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日本は核燃サイクルをやめ朝鮮半島の非核化に貢献-12.03.28-

<隣国韓国の引き続く混乱>
 日本は、太平を謳歌しているが、周辺諸国は必ずしもそうではない。韓国は前々から述べているが、与党ハンナラ党は強行採決したものの、韓米FTAがとんでもない協定であることがわかり、国民の猛反発に合ってしまった。その結果、今やハンナラ党の皆さんも賛成のうえ再交渉の決議をし、ハンナラ党は哀れ名前をセヌリ党と変えざるを得なくなっている。4月11日の総選挙に向け、各党がしのぎを削っている。今のところではハンナラ党は名前を変えて再スタートをして若干支持率を回復させたものの、野党の民主統合党と鍔(つば)競り合いを続けており、与野党逆転の可能性が高いと予想されている。

<米朝合意直後の北朝鮮のロケット打ち上げ>
 そうした折、韓国の大混乱を見透かしたかのように3月16日12時 北朝鮮は朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマンを通じて、突然衛星(ロケット)を発射すると言ってきた。タイミングとしては非常に疑問の多いタイミングである。例によって、長距離弾道ミサイルの試射を衛星の打ち上げと言いくるめている。なぜかというと、米朝がひそかに交渉をして、食料不足に悩む北朝鮮に対して、アメリカが食料援助するということが決まったところだった。そして、見返りにIAEAの核査察を受け入れるということになっていた矢先のことである。つまり、金正日から金正恩への交替のドタバタで膠着状態だった6者協議に向けて、少しは展望が開けてきたかに見えたところだった。

<4月15日前後は絶妙のタイミング>
 日本では原発TPPが問題になっているが、韓国ではそれがらみで釜山の古里原発の事故隠しが明らかになり、日本同様に問題になっている。北朝鮮では核兵器の問題が国際的には大きくなっている。
 今度発射される「光明星3号」は地球観測衛星として、運搬ロケット「銀河3号」により、南側方向に打ち上げられることになっている。今までテポドンは全て東に向けられていたが、南に向けるのは初めてである。期間は4月12日から16日の間である。この期間もよく考えられたものだ。なぜかというと、まず4月15日は、なかば神格化された金日成元主席の生誕100周年であり、一大行事が予定されている。それを祝う形でもある。次に光明星というのは金正日の別名であり、亡き父親への敬意を表する意味もあるという。

<無法国家が少しましになって事前通告>
 先刻の4月11日の韓国の総選挙の翌日、北朝鮮との融和路線をとる民主統合党の勝利を予測して、その後に打ち上げるという計算も働く。
 北朝鮮は無法国家と言われているけれども、それでも昔と比べると徐々に国際的なルールを守るようになっている。1992年、1998年、2006年とロケットを打ち上げたが、何の通告もなく打ち上げている。これが、IMO(国際海事機関)、ICAO(国際民間航空機関)から、ルール違反だと批判され、2009年に初めて事前に通告してからロケットを発射している。今回も同じようにロケットの発射を予告してきた。金正恩はいろいろ取り沙汰されているが、若いころスイスに留学していたとことが明らかになっており、前の指導者に比べて、国際的な感覚があると言われている。したがってこの無謀なことを突然やめるということもあるかもしれないけれども、おじいさんの金日成の生誕100周年という大行事、父親に敬意を表するためのロケット打ち上げということで、多分ストップせずに行くのではないかと思われている。こうしたおり、4月14日予定していた桜を観る会が突然中止された。昨年は東日本大震災で中止になり、2年連続のことだ。楽しみにしていた者も多いのに残念である。

<各国の厳しい批判>
 当然このようなことは、国際的にもルール違反であり、かなり強い調子で各国とも批判声明を出している。中国も、普段は北朝鮮に非常に遠慮しているが、北朝鮮の宣言した4月中旬の衛星発射については、「関心と憂慮」を表明している。「憂慮」などという言葉はあまり普段は使わないということである。アメリカも言ってみれば、相当怒っている。このようなことをするのは極めて挑戦的である。国連安保理決議案第1718号及び1874号、これは北朝鮮に対して弾道ミサイル技術を用いたいかなる発射の実施を禁ずる決議であるけれども、この二つの決議に明確に違反すると述べている。それから食料援助というのも意識して、この長距離ミサイル発射は北朝鮮の最近の約束と相いれないということで、暗に食料支援と絡めて批判している。もちろん韓国はカンカンである。ロシアも深刻な懸念を呼び起こすと強く警告しており、国連事務総長も批判している。各国とも素早い対応であり、相当厳しい口ぶりである。

<北朝鮮のいつもの知らばっくれ振り>
 それに対して、北朝鮮側もしたたかである。日本、アメリカ、韓国がミサイル発射を国連安保決議違反としていることには、「反共和国圧殺政策の典型的な表れであり、我々の平和的な宇宙利用権利を否定して自主権を侵害する卑劣な行為だ」といった非難をしている。また、北京訪問中の李容浩外務次官(北朝鮮の6カ国協議首席代表を務める)は、2月のアメリカとの合意を履行するためIAEAに監視委員を派遣するよう要請したことを明らかにした。一方で、ロケット打ち上げについては、最近あった米朝合意とは別の問題であると、アメリカは合意破棄に警告を発している。硬軟織り混ぜた外交は日本の外交と比べしたたかである。ロケット打ち上げは平和的な宇宙開発の内紛と従来の北朝鮮の見解をそのまま主張している。
 今のところ落下地点は、日本の石垣島の上を通過して、フィリピンの近所ということになっている。北朝鮮は着々と軍事国家になろうとしており、徐々にロケットの射程距離を伸ばしている。今回は前回と比べ、更に2000キロほど長い距離に飛ばすことが出来、ハワイやインドネシアにも到達する距離を目指しているといわれている。

<核兵器もミサイルも造ろうとしている危険な北朝鮮>
 かつてイラク、今イラン、そして北朝鮮は昔も今もずっと問題にされているのは、原発から原爆すなわち核兵器を造ることである。そして、不拡散防止条約により、米ロ中英仏の5ヶ国しか核兵器を持てないことになっている。いわゆる「核のアパルトメイト」と呼ばれ、核兵器を持ちたい他の国からはクレームを付けられている。そうした中、日本は世界で唯一、使用済核燃料からウラン濃縮を許されている。韓国等が同じ権利を認めろと主張し出している。
 アメリカがいう「ならず者国家」イラン、北朝鮮は危うい国なので、原発施設を先制攻撃して破壊してしまおうという考えもあり、現にイスラエルは1981年イラク、2007年にシリアの核関連施設を空爆で破壊している。北朝鮮は核兵器のみならず、それを運ぶミサイルを開発しているのだ。日本もこれを止めさせる動きに積極的に関与していかなければならない。

<核燃サイクルを捨て身ぎれいにして北朝鮮に対峙>
 ところが、日本は北朝鮮問題については、拉致被害者のことしか念頭にはなく、こういった事ではほとんどアメリカに任せきりであるが、そろそろもう少し朝鮮半島全体の平和のために意を向いていかなければならない時期に来ているのではないかと思う。つまり消費増税に血眼になり、何の哲学もなくTPPへ前のめり外交などしている余裕はないということだ。詳細は省くが、日本は「潜在的核保有国」の地位に固執し、プルサーマル、もんじゅとつながる核燃料サイクルを捨てないでいる。これでは、北朝鮮にウラン濃縮を思い止まらせるのに迫力が欠ける。この際、ウラン濃縮もやめることを宣言し、正々堂々と核根絶に向けて主張していくべきではないか。