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社会保障・税一体改革関連法案採決、その後の離党・処分の補足説明 その② 12.07.11

前回に引き続きお送りします。

Ⅲ 独裁体制下で発生する茶坊主集団

<恐ろしい茶坊主集団への警告>
 独善的で強引な政権運営、党内論議を繰り返す過程で、執行部に盲目的に従う恐ろしい茶坊主チルドレンが誕生している。例えば19日、民主党本部で開催された2回目の合同会議(前原政調会長主催)で、ひな壇の執行部の答弁に対して、一斉の意味のない拍手を送り続けていた。北朝鮮の金正恩体制ではないかと目(耳?)を疑った。未熟な政党の末期症状である。反対意見に対し、自ら堂々と賛成・推進意見を述べることもできず、ただひたすら執行部の答弁に拍手する「さくら」に成り下がっていた。
 あまりに見苦しい光景だった。政権奪取3年目にして腐敗が進捗しているのだ。何よりもこのような指示を出す執行部の見識を疑うが、いくら1期生といっても何万人もの方々に名前を書いていただいた国会議員のすることではない。一致団結の意味を完全にはき違えている。

<見習うべき14期のベテラン渡部恒三大先輩>
 私が1回生議員なら、法案に賛成していても、そのような愚かなさくらの拍手要請などには絶対に拒否して応じない。本当に見事と思った発言にこそ、反対意見がだろうと賛成意見だろうと、拍手をすべきである。
 渡部恒三大先輩は、80歳の老体で一度入院されたにもかかわらず、ほとんどの審議に出席された。まじめなのである。社保・税一体改革委でも、いい質問や答弁には声をかけてエールを送り、おかしな質問やいかがわしい答弁には厳しい(といっても何となくホンワカしているが)ヤジを飛ばしておられた。こうした姿勢こそ見習ってほしいものである。

<11人の1年生議員の愚行>
 1期生議員はよい意味で言えば、おしなべて先輩の言うことをよくきき、行儀がいい。悪く言えば国会議員として自立しておらず、上司の眼を気にしていい子ぶる者が多い。その手の集団が、首相に自分たちが苦しい選択として賛成したのだから、造反者には厳しい処分をすべしと押しかけた。賛成した者だけが苦渋の選択をしたという言い振りだが、身近で長野県連の加藤学議員の心の揺れを見るにつけ、離党覚悟で青票(反対票)を投じた者のほうがずっと悩んでいるのだ。こんな時に、同じく苦渋の選択をした同僚議員に厳しい処分を、などと言い出す気がしれないが、それを受ける首相も首相であり配慮に欠ける。これまた、背後にこうした動きを操っている中堅・長老がいるとしたら不見識極まりない。

<お座なりの党会合の象徴>
 合同会議の進行役を務め、度重なる突然の打ち切りなどに加担してきた議員が、先頭に立ちインタビューに応じているのには違和感を覚えざるをえない。ひな壇の進行役が、いくら自分が苦労したからといって、反対したものを厳しく処分しろとは、開いた口が塞がらない。むしろ、会合の公正な進行ができず、円満な了解を得られなかったことを反省すべき立場なのだ。逆に言えば、進行役が意見を聞き、きちんと答弁を引き出すことよりも、反対意見ばかり言ってけしからん、といった気持ちで進行しているから、うまくいかなかったかもしれない。
 いずれにしろ、国会議員たる者、自ら判断して賛成したのであり、反対した人に厳正な処分というのは筋違いである。消費増税がおかしいと思うなら、堂々とおかしいと論陣を張ればよい。薬害C型肝炎被害者で衆議院議員となり社会保険政策の改革に取り組んできた福田衣里子議員は、三党合意のあまりの後退振りに涙で抗議し、それこそ苦渋の選択で青票を投じている。黙って賛成しておいて今更何をいうかということである。処分は輿石幹事長等幹部に一任されており外部がとやかく言う筋合いのものではない。

<異なる意見を認めない民主党>
 離党を思いとどまって説得プロセスの中で、びっくりすることに出くわした。京都1区選出の平智之議員も消費増税に反対していたが、その前に、原発再稼働に嫌気がさして既に離党届けを出していた。ところが、平議員は、3年間も経済産業委員会に所属しながら1度も質問の機会を与えられていなかったのだ。もちろん、308人もいる政権与党、質問時間は野党にたくさん割り振られる。与党は、もともと政策決定の論議に参画しているので、国会審議ではそれほど質問する理由がないことから、予算委員会のTV入りなどを除けば、与党の質問時間はほんの僅かである。(ただ、今の民主党では、ほとんど党内議論せずに、いきなり政府が勝手に政策を打ち出したり、国会に突然持ち出されたりするので、与党も質問時間をもらわないと割りが合わないことになる。もっといえば、民主党の党内議論がもめるのは、TPPといい原発再稼働といい、党内議論なしに政策が暴走仕出し、それに党が歯止めをかけようとするからである。)

<一方にある陰湿ないじめ体質>
 それにしても、3年間でゼロというのはひどすぎである。京大工学部を出て大学院に進み、アメリカのUCLAに留学して、実家の喫茶店のマスター、ラジオのDJ、建設産業シンクタンクの社長を歴任した紳士的な国会議員である。私の30年来の友人の室田武同志社大教授を紹介したりして、それなりに付き合いのある反原発の同志だった。ところが、原発の専門家で、ずっと原発を問題にしてきたことから、危険分子として質問から排除されていたのである。一種の「いじめ」としか言いようがない。これでは原発再稼働の前に民主党にいたくなくなるのは無理もない。そして、こうした筋を通す立派な議員がしいたげられているのを見るにつけ、他の凡庸な1期生が執行部の言いなりになっていくのだろう。
 私の事務所に京都の選挙区の有権者から、「同じように脱原発目指しているし、大学の後輩でもあるから、民主党を離党しないように説得してほしい」と要請があった。また、それ以前に同僚議員からも惜しい人材なので、是非、引き止めてくれ」と要請されていた。私は社保・税一体改革関連法採決や分裂騒ぎに時間をとられていたため、やっと6月下旬になって説得しだしたが、時既に遅く、離党届が一足先に受理されてしまった。民主党は、また有為な人材を1人失ってしまった。悲しい限りである。