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14年末総選挙シリーズ8(地方自治2)思い切った地方創生策 具体編- 14.12.08

A.地方の財政基盤強化
(A1)ふるさと納税を大胆に強化
 ふるさと納税がその見返りの魅力により人気絶頂だという。しかし、これは正確に言うと税ではなく、地方自治体への寄附を、その分の税金をまけて優遇しているだけの単なる優遇寄付税制にすぎない。財政不足に悩む地方自治体にとってこれでは財政基盤の強化には雀の涙である。やるならもっと大胆に変えるべきだ。
 不交付団体(都道府県では東京都のみ、市町村は原発受け入れ市町村をはじめ多数ある)の地方住民税は、例えばその2分の1まで、生まれ故郷なり縁のある地方の市町村に納税してよいという仕組をつくることだ。これをどこでも自由にすると困る市町村もあるので、とりあえず、金持ちの不交付団体からだけに限定すればよい。といっても、都道府県では今は東京だけなので、もう少し基準を変えて首都圏の千葉、埼玉、神奈川や中部圏の愛知、近畿圏の大阪に広げても文句は言われまい(橋下大阪市長は?)。
 自分の生まれ故郷が衰退していくのを見ておれない人は多いと思う。この人たちはこの制度ができればこぞって応じるはずだ。

(A2)都会で払った住民税の半分を持参してUターン
 かつて茨城県で定年退職者を受け入れた地方自治体が、高齢者医療費等の社会保障費がかさみ財政難に陥った。若い時に都会で散々税金を納めていたのに、老後はその都会の世話にならず、ただでさえ財政難の地方自治体に負担をかけるのは道義的にも許しがたい。
 これをすんなり解決するには、移住時に今まで払った住民税の半分を一緒に持って帰ることである。例えば東京都杉並区に30年住んだ人が故郷の栄村にUターンするときのことを考えていただければよい。これなどもやればすぐできることである。

(A3)森林環境税の創設
 2008年のガソリンの暫定税率分の議論の際、私は森林環境税に衣替えする案を出した(ブログ「道路特定財源を森林環境税に(篠原試案)08.2.27」)。森林環境税は、荒れた森林を整備することにより地球環境を守り、中山間地域を活性化するために使う。
 揮発油税等の道路特定財源には、環境税(地球温暖化対策税)が必要という考えもあり、道路整備だけではなく、CO2の排出者がその吸収者である森林にも回す。つまり「グッド減税、バッド課税」の理屈にあう森林環境税とする。森林面積に応じて各都道府県に配分すれば、森林の多い地方の県に多く回る。
 使途は森林整備だけに限定することをせず、森林の多い地域(ex 山村振興地域、過疎振興地域)の生活道路、林道・作業道等今まで手がつけられなかった地域の「地方道(県道、市町村道)」には自由に使えるものとして、どれに使うかは地方自治体に任せ裁量権を広くする。

B.地方に医者を
 内閣府の世論調査によると、「向都離村」で故郷から東京に出た人も昔からの江戸っ子も含め東京に住む人の40%は、地方に住みたいと思っているという。すなわち「向村離都」の傾向も出始めたのである。こうしたUターン、Iターン希望を放っておく手はなく、積極的に後押しすべきである。どこを選ぶか考えたときに最大の関心事は近くにお医者さんがいるかどうかなのだ。
 人口が少ないのに医学部のある大学を持つ徳島県、鳥取県、高知県等を除くと、過疎県は人口当たりの医者の数が少ない。人口急増している都市圏も医者不足に悩んでいるが、近くに医療機関はある。過疎地の医者不足は医療機関不足であり、深刻さが増すばかりだ。
 解決策は一つ、医者全員に3年ないし5年の国の指定地での勤務を義務付けることである。医師には国家試験で資格を与えている。1人前の医者を1人養成するのに1億円かかるといわれる。大都会で医院を持ったり、大病院に勤めたりしたい気持ちはわからないではないが、ここでも過疎地は置いてきぼりにされる。
 人生設計に合わせ、例えば独身の5年間とか、結婚したての5年間でもよい。あるいは、功なり名を遂げ子育ての責任も果たした60代の5年でもよい。国の指定した過疎地で勤務するのだ。後者は現実化し、高齢のお医者さんによく過疎自治体に来ていただいている。しかし、70代80代ばかりでは心もとない。
 自治医科大学は、これが制度化されている。それを全医学部にあてはめればよいだけの話である。こういうと、すぐ中山教授のように世界的権威になるかもしれない若い医学研究者にも、そんな無駄なことをさせるのか、という反論が予想される。しかし、いくらでも例外は設けられる。
 国家公務員になったら、紙切れ(辞令)一枚でどこにでも行かされる。医師の国家試験を国家公務員試験と同列に考え、5年間を公務員として扱うことにすればいいだけのことである。要は発想の転換が必要なだけだ。

C.大学も全寮制中高学園も過疎地に
 かつて出雲市長を務め民主党の国会議員だった岩国哲人さんが「教育赤字」ということを言っていた。地方では大学進学者の大半が県外へ出て行き、都会で就職する。子供の生育・学習費や都会への進学に伴う仕送り等の「教育赤字(地方から都会に流出する金額)」は、島根県で年700億円という地域経済にとって軽視できない額になるという。大学の大都市偏在が地方の若者の都会流出をもたらし、「教育赤字」を増大させている。
 私は、これを解消するには、地方に教育機関をおき、都会から地方に教育費が流れ込むように変えればよいと考えている。

(C1) 大学
 イギリスの2つの権威ある大学、オックスフォード、ケンブリッジはロンドンにはない。私が半年いたカンザス州立大学(KSU)はカンザス州のど田舎の町マンハッタン(人口2万弱)にある。大学は大都会にある必要はないのだ。それを日本は大学まで大都市に集めている。本当に不謹慎な国である。つまり、地方の活性化など全く考えていないと同じなのだ。
 アメリカの大学には、「University of 州名」と「州名State University」の2つがあり、後者は Land Grant College(土地下賜大学)と呼ばれ、州政府が土地を提供し、その週の産業は合わせた学部構成となっている。例えばKSUは、小麦州というあだ名よろしく農業経済学部も小麦の経営・流通等に重点を置き、化学科も小麦の農薬、肥料に重点を置くといった具合である。
 日本は国立研究所をつくばに移転したのである。大都市の真ん中の大学もすべて地方に移転することだ。東京大学が長野の過疎地に移転しても東京大学なのかとか言われるかもしれないが、名前など変えなくてもよいではないか。副次的効果として政府のお先棒ばかり担ぐ御用学者の類は減るし、教育や研究以外のアルバイトに精を出す不真面目な教授も減っていいではないか。

(C2)中高一貫校
 今まで数多くの駄文を書き連ねてきた。そのため博士論文の審査時に要求された論文数では大半の者に負けなかった(もっとも、5年間論文を書いたことがないなどという農林水産研究所の不真面目な研究員には、所長のは論文ではなくアジビラだと悪口雑言ももらったが?)。ただ一つ長文なのに活字になっていない原稿がある。住友商事の何周年かの事業で「霞が関ペンの会」の先輩官僚の方から要請されて応募したのである。イギリスの全寮制のパブリックスクールは、世界を股にかけて植民地経営に乗り出した時にその効力を発揮した。子弟を教育機関のない植民地に連れていけないために預けたのである。そしてここでの教育がジョンブル魂を植え付け、ノブレスオブリージュを備えた英国紳士を造り出すことになった。強力な軍人の養成にもなり、各界をつなぐ絆もできたのだ。
 日本はかつてのイギリスほどではないにしても、世界中に支店ができた。国内も転勤が繰り返されている。外務省がかかわり、暁星国際高校ができ、東京都が秋川高校を造った。しかし、うまく動いていない。
 日本も自分の食べるものを自分で作り、自然の中で育てられる中高一貫全寮制学園を過疎地に創れば、親は安心して仕事に専念できるし、子供のために母親が付き、父親が一人侘しく単身赴任することもなくなる。三菱学園、住友学園・・・を各地に創ったらよい。ただ、必ずそこには地元の子供たちも入れることを条件にすべきだ。

 以上が私が前々から考えている地方創生策である。

<明日のミニ集会 12月9日(火)>
10:30 芋井公民館 (長野市桜600-ト-3)
13:30下山田中区公会堂 (長野市大字山田中2554-1南)
15:00 七二会公民館 (長野市七二会丁151)
17:30 更北公民館稲里分館 (長野市稲里町中央4-4-7)
18:30 松代公民館寺尾分館 (長野市松代町柴342-7)
19:30 東篠ノ井公民館 (長野市塩崎6803)