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県議選の区割りは中山間地域に優しくすべし-倫選特を第2の憲法審査会に-13.11.19

<与党が審議時間をケチる倫選特>
 11月14日政治倫理の確立及び選挙制度の確立に関する特別委員会(通称「倫選特」)で、都道府県議会議員(以下「県議」)の選挙区の区割りについての自民党・公明党の議員提出の法案案についての審議が行われ、私が筆頭理事として質問した。本当は1時間は欲しい内容であったが、なぜかしら与党は全体で1時間半で済まそうということを言い出し、民主党には25分の質問時間しか割り振られなかった。そのたった25分の質問のために、資料を例によって6枚作り、二人の秘書は二日間それにかかりきりであった。足りない質問時間の中で言い尽くせなかった分を、県議の皆さんをはじめ関係者に是非催行してほしいと思っている。

<郡のしばりをなくして県の自由度を増す>
 県議選は、郡の実態がなくなって久しいにも関わらず、選挙区は基本的には市と郡区で切られることになっており、郡を超えた合区は認められていなかった。それを遅ればせながら、郡を超えた合区を認めるものだ。(長野の北部の例でいうと、木島平村と野沢温泉村は飯山市の方が近い。しかし、この二村は下高井郡であり、旧下水内郡の飯山市との合区は出来なかった。)
 事程左様に政治の根幹である選挙区について長い間蔑ろにされてきたのである。公職選挙法は政治的思惑が絡むため、改正も議員に任されており、どうもその場しのぎのいびつな法律になっている。私はこうしたことを是正するには、郡を超えて合区を認めるといった単純で技術的なことは、優秀な人材の集まる総務省選挙部が責任を持って内閣提出法案として積極的に改正をしていくべきだ、と総務省を叱咤激励した。 

<長野県が一人区が多く無所属が多い理由>
 7年前、県会議員選挙があった折りに調べたことがある。なんと長野県は58の定数に対し、29人が無所属であり、無所属率が50%、2位の兵庫県32%で18%も話していた。13年現在、無所属率1位は山梨の55%で、長野と兵庫が5位以内となっている。
 一人区が多すぎると、県議も一党一派に属さないということで、無所属で選ばれるような傾向が多い。そしてほとんどが保守系無所属となる。長野県は、平成の大合併にも背を向け、北海道に次いで市町村が多く、その結果1人区が多くなっている。ところが片一方で合併を重ねた挙句、長野市のように10人区という巨大な選挙区になっているところもある。県議の選挙区(1,139)は460の1人区からバカデカイ選挙区(17人の鹿児島市を筆頭に、10人以上の区が28もある)まであり、バランスを欠くことこの上ない。

<関心が薄れる県議選は低投票率が定着>
 国政選挙は、例えば新聞が政権交代と書きたて騒がれるので、投票率は自然と高くなる。市町村議会議員は、田舎の場合は身近なので投票率が高くなる。ところが、都道府県議会議員は、いずれも中途半端になり投票率が低くなり、かつ上述の10人の巨大選挙区ともなると、地域との繋がりも希薄になり、ますます投票率が低くなってしまう。
 これは、11年4月の統一地方選と12年末の衆院選を比べてみるとよくわかる。北海道、富山、島根を除き、他はすべて衆院選の投票率が大幅に上回った。この3道県は今以って道県議が市町村議会議員並みに身近な存在なのだろう。それに対し、都市部の埼玉、千葉、愛知、京都、大阪、兵庫等は軒並み10ポイント以上の府県議選の投票率が低くなっている。

<中山間地域の声が県政に届かず>
 私は、本件については途中から担当になったが、長野市のように中山間地域を抱える人はすぐお分かりいただける提案をした。
 長野市の西の中山間地域の、信州新町(人口5,008人)・中条村(2,281人)・大岡村(1,462人)・そして全国的に有名な戸隠村(4,602人)・鬼無里村(2,069人)が長野市に合併している。長野市の場合、市会議員39人の定数の最低得票数は、2,222票、県議は8,890票。その結果、例えば中条村、信州新町、戸隠村はかろうじて市会議員を一人出している。それに対して、県議は市は全体が一つの区と決められており、万人近くの得票が必要なため、一人も出せないでいる。全員、人口・有権者が多い旧市部の者だけになってしまう。
 議員はまずは地元の為に働くのが民主主義であり当然である。その結果、長野市政には中山間地域の声が反映されるが、長野県政にはなかなか声が届きにくくなっているのが実情である。
こうした中山間地域のハンデを少しでも少なくするため、場合によっては、中山間地域で一本化し一つの選挙区とする自主性を認めることが考えられる。旧長野市内は1万票近くとらなければ県議になれないが、中山間地域を独立した一つの区として、6千票ぐらいで一人の県議を出せるようにしてもいいのではないか。

<鈍感な国会議員と粋なはからいをする都道府県>
 しかしながら、時間も迫って面倒臭がられたか(?)、あまり賛同を得られず今回の改正には間に合わなかった。都道府県議会関係者が陳情に来たおり、私の提案を説明したが、ほとんど興味を示さなかった。こうして、また改正が遅れ、中山間地域の過疎化が進むことになる。私から言わせると、変える立場にある議員の姿勢がどうもひりっとしていないのだ。
 指定都市なり大都市には、人口比であるから議席が多くなっているが、よくしたもので、北海道、新潟、熊本、高松、高知、大分等では大都市の1票の重みは、その周辺の中小の市町村より軽くなっている。つまり心ある都道府県は中山間地域の実情を承知し、中山間地域を手厚くする粋なはからいを自主的にしている。

<指定郡市で一人区が多いのは問題>
 大阪市は、市内に15の1人区がある。このからくりは指定都市の場合、行政区に分けられそこを中心に選挙区割りをすることになっているからだ。つまり大都市大阪市は23の行政区のうち15が1人区で、平均定数が1.4になっている。その結果、第一党である自民党や今は大阪維新の会が軒並み議席を占めてしまうことになり、他党に投票した票は死に票となっている。かくして大都市と中山間地域の両極に1人区がひしめくという不思議なことになっている。
 これに対し、4~5人の中選挙区ならば、弱小政党も議席を確保できたりする可能性は強まることになる。衆議院の定数削減問題、それに伴う選挙区のあり方は各党の主張が異なり、なかなかまとまらないのでわかるとおり、選挙区は政治にとっては死活的重要性を帯びている。それが、県議の場合相当いい加減なのだ。

<憲法調査会並みに各自が議論>
 最後にちょっと変わった提案をした。倫選特は、他の委員会と異なり、法案はほとんど議員提出であり、法案提出者の議員が答弁者となる。大半は賛成した党の共同提案となる。ところが、その議員立法は、委員会に提出される前に全党一致した場合に委員長提案で審議なしで可決されることもある。
 例えば、今衆議院の定数削減委ついては、自公民の代表者(民主党の場合は岡田克也政治改革・国会改革本部長)が議論を重ねている。そこで大半が決まると、その3党から提出者が名を連ねて提出し、倫選特で審議されることになる。ところが、3党で合意したことだからといって、今回と同じように、委員会ではあまりきちんと審議されずに法案が可決されることになる。かくして、委員会の外の各党間の協議が重視され委員会審議は儀式だけのものとなり、軽視される傾向が強い。
 私は、こうした悪弊を改め、議員同士の議論を活発化するという現在進行中の国会改革の理念に照らし、憲法審査会と同じく名札を立てて自由に委員同士(議員同士)が意見交換し合う場を作るべきだと提案した。
 いずれにしてもこの後に控えているのは、通常国会での定数の削減である。我々は11月20日に衆議院選挙の一票の重みについて争われている違憲判決が出て来る。もう0増5減の法律は通っており、この次の選挙から実施されることになっている。
 私は、来年には是非倫選特の委員が自由に定員削減について意見を言う場が出来ていることを願っている。