)、支出が5億8000万円(政治活動4億円、事務所等7500万円)。小沢は、収入1億4600万円(パーティ等5400万円、個人・企業寄附5000万円)、支出2億4800万円(政治活動1億7700万円、事務所等7000万円)と、麻生が小沢の3.3倍も集めている。
<作られた小沢金権の虚像>
 資金管理団体+政党支部の収入の上位10人は、中川秀直、亀井静香、平沼赳夫、古賀誠、山田俊男、森喜朗、松木謙公(民)、麻生太郎、鳩山邦夫、町村信孝である。小沢一郎は入っておらず、民主党では、一新会(民主党小沢グループ)の事務局長の松木だけが入っている。07年の参院選で農協票をバックに自民党比例区で人気の舛添要一に次いで2位当選した山田が5位に入っているのが目を引く。ちなみに、山田1期生、松木2期生を除けば、あとは8期生以上である。
 小沢に金が集まっているという虚像が作られているが、実は大間違いで、自民党の大物のほうがよほど金を集めている。ただ、小沢のように手広い政治活動をしているとは聞こえてこない。集計の仕方はいろいろあるが、企業献金では、小沢は27位、総収入でも71位にすぎない。いずれにしても、私とは全く桁違いの政治資金を集め、使っている。政治家もいろいろなのだ。
<政治家の門戸を狭める規制のオンパレード>
 このまま政治家バッシングが続けば、政治家は再び特殊な金持ちしかなれなくなってしまう。具体的に言えば、大企業の一族等の資産家や落選しても大丈夫な資格職業(弁護士、医師等)やタレント等の著名人しか政治家になれなくなってしまう。
 私が2003年11月に政界入りして以来、①議員年金の廃止、②公設秘書への配偶者の禁止(民主党は3親等以内禁止)、③赤坂議員宿舎批判、④収支報告書への領収書の添付と続き、今、小沢秘書の逮捕を契機に企業団体献金の禁止である。
 一方で、世襲の禁止がマニフェストになり、次回の総選挙から実施するという。政治家への門戸を幅広くするためである。ところが、片方であれも駄目これも駄目と身動きをとれなくし、結局金持ちしか国会議員になれないようにしてしまっている。不思議なことに、この矛盾にマスコミも有権者も気付いていない。
<企業献金禁止の功罪>
 政治を必要としている人も分野もそれこそ広い。いろいろな分野の経験を積んだ、違った育ちをした人たちに政界に入ってもらわないと、政界のダイナミズムが失われてしまう。例えは悪いが小渕優子がいるなら、やはり鈴木宗男もいないと政治には活力がなくなっていく。
 4月23日(木)、民主党政治改革推進本部総会が開かれた。世襲禁止はすんなり決まったが、企業献金の廃止は、時期について意見がまとまらず、もう1回開催することになった。(週末に4月27日月曜日の午前11時からと連絡が入り、月曜街宣の後すぐ、あさまに乗らないとならない。)
<公営掲示板のポスターは誰が貼るべきか>
 1人のポスター→2人以上のポスター(解散後または任期満了の6ヶ月前)→1人のポスター(公示後)の無駄についてはすでに述べた(09.03.16ブログ「3月10日の小沢・菅の3連ポスターへの張り替え」)。これに続く無駄もある。
選挙の公営掲示板を立てるのは地方自治体の責務になっているのに、そこに貼り出すのは各候補者となっている。そのため、公示日には、全事務所があたふたとポスター貼りをせわしなくしないとならない。1日たって貼り残しがあると、たるんでいるとか言われる。全く馬鹿げた話である。かくして不合理なことに手間と金がかかってくる。どこに立てたかわかっている自治体が全候補者の分をまとめて貼ってくれればすむことなのだ。
 私は、①二連ポスター以上でないと貼れないなどという規制はやめ、②公営掲示板へのポスター貼りは、各候補が選挙管理委員会にポスターを届けるだけですまし、③それ以外の証紙ポスターなどはやめるよう公職選挙法を改正していこうと思う。不必要な手間と無駄金を省くことができる。これだけでかなりすっきりする。
<必要な秘書の増員>
 国会議員がいろいろ仕事をするには、秘書(スタッフ)が必要である。しかし、3人の公設秘書しか認められていない。
恵まれているのはアメリカの上院議員で、特にカリフォルニア、ニューヨークのような財政的に豊かな州の上院議員は20人近くスタッフを抱えている。だから、その上院議員の名前が付いた法案がどんどん提出される。霞ヶ関に伍していくためには、そのように有能な秘書をちゃんと揃えていかなければならない。しかし、それを金をケチり、やたら細かいルールで縛り、活動しにくくしている。
<倫選特の主(ぬし)宣言>
 私は、政治活動に必要なものは必要だと堂々と述べ、国民に説明して納得していただいていくべきではないかと思う。民主党は格好つけて自分で自分の首をしめることばかりしている。こうした姿勢は絶対直さなければいけないと思う。
 詳細は省くが、今回の事件を契機に政治と金の仕組みを変えていかなければならないことは事実だ。あまりにグレーゾーンが多いがために、不正の温床となると同時に、警察や検察がいつでも難癖をつけられることになってしまうのだ。その典型が今回の小沢秘書の逮捕である。
 私は、こうした矛盾を改善していくため、今後も継続して倫選特(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)に所属し議論していこうと思っている。政治家が政治活動に専心できるように、国民にわかりやすいように、公職選挙法と政治資金規正法にかかる制度を改善していかなければならない。

政治とカネ ―企業献金の禁止(廃止)―09.04.20-

<民主党政治改革本部の活動>
 政治に金がかかるとよく言われる。実際に政治家になってみると、半分実感する。但し、もっと仕組みをきちんとしたらそんなに金がかからないのになあ、と嘆息するのが半分だ。
 私はいつか私の全政治活動にかかるお金を例に示して、どこが無駄でどこが足りないか具体的に示そうと思うが、今は、国会も終盤に向かって急ピッチで動いており、質問対応と3回目の選挙の準備でそれどころではない。今週決まっている質問だけで、20日月曜の決算行政監視委員会と21日火曜の農林水産委員会がある。また、議員会館で隣室だった河村たかし名古屋市長候補の応援にも行かなければならない。
 小沢代表が、企業献金について、「今の制度の下できちんと政治資金報告書に書いて報告しているのに、それでもいけないというなら、全面禁止することも検討せよ」と命じた。岡田克也政治改革推進本部長の下、幹部役員が既に3回侃侃諤諤の議論をし、大筋の方向が決まった。私は、倫選特(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)の筆頭理事をしていることから末席を汚し、ずっと議論に参加した。

<民主党の方針>
 このような状況の中で決まりつつある民主党の方針は、以下のとおりである。
①○年後に企業団体献金は禁止
②それまでの間、政府や地方自治体に一定額以上の公費調達をしているか、公共事業を受 注している企業は、総務省に登録し、献金はできないようにする。
③政治資金パーティも同じく禁止
④献金を受け取ることのできる政党支部は1つに限定
⑤個人献金普及のため、一定の金額までは全額税額控除する。
 そして、先週、この内容に沿ったアンケート調査が全議員対象に行なわれている。私は、政治資金パーティは一度も開かず、寄附も個人献金がほとんどなので、実のところ、私にとっては何も変わらない。

<政治家のスタンスの違い>
 それぞれの議員の政治家としての拠って立つ基盤が異なり、それによりお金のかけ方もかなり違うことを反映して意見も大きく異なる。私はスタンスが少々幹部役員と異なるので、いつもと違い率直な意見を言うのを差し控えた。例えば、30代前半で政界入りし、今40代前半の中堅議員は、当然将来の総理なり大政治家を目指しており、地元事務所も大きく多く構え、私設秘書も10人は持つようになっているか、持とうとしている。そういう人は、秘書と事務所の維持費だけで1億円近く必要となる。人件費500万×10人=5000万円、家賃20万×12ヶ月×4ヶ所=960万円、交通費・活動ガソリン代50万×12ヶ月=600万円、備品・事務・通信費、光熱費…。これにポスター、ビラ、国政報告、集会、交際費、…と続く。そういう議員にとっては、企業献金の禁止など論外になる。

<小沢代表と私の大きな違い>
 小沢代表のように、将来政治を目指す秘書を多く抱え、その秘書を初選挙に臨む新人候補の所に派遣して選挙を手伝わせたり、中国に毎年有権者や政治家を誘って出かけたりすれば、かかるお金に際限はない。それに対し、私のように、今の制度の下、つまり、歳費2193万(税・社会保険料を引くと約1400万、これは家族の生活費を含む)、文書交通通信滞在費1200万、政党助成金1000万とわずかの浄財(寄附)のなかから、雇えるだけの秘書数人分の給与や、事務所の家賃などのすべての経費を支払っていくと決めている者には、企業献金など、全く別世界である。ちなみに、私が昨年もらった企業献金(長野県第1区総支部宛)は、高校の友人が経営する会社から5万、金持ち同僚議員の会社からの12万で合計17万円だけであり、政治団体からの寄附も、企業が作った政治団体からは全くなく、私の後援会(原資は個人寄附)と民主党からの寄附のみである。また、政治資金パーティは一度も開いたことがない。
<二つの相反する意見>
 今は名古屋市長選に忙しい河村さんは、「企業献金だろうと個人献金だろうと自由に金を集めるのが筋で、政党助成金もなしにして歳費も減額すべきだ」という。「有権者なり企業は、その政治家がどれだけ働くかよく見て献金してくれる」とのたまう。
 しかし、当の河村さんは、政治活動より顔を売るTV活動のほうを熱心にしているふしもあり、どうも現実味がない。私は、河村さんを「兼業国会議員」と呼んでいた。
 一方で名を伏すが(といってもすぐわかるかも)、人気絶頂の中堅議員は、「すべて個人献金にし、企業献金を禁止すべきだ」と主張する。ボランティア秘書がひきもきらず、秘書の給与など心配する必要がないからだろうが、こんな人は数人しかいない。それに、個人献金にしたところで、西松建設がやっていたように、ボーナスで払っておいてそれを個人の政治献金として献金させるという抜け道もできてしまう。
 理屈を通すとなると、すべて公的資金で賄うか、何でも自由かしかなくなるが、両方とも極論である。
 政治を国民の身近なものとし、誰にも機会を与えるにはどうしたらよいか迷うところである。

<55歳の新人は金をかけずにするしかない>
 企業献金を全面禁止したら、政治家には金持ちしかなれなくなることは間違いない。特に普通の若い人は、とても踏み切れないだろう。いつ落選するかわからないし、他に収入源がなかったらとてもやっていけない。つまり、相当危険な世界なのだ。
 私は55歳で官界から政界入りした(余談になるが、1982年から物書きをし、博士号も取り、農林水産政策研究所長も務めるなど学界にも所属した。冗談の好きな部下は、政界入りに際し、「篠原さんは官界に身を置きながら、農政関係の学界でも名を成し、政界入りされた。今回の転身が正解(政界をもじる)かどうか不明だが、頑張ってください」と励ましてくれた)。
 子ども3人がまだ学齢期なのが難点だったが、30年官界にいて同期の大半が辞めていく中での政界入りであり、やれるところまでやればよいと割り切っている。つまり、党内で出世し、グループも作って…といった野心はない。有権者の負託に応えて私の理想とする政策を政治の場で実現できればよいと思っている。
 ただ、その代わり、私設秘書はたった2人、事務所は小さいのが1つ、ポスターの掲示はたった1200枚、国政報告は年2回発行するのみ、…といったことになり、熱心な後援者からは、政治活動がみえてこないし、さっぱり秘書が顔を出さないとお叱りを受け通しである。

<周りにも迷惑をかける>
 私は、もともと天下りする気はなかった。幸い、某私立大学から来てほしいと言われており、そこで第二の人生を送ることを考えていた。少なくとも、政治家より可処分所得はずっと多いはずだった。その点では家族にしわ寄せがいっている。妻は当初、政策秘書(公設)として働いていたが、法改正で配偶者秘書を禁止されたため、その後ずっと無給のボランティアとして手伝ってくれている。そして、いろいろな会合に手弁当で(つまり、会費を支払って)参加してくださる有権者にも多くの負担をしていただいている。本人のお金だけでなく、周りにも迷惑をかけているのだ。

<昨年秋の選挙準備での出費>
 もう一つ、選挙準備にどれぐらいお金がかかるか示しておかないとならない。昨年10月、選挙が取沙汰された。長野市の中心部に事務所開きをしたが、家賃・礼金80万円、手数料42万円。駐車場を別途近くに借らねばならず、月極15万円。電話とパソコンの設置30万円。事務机等のレンタル30万円、等事務所絡みだけで一挙に200万円払った。3ヶ月借りたままだったが、結局選挙がなく、すべて水の泡。他にポスター印刷・リーフレット配布で300万円。金のない民主党は、まだ選挙が始まってないということで、選挙の際くるはずの1000万円の特別選挙資金は梨のつぶてだった。
 10月10日には田中真紀子さんに来ていただいて決起大会を開いた。会場代、ポスター・チラシ代等で80万の出費となった。


<倫選特の主(ぬし)宣言>
 ここで詳しく解説しても仕方ないので詳細は省くが、今回の事件を契機に政治と金の仕組みを変えていかなければならないことは事実だ。あまりにグレーゾーンが多く、それが不正の温床となると同時に、警察や検察がいつでも難癖をつけられることになってしまうのだ。
 私は、こうした矛盾を改善していくため、倫選特の主になろうと思っている。そして、政治活動がしやすいように、国民にわかりやすいように、精度を改善していかなければならない。

<ポスターの無駄再論>
 ごく身近な例でいうと、二連ポスターと称される講演会告知ポスターである。政治家本人のポスターは選挙活動だから、選挙が近くなると禁止するという馬鹿げたルールがある。今回、珍しく任期満了半年前となり、それが故に一人のポスターは3月10日をもって禁止され、それ以降は2人以上のポスターとしなければならないというのだ。2人以上だと政党の政治活動として許されると理屈は有権者には理解しがたいだろう。かくして候補者はまたポスター代にお金をかけ、ただでさえ人手の足りない我が事務所も張替え作業に大わらわとなる。1200枚ぽっちだからいいものの、5000枚も貼っている者は大変である。金がかからないようにと改正されてきた公選法だが、わざと無駄な金をかけさせてしまう結果になっていることも多くある。
 ポスターについて言えば、公示の前日には今のポスターをすべて剥がし、公示日には、その日にもらった1000枚の証紙を貼った候補者一人のポスターを貼ることが許される。1000枚に限定する証としての証紙だが、これは完全な人海戦術でするしかない。

<公営掲示板には誰が貼るべきか>
 また、公営掲示板があるが、それを立てるのは地方自治体の責務になっているのに、そこに貼り出すのは各候補者となっている。公示日には、全事務所があたふたとポスター貼りをせわしなくする。1日たって貼り残しがあると、たるんでいるとか言われる。全く馬鹿げた話である。
 私は3年以内に、①二連ポスター以上でないと貼れないなどという規制はやめ、②公営掲示板へのポスター貼りは、各候補が選挙管理委員会にポスターを届けるだけですまし(つまり、地方自治体がまとめて貼ってくれればすむのだ)、③それ以外の証紙ポスターなどはやめて、不必要な手間と無駄金を省くことができる。これだけでかなりすっきりする。1日も早く3回目の選挙を終え、4回目に備えてこの改正作業に取り組みたいと思っている。もちろん政治と金の問題も正面から取り組み、国民にわかりやすく、かつ、政治家にも過重にならず、不正や恣意的逮捕をなくす仕組みを作り上げたいと思っている。

2009年04月24日

日本の従属的態度とカナダの独自政策  国会質問報告 在沖縄海兵隊グァム移転協定 2回目  09.04.24

 前回、同協定について4月3日の第一回目の質疑については報告したが、その後、外務委員会で6日(月)沖縄米軍基地の日帰り視察を行い、8日(水)に参考人質疑を行った。
 続く4月10日(金)に二回目のこの協定について質問を行ったので、その要旨について報告したい。

【米軍の抑止力】
 前回の外務委員会の参考人招致で、他の委員が「同協定により、日本の駐留米軍8千人がグァムに移ることになる。抑止力が落ちてしまうのではないか」 財団法人平和・安全保障研究所理事長 西原正参考人に質問をした。「韓国の軍隊の能力がアップした、対して、北朝鮮の軍事レベルがダウンした。だから心配ない」と返答であった。しかし、これはおかしな話である。相当なお金を日本の防衛力にアップにつぎ込んできている。だったら日本の防衛力がアップしているからアメリカに頼らなくてもよくなったのだという返答があっても当然なはずだ。この点について中曽根外務大臣、北村防衛副大臣にも質した。しかし、答弁はこの事実を認めず、あくまでも日米安保のもと引き続き米軍の抑止力を維持するというあいまいな返答であった。

【防衛の自給自足】
 私は、日本は万全な防衛体制が出来たから、アメリカ軍に駐留してもらわなくてもいいという時代が来なくてはいけないと思っている。ところが日本の態度は、いつまでもアメリカにいてもらっていい、アメリカにおんぶに抱っこしてもらったほうがいいというものである。アメリカの有識者からは平然と「アメリカの本音は日本の軍事力が経済力と同じように増大しては困るので基地をおいて置く。」とさえ述べられている。もちろん日本が核を持つなどはとんでもないが、通常兵力の部分でも、中途半端なままでいてほしいのだ。
私はハト派でもタカ派でもないが、普通に考えて、防衛力はなるべく自分でやったほうがいいと考えている。それは食料の自給率でもエネルギーの安全保障であっても同じである。自力のほうがいいに決まっている

【日本の卑屈な姿勢】 
アメリカは勝手なのだ。軍事面でも国際貢献はどんどんしろと言ってくる。その一方で抑止力は米軍に頼っているのだから米軍に資金を提供しても当然という風である。日本は、グァムへの移転費も出して当然などという卑屈な態度までとらざるを得なくなってしまっている。こんな卑屈な姿勢はいつまでも続けるべきでない。日本でやれることになった、だから出て行ってくれという考え方があってしかるべきである。

【グァム移転はアメリカの戦略】
 グァムの移転についても、何か嫌々出ていってもらっている感じだが、そんなことはない。アメリカ側にもグァムに移転してもいいような状況が生まれているのだ。グァムはかつてベトナム戦争の頃アメリカにとって重用な基地であった。しかし今は古くなってきた。しかし、中東への対策でまた重要度が上がってきたのだ。そこへちょうど日本が沖縄からの移転についてうるさくなってきている。それにことかけて日本の金でグァムの基地を立派にしてしまえ、と考えているのではないかと思う。グァムの基地を再生させなければならないのはアメリカ軍の戦略の一環であり、日本のためでも何でもないのだ。そこに大金をつぎ込む必要は全くない。

【初めての沖縄視察】
私は恥ずかしながら、今まで沖縄には選挙応援で入ったことしかなく、今回の視察で初めて、在沖米軍を抱える沖縄の人たちの多大な負担を目の当たりにした。当日は宜野湾市を訪れたが、滞在中の1時間の間に幾度と無く離陸、着陸が行われ、騒音の凄まじいこと。一日にヘリコプターのタッチアンドゴー(離着陸を繰り返す訓練)が300回、夜11時まで行われるそうだ。これでは眠るどころではないのではないだろうかというのが率直な印象であった。少なくとも私は騒がしくて住めない。

【沖縄の負担への償い】
 沖縄県民にこんなにひどいことをしているのだから、政府が相当お金などで償うなどして当然であり、大事な防衛戦略のロジスティックな部分なのだから片手間でやるべきではないと訴えた。これに対し、防衛省は、今回の米軍再編にともなう再編交付金、米軍跡地に対して跡地給付金、北部振興のための補助金などをあげたが、政府の冷たい態度は理解しかねる。

【農業、原発の場合】
 ヨーロッパは条件不利地域(日本の中山間地域)にお金を出している。国境線がつながるヨーロッパでは、一旦事がおきると、その山の中に自国民が住んでいることこそが領有を主張できる要素であるからである。住んでもらっていることに直接支払いしているから山の中でも生活が出来る。だから限界集落とかいう用語は不用なのだ。日本でも電源開発三法というものがあり、原発を建てるからといってその地域にお金を落としている。沖縄の基地周辺の人たちにも相当迷惑をかけているのだから、相応の迷惑料を支払うべきである。いざという時に周辺住民の理解を得ない軍事活動など出来ないのだ。軍備を整備するばかりではなく、防衛省の大事な仕事として心血をそそいでやってもらいたいと訴えた。

【ミドルパワーのカナダを見習い独自路線を】
 アメリカのやろうとしている戦略の変更は、極東の平和と安全だけではない。グァムの基地は関心が中東に行っているからなのだ。だから線引きをしてグァム移転まではちゃんと出し、極東の平和と安全ということには日本も相応に負担する。しかし、イラク・アフガニスタンなど、そんなところまでアメリカと同じようにはしない、と日本は毅然とした態度をとっていいはずだ。例えば、カナダがずっとアメリカと一致してやってきたが、イラク戦争のときは、大量破壊兵器の有無に疑問をなげ、毅然とした態度で不参加を表明した。日本もそういう、メリ張りをつけるべきではないだろうか。
 日本はちゃんとアメリカの世界戦略に貢献してきている。だからこそきちんとした独自路線をとってもらいたいと質問を締めくくった。

2009年04月23日

勝手な米軍に振り回される沖縄 - 09.04.23 -国会質問報告 在沖縄海兵隊グァム移転協定 1回目

 先の4月5日北朝鮮よりミサイルが発射され、日本の防衛というものを改めて考えさせられることとなった。実は、私の所属する外務委員会では北朝鮮のミサイルによる被害があった場合は、6日(月)に臨時に外務委員会を執り行う用意もされており、国会の周りでは非常に緊迫してこのミサイル発射の結果を見守っていた。被害などはあってはならないことではあったが、幸いミサイルは日本を通り抜け、直接被害は及ぼすことなく太平洋に沈んで行き、マスコミも国民の興味もあっという間に沈んで行った。そんな中、在沖縄海兵隊のグァム移転に係る協定について議論が行われた。4月3日(金)、4月10日(金)の2回にわたる質疑であったが、ここに4月3日分の質疑の要旨を紹介したい。

【国会承認なき行政合意】
 外務省のOBである孫崎亨氏が、「日米同盟の正体 迷走する安全保障」という本を出している。その中で、日米安保条約の変質について指摘している。そもそも1960年の日米安保条約は極東の平和、安全保障が中心だった。ところが、これがいつの間にか米国とテロとの戦いに世界中のどこでも協力していく条約に変質してしまったのというのだ。2005年10月小泉内閣下で、「2プラス2、未来のための変革と再編」という行政合意が交わされ、そこに明確に記されている。安保闘争に参加された70才近いかっての青年たちは、新聞にもマスコミでも騒がれることもなく、国民に全く知らされずに国の指針が大きく変わっていいのかと怒るにちがいない。
 私はグァム移転協定のような細かな実施法を国会承認にするよりも、日米安保条約、いわば日米安保の憲法となる部分の解釈を変えることこそ国会の承認を通し、何が変わったのかを国民の前に明らかにし、変わったところは変わったと改定していくべきであると質した。

【アメリカの世界戦略】
 日米安保の関係で沖縄に海兵隊が置かれていると説明されてきたが、これも変質してきている。アメリカは、ヨーロッパでも東アジア太平洋地域でも、在外駐留兵力をどんどん削減している。ドイツの駐留米軍数は冷戦時期の4分の1、韓国も約6割になっている。これはアメリカの安全保障戦略が決まった地域や仮想敵国対策というものから、どこにいるかわからないテロとの戦いになったことに呼応し、緊急の時もアメリカから直接展開して行こうとしているためなのだ。

【二つの懸念】
 私には今回の在沖縄海兵隊のグァムへの移転協定に対して2つの懸念を持っている。
 アメリカは本当に2014年までに海兵隊のグァム移転を完了するのか。日本は国会で審議し、条約にしているがアメリカは行政協定のままでいる、財政危機だのなんだかだと言い訳をして、またぱっと変えて沖縄に居残るのではないか。また、もう一つはその正反対で、もっと大幅削減され、グァムの海兵隊がさっさと本土に引き上げ、日本がせっかく日本の税金が投入されて作られた施設が協定にもない空軍や海軍の利用されることだ。
 朝日新聞の2月16日の一面に、本年度予算が海兵隊のみならず空軍・海軍にも使われることが大々的に報じられた。しかし、例えば港を造るなら、これは海兵隊の施設だ、こっちは海軍の施設だと二つ造るのではないので、将来何年もした後なら仕方がない話だが、我々は条約まで交わし、かつ日本の税金でアメリカの施設を造るのだから、少なくとも最初ぐらいは限定して使わせるべきであると質した。

【キルギスには基地使用料を支払う米軍】
 3年前の外務委員会の委員派遣でキルギスに行かせてもらい、アメリカ軍が使用しているマナス基地を訪れた。その際の駐キルギスアメリカ大使との議論が非常に印象に残っている。大使曰く、キルギスはとんでもない国で、当時、基地使用料としてアメリカがキルギスに1740万ドル出していたが、これを10倍に引き上げろといってきた。1億5千万ドルである。これをアメリカの議会は賄賂として使わずキルギス国民のために使われるなら承認しそうだという内容であった。
私は駐沖縄米軍に対しなんでもかんでも思いやり予算とかいい、多額の負担をしている日本と比較し、なんという違いなのかと驚いた。

【駐留米軍を追い出すキルギス】
 この件は3年たった今も、まだ決着が付いていなかった。私も3年前に拝謁したバギーエフ・キルギス大統領は、一旦まとまりかけた1億5千万ドルの基地使用料をこの2月に反故にし、駐留期限の終了を決定したのだ。理由は2点、金額の折り合いが付かなかったという、負担することばかりの日本では考えられない理由。もう一点は、米軍人による犯罪や事故に関する司法権がアメリカにあるため、米軍人が処罰されずに本国に送還される事に対し、反米軍基地感情が高まった。これは沖縄と全く同じ状況である。ただ対応の仕方は唯々諾々と泣き寝入りする日本と全く違うのだ。
 その後、バギーエフ大統領は、ロシアのメドベージェフ大統領と会談をし、20億ドルの融資と、1億5千万ドルの無償支援を引き出した。ロシアとアメリカを天秤にかけ、国づくりを行っているのだ。この対応の違いはどこから出てくるものなのかと質した。
 答弁では、日本とキルギスとは米国との関係、歴史的な経緯、地理学上非常に異なる。また、日米同盟が日本の外交の基軸であり、キルギスのように天秤にかけることは適当ではないというものであった。確かに日本とキルギスは全然立場は違う、しかし、絶対に共通なのは、地位協定に関する部分で、弱小国だろうが経済大国だろうと共通である。二国間の関係というところで主張する部分は主張するべきだと改めて意見を述べた。

【悪女の深情け予算?】
 冷戦時代、ヨーロッパにも米軍は多く滞在した。しかし、せいぜい基地使用料をとらないぐらいで、実額で出している国はほとんどなかった。金丸信防衛庁長官が世界に類例をみない大盤振る舞いを質され、思わず発したのが「思いやり」であり、以降思いやり予算と呼ばれている。そしてとうとう、アメリカ軍に出て行ってくれと要請して、やっと出て行ってくれるので施設まで造ってやるというのである。さすが、グァムはアメリカであり、米側も負担するが日本のほうが大きい負担となる。
 オバマ大統領は予算削減を公約しており、国防予算も大きく削減していく予定である。日本だけが負担し、アメリカは知らん顔ということも予想される。どうも安全保障がらみになると、日本の軟弱な態度ばかりが目立つ。それこそ国としての矜持を保つべくビシッとした態度をとらないとアメリカに馬鹿にされる。

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