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責任野党よりも責任与党 -変な言葉遊びに惑わされるな- 予算委員会報告その3 -14.02.05-

 安倍首相が突然変なことを言い出した。「責任野党」という言葉である。首相は、民主党の首相たちもそうであったが、変な造語なり言葉で国民の関心を引こうとする傾向がある。言葉遊びが過ぎて、意味が分からなくなり、何を言っているのか分からない。

<ダーツの地球儀外交?>
 今回の質問の時も「地球儀外交」について一言嫌味を付け加えた。地球儀は英語でGlobe(グローブ)である。それを外交と結び付けるとGlobal外交である。外交はそもそもGlobalでありDomestic(国内の)外交などあるはずがない。
 首相に就任以来1年間で15回外遊し、30か国に行き、述べ150回首脳会談をした、と施政方針演説で誇示している。地球儀外交というのは、あまりにあちこちに行きすぎ、今後どこの国に行くのか分からなくなってしまったので、地球儀を回して止まったところに行くダーツの旅もどきの外交をすることなのか、と嫌味を言っておいた。

<意味不明の責任野党>
 しかし、もっと問題なのは「責任野党」である。首相は「何でも反対ではなく建設的な提案をしてくれる党」といい、早速、渡辺喜美・みんなの党代表は、代表質問で安倍首相に政策の実現を目指す「責任野党を正しくご理解いただいていると」とすり寄り、「真摯かつ柔軟な協力を惜しみません」ともう完全に野党を捨てている。まさに野党の堕落である(別に論じる、初めて閣僚に任命してくれた大恩ある安倍首相だと割り引いても、あまりに露骨である)。
 一方、喧嘩別れした江田憲司・結いの党代表も「責任野党とは一体何で、具体的にどの党を指すのか」と質問している。すり寄るみんなの党もどういう党かと聞く結いの党のどちらも責任野党とはいえない。いずれ自民党に溶かされてなくなる運命が待ち受けているだけだ。

<野党はOpposition party>
 野党とは、英語でopposition party、つまり問題を指摘して与党の政策をチェックし、悪い政策を堂々と反対していく政党のことである。
 もし、安倍首相の定義に従うとしたら、ねじれ(すなわち参院の野党多数)を悪用し、それこそ何でもことごとく反対し民主党政権を困らせた09年9月からの参議院自民党こそ、史上まれにみる無責任野党だったということになる。その無責任野党に、与党民主党がいいようにあしらわれたのが「社会保障と税の一体改革」である。自民党は民主党がすぐさま崩壊し、政権が自民党に戻ることを見越していた。巧妙に施策の実現を目指す振りをして野田政権をおだてて解散に追い込み、一回の総選挙で政権を奪還したのである。民主党は政権党足りえず、自民党は責任野党ではなく、60年以上続く与党のままだったのである。

<問われるべきは責任与党の姿勢>
 責任という言葉が付くとしたら与党に付くべきことである。与党こそ政権を担っているのだから、野党の主張を無下にすることなく正しい主張は取り入れ修正し、政権運営していかなければならない。
「野党につくのは万年野党とかであって責任ではない。野党は野党でしかなく、同じ責任など持てない。私は野党の一員だから、そこそこいい加減なことを言ったっていいんだ」といつもの悪い冗談を言った。
 もっといえば、責任与党は数の力(衆議院293議席)に頼り、強行採決で強引な法律を通すなどというのは言語道断である。政権与党は、野党の主張のよいところを積極的に取り入れて法案も修正し、よりよい政策を打ち出す度量の広い政党でなければならない。

<責任野党は政権交代で受け皿になる野党>
 私が責任野党という言葉を最初に聞いたのは羽田孜元首相からである。羽田元首相は、民主党を政権交代の受け皿となる責任野党に育て上げ、二大政党制を確立したい。そのために私に民主党に参画してほしいと勧めた。その時に盛んにこの責任野党という言葉を聞かされた。それは、細川・羽田と続いた非自民政権が脆弱な7会派あるいは8会派の寄せ集まり所帯にすぎず、それがために僅か10ヶ月で終わってしまったという反省の上に立ったものだった。その羽田元首相のいう責任野党とは、政権交代の受け皿になる100人を超えてまとまった健全な野党ということであって、安倍首相の言う与党にすり寄る責任野党とは似て非なるものである。
 どうも安倍首相及びその側近は変な言葉を造ってはもてあそんでいるようである。国民はこんな軽々しい言葉に騙されてはならない。