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相変わらずの「日程国会」に振り回された中小企業金融円滑化法 09.11.24

<波乱国会の始まり>
 19日(木)の深夜国会について好意的な論調はほとんどどこにもみあたらない。玄葉光一郎財務金融委員長の解任決議案が出され、それに続いて松本剛明議員運営委員長の解任決議案も出され、19日の本会議は久方ぶりの深夜2時までに及んだ。その引き金を引いたのは、解任決議案を出された玄葉委員長ではなく、会期内に法案を通さなければならないと日程に追い詰められた民主党国対の方針に他ならない。

<野党も賛成する亀井法案>
 亀井金融担当大臣が早くから中小企業を助けるために3年くらい借金の返済を猶予してもいいではないかということを言い出し、金融庁が法案を急いでいた。筋としては正しいので、野党でも反対できない法案であった。金融業界はやることはやってあるし、政府にそんなことまで介入されては困ると主張し、中小企業のほうは法律ができると返済猶予の大儀が立つのでやってほしいということで意見が分かれていた。その結果モラトリアムとか返済猶予とかいうどぎついものではなく、貸付条件の緩和という形で無難な法案となった。

<現場レベルは波静か>
 私は財金委員になったこともないが、役人として国会で法律を通す仕事をしてきたことをかわれ財務金融委員会の筆頭理事を拝命した。今臨時国会の目玉法案そして民主党政権初の法案をスムーズに通すための配置であり、その期待に応えるべく、10月末以来ずっと裏方を勤めてきた。
通常はこの手の重要法案は、途中で参考人の質疑を含めた3日間コースというのが相場となっている。 我々はというか私も民主党政権初の法律審議であり、うまく成立させるべく、自民党の竹本直一筆頭理事と折衝を重ねた。自民党と民主党の国対同士では、例年のことだが、野党となった自民党は、なるべく審議を遅らせようとし、民主党のほうはなるべく審議を早くしようとするせめぎ合いがあったが、現場レベルすなわち財務金融委員会の理事レベルでは、粛々と話が進んだ。竹本筆頭理事以下野党の理事も皆話のわかる人であった。

<詰まった日程から大荒れ国会へ>
 よくある審議を少しでも引き延ばそうという姿勢は全くなく、いろいろな話し合いで18日(火曜日が定例日)7時間で審議、審議日でない19日に参考人質疑、その後は、また話し合いをというところまでは決まっていた。一般の皆さんにはわかりにくいと思うけれども、参考人質疑は大臣が必要ないので、大臣が出席できない日でもできるということで、時たま定例日以外でも行なわれることがあった。
ところが、参議院との関係でどうしても19日本会議前午前中に採決し、午後の本会議に緊急上程して参議院に送らないと今国会で成立できなくなってしまった。そして、19日の本会議前の採決が国対から命じられた。間に立たされて困ったのが私と玄葉委員長である。玄葉委員長は責任感があり、議院運営委の筆頭の経験もあり、国会運営についてわかった方なので、いろいろ知恵を働かせてくれた。
そこで、日程の都合上19日の本会議にかけなければならないということを18日の夕方の理事会で初めて打ち明けた。言い出す私は胸が痛くつらいものがあった。かつての巨大与党自民党がしょっ中やっていたことをせざるえない立場となってしまったからだ。
 19日の朝の理事会でそれを正式決定し、その後の審議からボイコットが始まった。その昼に12:50まで参議院の総務委員会で答弁予定だった亀井金融担当大臣を昼12時に衆議院の財務金融委員会にきていただき、突然の採決を行ない、本会議に緊急上程することになった。自公がかんかんに怒ることはわかっていた。

<野党自民党の初のボイコット>
 予想されたとおりであるが、定時の午後1時からの本会議は開かれず、この間4回、横路衆議院議長に自民党の川崎国対委員長と議運の筆頭理事が申し入れに行った。そして本会議が開かれたのが夜の9時15分、公正な審議を踏みにじったということで玄葉委員長の解任決議案が出され、更にそれを受け入れて日程を勝手に決めて夜中に本会議を開いているということで松本剛明議院運営委員長の解任決議案が出され、この2つは記名投票となり深夜に及んだ。その後に行なわれた中小企業金融円滑化法案の採決には自民党・公明党は退席した。野党自民党にとっては初めての退席である。その席で私が簡単な賛成討論をし、共産党が嫌味たっぷりの賛成討論をし、すぐ採決をし、未明になってやっと全会一致で法案は通過することになった。後味の悪い採決であった。
私は長い賛成討論を用意していたが、午前1時を回らんかとしていたので、壇上まで走り、「ごく短い討論を致します」と始め、皆さんを笑わせ、早くやめてほしいという期待に応えることにした。

<必要な国会改革>
 これで20日(金)、全ての法案が、片肺飛行すなわち野党の自公欠席のもとで審議されると言われていたが、突如方針が転換され、採決をせず、来週になってからまた審議をすることになった。もちろん自公は審議に応じる気配はない。国対というのはこれだけ難しくめまぐるしく変わる。
つくづく感じるのは国会改革の必要性である。役人に答弁をさせないといことも大切かもしれないが、審議をどのようにするかというのが、1日前の理事会で決めてからでしか決まらないというのではなく、1ヶ月、2ヶ月の審議日程をしっかり決め、日程協議などを心配せずに審議できるようにしていかなければならない。今までどおりの「日程国会」では政治家同士の論戦に集中できないからだ。

<民主党に必要な議運・国対族>
 後1週間となった臨時国会であるが、この中小企業金融円滑化法案はたぶん参議院でもさっさと採決されるのではないかと思うけれども、他の法案についてはどうなっていくのかわからない。久しぶりに国対・議運にかかわり(役人時代以来久方ぶりに携わったということだが)、どうも民主党の人たちにはこういったことを経験し、ノウハウを熟知している人が少ない。青年の主張コンクールや弁論大会では優勝するような人達がたくさんいる一方、落とし所を心得て妥協点を探し出せる人は少ない。与党となった民主党が本格的な政権を作るためには、にはこういったことがさっさとできる人材の育成が、絶対に必要ではないかというのを痛切に感じとった一週間であった。