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「奈落の底」で「黄金の日々」を顧みる - 7月21日 19:30 脱稿 -

<民主党のかつての黄金の日々>
 参院選終盤、新聞各紙は民主党の大苦戦・大凋落振りを一斉に報じている。それにつけても、6年前の07年と比べると様変わりである。特に1人区にその差が顕著に表れている。
今回は、1人区(31)での民主党の勝利は全く見込みなし。

 山形(舟山-みどりの風)、岩手(平野-無所属)、沖縄(糸数-諸派)と3県が自民と争っているが、全員非民主。前2者は農林水産省の私の後輩で元民主党の離党組というのも共通している。当然、二人とも私の選挙応援もしてくれている。しかし、舟山康江は民主が支持しているので応援できるが、平野達男は対立候補を出しているため応援できない。
 6年前は、29の1人区で23勝(民主18)6敗と大きく勝ち越し、全体でも民主62議席、自民37議席と圧勝した。まさに、昇り調子の民主党の黄金の日々であった。

<現在は奈落の底>
 比例区も民主20議席に対して自民14議席だったが、今回は、民主は比例区も10を割り、5~8議席ぐらいしか見込めないという。そして、民主全体の議席数も62議席から3分の1あるいは最悪4分の1に縮小し、20を割るかもしれない惨憺たる状況である。1998年の結党以来の最低26を下回るかもしれない。
 逆に自民党は70議席を超え、比例区も22と小泉旋風下の01年を凌ぐ勢いだという。
 あまりの格差に愕然とせざるをえない。あまちゃんではないが、奈落の底である。
 衆議院は有権者と候補者の関係がずっと濃密であり、民主党への逆風を和らげることができるが、党が全面に出る参院選は逆風をもろに受ける。

<民主党のアップ・ダウン>
 この6年間、民主党をめぐる情勢なり、日本の政治をめぐる情勢にどのような変化があったのだろうか。
 6年前の参院選は、安倍首相にとっては屈辱の選挙だった。1人区での大敗に象徴される大敗北により、首相の座から降りなければならなくなった。恨み骨髄に達しているのだろう。親の仇、議席を取り戻さなければ死んでも死にきれない、民主党を殲滅する等、勇ましい言葉を発して、この参院選に並々ならぬ闘志を燃やしている。その後、福田・麻生内閣を経て09年8月の政権交代選挙で、民主党が308議席と圧勝し、民主党政権が誕生した。 
すぐさま鳩山首相の普天間基地問題で混乱が生じ、1年も経たず首相退陣。10年6月に鳩山政権から引き継いで菅政権が誕生した時は、内閣支持率も60%を超え、参院選も与党として勝利間違いなしのムードが漂っていた。そこに6月17日の消費税発言である。
 参院選で負けはしたが、それでも44議席を維持し、参議院は民主党側(与党)が多数を占めた。農業者戸別所得補償等の公約は実行に移していったが、子ども手当等では迷走が始まった。菅内閣では10月1日に所信表明で突然のTPP参加発言と、驕りが続いた。翌年3月11日の東日本大震災は、まさに災難であり、自民党政権では絶対にできない浜岡原発の停止等民主党らしい政策も実行できた。
 その後、野田内閣となり、マニフェストにもない消費税で暴走し、その延長で12年末の自爆解散によって約230議席から57議席の小政党に転落した。

<まずい政権運営への批判を引きずる敗北>
 今回の大敗北予測に対し、気の早いマスコミは海江田代表の責任論などと言い出す始末である。全く的外れである。こんな落ち目、弱り目、祟り目の今の民主党、誰が党首だろうと勝てるはずがない。すべて、3年3か月ののぼせ上がった政権運営が原因である。もしも責任を取らせるというなら、民主党政権の間、特に後半の菅・野田政権の間ずっと政権・党中枢にあって民主党らしい政策を忘れ、国民の期待感を大きく裏切り失望させるとともに、強引な党運営により党を分裂させた面々に取らせるべきである。今の執行部が悪いのではない。

<2回連続大勝利は異例>
 アメリカの中間選挙は、大半が野党側、すなわち大統領を出していない政党が勝利する。国民・有権者は議会にチェック機能を果たさせようとするからである。日本は衆議院に解散があり、国政選挙はバラバラ行われるが、今までは大体与野党が交代に勝利してきており、片方が続けて大勝利することはなかった。両国民とも微妙なバランス感覚を働かせていたのである。
 ところが、今回は12年末の総選挙に続いて自民党が2回連続圧勝する勢いである。09年の政権交代により、日本の選挙も少し狂いが生じつつあるようだ。

<政治も独占はあってはならず>
 7月20日現在地方区の勝利予想では、31の1人区は自民29、他の2つは非民主野党で、民主ゼロ。16の2人区以上でも民主党が安泰なのは小川(北海道)、羽田(長野)、榛葉(静岡)、大塚(愛知)の4人だけで、あとは自民が当確で、残った議席を野党同士で争っているという状況である。従って最終日、海江田代表は大阪・兵庫と遊説し、安倍首相は、東京が予定されている。二党首とも激しく競り合っている選挙区に行くのだ。
このままいくと政党としては全都道府県で自民党が第1位を占める、という空恐ろしい独占状態になってしまう。
どんなに自由競争、市場原理を重視する者でも、その挙句一社の独占状態になり競争を阻害し、市場も働かなくなるという状態を是とする者はいまい。ところが日本の政界は今そういう寡占状態にならんとしているのだ。政治も経済も同じであり、独占や寡占はあってはならないことである。

<自民党の「欺ます政治」が取り戻される>
 「日本を取り戻す」という自民党のポスターが全国に貼り出されている。自民党の圧勝により、少なくとも「国民を欺ます」政治が取り戻されることは確実である。その片鱗は既にチラッと見せ始めている。
 終盤国会、民主党は電力システム改革を進める電気事業法改正案、生活保護法改正案等重要4法案の成立を優先すべきと主張していたが、自民党は突如安倍首相の問責決議の採決を行なった。確かに約束した予算委員会に欠席するのは重大な憲法違反(63条)であるが、これで法案はすべて廃案となった。
 そして悪いのは野党だというデマ宣伝である。「決められる政治のために衆参のねじれ解消を」という、参院選用のスローガン造りのための大芝居を打ったのだ。宮藤官九郎には見え見えのお決まりのシナリオであろう。本当は電事連議員の多い自民党は電気事業法を通したくなかったという別の事情もある。

<昔に戻る「恫喝政治」の再開>
 このような悪い魂胆は政治のプロにはすぐ見破られ、TBSが正直にこの点を放送したところ、党幹部への取材や番組出演を拒否するという怪挙(?)に出た。マスコミを恫喝して自らの嘘を隠し、強引に変な政治を進め始めている。
 ナチス・ドイツは、ヒトラーの信任を得たゲッベルス宣伝相が欺ましと恫喝でドイツを奈落の底に突き落としていった。こんな調子で原発も再稼働され、TPPに入り、憲法改正されていくとしたら、日本の暴走は止まらなくなってしまう。我々民主党は心して政治に取り組む必要があるし、国民にももっと目をかっ開いて見てほしい気がする。

<民主党再生のためのシナリオは?>
 天野アキが奈落からどう這い上がっていくかは、クドカンがアッと驚くシナリオを考えてくれているに違いない。しかし、民主党が予想される参院選の大敗北からどう立ち上がるかは、誰もわからない。自民党の安倍総裁は、民主党を完膚なきまでに叩きのめすといきり立ち、政治評論家は民主党が旧社会党・社民党と同じ運命を辿るともっともらしく予測をしている。それでは日本の政治はよくならない。是が非でも民主党が再び勢いを取り戻し、政権奪取すべく我々民主党議員が必死で復活のシナリオを考えるしかない。