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政調の議論の活性化による脱官僚の政治主導 -10.8.8

― グループ会合より政調部門会議を ―

<当然の政調・部門会議の復活>
 私は、民主党の政策論議の再開についていろいろ発言し行動してきた。国会対策副委員長の1人として山岡国対委員長の下、そうしたことに関与できたからだ。政調の廃止はどう考えてもおかしかったので、質問等研究会の発足、そして政策研究会への衣替え等についても水面下でいろいろかかわってきた。
 菅直人政権の誕生で、政調復活の会合の中心人物だった玄葉光一郎さんが、復活した政調会長(国務大臣)になり、一挙に政調の体制整備が進んだ。常任委員会と併行した部門会議が発足して、農林水産部門会議でいえば、一川保夫参議院農林水産委員会筆頭理事が座長になり、副大臣が共同座長になった。民主党の政策論議の場が戻り、めでたしめでたしである。
 旧体制下でも、研究会の中では農林水産政策研究会の活動が最も活発であった。問題が多かったこともあるが、大半を占める農政をなんとかせんとする1期生議員の熱意と質の高さ故である。

<ずば抜けて活発な農林水産部門会議>
 菅政権が発足してすぐ参議院選挙となり、大敗北。やっと臨時国会が開かれたことから、農林水産部門会議は農業者戸別所得補償を中心とする予算等の協議のため、8月2日(月)から5日(木)まで4日間連続開催した。従前と異なり、農林水産省の役人の説明を受け、それを元とする議論であり、自民党政権時代の部会や野党部門会議と同じである。2、3日は衆議院、4、5日は参議院の予算委員会があるため、夕方17時15分から開催した。連日20~30人が参加し、19時前まで熱心な議論が行なわれた。
 来年度(平成23年度、2011年度)の予算こそ、菅政権の政策がもろ出しになる民主党の本格的予算であり、国民は固唾を呑んで見守っている。財務省への予算提出日は8月31日。お盆前は大体の枠組みが決められるために、全員真剣である。直前は国会も開かれないが、農林水産部門会議は9日(月)から12日(木)まで4日間連日開催される。
 ところが、他の部門会議は、何と1日運営について議論し、予算の概要について役所から聞いただけで終えている。農林水産部門会議のほかに2日以上開催しているところはなく、臨時国会は8月6日に閉会してしまった。8月9日からの翌週からはほとんどの議員は選挙区に帰ってしまう。

<内閣側も聞く姿勢に欠け、党側も無関心>
 つまり、党内の政策協議は行なわれていないのだ。民主党初の本格的予算は役所任せである。政務三役がリードしているので政治主導は十分という言い訳が聞こえてくるが、政務三役ばかりに任せておけないから、党内の政策協議の場が必要だとして政調を復活したのではないのか。内閣側も、積極的に党の意見を汲み取るべく、部門会議の開催を呼びかけ出席しなければならない。しかし、農林水産部門会議以外はお盆前に1回だけの会合というお寒い実態からして、政府・与党一体となった政策の企画立案、政治主導の姿はさっぱり見えてこない。消費税にみられる政府の独断専行が直る気配もなく、党も注文をつけていない。

<真の政治主導は国会議員主導>
役所によって違いがあるにしても4~5人の政務三役で政治主導の政策ができるとはいえまい。よく批判されているとおり、多勢の官僚に無勢である。「取り込まれている」という批判は当然である。脱官僚を実践するためには、週末ごとに地元に帰り、国民の声をより身近で吸収している国会議員が、政策立案に参加して、霞ヶ関行政を是正していかなければならない。真の政治主導とは、内閣入りした4~5人の政務三役の主導ではなく、国会議員(政治家)主導のことなのだ。そして、議院内閣制の下、議員と内閣の橋渡しをするのが「国会等との連絡調整」を本務とする政務官なのだが、全くそうはなっていない。昨今の民主党の政策決定システムの右往左往は、これを完全にはき違えてきたのである。
 となると、政調の部門会議の役割は否が応にも増してくる。別稿に譲るが、諸外国の例をみても二院制の下、政権交代が行なわれれば、ねじれ国会は常態化する。法案は国会で修正されるのが当たり前になっていくはずである。これにより真の政治主導すなわち国会議員主導が実現されるのだ。

<野党政権のままの民主党政権>
 それでは大半の国会議員は臨時国会の間の1週間(7/30~8/6)何をしていたのだろうか。予算委員会以外は、新大臣が就任した、農林水産委員会等以外ろくに委員会も開かれていない。遊んでいたわけではないが、政局に動かされ、グループの会合に足繁く出席していたのである。
 自民党政権時代ならば、参院選でろくに党内議論ができなかったことから、選挙後は、どこの部会でもずっと頻繁に開催されていたし、少なくとも政調会と総務会は閉会中でも週1回は開かれていた。責任政党、与党として当然のことである。
民主党が政権奪取して10ヶ月強。政権党になったが未だに政権党の自覚の欠如した「野党政権」にすぎず、「与党政権」になっていない。党側も政権を支えるという自覚に欠ける「ゆ党」でしかない。

<首相交代は国民の声ならず>
 菅内閣の支持率は30%台に低下してしまったが、賢明な国民の大半は首相交代を望んでいない。1年間に3人目の首相はないという消極的支持が支えだけであり、菅内閣も民主党もしっかりせよというのが国民の正直な気持ちである。
 だとすれば、我々与党民主党議員のするべきことは何か。菅首相を支え、よりよい政策を作り上げ生活第一の政策を実現していくことしかないはずである。それよりも何よりも、民主党という組織がたった2ヶ月前に選んだ党首であり、国民の大ブーイングがあっても、必死で守り抜くのが組織の掟、論理であろう。それを、政策は官僚任せにし、党首交代(首相交代)に向けたグループ会合を先行させていては始まらない。
民主党は政権の座に着いたものの、政権は権力のふりかざしどころがわかっていない。そうした民主党政治を成り金と同じく「成権政治」だと喝破したのは丹羽宇一郎中国大使である。党側も政策よりも首相の首のすげ替えでグループ会合に動き回るようでは、自民党の派閥抗争と何も変わらない。脱官僚、政治主導といった立派なお題目もかすんで見えてきても仕方あるまい。
民主党がやるべきことは、何よりもきちっとした政策を実現し、国民の信頼を得ることである。それを内輪揉めしていては、いずれ国民に見離されてしまう。性根を入れ替えて一丸となって事に当たらねばならない時である。

<襟をただして政策立案>
 私は、6月9日から7月17日まで35日間、週末もない口蹄疫現地対策本部長。農林水産省で仕事を始めて3週間、役所で夜中まで仕事をし、週末は長野県知事選の応援である。休む暇がなかった。今、この原稿は、知事選応援を終えた投票日、8月8日に書いている。やっとできた完全な空白日である。8月9日からまたお盆まで農林水産部門会議が開かれる。じっくり議論してよりよい農林水産行政を打ち立てていかなければならない。
(政権与党になり内閣入りしたので、どうも率直なメルマガ・ブログを書きにくくなったが、民主党全体が政府も党も浮ついているのが少々心配になり、自戒の意味もこめて久しぶりにまとめてみた。)