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代表選シリーズ2 14年末アベノミクス解散総選挙の敗因分析 -東日本で民主党農政への期待により伸びた当選者数- -15.1.11

<65歳以上は鬼門>
 2012年の野田自爆解散の当選者数が57、そのうち今回議席を失った者が5人いるが、いずれも60歳以上である。年齢順にいうと 若井康彦、生方幸夫、吉田泉、海江田万里、この4人は65歳以上であり、もう1人61歳の寺島義幸である。ある政治評論家は、1才若ければ5千票有利になると言っていたことがあるが、浮動票には若ければいいという風潮が一般的に見られる。今回も、有権者は65歳という高齢者入りする分岐点をよく見ているのではないかと思われる。恐ろしいことである。高齢化が進み定年も伸び、高齢者の数が増えるというのに、政治家が若手ばかりになるというのは時代の趨勢に逆行するが、これが厳しい現実である。

<候補を立てずに不戦敗>
 私は、1年以上前からいろいろな会合の場で、早く候補者を決めてきちんと活動していかないと突然仕掛けてくる総選挙に対応できない、としつこく意見を申し述べてきた。しかし、選挙担当役員にはなかなか受け入れられなかった。14年秋に体制が変わり、新たな選挙体制が組まれた折りには関係者への直談判に及んで早く体制を整えるよう進言したが、少しも候補擁立をせず案の定突然の解散となった。
 私などから見ると、自民党が着々と選挙体制を整えていることは手に取るようにわかった。誰にでもわかる端的な例は、3人から2人となる5つの減員県の調整である。次々と決まっていき、残るは調整が難しい福井だけとなっていた。例えば徳島では、新人の福山守を比例区に回し、その代わり男性の1期生議員としては唯一政務官に遇するという救済措置も講じながら、見事に調整を終えていた。それに対し民主党は議員ゼロの減員県でもうまく調整ができず、佐賀では2人現職で丁度うまくおさまったにもかかわらず、1人を比例1位で優遇するというえこひいきをし、関係議員の怒りをかっている。

<100議席以下は大敗北>
 こんなことからも政治のプロ、例えば亀井静香などは遠からず選挙があることを見通していた。そして私にいろいろな動きについてアドバイスをしてきていた。ところが、民主党幹部は「私が自民党だったら、この秋に解散総選挙をする」などと言っておきながら、ほとんどそのための準備をしなかったのである。その結果、目標の3桁には遠く及ばなかった。戦略ミスであり「不戦敗」は明らかである。
 代表選の前に「大敗北だ」と言う細野豪志候補に対し、岡田代表代行、枝野幹事長が「言い過ぎだ」と言って反論している。言わなくていいことを言う方も言う方だが、事実を端的に指摘されカリカリする方もする方であり、両方とも大人とは言い難い。そして見苦しいことに、代表選が告示された後の共同記者会見や討論会でもこれが繰り返されている。久方振りの本格的な代表選であるというのに見苦しい限りである。

<純然たる都市部の復活は2人のみ>
 都市部では、ほんのわずかしか増えていない。数字の足し算引き算をしてみるとよくわかることだが、62議席から73議席と11議席増えているが、上記5人が落選し、後藤斎が山梨県知事選出馬のため離党した分も計算に入れると、17人が復活したことになる。金子恵美が参議院から衆議院に移って当選し、形式的に新人ということになるだけである。純粋な新人はいない。(以下、復活は18人とする)純然たる都市部で復活したのは、大阪の平野博文、福岡の緒方林太郎と2人だけである。
 都市部の中では東京が惨憺たる結果であり、小選挙区勝利は長妻昭1人で、海江田代表も落選し、菅直人元首相も475人目の比例復活という有様である。そして42議席(小選挙区25+比例区17)中たった4議席(10%)というひどさだ。割合でこれを下回るブロックは中国の2人(6%)と九州の5人(9%)の2地区だけである。ここには都市政党あるいは1区現象という過去の栄光のひとかけらも見られない。こうした中で愛知県の善戦により、都市部では東海が5人増の15人(25%)と唯一復活の兆しを見せた。

<議席増は農村議員の復活による>
 ところが、どこでどのように議席が伸びたかということはほとんど分析がされていない。よく見ると一目瞭然の結果である。北からいうと、18人復活したうちのなんと11人が明らかに農林議員か、農村地帯の選挙区である。北海道:佐々木隆博・逢坂誠二、秋田:寺田学、福島:金子恵美、新潟:黒岩宇洋・西村智奈美、茨城:福嶋伸享、静岡:小山展弘、群馬:宮崎岳志、愛知:岡本充功、滋賀:田島一成である。神奈川:神山洋介、本村賢太郎、愛知:山尾志桜里、大分:吉良州司は都市に農村が混じっている選挙区である。このうち佐々木・金子・福島・小山・岡本の計5人は農林水産委員会に所属したことのある議員である。つまり、大半は農村地帯で議席を復活させたのである。

<善戦した農村部なり農村議員が大半>
 他にも鷲尾英一郎が103票差で小選挙区の当選をしそうになったし、石川の近藤和也もあと少しで比例復活できるところであった。小選挙区の当選で見ても、逢坂・佐々木・吉良・黒岩・山尾が小選挙区で復活してきているが、いずれも地方である。他に14年に新たに小選挙区で再選された者に、福田昭夫、大島敦、後藤祐一、近藤昭一、赤松広隆、大西健介、原口一博、辻元清美と8人いるが、純然たる都市部は近藤、赤松、辻元の3人で、あとは農村部を抱える選挙区である。例えば大島は街部で負けていたものを農村部で逆転し、僅差の小選挙区勝利をものにしている。また、福田は西川公也農林水産大臣に少差で勝利している。
 2万票以上差をつけて当選した者が14人いるが(階、黄川田、安住、玄葉、野田、長妻、篠原、細野、古本、古川、岡田、中川、前原、玉木)。大半が与党時代のメリーゴーラウンド人事で枢要閣僚を占めた有名政治家である。そのうちで閣僚未経験の4人(階、黄川田、篠原、玉木)は農村地帯を選挙区とし、篠原、玉木は農林水産委員会のメンバーである。いかに農村地帯、地方でアベノミクス農政に対する反発が強く、民主党農政復活への期待が高いかわかろうというものだ。つまり、民主党の議席増は、東日本で農民に支持されたものであり。直前の野党間の選挙協力によるものでも何でもない。ところが、このことを大半の民主党の幹部はわかっていない。

<16年参院選は民主党農政を武器に1人区で勝利を目指す>
 こういうことからすると、来年の参議院選挙を考えた場合、大事な戦略が浮かんでくる。2013年の参議院選挙は、31の1人区で民主党当選者はゼロ。非自民が、岩手の平野達男と沖縄の糸数慶子の2人だけであった。このことを2016年に繰り返すと、参議院も自民が3分の2以上占めてしまうおそれがある。これを絶対阻止するためにも、自民が6県しか勝てなかった2007年の再来とまではいわないが、民主党が1人区で五分五分の勝利を収めるかたちにもっていかないと、日本の政治は狂ってしまうかもしれないのだ。
 そのためには農政が重要であり、今回の代表選もそういったことを訴えていかなければならないと思っている。だから私が代表選に出て地方重視を訴えようと思った次第である。長妻氏に一本化した今日、私は長妻陣営の選対副本部長として、地方・農業のことを忘れないで欲しいと長妻候補に要請しているところである。

表 [2014年アベノミクス解散総選挙と2012年野田自爆解散総選挙の比較]