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民主党の憲法・「党規約」違反は許されず-2012.6.26

<両院議員総会開催要請>
 私は、今回の社保・税一体改革を巡る党内の対立・分裂騒ぎが予想されたので、党内融和を図るべく、布石を打ってきた。
 まず、いつも繰り返される野田執行部の強引な党運営での是正である。政府が党に何も諮らず(大飯原発再稼働)に、あるいは党内議論を無視(TPPの前のめり)で、非民主的なやり方が目立ったので、6月7日に「民主党の『民主的合意形成』を実現する集い」を呼びかけ人の一人として主催した。政局的な動きと誤解されるのを防ぐため、呼びかけ人を中間派だけにとどめ、小沢グループの方には遠慮してもらった。30人前後が12日の会合にも集い、総意として、きちんと両院議員総会を開催し、党の手続きを踏んだ上で本会議採決に臨むべしということで一致した。党規約第7条第6項に基づき、国会議員の3分の1以上の要請により「速やかに招集」しなければならないという義務規定があるからだ。

 署名は1日半で3分の1をはるかに凌ぐ156名も集まり、15日には、輿石幹事長と直嶋両院議員総会長に提出した。署名集めは、呼びかけ人の名を連ね、取りまとめは衆議院第1、第2、参議院会館の3人の事務所を書き込んでするのが普通だが、私一人の名前にした。前述のとおり、変な政局的動きと誤解されるのを避けるためのものであった。社保・税一体改革特別委に朝から晩まで出席しながらの作業であり、例によって2人の秘書ともども作業は深夜に及んだ。

<相次ぎ篠原案賛成発言>
 3月28日午前2時の前原政調会長の突然の議論打ち切りに象徴されるような、不透明な政策決定プロセスに疑問を持つ議員が多いのだろう。すぐに必要な署名が集まったが、私が直接依頼したケースも多い。嬉しいことに「他ならぬ篠原さんがやっていることだから」と署名してくれる同僚が何人もいた。
18日に前原政調会長も出席して東京プリンスホテルで開催された民主党の社保・税合同会議で、より具体的に「党代表選出と同じく、無記名投票で三党合意の是非を諮って、それを元に党議拘束をかけ、それでも造反する者には厳しい処分をする」ことを提案した。相当の方々の賛同を得、19日の2回目の合同会議、20日の両院議員懇談会でも、数多くの同僚議員から一番すっきりした手続きだと賛成意見が相次いだ。
 私の提案は、ずっと手続き問題を指摘して反対し続けてきた同僚議員の胸にストーンと落ちたようだ。そこまできちんとするなら造反とせず、多数決で決められた党の決定には従うというのだ。皆で一緒に行動していくためには、決めるまではいくら議論を重ねても民主的に決めた後は一致団結していくことが当然だからである。もっと言えば、振り上げたこぶしを下ろす途を作ることになる。現に数人の強硬な反対者から、私に直接、両院議員総会での採決の実現要請がきている。また逆に賛成する同僚議員も、すっきりさせるためにも採決し、その代り、造反者には厳しい処分をすべしと、割り切る者もいる。

<相変わらずの不透明な党運営>
 ところが、25日(月)午前、いまだ両院議員総会が開かれていない。午後、社保・税一体改革特別委員会の質問に立った伊吹文明さん(自)は、午前の石原伸晃幹事長と同様に「党の第2の議決機関、両院議員総会を開かないのはおかしい」と明確に指摘した。他党からみても、政権与党としての責任を果たしていないことは明々白々なのだ。
 私は、党の分裂などという愚かなことを絶対避けたいために汗をかいている。民主党衆議院議員308議席への期待に応えるには、民主党が一体となって政策を実行するしかない。それを内輪揉めしていては始まらない。
 修正協議に基づく民・自・公の三党合意は重要な政策変更であり、自民党は18日に総支部長(次期衆院選の立候補予定者)も加えて両院議員総会を開催し、公明党もとっくに開催して、党の態度を決めている。
 この点につき、20日の両院議員懇談会の場で、直嶋会長より政策問題は取り扱わないといった弁解が述べられる一方、樽床幹事長代行はとりあえず懇談会でという発言があった。また輿石幹事長から、議案の特定があれば開催に支障がない旨の発言もあった。まさに言訳でしかない。

(明白な党規約違反)
 党規約には3分の1以上の要請以外に、議題についての条件など何も規定されておらず、「速やかに招集」と規定されているだけである。このまま両院議員総会を開催しないのは党規約違反に当たる。つまり、民主党の「憲法」に違反しているのだ。
 今、民主党は結党以来の危急存亡のときを迎えている。このような時に当たり、当然開催されなければならない両院議員総会を開催することなく、衆議院本会議の採決を行うのは、政権与党として無責任極まりないことである。刑事裁判の世界で正当な手続きを経ずしては罰せられないのが典型だが、手続き上瑕疵があるものはどのこ社会でも認められない。
 まだ水面下で折衝中なので、詳細は明らかにできないが、問題にしているのは、与党民主党が自ら党規破りをして平然としていることである。

<正当な手続きのない決定は無効で賛成できず>
 私は、TPP、拙速な原発再稼働には絶対反対だが、消費増税はいつかは必要であり、また我々の選んだ総理が政治生命をかけるという政策であり、反対はしてきていない。
 ただ、私には、156名の署名をいただいたのに両院議員総会が実現していない、という責任が付きまとっている。最後の最後まで、この実現を追求中である。そして、この結果いかんによっては、私も賛成しかねることになるかもしれない。
 賛成・反対、造反・棄権(欠席)と民主党内は混乱しており、マスコミもそれを面白おかしく報道している。それぞれの側から説得が行われているというが、私にはどちら側からも何の接触もない。賛成側は、野田総理や岡田副総理も乗り出しているようだが、私にド正論を吐かれて都合悪くなるのを嫌がっているのだろうか。執行部よりも、私なり鹿野さんなりのほうが必死で汗をかいているような気がしてならない。

<自民党は推進論、民主党は反対ばかりの○○会合>
 めったに発言しない田中真紀子さんが、両院議員懇談会でいつもの眞紀子節を炸裂させた。その時に、ふと枕言葉で発言したのが、このサブタイトルである。これは自民党と民主党の政府・与党の関係の違いを如実に表している。つまり、自民党は、与党の意見を聞いて政策を実行しているのに対し、民主党は、政府がいきなり政策を打ち上げ(TPP、再稼働)、あとから党が気付いて反対せざるを得なくなるのだ。どちらがまともか明らかである。与党で議論することもなく、政府がやたら暴走しているのであり、民主党の政府・与党の関係がなっていないのだ。

<鹿野さんを担いだ理由と後の祭りの発言>
鹿野グループ(素交会)の中山義活幹事長は、「最近の流行語は中間派だ」と冗談を言った。確かに、私の一連の党内融和を図る活動も、中間派というレッテルを貼られて報道されている。昨年の秋の代表選時、自然発生的に鹿野道彦農林水産大臣を代表にしようと、政治のわかった何人かが集まった。いろいろな既存のグループから馳せ参じた。表面的な見方に偏りがちなマスコミは、年輩の議員が若手が代表(首相)になると働く場がなくなるから、一番年長の鹿野さんを担いだなどと愚かな解説をしていた。しかし、今の民主党の惨状をみて、我々が何を考えて鹿野さんを担ごうとしたのか、相当の同僚議員も国民も理解したのではないかと思う。
 他の方々もそうだと思うが、私が望んだのは、鹿野代表(総理)の下、反小沢・親小沢の対立の解消であり、安定した政権運営である。今、私のところに、「鹿野総理だったらTPPなんて葬り去られているし、再稼働もあんな荒っぽいことはないし、消費増税をこんなに急がず、手堅い政権運営だったですね」と後の祭りの話をしてくる同僚議員がいる。代表選で敗北した後、素交会というグループとして活動してきたのは、再び両方の対立する構造が生まれることを危惧し、その時は仲介に一働きしなければならないと考えたからである。できれば、素交会が、あるいは私が走り回らなくて済むことを望んだが、予想したとおりの事態が生じてしまった。他ならぬ鹿野さんが上着を脱いで誕生した野田内閣である。私も必死で支えているが、どうも、私の両院議員総会という助け舟も、今は功を奏していない。理解に苦しむばかりである。

<民主党の良心・中心派・素交会の存在意義>
 私は、中間派という名称は嫌である。あっち向いたりこっち向いたりするというイメージがある。しかし、我々は、民主党が政策実行しやすい環境を作るために下支えをする「良心派」であり、党の真ん中をいく「中心派」グループである。
 私や鹿野会長の汗が無駄にならず、党が一本にまとまっていくことを願っている。そして、そのために嫌われながらもしつこく活動を続けている。