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台風直撃の日の民主党合同会議 ―社会保障と税の一体改革の大議論― 12.06.25

※ブログへの投稿が遅くなりましたが、6月19日の記事です。

<手順を間違う民主党>
(6/19)
 今、民主党は社会保障と税の一体改革で大揺れである。三党合意が成立したのに政権与党であるにもかかわらず、相変わらず手続きがなっておらず、昨日(6/18)の夜、社会保障と税の一体改革の合同会議が開かれたが、了承をとれなかった。自民党も公明党も修正協議の担当者は一任を取り付けてあったか、我が党はそういったことが出鱈目でウヤムヤなまま民主党の看板政策がズタズタにされたので昨日も大荒れに荒れた。

<党を割らず解散をしない>
 私が、どういう風な行動をしているかというと、「党を割らない」、「解散総選挙をしない」、このために奔走している。この点では輿石幹事長と同じである。TPPは大反対で「慎重に考える会副会長」として、『TPPはいらない!』(日本評論社)という本も書いた。原発についても『原発廃止で世代責任を果たす』(創森社)という本をまとめている。消費増税についてはおとなしくしていようと思ったが、そうはいかなくなってしまった。
 経緯を話していると長くなってしまうのでやめるが、私が呼びかけ人となって「民主党の『民主的合意形成』を実施する集い」を6/7に開催した。民主党はいつも手順を踏まずに、結論ありきの会合を開くだけだからだ。その中で私が中心となって両院議員総会の要請の署名をまとめることになり、156名(現在では165、6名になっている)の署名を添えて輿石幹事長と直嶋両院議員総会会長に届けている。
 先ほどの2つに加えて、輿石幹事長は「採決もさせない」も加え、3ナイ輿石とか言われているが、私は先の2つ、離党者を出すことを避け分裂を避け、そして解散総選挙などをしないということに全力を挙げており、出てきた解決方法は、党大会に次ぐ両院議員総会の開催である。その場で党の存立基盤を揺るがす大問題について、無記名投票により決め、その決定に従って全党員が行動するということである。
 いろいろこの背景を話していると長くなるが、私の発言した内容を復元する形で、どういうことを考えているかをこの際記しておきたい。

<民主党の看板公約・最低保障年金>
 民主党の社会保障政策、特に月7万円の最低保障年金は、党内で相当議論を重ね、マニフェストの看板公約として、政権交代の原動力となった。私が、民主党に参加したばかりのころ、菅直人代表が腕まくりをしながらこの議論をしていたことにビックリ仰天した。つまりそれくらい民主的な政党であった。だから付け焼刃の政策ではない。ところが残念ながらそれ以来9年経っているのに社会保障政策は、私がずっと手がけてきた農業者戸別所得補償などと比べると骨格の構築等が遅れ、政権交代後3年弱たったのにあまり進んでいない。この点批判されても仕方がない。
 菅内閣の下、社会保障と税の一体改革ということで、消費増税と一体になり推進されることとなった。

<消費増税だけが先行し忘れられる社会保障改革>
 高齢者の医療や年金といった、社会保障にお金がかかるから消費増税させてくれ、という考え方で始まったにもかかわらず、結果は無残である。消費増税ばかりが先行し、社会保障の新年金の制度は先送りとなってしまっている。もう一つマニフェストの看板だった後期高齢者医療制度の廃止と民主党の法案も出せなくなってしまった。これは明らかなマニフェスト違反であり国民に対して、いくら言っても言い訳できないことであろう。
 この変更は、昨年の12月29日、政調の下の同じ合同会議で、野田総理が出席して大演説をぶった時に露呈していた。野田総理は、もっぱら欧州の財政危機を例に挙げ、日本も財政再建をしなければならない、そのためにも消費増税による財政再建が必須だと言ったときに瓦解していた。社会保障の制度の確立ということが、ほとんど出てこなかったからである。本人は気付いていないが、社会保障が便法としてしか使われていないことが見え見えだった。

<ガス抜き、結論ありきの歪んだ手続き>
 3月の下旬、46時間議論したと言っているが、片山善博前総務大臣の指摘ではないが、民主党は議論をしていても、先に結論が決まって、やっているだけで民主的な決め方を全くしていない。手続きが拙速で強引なのだ。
 その代表例は、原発の再稼働である。総理以下関係3大臣で決めたというが、全国民の大顰蹙をかっている。この手続きが拙速な上に、仙谷政調会長代行が参加していることも完全な、ルール違反である。有権者は目が肥えており、細かいところまで見ていて「篠原さん、仙谷さん今何大臣なんだい?」と聞かれた。つまり、大臣ばかりいるところに仙谷さんがいるのがおかしいということである。
 TPPの件では、あまり問題にされていないが、閣議決定で11年6月に基本方針、10月に行動計画作成ということになっていた。その間に鋭意「食と農林水産業再生実現会議」を開いて決めていくということであったのにもかかわらず、10月25日に一挙に策定している。8月上旬に中間報告としてまとめたものを、そのままちょっと変えて11月13日、14日のAPECホノルル会合前にデッチ上げただけである。

<3代目の行政改革調査会長>
 この手順の出鱈目の極みが11年12月14日に突如出来上がった行政改革調査会であろう。消費増税の前にやることがあるというマニフェストを思い出し、公務員定数削減、議員定数の削減等を先にすべきということで始まったが、出席者も少なくほとんど進まなかった。
 当時の岡田会長が「社会保障と税の一体改革を進めるのに難癖をつけているだけだ、だから出席者が少ないのだ」といったことに私がかみつき、「年末に付け焼刃で設立、お仕着せの会合で結論を決めていくようなことに、なんでみんなが真面目に出てくるか」とクレームをつけた。
 岡田さんが年明けの改造で副総理になるや、文部科学大臣から閣外に去った中川正春さんが調査会長になり、2月の復興庁の出来たときにまた中川さんが防災担当大臣として戻るに及び、3人目の会長に中野寛成さんとなった。私が指摘したとおりのドタバタ手続きである。これがこのまま消費増税手続きにも受け継がれている。

<野党のままの党規約と組織>
 この元凶は民主党の中に政権与党としての政策決定手続きがきちんと決められていないことにある。野党最後岡田幹事長は、09年9月15日、「民主党の規約、組織は野党のものだったけれども、与党のものに改善していかなければならない。それは走りながら考える」といった。
 ところが、特に野田内閣になって走るばかり、いやTPP・原発・消費税と暴走するばかりで、与党としての意思決定ルールは全く構築されていない。すぐに政調を廃止1年後に政調を復活、国家戦略担当相兼任の政調会長を置き、3年目に、前原政調会長になってから政府・与党三役会議で大方の政策は決めるということになった。岡田さんは再び野党に転落した時は、再び野党幹事長としてゆっくり与党としての仕組みを考えるというのだろうか、と嫌味を言いたくなる。
 単なる法律の改正だったならばそれでいいが、民主党の存立基盤も揺るがすような大きな政策の変更は、とても政調会長の下の二つの合同会議では決めるべきものではない。いまのルールでは、両院議員総会しかない。

<両院議員総会で無記名投票で決着という篠原案>
 自民党は18日午前中に総支部長を加えた両院議員総会を開いている。その冒頭、茂木政調会長が「8割~9割自民党の要求が通った」と言い、「違う、9割5分だ!」というヤジも飛んだという。「地元でも、ほとんど自民党の言うとおりになり、民主党はマニフェストを撤回したと言っていい」という暴言までしている。公明党も、14日に両院合同議員団会議を開き、18日にも開いている。
 それを我が与党民主党は、わざわざ3分の1以上の署名を集めなければならないのは、執行部の怠慢以外の何物でもない。党規約の第7条6項には、「両院議員総会長はすみやかに開かなければならない」と規定されているにもかかわらず、開催の気配がみられない。
 私は、こうしたことから会合では具体的な提案として、三党合意については代表選と同じく「無記名投票」で採決し、その上で厳重な党議拘束をかけて本会議に臨むべきだという提案をした。

<これ以上分裂・離党者を出さないために>
 今問題になっているのは、一つは社会保障と税、税制の政策の問題、2つ目は手続きの問題、3番目に政局的なものがあると思う。しかし、今まで反対しようとしてきた人たちも大義名分を求めている。手続きさえちゃんとしたら賛成すると言っている人たちがいる。かなり強硬な意見を言ってきた人たちに確認したところ、手続きさえきちんとすれば、それをもって政党人だからそれに従うが、今まではあやふやな了承ばっかりで、執行部のいいなりの結論ばかりであったから賛成できなかっただけだと言っている。
 つまり、私のこの案は、まず決められない政治を決める政治にするということ。2つ目には、民主党のバラバラ感を払拭する。3つ目には、造反せざるをえないような立場になっている人たちに救いの手を差し伸べて、党の分裂を避け、離党者を出さないことだ。TPPの暴走で、斉藤恭紀さんと中後淳さん他が離党し、「きづな」を結成、その前に松木けんこうさん、石川知裕さん等「新党大地・新民主」に移っている。原発再稼働で、京大でも物理学を専攻した脱原発の同志、平智之さんが離党している。これ以上仲間を失いたくない。
この私の意図することが野田総理以下の気配りにかける民主党幹部の何人の人にわかっているかということが問題である。

<代表は1年、民主党はずっと長い>
 岡田副総理はまた余計なことを言い、「政策マターは両院議員総会のテーマではない」というようなことを言っているが、そんなことは党規約のどこにも書いていない。両院議員総会は党大会に続く議決機関であり、代表さえ選ばれる。代表は残念ながら1年ごとにほぼ変わっているが、それと比べたら民主党の危急存亡の時であり、社会保障という大政策も絡んで、どう民主党を持っていくべきかという瀬戸際である。そんな時に両院議員総会にかけて、そこで決めないということはありえないことである。
 私は両院総会できちんと決めて、粛々としていく。それでも造反する人たちには厳重な処分をすればいいということである。

<政調の合同会議では党議拘束はかけられず>
 今この原稿は6月19日 2回目の会合をまた開き、またそこで了承をするという案内が来たところで書いている。私は3党合意の内容について検証したり、いろいろ意見を言ったりする二つの調査会の合同会議というのはあり得るが、3党合意の了承というのは、絶対ありえないと思っている。この会合の了承で党議拘束をかけるということは、おかしいので、党議拘束をかけないか、かけたとしても仮に造反あるいは棄権しても処分はないという形で進める以外ないのではないかと思っている。