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歓迎すべき、菅首相続投-10.09.16-

<国民の声とかけ離れる国会議員票>
 9月14日、国民注視の下行われた民主党の代表選挙は菅首相が大差で再選され、いわば圧勝した。私は党員・サポーターが7:3で菅さん、地方自治体議員は6:4で菅さん、国会議員はほぼ五分五分だけれども小沢さんがリードと予想していたが、実際はそれぞれ、8:2、6:4、そして国会議員票も6票だけ菅さんのほうが上回った。長野1区では、予想はたてられなかったが、865票が菅さんに、348票が小沢さんに投じられた。私の党員・サポーターだけではなく、北沢さんのもあり、その他民主党の同僚議員の元を通じて住所が長野1区にあるという党員・サポーターもありなのだ。私の率直な感想は、意外と小沢さんの支持者も多かったこと。国民の声は圧倒的に菅さん支持だが、政治に関心のある党員・サポーターになると、小沢さん支持が増え、それが地方自治体議員、国会議員と続き、国会議員になると一般国民とかなりズレてしまうということだろう。
 石井一参議院議員が「民主党議員は国民の声を聞いていない」と怒りのコメントをされていたが、全く同感である。

<はじめて投票先を明かす>
 私は今まで代表選は、そもそも無記名投票であり、どちらに投票したかというのは明かさないことにしていた。しかし、今回は菅内閣の一員であり、当然のこととして最初から菅総理支持を明らかにしていた。ただ、今後はやはりこれを元に戻そうと思っている。例えば、矢崎公二議員はまじめに考え両方の意見を聞いてから決めるということで、9/1の小沢会合にも菅会合にも顔を出したところ、両方に顔を出している数少ない3人の議員ということで取材攻めにあって辟易していた。メディアに言わせると、有権者が興味を持っているからそれを報じる義務があるというが、やはりちょっと騒ぎすぎである。

<党員・サポーターによる初の選挙>
 いつも党員・サポーターになっていただく時に、代表選に参加できるということを言っていたのに関わらず、私が民主党に参画してから7年、6人の代表が変わったというのに、ただの一度も党員サポーターの皆さんに投票していただくことがなかった。今回初めて選挙ができやっと後ろめたい気持ちを払拭できたことは喜ばしい限りである。もういい結果があらわれ、某地区では役員全員が年初の会合で2000円を払ってサポーターになろうという動きが生じている。ただ2年に1回だということをその上でも理解していってもらわないといけないと思う。
 今回の代表選、私の記憶では自民党の、福田赳夫総理と大平正芳さんが争った時の総裁選以来の熾烈な選挙戦ではなかったかと思う。政権を獲ったばっかしの民主党であり、反小沢とか親小沢とかは捨てて、挙党態勢を敷いていかなければならない。

<職業連呼の意外な菅演説>
 菅さんは前2回の代表選で、最後の演説で失敗したといわれており、演説の草稿を練るのに相当時間をかけたようだ。私の記憶する限りでは2004年1月13日の代表としての演説に次ぐ、いい演説ではなかったかと思う。そのせいで206票対200票と、不利といわれた国会議員の票でも上回れたのかもしれない。
 その中で、面白かったのは菅さんが民主党にはいろいろな職業を経験した人がいるということを延々と述べたくだりである。最後には確か、僧侶、神主、植木職人と出てきた。つまり、411人の全員野球で、それぞれの経験を活かして政治をしてほしいということ、バラエティに富んだ経験を持つ議員がいることを訴えた。それぞれ自分の身に当てはまる人は喜んだのはまちがいあるまい。

<片寄る閣僚の前職>
 今の菅内閣は鳩山内閣の居抜きで、菅首相自ら選んだ訳ではないが、職業にかなりの片寄りが見られる。例えば仙谷、山田、千葉の3閣僚も枝野幹事長も弁護士で、松下政経塾出身が野田、前原、原口、玄葉の4閣僚、そしてジャーナリスト出身が蓮舫、長妻の2閣僚。他にお医者さんが自見さん。官僚出身が荒井、岡田の2閣僚。短いけれども一応サラリーマン経験者は直嶋、北沢、川端の3閣僚。弁護士、松下政経塾から即県会議員・国会議員、ジャーナリストなど、大半の人は大きな組織で仕事をしたことがなく、独立独歩の人たちということである。いい意味では、才気煥発、思ったことをどんどん推進しようということになるが、チームワークや周りとのコンセンサスを得るなり、根回しをするなりといったことがどうも身についていないような人たちばかりの気がする。私はこの点をブログに書いて指摘してきた。

<菅さんの意外な引け目>
 菅さんには「自民党の首相と異なり普通のサラリーマンの息子を強調しているけど、菅さん自身がサラリーマンやったことないんじゃないですか」と言ったところ、「特許事務所に4年間勤めたことがある」と反論されてしまった。弁理士試験が受かるまで4年間、一応サラリーマンをしたそうだ。市民政治をもって任ずる菅さんは、あまりにも若い頃に政治の道に入ってしまったことに引け目を感じているように思った。
今、当選五・六回の方々は民主党が全く弱小政党の頃に政界に入っており、自由業でお金があったたり(弁護士)、政治オタク(松下政経塾)でないと政治家にはなれなかった。それを今は、政党助成金もあり、多くの普通の人がつまり様々な職業の人が政治家になれるようになったのだ。

<7年前の菅代表の挨拶も同じルーツ>
 私は、人格形成においては自らの体験が大事であり、どういう政治をするかは職歴にも左右されると考えている。
 菅さんがなぜこうした職業にこだわったかということで、もう一つ思い出す事がある。我々3期生は1期生の時60人の同志がいた。菅さんが代表であり、当選祝いに現われ言った言葉を今も鮮明に覚えている。「60人は民主党で最大の派閥です。なおかつ、民主党の新人というと松下政経塾を経た若手と誤解されがちだけれども、今回50才を過ぎた人たちが20人近くおられる。いろいろな仕事をされ、社会人として立派に仕事をされたあと、最後のご奉公で政治の世界に入っていただいた方で、民主党の幅が広がったと喜んでいます。即戦力として皆さん方の活躍に期待したい。」その例として、他の人たちには少々配慮不足ではあるが、30年役人をやった私と弁護士の辻恵さんを例に挙げられていた。
 菅さんは、自分をはじめとして、既存の民主党政治家は、若い頃から政治家だけを目指してきた人たちばかりなのに対し、新しい民主党にはいろいろな仕事を立派になしとげたその道のプロが参画してくれた、それを活かしてほしいということを言いたかったのであろう。

<初心に帰る菅首相>
 そういえば、先の「経済、財政、社会保障」も6年前の「経済、財政、農業」と似ている。つまるところ、菅さんは総理として再び原点を見つめなおしているということだろう。その甲斐あってか菅さんはめでたく当選することが出来、第二次菅内閣が出来ることは喜ばしい限りである。