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衆議院予算委員会TPP質問報告:その1【簡略版】 押しつけTPPに入る矛盾 -米韓FTAの混乱は、日本の将来の混乱を鏡で映したもの- 13.03.20

 数回のブログで、TPPの危険性について皆さんにお伝えしてきたが、3月15日夕刻、安倍総理がTPP交渉への参加を表明した。民主党が総選挙で大敗し、たった3年3か月で政権与党を自民党に奪い返された時から、うすうすこの日が来ることは感じていた。日本の国の形を変えてしまう危険なTPPに突き進む安倍総理を、今の段階では止める術がないことが残念でならない。

<与党ボケが続く民主党>
 我が党内にも、TPPにより数多くの有為な人材を失ったというのに、尚TPPへの交渉参加に賛成で、こともあろうに安倍総理にエールまで贈る議員もいる。仮に、自民党が野党のままで野田首相が同じことをしても、自民党議員はそんなことは絶対にしないであろう。それどころか、国を誤る暴挙と徹底的に攻撃するであろう。民主党は政権与党になれなかったばかりか、たった3年3ヶ月で与党ボケし、野党の何たるかを忘れてしまったようである。まさに民主党の末期症状が表れている。
 こうした中、私は久方振りに3月19日、テレビ入りの予算員会で安倍総理に直接TPPに関する質問することになった。まず簡略版をお届けし、その後に長い解説版をお届けする。

<急ぎすぎた韓国に嫌みの冒頭挨拶> 
 交渉参加表明をした今でもTPPの内容は見えてこない。当のアメリカに問うと担当者からは毎回「米韓FTAを見習ってほしい。これ以上の内容になる」と必ず返ってくる。そういうことになるなら、今韓国で起こっている混乱は、将来の日本でおこる混乱を鏡に映したものである。今、韓国は大混乱で、李明博大統領が逮捕寸前とか言われているが、その原因の一つに、米韓FTAに前のめりになり過ぎたことがあるのではないかと思う。
 去年(2012)の2月、TPP慎重会の団長として訪韓した際、韓米FTA阻止闘争委員会委員長に「韓国は長年、日本の後ろ姿を見て二番手ランナーとして経済成長をしてきた、しかし、FTAについてはフロントランナーになったがうまくいっていないようだ、それを勉強しに伺った」とちょっと嫌みの挨拶をした。

<フロントランナー韓国の日本への忠告>
 すると、「そのとおりだ。フロントランナーになるものじゃない、こんなひどいFTAとは思わなかった、今までのFTAと違う。今、我々がフロントランナーになってこんなに反省し困っているのに、ノコノコと入っていくという心境がさっぱりわからない」と返された。
 役所は総理に都合のいい情報しか上げない傾向があるが、韓国の状況は総理に伝わっているのかと安倍総理に質した。総理からは、自由貿易協定を結べば、大きく変わる分野もあるわけであり、当然、さまざまな困難に直面する方々も出てくるだろうと、TPPは棚に上げた回答。さらに、対米輸出の増加、米国からの輸入の減少による対米黒字の増加、外国人の対韓直接投資が1年間で約2倍になったなど、メリットを羅列した。予想どおりの答弁である。

<続出するアメリカの筋悪注文>
 それに対し、私は現実に起きている米韓FTAの問題点を、視聴者向けもあって説明した。「中小企業育成」、「外食産業」などを中小企業適用業種として振興しようと思ったら、不平等とクレームがついてきている。また、「医薬品」では「特許」でジェネリック医薬品にアメリカが早速クレームをつけてきて、特許期間を長くして薬価を高くしていることを挙げた。さらに、国民皆保険はもう、ほぼこじあけられており、特区で健康保険の適用除外の地域ができ、ものすごく高額な治療だけの病院ができている。日本で盲腸の手術をしたら30万円だが、アメリカは300万円を超える、そういうふうにしていいのかと例を挙げて迫った。また、私が許しがたいのは学校給食で、地産地消がアメリカの輸入農産物をやはり差別して排除しているのだから、けしからぬといわれていることだと付け加えた。
 他にも、緩和した基準は戻せないラチェット条項というものもあり、もし今度アメリカでまたBSEが発生したときに、輸入基準をきつ目にして牛肉の輸入をストップするということができない。だから、韓国は主権を大幅に制限されていると言い、先の韓米阻止闘争委員会の委員長、鄭東泳(6年前に李明博と大統領選を争った議員)は、日本のTPPへの前のめり姿勢に首を傾げる。

<押しつけTPPにノコノコ入る、押しつけ憲法嫌いの安倍総理>
 安倍総理は、保守として日本国憲法はアメリカから押しつけられた憲法だとまで言っているが、TPPは、まさにアメリカのルールを世界のルールにしていく、押しつけ憲法ならぬ押しつけTPPだ。韓国は「前払い」でもGMO、遺伝子組み換え食品の表示などしてはいけないとされ、日本でも食の安全を弱められる可能性がある。国の安全とは何も防衛だけではなく、食の安全も守らないとならない。TPP加盟は安倍総理の政治哲学、政治信条と全く違うことではないかと質した。
 安倍総理は、米韓FTAについてさまざまな課題、問題点を挙げたが、米韓のFTAは2国間だが、TPPについてはマルチの会議でありアジアの国々が多く参加するので、そういう国々と連携していくことも可能ではないかとごまかした。

<ISD条項こそ完全拒否>
 米韓FTAでの混乱の最後の質問にISDを挙げた。ISDは簡単に言うと、国家をアメリカの企業が訴えて、かつ、日本国の裁判所ではなく、世銀の下の仲裁センターで裁判が行われ、日本が負ければ賠償金を払わなくてはならない。日本が日本の法律外で裁かれ、外国の企業に賠償しなければならないと、そもそも憲法七十六条の日本の裁判は、最高裁判所以下、下級裁判所でやるという規定されていることに反するものだ。
 このISDの言いわけに、日本のEPAにも規定されていることがあげられる。全然ルールがない発展途上国と結ぶのは当たり前だが、先進国同士で結ぶ必要はなく、現に米豪FTAにはない。韓国でもISD条項の削除は朴槿恵大統領に引き継がれた一つの課題となっている。
 自民党が6項目に入れたことを評価する。関税も大事だが、これこそ安倍総理の信条からしたら、絶対にこんなことは認めないと言ってしかるべきだと思うがどうかと突っ込んだ。安倍総理は、6項目について自由民主党は、守らなければならないと考えている。しっかりとかち取るべく努力をしていきたいと思っていると答えた。

 ISDは絶対ダメだ、自民党の皆さんも頑張ってと念を押し、米韓FTAの混乱を通じての問題提起を終えた。