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社会保障・税一体改革関連法案採決、その後の離党・処分の補足説明 その① 12.07.09

 「ルールに基づき厳正に処分する」と野田総理は大声で記者会見したが、私が何度も繰り返しているように、民主党の党規約違反というルールを踏みにじった政策決定をしている首相以下の執行部が言えた義理ではない。今回の一連の動き、民主党の分裂の過程は、きちんと印しておかなければならないので、テーマごとの断片的なものになるが、メルマガ、ブログに書き留めておくことにする。(興味のない部分は読み飛ばしてください。)

Ⅰ 党議決定されなかった修正合意

<開催しない不合理な理由>
 なお、参考までに、あちこちから聞こえてきた両院議員総会を開催しない理由は以下のような不合理なものである。
① 議決機関であり、野田代表や前原政調会長の解任動議を出されると困る。
 党大会に次ぐ議決機関であり、代表を選べるということは逆に引きずり降ろすこともできる。現に菅降ろし(?)の時は、リコール規定を置くべきということも取り沙汰された。しかし、常識ではありえない。ただ、篠原さんはいいが過激な議員はやりだすかもしれないと言われ、私も答えようがなかった。
② 無記名投票で万が一否決されると困る(この打開策として記名投票という考えを述べる者もいた)。
 与党の大半の議員が反対するものを政策としているとしたら、政府・与党の関係が歪んでいるのだ。否決されたら即、野田内閣は退陣しないとならない。
 しかし、そんなことはほぼ起こりえない。それを恐れて、なにが「政治生命をかける」などと言えるのか。話にならない言訳である。ただ、6/26(火)の採決時に、民主党衆議院議員の4分の1の72名(反対57、欠席・棄権16)が反対の意志を明らかにしたことからすると、無記名投票による採決では否決されるかもしれないという心配もわからないこともない。となると、執行部が、19日の私の無記名投票による採決をかたくなに拒否し続けたのは肯けることになる。いずれにしろ、勇ましい言葉とは裏腹に、性根が据わっていなかったのだ。
 読売新聞(7/6)「政治の現場:検証 消費税政策」は、6/10の夜の町村信孝元官房長官と藤井裕久税調会長会談で、藤井税調会長が修正合意の了承は、合同会議にかけずに常任幹事会で取りたいと述べたと報じられている。与党内の合意はさておき、野党と先に話をつけようとしているのは、政党政治の否定ではなかろうか。
③ 政策マターを取り上げると、次々に主要な政策マターが議題となって困る。
 曰く、TPPでも署名集めがあったし、一度認めると原発再稼働も両院議員総会を開かないとならなくなる。それに加えて、この2つとも完全に反対多数で否決されてしまう。そう言われてみるとそんな気がしないでもない。しかし、今回は党分裂の危機であり、そんなに毎度ありうるはずがない。また、TPPも原発も、ただの予算のやりくりの延長にすぎない消費増税と比べたらもっと大きな問題である。まさに両院議員総会に相応しいテーマである。まさに難癖でしかない。

<民主党首脳の聞くに聞けない詭弁>
 岡田副総理(記者会見)と直嶋両院議員総会長(懇談会)が、同じように政策マターはかけないなどと明確に、不明確な言訳をしたが、テーマを限定した規定などないのは、既にブログで書いたとおりである。驚いたことに、7月9日の予算委の牧義夫議員(生活第一)の「きちんと両院議員総会を開いていたら、反対せず民主党にいたかもしれない。なぜ開催しなかったのかという質問に対し、野田総理も同じように誤魔化し答弁をしていた。更に、また、政府与党三役会議で決めたとまさに詭弁を弄していた。分裂に至った大問題が単なる政策マターなのか、なぜ自民党と公明党はさっさと両院議員総会を開いているのか、まともに答えられないのだ。

<あざとい2つの後解釈>
 こういうことは言いたくないが、党規約違反までして開催しないのは、わざとあやふやにして、小沢元代表やその仲間をいびり出そうとしているのではないか、という説もある。もしそうだとしたら、まさに邪道でしかない。国民のために社会保障制度改革を忘れ、本件を政局にしているのは、世上言われている小沢グループではなく、むしろ野田政権の中枢幹部ということになる。
 また一方で処分を軽くするためにわざと手続上の瑕疵を残しておく、といったとんでもない裏わざ説もあるが、政治には透明性が必要である。そんなややこしいことは不要である。党の議決機関の両院議員総会を経て党議拘束をかけ、造反者に厳罰を処すのが当然である。それを懇談会や代議士会でお茶を濁して乗り切ろうというのは、公党としてあるいは政権与党としてあるまじきことである。
 こんなあやふやなことをしていたから、49名もの離党を誘発し、取り返しのつかないことになってしまった。
自民党の平沢勝栄議員(5期)、加藤紘一議員(13期)のお二人に、全国会議員の3分の1要請による両院議員総会開催を尋ねたところ、笑われてしまった。要請の動きがあったら、それを察知して先に執行部が開催しているので、要請による開催は記憶にないという。それを我が民主党は、率先してやらないどころではなく、要件を揃えたのにやらないというのだ。

<必要なマスコミの指摘>
 この重大な問題を(6月25日(月))の国会審議の中で指摘したのは、石原伸晃自民党幹事長と伊吹文明社保・税特委筆頭理事であるが、マスコミで気付いてくれたのは産経新聞(6/21、5面、加納宏幸記者の署名入り解説)だけである。マスコミの関心は、何人離脱とかいったことばかりに集中し、こうした側面は忘れられがちである。私はあまりマスコミ批判はしたくないが、「社会の木澤」として扱ってほしいのは、政権与党がしゃあしゃあと党規約違反をしていることである。その意味では、加納宏幸記者には心から感謝したい。
 願わくば、もっと多くの学者、評論家に民主党の「無法ぶり」を糺すべく指摘してもらいたいが、今のところその気配が全くない。


Ⅱ 委員以外の修正協議担当
(敬称略)
<修正協議は国会審議の延長にある>
 自民党は伊吹文明、野田毅、町村信孝(税)、鴨下一郎、加藤勝信(社保)と、特別委員会の委員が補正協議担当となり、外部から宮澤洋一だけが税の助っ人として加わった。対する民主党は藤井裕久(税)、細川律夫、長妻昭(社保)と3人が外部で古本伸一郎だけが委員であった。
 法案は国会に提出され、審議の過程で問題点が明らかになり、修正が行われる。国会審議の中に修正につながるやりとりがポロポロ出てきていた。山内康一(みんなの党)から、しっかりこの点を指摘されている。
 ところが自民党委員は1人を除いて議場にいて議論を聞いているのに、民主党委員は1人しかいない。これではいくら3人の外部の者が有識者だといっても勝負にならない。その前に国会審議の軽視そのものである。与党の驕り以外の何物でもない。本当は自民党からすると馬鹿にするなということだが、実は審議を現場でフォローしてない相手は交渉相手として組みしやすかったに違いない。

<重量級自民党と軽量のみの民主党>
 自民党と対等に渡り合うには、藤井、細川、長妻も委員にしておくのが普通である。それをヒラ委員は、渡部恒三(14期)の次が私と2人の3期生、2期生2人、あとは1期生ばかりという軽量級布陣である。いくら自民党に当選回数が多い議員が沢山いて、民主党は半分が1期生といっても、上記の修正協議担当者の他に、逢沢一郎(8期)、金子一義(8期)と実力派を揃える自民党と比べ、あまりにひどい格差である。委員の構成をみたら、とても政治生命を賭ける委員態勢には程遠かった。
 
 その一方で、環境委員会で審議された原子力規制庁設置法案の修正協議は、全く逆の人選となった。党内議論は環境部門会議以外の者も数多く参加して行われてきており、有識者はむしろ外部に多くいたのに、修正協議は環境委員に限定された。こちらは現実より形式を重視したことになる。民主党の方針なりルールは一定せず、実がとれない形となっている。

<ブログにも書けない私の社保・税特委員の理由>
 私ごとになるので、詳細を語るのはやめるが、私は特別委員会の委員に指名された。その結果5月8、10、11日の3日間の本会議で7本の法案の審議を聞かなければならないという理由で、日米韓国会議員交流会議の米国出張を直前になって止めさせられている。TPPを巡り、米側の国会議員とじっくり意見交換してくるつもりだった。委員たるもの本会議の議論を聞いておくべしということから、私は不本意ながら黙って従った。
 それにもかかわらず、修正協議を修正内容が煮詰まる国会審議をナマで聞いていない委員以外に担当させている。上記の山内質問に対し、岡田副総理は、3人はその分野の有識者であり議事内容は後からでも知りえるし、委員と親密な連携をとっているから問題ない、と答弁している。ヒラ委員の私が本会議まで出て、審議を細大漏らさずフォローしなければならないというのとえらい違いである。何よりも支離滅裂な基準である。それでも、修正協議の結末が皆が納得いくものとなっているならよいが、高額所得者への課税強化の先送りをはじめとして、民主党の政策の根幹を揺るがす変更がなされ、厚労部門会議の熱心なメンバーの福田衣里子が、反対せざるを得ないような内容になってしまっているのである。