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予算委員会報告2-憲法改正・集団的自衛権の行使に姑息な手段を使わない―正々堂々国民投票で決すべし―13.11.15

 順序は逆になるが、予算委員会の質問時間が30分しかなくて言い足りなかったことが多いので、補完する意味で私が問いただしたかったこと、主張したかったことをまとめてメルマガブログにご報告したい。

<いつもストレートな安倍首相らしからぬ狭い手法>
 今回は、安倍首相の政治姿勢を3つの現下の課題に絡めて問うことにしていた。
 安倍首相のやりたいことの一つが憲法改正である。まず憲法改正から。高飛車にやろうとしているともみられているが、あまり急いでも仕方がないということに気づいたのか、緩めているということもある。安倍首相は非常にストレートに物を言い、ストレートに政策実行をする方であるが、この件についてはどうも横道から入っており、ずるいのではないかと指摘をした。やり方が姑息だということである。

<憲法改正は正々堂々と3分の2の多数で発議して国民投票で決着>
 憲法上は96条に改正手続きがあり、衆・参両院の三分の二以上の賛成を得なければ、憲法改正の発議が出来ないことになっている。それをあろうことか突然自民党が二分の一に改変せんということを言い出し、私の2年連続で所属した憲法審査会で相当熱っぽい議論することになった。(「憲法96条改正論議の矛盾 -安倍首相のTPPに次ぐ勇み足」 13.5.14)正々堂々と憲法改正の発議をして、国民投票に問えばいいのである。ただ、①18歳に投票年齢を下げる事 ②公務員の政治行為 ③国民投票の対象拡大の三つの宿題があり、それをクリアしていかなければならないことになっている。その後、自民党が20歳に戻すと言い出しているがが、一応国民投票法は出来上がっている。
 今や自民党は衆議院で294議席を占め、たちの悪い自民党の別動隊ともいえる日本維新の会、みんなの党もある。参議院選挙でもいまだかつてない大勝し、3分の2の発議はそんなに難しいことではない。どっちにしろ憲法改正は国民に決めてもらうことである。

<法制局長官を替えて解釈変更こそ邪道>
 また、一方で集団的自衛権の行使も決めていこうと欲張っている。これは憲法改正までは考えていないようであるが、姑息にも内閣法制局長官を外務官僚に変えて、政府の解釈変更も一緒にしてしまおうとしている。政府が知恵を出して作り上げてきた主張、すなわち、国連憲章に集団的自衛権というのはあって認められているが、日本は憲法上行使することが出来ない、という解釈を変更しようとしている。
 そのため、6年前に外務省の国際法局長として、有識者懇談会の事務局で取りまとめに力を発揮した、小松一郎フランス大使を突如、内閣法制局長官に任命した。内閣法制局に勤務したこともなければ、部長も次長もやっていない者が、内閣法制局長官に就任したのは初めてのことである。
 余談になるが、山本庸幸前長官は、私の京大の同期であり、人事異動があったときには私のところに挨拶に来る仲である。

<小松一郎は俊英だが、法制局長官は行き過ぎ>
 小松一郎現長官は、ウルグアイ・ラウンドのころに、ジュネーブ代表部の参事官をしていたころから名前だけは承知していた。農林水産省からの出向者も含め、当時は、まだワープロが普及していなかったので、各人の肉筆で電報が書かれていた。農林水産省からの出向者も含め並の外交官は、まじめな人が大半なのである。どうでもいいこともだらだらと書いてきて、読んでも益がなかった。そうした中、小松電報は字も綺麗な上に、内容も簡にして要であった。残念ながら直接濃密な付き合いをする機会はなかったが、条約局長、国際法局長、スイス大使、そしてフランス語の研修組の最高位であるフランス大使と出世街道を登りつめて行ったのは承知していた。
 だから、安倍首相がその俊英・小松一郎に目をつけたのはさすがだが、法律の審査など一度もしたことがないのに、法制局長官にするのは明らかに行き過ぎである。この後、NHK経営委員でも、安倍首相の癖のお友達人事が横行することになる。やはり「慢心」が随所に出始めている。

<英語のわからない神戸製鋼ニューヨーク所長と同じ>
 安倍首相は神戸製鋼で3年勤務しただけである。各主要閣僚の中で、麻生副総理は13年ほど自分の家の麻生産業で働いている。甘利TPP担当大臣はソニーで2年間だけ勤めている。いずれも組織で長らく働いて中間管理職をやっていない。この人たちには組織のトップにいきなりわけのわからない人が来たことの恐ろしさ、下の働きにくさというものは理解していないのであろう。だから、「なんとかセメントの資材部長が、英語もできないのに神戸製鋼のニューヨーク所長になったようなものだ」と嫌味をぶつけた。
 どうも安倍首相は、憲法改正を歴史的使命だと称して、あの手この手でやることすべてに手を尽くそうと、欲張っている。

<非組織人政治家の困った非常識人事で困惑する部下>
 この点歪んだ政治主導人事について、民主党政権の時の悪い政治主導人事と自民党政権のものそれぞれ3つを例に挙げ、「霞が関への政治主導人事の妥当性」という表にし委員会で配布した。特に私が指摘したのは、前原誠司国土交通大臣の溝畑宏観光庁長官人事である。溝畑宏当時49歳、元自治庁の役人、大分県に出向した後、自治省を辞め大分トリニータの社長をしていたが、その経営がままならず、東京に戻り浪人中であった。その彼を自治省の同期ももちろん、国土交通省の同期も課長になってさえいないというのに、いきなり観光庁長官にしたのである。これでは年長の部下を含めまともに仕事をする気になるれなくて当然である。これがJTBの副社長なら若くとも納得するだろうけれども、隣の役所のドロップアウトでは話にならない。こういう部下の気持ちは、組織内で長年にわたって仕事をしたことがなく、社会人としての常識に欠ける政治オタクの皆さんにはわからないのだろう。

<塩崎元官房長官の古傷に触れて一瞬どよめく>
 自民党政権、前回安倍首相の時の政治人事にも触れた。小池百合子防衛相が就任するや守屋武昌事務次官を更迭すると言い出した。それに対して、塩崎恭久官房長官が反対しということが新聞沙汰になった。その当時、守屋次官は4年近くも次官をやっており、まだいかがわしい不始末(奥さんと毎日二人でゴルフに行き、その代金は全て防衛産業に回していた)はまだ明らかになっていなかった。女性の第六感だろうか更迭すると言い出し、塩崎官房長官はどちらかというと次官のほうに味方した。正確に言うと小池防衛相は、西川徹也官房長(警察庁出身)を推し、守屋次官は自分が辞めるのに抵抗したが、それがままならないとなると自分の手下の山崎信之輔運輸企画局長ということで対立していた。
この時は小池大臣の政治人事のほうが正しかったというと、すぐ横の席の塩崎自民党筆がごたごた文句を言った。予想されたことではあるけれども、ちょっとどよめいた一瞬だった。

<甘利経済相人事をほめ、安倍首相人事をこき下ろす>
 それから、甘利経産相が、経産省では経済産業政策局長から次官というコースが確定していたのにもかかわらず、望月晴文資源エネルギー庁長官を次官にした。政治主導人事は、規定コースだけではないという事を知らしめる〇の人事であると褒めた。そのかわり、山本庸幸から小松一郎の人事は相当邪道であるとこき下ろした。
 指定職と呼ばれる600人の部長・審議官の人事を内閣人事局で一括して行うという国家公務員法の改正が準備されており、私はこの動きは絶対反対である。こんなことをすると、官僚に右顧左眄するような連中ばかりが生まれてしまう。これは国家公務員制度を扱う内閣委員会で指摘すべきことだが、前哨戦として、こんな姑息な手段(憲法改正の手続きを変えたり解釈を変えるために、長官を自分の息のかかったものにする)は、敢えてここで詳しく取り上げた。