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2014年12月03日

14年末総選挙シリーズ3(選挙の争点) アベノミクスは争点ぼかし -問うべきは安倍政治存続か否か- 14.12.03

<束の間のアベノミクス効果>
 今回の選挙、アベノミクスの信を国民に問うといわれている。しかし、そもそもアベノミクスが何なのか国民に知られているのだろうか。確かに昨年は、株価の上昇、円高から円安に、連日変わるそれらの数字に、アベノミクス効果と日本が一時期待に沸いていたことはあった。ところが、待てど暮らせど生活がよくなる気配がない。
 政治の世界は、ともかく奇数が好きで5つの公約やら7つの約束で、アベノミクスも他に漏れず三本の矢でできている。一本目の日銀の大幅金融緩和、二本目の財政出動、三本目に経済政策である。

<地元へのトリクルダウンなし>
 最近、一本目の矢に対しても、昨今アベノミクスは失敗したと評価する記事をよく目にする。確かに株は値上がりし、為替も円安になり、そればかりを金科玉条のごとく繰り返す安倍政権の虚勢に一見国が潤うように思えた。ところが実際は、株の値上がりは、機関投資家・外国人投資家や国内でも株式投資をしている一部の人が儲かるばかりで、一向にトリクルダウン(富める者が 富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる)する兆しはない。ましてや地方に皆無であった。

<円安で庶民の生活は苦しくなる>
 もう一方の円安は、為替差益で輸出企業は儲かったかも知れないが、そもそもの商品販売数自体が増えるわけではないので、工場のラインは変わらぬ生産体制のままで充分で、人手が必要で残業代が増えるわけでもなく、部品の需要が増え下請け企業が潤うわけでもない。つまり裾野には広がらなかったことが大きな見込み違いとなっている。それどころか、円安の影響でことごとく生活必需品も値上がりし、国民のくらしはアップアップとなった。

<だんだんしぼむ矢の勢い>
 これがアベノミクスで唯一成功したといわれている一本目の矢の結果である。少しややこしい話だが、国債が信用を失い長期金利が上昇する国の存続にまでかかわるリスク上昇まで抱え込んでしまった。二本目は、結局は従来型のバラマキばかりで資材費の値上がりや人手不足で消化しきれていない。三本目は、あってないような程度のもので、例の奇数の約束にこだわり無理やりつくった感が否めないものであった。

<失敗を悟り出した安倍首相>
 アベノミクスが非常に危ない状況にあることを、安倍首相も自身が認識しているのではないか。昨年は、アベノミクスへの国民の期待感を背景に、いつも強気に民主党をこきおろしていた予算委員会でも、最近は「それならば何をすればいいのか」と声を荒げ開き直っている。そんなものの信を問う必要があるのかは甚だ疑問である。今回の解散は、失敗に気づき、これ以上悪くならないうちにと慌てて打ち出した向きもある。

<安倍政権を止めるのは内の公明党、外の民主党>
 今回この選挙で問われるのは、破綻しようとしているアベノミクスばかりではない。集団的自衛権の憲法解釈の変更、特定秘密保護法、原発の輸出や再稼動への取り組み等、強引に押し進めてきた政策すべてを、信任するかどうかを問われているのだ。自・公が過半数を獲得すれば、安倍路線を承認したことになってしまう。
 我が民主党は、未だにそれを単独で食い止める力は戻っていない。政権内部では、公明党に力を発揮してもらわねばならない。外では民主党しかなく、この一方的な流れを食い止める大きな勢力として、この選挙を必ず勝利しなければならない。
 そして、国民には、本当にこの安倍路線でいいのかと、改めて問いかけていきたい。


《明日のミニ集会予定 12月4日(木)》

17:30 小布施集会(中扇公会堂 小布施町小布施1210-43横)
18:30 高山村集会(中山会館 高山村大字中山中原1396)
19:30 須坂八幡集会(八幡公会堂 須坂市墨坂2-4-21)

2014年12月02日

14年末総選挙シリーズ2(マニフェスト) 民主党が反省した14年マニフェスト -TPPは脱退も辞さない- 14.12.02

<高邁なマニフェスト導入>
 民主党の重点政策 マニフェスト。選挙のたびに更新されるこの選挙公約は、そもそも自民党が選挙の度に出す選挙公約が守られることのないものとして、全く関心が示されることがなくなっていた2003年秋の選挙で、民主党がイギリスのマニフェストに倣いこれを打ち出した。従来の自民党のいい加減な選挙公約とは違い、何をいつまでにどれくらいやるかを数字でも明示し、事後検証まですることを高らかにうたい、有権者と候補者との間の委任関係を明確化するものだった。

<マニフェスト選挙>
 2005年の総選挙(小泉郵政解散)では、後にマニフェスト選挙と呼ばれたほど、民主党の出すマニフェストが認知された。07年参議院選挙は、もっとわかりやすいものをということで漫画を使った、マニフェストならぬマンガフェストが、民主党の議席獲得に大きく貢献した。山岡財務委員長と私が手を組んで作成した農政漫画ビラが他の分野にも波及して10種類の4頁ビラを作成した。2009年の総選挙では政権交代が予想されており、民主党がどんな新しい日本のビジョンを描いているか興味を持たれ、街頭でも、演説会でもマニフェストが飛ぶように捌けていった。そして、見事政権交代を果たした。

<マニフェストにない消費増税で信用を失う>
 念願の政権の座を握った民主党の政権運営はままならず、高速道路の無料化、暫定税率の廃止、年金の一元化、在日米軍の再編等々、09年マニフェストの多くの目玉政策が未達成もしくは手付かずのままになった。逆にマニフェストには書いていない消費増税が飛び出し、マニフェストは完全に信用を失った。200兆円余の特別会計をいじれば、民主党の政策に必要な16兆円は捻出できると言っていたのに、舌の根も乾かないうちに消費増税を言い出したのだ。両方に藤井裕久財務相がかかわっており、国民をだまし、民主党の信用を失わせてしまったのである。
 また、あまり気付かれてないが、菅代表代行が間に入って、「日米FTA推進」と書いてあったマニフェストを刷り直して削除したにもかかわらず、菅首相は何と突然TPPを言い出した。全く支離滅裂なのだ。そのため実現した、農業の戸別所得補償制度や一括交付金、全額まではいかないまでも実現した子供手当てなど、すっかり影を潜めてしまっていた。

<TPP推進マニフェストで農村議員壊滅>
 そして迎えた2012年総選挙、裏切りと失望の象徴となった民主党マニフェストは、また大きな間違いを犯してしまう。当時の民主党所属議員の半数以上が反対したTPPへの交渉参加について、みんなの党を除く政党が反対する中、「環太平洋パートナーシップ、日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携を同時並行的にすすめ、政府が判断する」という一文が加えられていた。私や鹿野元農水相が解散後3日経った19日の会合で、必死で愚かな文言の修正を求めたが、当時の幹部は受け入れなかった。
 野田首相他執行部が、党員の意向とは違いTPPに積極的で、半ば強引に入れた一文であった。この一文の影響が甚大であったことは、民主党が選挙前231議席から57議席へと174議席も失ったことでも明らかだ。特に、北海道(15→2)・九州(30→3)と農業圏の議員は、これにとどめを刺されたといっても過言ではない。この2012マニフェストは、09年マニフェストとはうって変わって、誰にも受け取ってもらえず、結局選挙事務所の隅に積み上げられたまま、選挙後処分された。

<TPPの記述がまともになったマニフェスト>
 今回の選挙でも、民主党はまた慌ててマニフェストをまとめ上げた。福山哲郎政調会長は、就任後すぐマニフェストの改訂に着手すると発表、私は全面的支持をしたが、今回の選挙も議論が十分にできなかった。たった56名の弱小野党の民主党の政権公約など誰が欲しがるだろうかとも思う。しかし、流石に反省の跡が見られる。「徹底した情報公開を求め、脱退も辞さない厳しい姿勢でTPPに臨みます。」これが民主党2014マニフェストのTPPに対する記述である。大転換である。この一文が前回の09マニフェストに入っていたら、数十人の同志は議席を失うことはなかっただろうと思うと残念でならない。事実、自民党はTPP断固反対で農村部で圧勝し、294議席も獲得したのである。
 集会・遊説カーではこの反省した民主党マニフェストを配布する。要らないという人も多いかと思うが、是非受け取っていただき、この民主党の反省した姿をご覧いただきたい。


《明日のミニ集会予定 12月3日(水)》

10:30 栄村秋山集会(屋敷公民館 栄村堺17663北)
13:30 栄村集会(栄村森公民館 栄村森3600-36)
15:30 野沢温泉村集会
     (JA北信州みゆき北部支所JA会館2F会議室 野沢温泉村豊郷9759-1)
17:30 木島平村集会(市ノ割区民会館 木島平村往郷574西)
18:30 飯山天神堂集会(天神堂集出荷センター 飯山市天神堂30)
19:30 中野新保集会(新保構造改善センター 中野市新保469)

2014年12月01日

14年末総選挙シリーズ1(外交) 安倍政権の対中強硬路線は偽者 -安倍政権はサンゴ密漁取締りをせずに解散- 14.12.01

 インターネット選挙が解禁されてから、初の衆議院選挙である。以前は、選挙が公示された途端ブログには手がつけられなかった。私はツイッターもフェイスブックもしていないので、従前どおり、私の政策を毎日ブログとメルマガでお届けすることにした。

 <突然の中国漁船によるサンゴ密漁>
 9月の中旬から小笠原諸島に中国漁船とみられるサンゴ密漁船が集結し始めた。9月15日の17隻が、10月1日には41隻になり、10月30日には最大で212隻が集結していたといわれている。外交上の大問題である。臨時国会の開催中でもあり、私は気になっていた。これを取り締まるのは外国人漁業規制法、漁業主権法そして私が水産庁企画課長として深く関わった200海里(排他的経済水域・EEZ)法だからだ。

<中韓漁業紛争>
 一方韓国では、セウォル号の救出で手抜きが問題になった韓国海洋警察は、中国漁船に手を焼き、殺人事件まで起きている。韓国の取り締まりは厳しく、違法操業に対して2000万円の罰金をとっている。中国漁民が必死で抵抗するのは当たり前であり、2010~2014年の5年間に1980隻が拿捕され、死傷者が50人を超える。
 つい最近も、10月10日韓国南西部全羅北道沖のEEZ内で不法操業中だった中国漁船(80t)の船員が、刃物やビール瓶を振りまわして抵抗したため、海洋警察が発砲し、船長が死亡した。日中、日韓と違い、中韓は密月状態にある中、一気に外交案件となっている。

<韓国海洋警察の素早い対応とマスコミの支援>
 韓国側は、隊員が胸部に装備したカメラで撮影した映像をすぐさま公開した。日本の尖閣諸島の出来事がリークだったのと大違いである。韓国は日本と違い、違法行為に対しては毅然たる対応をするのだ。20日には、鄭首相は、不正な中国漁船に対しては大型艦船、ヘリコプター、特殊部隊で構成された『機動戦団』を派遣し、取り締まりを強化する方針を表明。同じ日に裁判所は韓国領海を侵犯し、不法操業を行う中国漁民3人に、懲役8か月~1年の判決を言い渡した。韓国メディアも「中国漁民は凶暴残虐で海賊化した」と大々的に報じ、国の強硬な方針を支持している。見事である。

<軟弱極まりない日本の対応>
 ところが、10月15日に五島沖で領海侵犯のため逮捕された中国漁民は、「領海侵犯の認識なし」として無罪になった。また小笠原諸島のサンゴは逮捕者が11月13日現在で6人出ているが、わずかの担保金や罰金(上限が300万円)を払ってすぐさま釈放されている。それがわかっているから日本の取り締まりに対しては全く抵抗しない。小笠原漁民がおびえているのに、日本政府は、現行犯でないのでそう簡単に逮捕できないとして、手をこまねいて見守るだけだった。要はナメられているのである。「目には目を、歯には歯を」、そして「金には金を」、力には力を示さなければならない。それを日本は怠り続けたのである。

<解散のため罰金も上げずにすまそうとする偽タカ派安倍政権>
 農水官僚は当然のごとく、罰金を韓国を凌ぐ3000万円に引き上げることを検討していた。そこに今回の解散である。農林水産委員会の17日(月)の理事会では、翌18日、安倍首相が解散宣言するということで、終えようとしていた。民主党は、法案は水曜の農林水産部門会議を通り、その翌週の火曜のネクストキャビネットの会議を通らないと了承にならない。自民党も政調(政策調査会)と総務会を通らなければ国会に提出さえできない。しかし、こういった時は、議員立法として委員長提案で審議なしで通すというやり方だけが残されていた。
 私はその後の理事懇談会で「サンゴの密漁の罰金を上げる法律はどうするのか」と言って檄を飛ばし、「中国密漁船をけ散らかすべく、万難を排して罰金を上げる法律を今国会中に成立させるべきだ」と与党自民党と壁に同席していた農水省幹部にはっぱをかけた。

<篠原の提案で動きだしたスピード手続き>
 不当な中国に対しては厳しい態度をとらなければならない、日本に圧倒的に理がある、早く通すべく各党が党内手続きをすべきだと主張した。私のこの一言で動き出し、異例のスピードで成立した。

<中国の本音を見誤る稚拙な外交>
 中国はこの件に関しては謝ったりせず、いつものとおり強硬な態度を装っている。しかし、尖閣列島や歴史認識の問題とは全く違った態度で多くを語らない。中国もサンゴ礁を守り、海の資源は守らなければいけないことは先刻承知で、2012年に法律でサンゴの漁獲捕獲やサンゴ礁の破壊を禁止している。本音では日本にきちんと取り締まってほしいと思っているのである。
 中国ではサンゴが貴重品であり、特に血赤と呼ばれる生の赤サンゴは、グラム18~19万円、1キログラム660万円と金の約40倍の価格で取引され、ある船主などは、一回の捕獲で38億円を手にしたとも言われる。だから中国当局の漁業取り締まりを逃れ、一攫千金を夢見て日本近海に来るのは当たり前である。

<昔から中国も韓国も日本取り締まりに期待>
 1997年、私は水産庁企画課長として、日本は海洋法条約に加盟し、日本漁民が嫌がる漁業資源管理のための法律を策定する準備をしていた。そこで私は主要紙の論説委員を尋ね歩き、日中韓3か国が共同して資源を守っていくことを訴えた。数紙は私の要請に応じ、「乱獲の海を許すな」という社説まで書いてくれた見識のある論説委員もいた。驚いたことにそれを中韓両国ともよく見ていたのだ。
 マスコミにはいつも悪口を書かれどおしの農林水産省では、根回しの対象は国会議員と業界団体が相場だ。しかし、今回は漁民も総漁獲量を押さえる資源管理には反対していたし、水産議員もそれに同調気味だった。更に悪いことに、水産庁の中でも反対が大半だった。私は仕方なく初めての世論を動かす手法に頼ったことになる。
 その後、韓国は猿真似そのものの法律をつくり、むしろ日本に韓国漁船を取り締まってほしいと言ってきた。日中漁業交渉でも、交渉相手が前述の「乱獲の海を許すな」の社説を持ってきて、趣旨には賛同したと、驚いたことに正論は、隣国の世論をも動かしていたのである。韓国も中国も自国漁民の違反操業には手を焼いていたのだ。竹島、尖閣諸島問題はさておき、漁業資源を守るという点では3国とも完全に利害は一致したのである。

<無責任な安倍年末でたらめ解散>
 今回も同じなのに、それを無視して、党利党略の解散をして平然としている安倍首相、そして安倍内閣は無責任としか言いようなかった。ただ口先だけで国益や対中強硬路線を喚き散らす偽者保守と断じざるをえない。日本の対応は韓国の素早い対応と比べあまりに腰が引けているのだ。私の一言がなければ、法律は成立せず、まだ中国密漁漁船がはびこっていたかもしれないのだ。私はまた一つよい仕事をしたのではないかと自負している。

<中国では取り締まれない密漁船>
 3000万円の罰金のせいかどうか知らないが、11月下旬サンゴの密漁船はどこにいったのかと、とある全国紙が報じている。11月15日までに中国に寄港せよという命令が下ったが、ほとんど寄港していない。漁港のある福建省霞浦県、浙江省象山県はいずれも習近平主席の担当地域であった。摘発を予想した中国漁船は怖くて帰れないのであろう。船名を隠したり書き直したりしているのだろう。中国で捕まったら5年か10年の懲役、日本の比ではない厳しい罰則に処されることになる。

<事大がかった二つの説>
 ただこの件についていえば、事大がかった説も流されている。一つは中国海軍が漁民を先兵として小笠原諸島も自分のものにしようと意図的に200隻も集結させたのではないかというものだ。1978年に尖閣諸島に200隻が集結したことがあり、海軍が背後で繰っていた節もみられるからだ。APEC前にそんな波風を立てたくなかったはずであり、根も葉もないことではないかと思っている。ただ、同じ着色をした網に組織的という臭いがしないでもない。
 もう一つは、日本の海上保安庁が2015年末までは巡視艇2隻で、600人体制の尖閣専属チームを作るということに対してちょっかいを出し、撹乱してやろうという魂胆があったのではないかということである。中国漁民の韓国領海・EEZ内への侵犯は、10月31日に与野党合意で海洋警察の解体を決定した間隙を縫ってのことは明らかであり、中国側の悪意が感じられる面もある。

<国益を損ない許しがたい解散>
 もしこの二つが事実だとしたら、それこそもっともっと厳しく対応しないとならない。韓国は11月上旬、海洋警察と海軍が3000トン級の大型艦艇やヘリコプターを動員して中国漁船の取り締まりに出ている。それを日本の安倍政権はのうのうと解散をして法律も通さずに済まそうとしていたのである。この一点をみても安倍政権で、そして今回の解散で、いかに国益を損なっているかがわかるというものだ。

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