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14年末総選挙シリーズ10(労働とTPP) アメリカのTPPの狙いの一つは日本の労働法制の破壊 -連合に早く気付いてほしいTPPの危険性- 14.12.10

<アメリカの労働界がTPPに反対する理由>
 私はかねてからTPPの重要な目的の一つが日本の手厚い労働法制の打破・破壊だと警告してきた。このことは『TPPはいらない!』という本でも書いた。
 なぜアメリカの連合にあたるAFL・CIOがTPPに絶対反対するか。NAFTA(北米自由貿易協定)で自分たちの仕事が奪われ、散々な目にあっているからである。ところが日本の連合は、自分の産業界の利益のほうに血眼になり、労働者の権利の確保ということを二の次にしてきた嫌いがあり、アメリカの労働界とは逆に輸出のためにTPPは賛成だといってきた。
 ところが、やっと今になって、労働者派遣法、ホワイトカラーエグゼンプション、金銭解雇等の恐ろしさに気付いたようである。先日、国会の前で座り込みが行われた。私は、農業団体、青年農業者の座り込みにエールを送りに何回も行っているが、今回も馳せ参じた。

<安倍政権の偽りの雇用改善宣伝>
 安倍政権は、100万人の雇用を増やした、有効求人倍率もこの22年間で一番だ、賃金上昇率も過去15年間で最高と強弁をしている。しかし、これらは選挙用に次々と作り上げてきた数字でしかない。野党は、名目賃金は上がっているが、実質賃金は16カ月連続して下落していると反論している。物価上昇率を引けばそうなってしまう。非正規雇用は1980万人に達し、全雇用者の40%にも達している。自民党のいう数字の好転はすべて非正規雇用者が増えたことによる。厚生労働省の調査は、非正規雇用が前年と比べ93万人増えただけで、正規雇用者は43万人も減っていることを示している。
 14年の春闘の賃上げ率は月給で2.28%と16年ぶりの高水準だというのも、自民党側の言っていることである。しかし、現金給与総額が物価上昇分を除いた実質賃金はやはり9月で比べると3.0%減っているのである。一般には「仕事はあるが給料は下がっている」が実感であろう。
 どちらも自分の都合のいい数字を並べ立てる。しかし、誰が見ても今の雇用の方が昔より安定しているとは思わないであろう。

<今は昔の日本型経営>
 アメリカでは一昔前、『ジャパン・アズ・ナンバー1』という本をエズラ・ボーゲルが書き、『セオリーZ(日本型経営)』という本をジョージ・大内が書き、日本型経営がもてはやされた。終身雇用、年功序列、一生一つの会社で勤め上げる、だから会社に対する忠誠心が旺盛で皆滅私奉公して働く。これらが日本企業の成功の根源だと言われたのはつい昨日のことである。日本人は右から左へ、左から右へとぶれやすい。日本の雇用状況がこんなに急激に変わることは誰も予想できなかっただろう。
 安倍政権はそれでも多様な働き方などで雇用を拡大していくと、きれい事を述べている。多様な働き方、雇用の流動性というのは、一挙に非正規雇用され、簡単に解雇されることにほかならない。つまり、雇い主、企業側に圧倒的に有利なことなのだ。
 私は遥か昔に書いた『田舎っぺ官僚、アメリカは田舎の留学記』の中で「さみしいアメリカ人」という1章を書いた。たった2年間のアメリカ生活であったが、どうもアメリカはばらばらで、社会のまとまりがないというのが実感であった。そこで、平気で仕事を替え、それに応じて住み家も替え、変えることに何の疑問も感じなくなり、とうとう女房や旦那まで替える。だから結局最後は一人になって寂しくなり宗教が必要なのではないかと書いた。

<絆を大切にし、地域社会を大切にするフランス>
 その正反対の社会が定住型のヨーロッパではないか。私はOECD日本政府代表部に赴任していた時、パリの16区に住んだ。すぐ近くにジスカールデスタン元大統領の住むマンションがあった。先祖代々そこに住んでいるというのだ。当然同じ小・中・高校に通うことになる。フランスの公立小・中・高校は、住んでいる地区で決まっている。家族や地域の紐帯・絆が強まるのは当然である。パリのど真ん中のことである。農村社会は日本よりもっと精神的なつながりが濃い。今ここにフランスの転職率は持ち合わせていないが、アメリカほどひどくはないのではないか。少なくとも会社でも人とのつながりが重要視されている。
 日本は一体安定した地域社会を目指すのか「多様な働き方による雇用の拡大」(自民党)といった公約の下、仕事さえあり収入さえあればバラバラでいいという殺伐とした社会、すなわち最後はアメリカと同じく宗教しか頼るところがない社会を目指すのかという問題である。オーム真理教等がはびこる日本もおかしくなりつつあるのだ。

<TPPの労働分野の狙いはクビ切りをしやすくすることに尽きる>
 アメリカは、P4国(TPPの基を作ったシンガポール、ブルネイ、NZ、チリ)に対し、投資、金融、労働、環境を入れてくれるなら入ると持ちかけた。狙いの一つは、労働者保護法制を取り払うことにあった。アメリカの金融資本が日本企業を買収したものの、また売りつけるのにあまり便利でないことに気付いたのだ。手厚い労働保護のため、従業員を解雇できず、それがために買収のメリットが半減したのである。アメリカの企業は、労働者・従業員を道具としか考えていない。道具は自由にとっかえひっかえできる方がいいに決まっている。労働者派遣法の改悪、ホワイトカラーエグゼンプション、金銭解雇(2年分の給与を払えば解雇できる)等はすべてアメリカ発のものであり、その完成版がTPPなのだ。
 私は連合に目覚め、TPPに反対すべきだと訴え続けている。

《明日のミニ集会 12月11日(木) 》
13:00 川中島町公民館 (長野市川中島町今井1762-1) ※【再変更!】元の会場に再変更いたしました。
15:30 大塚公民館 (飯山市常盤1150北)
17:30 穴田公民館 (中野市穴田141-3)
18:30 大谷町研修センター (須坂市大谷町423)
19:30 東和田公民館 (長野市東和田525-1)