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2012年01月19日

後世代へのツケは借金より放射能汚染のほうが重大    ―消費税増税でTPPと同じ暴走は許されない― -12.1.19.

 年末の29日、党税調に野田総理が出席した。私はこの機会に発言しようと、発言内容を周到に準備して臨んだ。残念ながら私に許される発言時間が限られるため、5分の1くらいに絞らざるを得なかった。将来世代にツケを回さないために、消費増税するなら、最もひどいツケを回す原発こそやめるべきだという点を中心に総理に質問した。新聞報道によると、23人全員に答えたとなっているが、私がもう一つの指摘した手続き論の問題を含め二つとも答えがなかった。その後のことも付け加えて、私が何を言いたいかをお届けする。

 まず、慎重な政権運営をしていただきたい。今までの3ヶ月をみると、荒っぽすぎる、際どすぎる、もっとどっしりとした政権運営をしていただきたい。そういった願いをこめて、野田代表・総理が誕生したはずではありませんか。

<2つの前提条件>
 財政再建、私も異論はありません。ツケを将来世代に回さないようにすべきですが、やり方がつたなすぎます。2つあります。
国民の眼からみて、消費税増税の前にすべきことがたくさんあるのではないかとの疑問が湧いてきます。例えば、議員定数の削減80というのはマニフェストに明確に書いてあります。それから、公務員改革、公務員給与の削減もやっていません。それをやらずになぜ消費税増税だけを急ぐのですか。マニフェストで消費税増税は4年間ないと言っている一方で、約束している政策をほっぽりだしたり、TPPのように何も言ってないことを思いつきで急にやりだしたりしては、国民は納得しないし、民主党同僚議員も納得しません。

 次に、後で触れるTPPと関係しますが、今この時期になぜ2年先、3年先、14年4月8%、15年4月10%と、具体的に書いたり約束したりする必要があるのですか。明確に期日も指示してそんなに急ぐなら、さきほど述べた議員定数80の削減というようなことこそ、同じように法案提出日や実現のする日をすべて明確に約束して実行すべきです。あるいは、それを条件として、先に実現してから消費税増税をするとしなければなりません。

<TPPは先送りが常識>
 菅総理の突然のTPP表明は、常識的にみて大半の国会議員も知らないことが、突然所信表明に出てくるなどありえないことでした。この収拾については関係副大臣会合に任され、13,4回開いて、6月に基本方針を定め、10月に行動計画ということを11月9日の閣議決定で決めました。そんな簡単にはいかないわけですが、少なくとも農林水産業についてきちんと手当しないかぎり、関税ゼロにいきなりするということがとてもできないことは、誰の目にも明らかです。
 一方、官邸に「食と農林漁業再生本部」を設け、農政改革について議論を始めていたところが、3月11日の東日本大震災で3月25日に予定していた中間報告の議論は延期せざるを得ませんでした。この時点において、TPPについてはもう進展させないということが暗黙の了解事項だったはずです。なぜかというと、EPA、FTAを議論しようとしていたカナダ、オーストラリアですら、日本の惨状を勘案してあれこれ言ってこなくなったのです。厳しい国際政治の中でも、日本は東日本大震災の復旧・復興に全力をあげるのが当然だと理解してくれていました。しかし、夏、菅総理が明確に退陣の意思表示をしたときに、中間報告という形で、3月25日のものを、言ってみれば卒業論文という形でまとめました。

<一内閣一仕事>
 私は、菅総理はどこまできちんと聞いてくれていたかはわかりませんが、「社会保障と税の一体改革はやったらいい。しかし、TPPはだめですよ」と、いろんな席で申し上げています。なぜかというと、一内閣一仕事とよく言われます。安定した基盤のある内閣であるならともかく、そうでもない民主党の内閣があれもこれもと欲張るべきではないということです。同じことを野田総理にも言わなければなりません。
 私は、政権交代以来、ポストは変われど内閣の一員や党執行部としてずっと与党内与党に居続けている皆さんが自制心を失い、極めて独善的になり何事も強引にやり出し、失敗を繰り返しているような気がします。TPP、八ツ場ダム、消費税と、国民へのきっちりした説明もなく、皆強引に推し進めすぎです。

<無茶苦茶なTPPの手続き>
 ところが、野田総理のTPPに関する振る舞いは、私は断じて許すわけにはいかず、今でも非常に心外だと思っています。10月10日、群馬県の川場村の農業視察のぶらさがり会見で、APECホノルル会合までに、ぐずぐずしていないとかいう表現で決断を下すと発言し、付け焼き刃で鉢呂座長の下、経済連携PTが設置され、突貫工事で1ヶ月でまとめました。私は、全会合に一番前で出席しておりました。
 ここでも信じられないことですが、外で前原政調会長は「反対意見を聞いていたら政策が進まない」。これはまだいいとして、仙谷政調会長代行の数々の暴言は許し難いと思っています。まとめるべき立場の者が会合にも出席せず、外で余計なことを言っているのです。与党として政権を担っている自覚が欠如しているのです。
 菅総理への温情(?)でまとめた食と農林漁業再生本部の中間報告が、10月21日に一気に本報告、そして行動計画にしてしまいました。でっち上げもいいところです。私は長らく霞ヶ関、そして永田町におりますが、こんなでたらめな手続きで重要なことが決められたのは見たことがありません。ひどいの一語につきます。

<TPPでは離党を防ぐ>
 慎重派の皆さんは怒り心頭に発し、離党騒動もありましたが、私は党の提言を、日本という国がおかしくならないように、そして離党者など出ないように配慮しつつ必死でまとめました。11月13、14日のホノルル会合があるため、1日記者会見を延ばしたくらいで、玉虫色の結着で収め、総理の顔を立てました。斉藤恭紀、中後淳等の血気盛んな議員は怒っていました。山田正彦会長もかんかんです。しかし、私は、「そのまま怒り狂っていたら離党しなければならない。我が党にとっては、そんな場合ではない。だから一旦、ここで矛を収めたほうがいい。ぶっちぎりの参加表明ではないし、今後もTPPには慎重に対応するように政府に求めて活動していこう」ということで穏便な収拾に汗をかきました。APECホノルル会合後開かれた両院議員懇談会では、私は言いたいことが山ほどありましたが発言しませんでした。裏方として最大限野田総理の立場も配慮し、じっと我慢をし続けました。それは、今回の騒ぎに懲りて横暴極まる手法はとることはないと思いたかったからです。
 私のこうした行動は関係者が皆よく承知しているはずです。

<某経産委員の的を射た2つの発言>
 鉢呂PTには、当初TPP賛成者は役員以外ほとんど出席していませんでした。そこで、私は鉢呂座長と賛成派の重鎮委員に注意喚起しました。それでもほとんど出席者は増えませんでした。そんな中、某経産委員が名言を吐きました。「民主党の会合は、どうせ執行部の言うとおりに決まるのだから出てこなかった。出たら、慎重派の意見がこんなに肯けるものだと感心した。だけど、自分は経済産業委員会メンバーなのでTPPに賛成する」。この指摘のように、いつも執行部は結論を決めてかかっているのです。
 次に、私が外での前原政調会長、仙谷政調会長代行の不規則発言を指摘した時に、既に十分大きな声なのに、「私が慎重派だったら、今の5倍ぐらい大きな声を出して怒る」と言って問題視しました。もし、議論を聞いてTPPには慎重に対応していくべきだと理解し、反対してくれたら100点満点でしたが・・・。
 結論を出す11月9日の最終日だけ動員(?)されて出席した賛成派議員の理屈にならない賛成論は聞くに値しないものばかりでした。東京新聞が賛成派の出席者の少なさを厳しく糾弾していました。
 税の議論は、私は他の会合があるときはそちらを優先し、何も他にないときだけ出席しました。私は消費税増税は止むを得ないと思っています。ですから、反対意見は述べていません。決め方だけを問題にしました。今回はさすが大賛成派(?)も多数出席していましたが、やはり反対派がそれでも一縷の望みをかけて多数出席し、理論的な反対論を述べていました。しかし、ラウンドテーブルの意見表明は時間がかかり、ガス抜きとしか映りません。やらないよりましですが、結論がほとんど変わらないのでは何にもなりません。政治は結果なのです。反対の皆さんはよく諦めずに出席し、最後まで意見を述べていたと感心します。
 よくないことに、TPPのときに「参加表明」に向けていつも極秘情報がリークされ(?)、議論の前に結果が新聞に詳細に報道されるということが繰り返されてきました。今回も期日と幅について同じことが繰り返されました。これだけでも私は許すことができません。流れを作ってしまおうという悪い意図が働いているのです。万年執行部(?)の皆さんは、党内野党の皆さんの気持ちをほとんど理解していないように思えます。TPPの際の某議員の発言どおり民主党内の対立する議論は常に執行部側の結論しか出ない、歪みきった非民主的政策決定が行われているのです。

<消費税でTPPと同じ暴走は許されず>
 今、「消費税増税について解散総選挙で国民に信を問え」という声がありますが、私は、それは必要ないと思います。なぜなら、初めて導入するのではなく、また、大半の議員も半分以上の国民もいつかは増税しなければならないことを認めているのです。問題は、順序、時期、幅等だけなのです。議員間で全く意見が対立し、国民が詳細を知らされていないTPPでこそ信を問うべきなのです。
 日本の主権を奪い、社会を大きく変える恐れがあるからです。
 消費税とTPPの違いは、TPPは期限があったのに対して消費税についてはないのです。それを総理自ら言い出したことにこだわって、それを押し切ろうというのは、あまりにも暴走が過ぎるのではないでしょうか。二度目の暴走にやりきれなくなった人たちは離党してしまいました。
先に述べたとおり、財政再建に不退転の決意で望むことは、私は支持します。しかし、TPPは見切り発車、消費税も暴走スタート、こんなことを次々続けるのはあまりにも無謀であり、勝手です。
 特に、TPPについては野田総理がISD条項を知らないということが露呈しました。韓国であるならば内閣総辞職の問題です。日本のマスコミはなぜかしら騒がず、野党も今は問題としていません。しかし、韓国では、裁判官ですら公然と国の独立を汚し、主権を奪うということで反対し始めています。私は野田内閣のこのような心ない荒っぽい政治はとても看過できません。

<消費税増税もTPPも代表選で触れずじまい>
 28日、馬渕さんが「増税の野田さんを選んだのはみんなだ。増税に反対した私は最下位だった」と、自意識過剰の発言をしました。野田総理も「財政再建」とは言っていましたが、代表選の演説で「消費税増税」とは言っていません。4ページの演説のうち、政策に触れたのは半ページ、全体の8分の1のみです。それよりも先に「円高・デフレ対策」と決選投票の場では言っています。たいした政権構想も話していません。
 何よりもTPPなどには一言も触れていません。海江田さんは前日の討論において「代表になったらTPPはやらない」とまで言っていました。「自分は財政再建を言って選ばれたのだから、やらせてほしい」とおっしゃるなら、何も言っていないTPPなど、なぜ突然に手を付け出したのか。あっちもこっちもというふうに欲張りすぎです。代表に選んだからといってそこまで任せていません。PTの会合で、もし、野田候補がTPPをやると言っていたら投票していなかったという人がいました。これは大方の議員の心情を代弁していると思います。
 あちこち手を拡げず、一内閣一仕事で臨むべきなのです。

<脱原発こそ将来世代への責任>
 次に将来の世代にツケを回さない政治をするというのは大賛成です。しかし、最もツケを回しているのは、他にもあるではないですか。TPPでも守り通すという美しい農村の田園風景、麗しい日本の国土を汚して住めなくしてしまっているのが原発です。子孫に顔向けできません。将来の世代にツケを回さないということだったら、膨大な国の借金よりも脱原発こそ先です。借金も放射能汚染も将来にツケを回さないようにしなくてはなりません。
 その点では、会合でも何人も指摘したように、デフレを脱却し、景気がよくなれば、GDPの2倍を超える1000兆円の借金も数年で解消するかもしれません。つまり、借金については他の解消方法もあるのです。それに対し、原発事故による放射能汚染は防ぎようがないのです。そして何十年何百年と続くのです。

<EUの財政再建を学ぶなら脱原発も学ぶべき>
 財政再建は急務だ、ヨーロッパの財政危機を見て欲しい、ギリシャ、イタリアを他山の石とすべきだというのはそのとおりです、日本も学ぶべきです。
ドイツは、シュレーダー政権で原発を止めると決めたのを、メルケル政権が背に腹は代えられないと経済優先でひっくり返してそれを先延ばしという方針で動き出していました。それにもかかわらず、日本の原発事故ですぐさまに、2022年末までに17基のすべての原発を廃止するという方針を決定しました。日本の福島第一原発のような事故が起きたら、後世代に対して顔向けできないからです。
 それに対し、本家本元の日本がそれをほったらかしにして、原発は再稼働し、さらに外国に輸出するとは、矛盾も甚だしいのではありませんか。ドイツ、イタリア、スイス、ベルギーでも、財政事情や経済事情からみて安上がりの原発に頼るのが一番楽なのに、敢えて後世にツケを回さないために脱原発を即断しました。数年間の単位の財政再建よりも数十年いや数百年後の脱原発を優先したのです。野田総理も将来にツケを回さないとあれだけ大見得を切れるなら、日本こそ自らの原発事故を大反省して、西欧諸国の脱原発にこそ学ぶべきではないでしょうか。お互いに学び合うべきです。いやむしろ脱原発こそ率先すべきではないでしょうか。それが日本の責務です。

<原発輸出は世界の笑いもの>
 先の臨時国会で衆・参議院の良識ある数十人の同僚議員は、原子力4協定の承認に賛成しませんでした。同じ想いの人はもっとたくさんいるはずです。私も野田総理が都合のいい消費増税だけを先行させ、世界から笑われ、日本の子々孫々にツケを回す原発を放置することは絶対に看過できません。せっかく3.11の東日本大震災への落ち着いた対応で世界から評価された日本人が、日本国の原発輸出という愚かな行動により、かつてのエコノミック・アニマルならぬニュークリア・アニマルと軽蔑されているかもしれません。それはやめようではありませんか。
 消費税増税への前提条件として行政改革(定数削減、公務員給与の引き下げ)がありますが、私の条件は、脱原発の明確な方針を立ててブレないことです。新規増設なし、耐用年数を40年なら40年と決め、順に廃炉にしていくことです。これがなければ、格好よく後にツケを回さないための消費税増税と言っても耳に入りません。

<落ち着いた政権運営を>
 野田政権は、都合のいいところだけを格好つけてやりすぎています。暴走をやめて落ち着いて政治に取り組んでいただかなくてはいけません。消費税についてだけ先走りするのは、国民にも党内にも混乱を及ぼすだけです。消費税増税やTPP加入で多くの同僚議員が党を離れたり次の選挙で討ち死にしたりする可能性があります。これではまさに「一将功成りて万骨枯る」ではないですか。
 もし、4人目の首相はないということから、このような傲慢な手法を繰り返しているとしたら尚更のことです。命を賭けるという消費税だけに特別扱いならともかく、TPPにみられるルール無視は、私は二度と許容できません。TPPといい、消費税といい、飛び跳ねる鯉になっているのではないでしょうか。自ら約束したとおり、泥臭いどじょうに徹し、地道に丁寧に政権運営をしていただきたい。それが私の願いです。

2012年01月04日

人口移動から日本経済を見る 長野建設新聞2012年新年号寄稿 -12.1.4-

 外国では。人口社会学者エマニュエル・トッドが、幼児死亡率の多さからソ連社会の混乱振りを見極め、崩壊が近いことを予言した(『帝国崩壊』)。さらに、徒にマネー・ゲームに走るアメリカ金融資本の暴走に警告を発しつつ、リーマン・ショックを予測した(『帝国以後』)。そして、そのトッドは、新自由主義的な過度な自由貿易を廃止、協調的保護主義を標榜する。となると関税ゼロのTPPなどもってのほかということになる。日本でも、地方をくまなく回った藻谷浩介(日本開発銀行)が、やはり生産年齢人口減が日本のデフレの原因だとし、そのものずばりの『デフレの正体』を書き、45万部も読まれている。

 2人のアプローチは経済学の理論からはでてこないが、単純明快に人口の変化という一つの事象から経済の動きを説明しており、非常に分かりやすい。藻谷の理論からしても、トッドと同じでTPPに入っても日本の経済には何の得にもならないことになり、むしろ内需を拡大するためにも食料安全保障のためにも、農業をしっかり守らなければならないと主張する。
 藻谷は、日本を輸出ばかり(食い過ぎ)して内需をないがしろにする(運動しない)海外資産大国(メタボ国)と指摘する。輸出をしては貯め込んだお金を外国、しかもギリシャのような危うい国でなく、金利は安いけれども堅実な、米英仏独等の国債を買っているので、毎年の金利の収入(すなわち経常収支)が10兆円を超えており、日本は相変わらず稼ぎすぎということになる。このため、円高となり輸出をいくらしても儲けられなくなっているのが、今の日本なのだ。うがった見方をすれば、TPPは輸出促進ではなく、むしろ貯まったお金を使って輸入することが目的ということになりかねない。するとまた安い外国製品により更なるデフレが続くことになる。この悪循環を断つために、政府は思い切った内需振興、すなわち地方への投資が必要となる。TPPなどにかまけている暇はないのだ。

21世紀の日本には生産年齢人口減に合わせた社会・政策が必要 長野経済新聞2012年1月5日寄稿 -12.1.4-

 日本の景気は悪いままである。景気をよくするためにいろいろな方策があると思われるが、衝撃的な本が出て相当読まれた。藻谷浩介の「デフレの正体」という本である。結論は、日本の景気が悪くなったのは、生産年齢人口(15歳~65歳までの間)が減っているからであり、日本のお金があまりお金を使わない高齢者にばかし行ってしまっていることが原因であると結論付けている。つまり内需が足りないということだ。そういうことからすると、TPPに入り、海外に輸出をしていくというようなことは、全く何の意味もないことになる。これについては野口悠紀雄も、同じように製造業がTPPに入ったからといって、輸出を伸ばし成長していくというのは幻想である、と断言している。

 また、松原隆一郎は、日本の輸出企業は輸出したところで企業内にお金を溜め込み、研究開発投資もしないし、従業員の給料も上げないので、内需は少しも拡大しない。投資先は、金利の高いアメリカの国債等に向き、外国資産が250兆円を超える世界一の大金持ち国になってしまっている。これがために、日本はいくら輸出拡大しても、更なる円高を招くだけで、TPPによる日本経済の活性化は全くならない、と断じている。
 一方、高齢化社会というと、田舎のことばかりが問題になっていたが、今度は大都会の一挙に訪れる高齢化社会が大変なことになる。また隣の中国も既に少子化が進み、2014年を契機に人口が減少していくという。となると、今後は、インドとアフリカぐらいしか人口は増えず、今後経済成長を見込めるところはほとんどないことになる。
 これらを総合すると、日本は、団塊の世代がほとんど退職年齢を迎えていることから、生産年齢人口が少ないことを前提とした大政策転換をしていかねばならないとことになる。
 短期的な政策としては、お金持ちの高齢者にお金を使ってもらう術を考えないとならないが、これは政策ではなかなかむずかしい。理屈でいうと贈与税をなくし、生きている間にどんどん子供にお金を渡してもらうのも一つの方法だが、勤勉で貯蓄好きの日本人ではそううまく行くまい。
 今後は低成長の時代が続くことを覚悟し、個々人がそれに合わせた生き方をしないとならない。

北信タイムス2012年新年号寄稿 -12.1.4-

 2年前の飯山市の合同新年会で、私は夢物語を二つした。その一つに、若手の農業者が就業しやすいように、5年間毎年100万円を給付するぐらいの思い切った政策が必要だと力説し、与党なので3年以内には実現すると大見得を切った。そして、その6月、農林水産副大臣となり、TPP問題と同時に発足した「食と農林漁業再生推進本部」の議論を経て、私の予想よりも早く、しかも、年間150万円と額も増え実現することになった。(12月9日現在)

 概要は、以下のとおりである。①45歳未満、②独立・自営(新しい分野に取り組む)、③県・市町村の計画に位置付けられること等を条件に、年間150万円を最長5年間(但し、年収300万円で打ち切り)給付し、若者の農業参入を全面的に支援するものである。この他に、就農前の研修の2年間も150万円給付することとされており、これを加えると最長7年間150万円ずつ給付され、その間に農業をしていく基礎固めができることになる。フランスにおいてかなり前から導入されており、この事業後、若手が数多く農業に参入し、90%を超える定着率を誇っている。
 農業はともかく儲からなくなってしまった。その上に本格的に取り組むとお金がかかる。そのため、なかなか就業できないでいる人が多いので、初度的経費として、あるいは当面経営が軌道にのるまでの手助けをするという趣旨である。
 これを活用して若手の就農が促進されることを願っている。

北信ローカル2012年1月1日寄稿 -12.1.4-

 TPPをきっかけに、官邸に「食と農林漁業再生推進本部」が設置され、10人の委員と関係閣僚で議論を重ねてきた。菅総理は、何回も農業就業者の平均年齢65.8歳と年金支給開始年齢であることを問題視し、若手が参入する魅力ある農業にすべしと力説した。ところが、東日本大震災で、6月の基本方針策定をあきらめざるを得なくなった。それにもかかわらず、若者の農業の新規参入を促すべきという議論を基にして、今(12月7日)農水省から、新規就農総合支援事業(158億円)が予算要求されている。

 概要は、以下のとおりである。①45歳未満、②独立・自営(新しい分野に取り組む)、③県・市町村の計画に位置付けられること等を条件に、年間150万円を最長5年間(但し、年収300万円で打ち切り)給付し、若者の農業参入を全面的に支援するものである。この他に、就農前の研修の2年間も150万円給付することとされており、これを加えると最長7年間150万円ずつ給付され、その間に農業をしていく基礎固めができることになる。フランスにおいてかなり前から導入されており、この事業後、若手が数多く農業に参入し、90%を超える定着率を誇っている。
 農業はともかく儲からなくなってしまった。その上に本格的に取り組むとお金がかかる。そのため、なかなか就業できないでいる人が多いので、初度的経費として、あるいは当面経営が軌道にのるまでの手助けをするという趣旨である。

 日本でも農業後継者不足が問題視され、後継者対策の必要性が叫ばれてきたが、その割には大した施策を打ってこなかった。
 民主党政権ができて2年半、ゴタゴタが続き、大した政策も打ち出していないように受け止められているが、大きな政策転換もしており、子ども手当、高校授業料の無償化、戸別所得補償等と個人への直接給付を増やしているのがその一つだ。本事業はその大型版であり、これを活用して若手の就農が促進されることを願っている。