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社会保障・税一体改革関連法案採決、その後の離党・処分の補足説明 その③ 12.07.12

引き続きお送りします

Ⅳ野田首相の問題ある面会格差

<ルールなき面会仕分け>
 団体や地方自治体の陳情は、幹事長室を通すという面倒くさいルールができあがり、それに従って地元議員が立ち合ったり、政務三役の陳情に同行したりしている。ところが、首相への直訴なり面会は、かなりでたらめである。何しろ、党規約も平気で破る党の政権である。ほとんど明確なルールはなく、官邸の窓口の気まぐれで処理されているようだ。
 いくら消費増税に政治生命をかけるといっても、消費増税法案に賛成した11人の1期生には喜んで会い、脱原発の要請には会おうとしない勝手な振る舞いが目につく。同僚議員に厳正処分を、などと薄情なことを言いに来る1期生に会う野田首相の気が知れない。有無を言わせず突っ返すのが、党の代表のすることである。

<毛嫌いされる脱原発面会要請>
 私の知る限り、嫌な脱原発の面会要請には、ほとんど応じていない。
まず、4月、増子輝彦参議院議員等福島県選出の6国会議員が、4月に「原発再稼働は慎重に」と申し入れるため面会を求めたが、会おうとしなかった。6月に入り、5日には荒井聡原発収束PT座長が、関電大飯原発の再稼働に慎重な判断を求める120人の署名を官邸に持参した。この時も斉藤勁官房副長官しか対応せず「120人の国会議員の首相宛ての署名なのに無礼だ」と荒井座長代理は怒りを表している。6月25日には、江田五月元参議院議長ら、「脱原発ロードマップを考える会」のメンバー6人が、2025年までのできるだけ早い時期に原発をゼロにするよう求める提言書を届けたが、やはり藤村官房長官しか対応していない。
 同僚国会議員に対してもこの閉鎖的差別的態度だから、再稼働を心配してツイッターで官邸前に集まる国民の声など届くはずがない。毎週金曜日の夕方、官邸に何万人と押しかけられるようになるのも当然のことかもしれない。非はあげて党内世論や国民世論を寄せ付けない。執行部、政権中枢にある。

<耳の痛いことにこそ耳を傾けるべき>
 野田政権執行部には、党内の様々な意見には耳を傾けるという姿勢が、徹底的に欠如しているのだ。もし野田首相自身が、自分の政策に賛成する者を選んで会い、反対する者と合わないという趣味を全面に出しているとしたら、一国のリーダーとしての自覚に欠ける。また、もし何人もいる政治家のスタッフ(官房長官、副長官、補佐官)や事務方が、波風の立たないことばかり考え、耳触りのいいことしか首相に伝えないとしたら、自らの役目を果たしていないことになる。そして、こうしたことの積み重ねが政権を危うくすることになる。鳩山政権でも菅政権でも繰り返されてきたのだろう。党と政権との意思疎通のまずさである、党に不満ばかりが高まっていった。

<参議院議員総会の軽視>
 首相の動静で見ると、野田総理が11人の1期生議員と会ったのは、国会内で開かれた参議院総会を途中退席した直後である。私は、内容をすべて把握しているわけではないが、大量造反の後、かなり殺気立ったやりとりが行われたはずである。その場にいて党内の意見を聞くのと、出過ぎたことをし出した1期生議員と会うのと、どっちが党代表(総理)の責務なのだろうか。些細なことだが、野田政権の何とも言いようのない身勝手な体質が如実に表れている一件である。
 私は今回、大切な法案に棄権し、「厳重注意」を受けた身ではあるが、民主党あるいは野田政権の行方を案じる一議員として、関係者に厳重注意したい。こうしたことを続ければ、民主党政権は国民に見離される。
 このメルマガ、ブログを書いている間に、米長晴信参議院議員が離党してしまった。その前に、彼が問題にしていたのは、この案件だった。それだけ問題になる間違った姿勢だということだろう。

<頭が高い野田総理・岡田副総理>
 委員会で私の隣の隣の席が渡部恒三大先輩であり、審議の合い間にいろいろ教わることが多かった。さすがの私も、渡部さんとなると聞き役になるが、さんざん話した午後、突然差し替え(交代した代理の委員)ばかりが座ることになった。吐血し入院されたのである。私は渡部さんの昔話をもとに、1時間の質問時間の最後に以下のような嫌味な指摘をした。
 渡部さんに言わせると、「竹下旦さんの兄さんの竹下登首相は腰が低かった。消費税導入のため根回し、調整に頭を下げてばかりいた。それにひきかえ野田君や岡田君は頭が高いなあ。理屈で法案を通せると思っているという」ことだった。それに対し私は、「一昔前にもっと頭の低い人に丹羽兵助さんがおられた」。と応じた。弱小派閥三木派・河本派に属していたが故に、政策実現のため、自民党内でも野党にもいつもお願いして歩く「おじぎ3人衆」(丹羽、森山欽司、毛利松平)といわれた。
 ところで、野田政権を支えるグループには、いろいろまくしたてる「生意気3人衆」みたいな者ばかりいて、全く逆になってしまっている。理屈だけで政策を実現するのではなく、もっと謙虚になって社会保障と税の一体改革を成功裏に導いてほしい、と結んだ。
 
<必要な謙虚な姿勢>
 この政権は、何事につけ、党内の意見に広く耳を傾ける姿勢がみられない。高飛車にとってつけたような政策だけを強引に推し進め、都合の悪いことや異なる意見からは逃げまくっている。党内議論の出来レースばかりでなく、官邸の首相の面会もお友達内の出来レースばかりになってしまっている。これでは党内に亀裂が生じ、308人の衆議院議員がいつの間にか250人に減ってしまっても仕方あるまい。
 こんな状況になってしまったのだから、党内融和に気を遣い、社保税一体改革法案の成立に全力を挙げてしかるべきだが、TPPの反対者が多く離党したし、勢いに乗ってTPP参加宣言をすべきだといった記事が新聞紙上に踊っている。「頭の高い」執行部が「図に乗り過ぎ」である。

 これ以上仲間を失わないためにも、もっと謙虚な姿勢が必要である。