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代表選シリーズ3 民主党の再生は「中道リベラル」の原点回帰以外に道はなし- 日本を壊す集団的自衛権、原発再稼働、TPPへの対応の違い -15.01.13

<「中道リベラルこそ民主党の原点」>
 私は、年末29日に長妻氏との一本化調整を終え、私が辞退することで長妻候補を応援することにした。中道リベラルという政治的な立ち位置が似かよっているからである。
 民主党は元々中道リベラルが本流であり、代表選に出馬する者が、中道リベラルなどと言わなければいけないこと自体がおかしいのだ。民主党は自民党と似かよった政党になりすぎたために、反自民の有権者が共産党に流れ、共産党が議席3倍増(8→21)という結果になっている。そのことを考えると、今回の代表選では自民党に対峙し、路線を明確にする者が絶対選ばれなければならない。私がその象徴的存在として擁立されんとしたのも、こうした背景があったからだ。

<やっと実現した公明正大な党首選>
 しかし、私が民主党に入ってから初めてきちんとした代表選が行われ、全国11ヵ所で共同街頭演説候補者集会、討論会、共同記者会見が行われるというのに、どうも民主党の内輪揉めが前面に出てしまっている。この結果、岡田対細野の言い争いばかりをテレビや新聞が報じることになり、民主党の幅広い意見を国民に聞いていただく貴重な機会を損ねていることを危惧している。

 私が公明正大な代表選を主張し続けて(「民主党復活会議で代表選候補者選び」-2012.09.04- 、「代表選中盤報告」-2012.09.15- 、「前途多難な野田民主党の再出発」-2012.09.24- 、「民主党代表選に名前が現れた理由」-2014.12.27- )、やっと実施に漕ぎ着けたというのに、これでは台無しになってしまう。とても黙っていられない。長妻陣営の選挙対策副本部長であり、客観的にはなりえないかもしれないが私の考え方を明らかにし、誰を選ぶかの判断材料の一つを提供したい。
 争点は色々あるが、日本の政治を左右する大事な争点を取り上げて見解を述べていく。集団的自衛権、原発の再稼動(および原発輸出)、TPP、政治と金、民主党の運営方針、そして今論争の的になっている野党再編等である。


1.集団的自衛権(日本を戦争に巻き込むおそれ)
 -これこそ民主党の立ち位置を明確化する最大の争点-

<長妻はきっぱり否定>
 14年7月1日の集団的自衛権行使を認める閣議決定の撤回を求める点は一致しているが、3人の差は歴然としている。長妻昭は集団的自衛権を行使すべきではない、個別自衛権の延長線上で対応できるとしている。アメリカに強く求められているわけでもないし、世界の情勢を見ても、また近隣諸国への配慮を考えても、集団的自衛権の行使を容認したりする必要は全くないと私も思っている。

<現実的対応とやらで自民党を喜ばす岡田・細野>
 それに対して細野は、朝鮮半島有事は我が国の自衛にも直結する、といったぼやっとした理由で容認してもいいという態度を明確にしている。岡田も野党は反対しているばかりでは、巨大与党に押し切られてしまうから現実的対応が必要だとか、これまた本筋から外れた理由で容認してもよい立場をとっている。更に行使に歯止めがかかる安全保障法制の整備ができれば行使に賛成することもあると言い出し、自民党を喜ばせている。これでは自民党と変わらない。

<長妻こそ中道リベラルの本流>
 細野はもともと右寄りの維新と一緒になろうとしているのであり、およそリベラルな考え方とはかけ離れている。岡田と細野では、せっかく自民党との違いを最も明確にできる国の基本方針において、決定的な違いがなくなってしまう。これでは日本国民が民主党に期待する姿とは大きく乖離しているのではないか。この点が二人と長妻の大きな差である。戦争をしない、海外に自衛隊を出さないという憲法9条の精神を守るべしという者は、自ずと中道リベラルの本流である長妻支持に帰結する。


2.原発(日本の国土を汚すおそれ)
 -国民の大半は再稼働反対なのになぜ容認するのか-

<長妻は明確に再稼働を否定>
 原発についても、長妻は「原則は原則、再稼動はない」と政策ビラにも明確に印している。ここがこれまた容認を匂わせる他の二人との差が際立っている。
 他の2人は集団的自衛権と同じように細野が一番推進派であり、岡田も避難計画に国が最終的に責任を負う議論が必要だ、と四の五の言っているが、基本的に再稼動してもいいという考えである。
 長妻自身が原発について発言してきたことを私はよく知らないが、少なくとも私と一本化調整をする過程の中で、政策調整も行い、この点を明確にしていった。この点でも私と長妻の意見は一致し、ここにも、私が長妻昭を支援する理由が存在する。

<またもや現実的対応で財界を喜ばす>
 ここでも2人の立場は、国民の声と大きくかけ離れている。国民の7~8割は原発再稼働に反対であり、原発輸出にも大きな疑問を呈している。国会で野党共闘は積極的にしていくと述べているが、前通常国会の大きなテーマで唯一全野党共闘ができそうだったのは他ならぬ原子力協定の反対だった。維新でも大揉めに揉めて、松野頼久幹事長は特定秘密保護法案に続き2度目の両院議員総会を開いて採決し、反対と決めた(「巧みな党内運営で分裂を防ぐ維新の会:両院議員総会の採決で切り抜ける松野頼久幹事長の知恵」 -2014.03.26- )。もし本当に共闘を目指すなら、反対するのが当然であるが、それを民主党だけが賛成したのである。要するに岡田・細野の2人の野党共闘は所詮絵空事なのかもしれない。

<ぶれたご都合発言が目立つ細野の原発対応>
 特定の候補の行動にだけに目を向けるのは慎むべきだが、ここで細野の原発に対する対応の変化を取り上げなければならない。原発事故発生時、総理補佐官で原発担当、その後環境大臣で原発事故担当となり、福島県民とともに復興に取り組むと決意を示していた。ところが、その後そのポストを離れ政調会長となってしまい福島県民を失望させた。自民党の小泉進次郎が復興担当政務官として福島県に足繁く通い、福島県民に寄り添って原発再稼働に疑問を投げかけているのと大違いである。
 その後も原子力協定に賛成し、原発輸出を推進するに及び、原発避難民の願いとは完全にかけ離れた対応をしている。一方、電力業界や原発関連業界からは大歓迎されている。
 細野は政党再編だけでなく、原発事故対応でも、政治とカネでも(この点は別途論ずる)前言をひっくり返している。


3.TPP(日本社会を根底から破壊するおそれ)
 -TPP・農政も争点にして攻めるべし-

<TPPは3人とも明確な態度表明なし>
 他にも私が非常にこだわるものとしてTPPがあるが、TPPについては政策では細野は全く触れず、岡田は情報開示と国益の確保を前提に交渉に臨む、といった意味不明な政策である。これに対して長妻も、マニフェストどおりであって「情報公開を要求しつつ、厳しい態度で臨む」という表現にとどまっている。要するに3人ともほとんど関心がないのだろう。長妻も原発について「30年代ゼロ」を大きく踏み出しているのと好対照である。
 TPPについてはそれほど明言はしないが、3人とも明らかに推進すべきという立場であり、絶対にTPPに入るべきではないという私の立場とは相容れない。ただ、全ての政策において一致するなどということは不可能であり、候補者は長妻なので、この点はあまりぎりぎり詰めずにおくことにする。

<自民党農政に怒る農民の自民党離れ>
 しかし、「代表選シリーズ2」のとおり、今回議席が増えたのは東日本の農村部中心であり、農政が選挙に大きく影響を及ぼしているのだ。1月11日に行われた佐賀県知事選でも、中野吉實農協中央会会長の擁立した山口祥義が、全くでたらめな農協改革に固執する自民党候補を4万票近く引き離して破ったことが、これを裏付けている。
 実は、14年7月の滋賀県知事選勝利の一因も、自民党の農政不信と民主党農政への期待があったのだが、大半の人は気付いていなかった。全国の農民がアベノミクスや現場無視の農政改革に怒り狂っているのである。なお中野会長は、私と全く同年であり、30代前半に会って以来30有余年、年賀状をやりとりする仲である。当時中野は全国最年少の農協組合長、私は農政論を書き始めて、週末農業関係者会合に引っ張りだこだった。(「参院選と民主党のTPPへの対応 : 元民主党の同僚参議院補選候補を山口に応援」 -2013.04.26- )
 政党は「一強多弱」、自民党内では「政高党低」を超え「官邸一強」という悲惨な状況に敢然と反旗を翻したのが、佐賀県の農民である。長い物には巻かれろという安易な風潮に流される中、見事というしかない。民主党も佐賀県の農業関係者の毅然とした対応を見習わなければなるまい。

<民主党はアベノミクス農政の失敗を突く>
 今年4月の統一地方選、そして来年の参議院選と考えても、TPP、農政を大きな争点にし、自民党との差を明確にしていかなければならない。2007年に自民党は一人区で6県しか勝てず、惨敗したことを思い出してほしい。民主党は農業者戸別所得補償をひっ提げて戦い、民主党公認で18議席、非自民23議席の大勝利を収め、政権交代のきっかけを作ったのだ。それを忘れ、TPP推進などと言い出し、地方や農村への配慮を怠ったため、2012年末の衆議院選挙では大敗北し、更に2013年の参議院選挙でも、31の一人区で1人も勝てなかったのである。このまま放置したら、13年と同じく再び31の一人区で1人も勝てないという無様な敗北が待っているだけである。
 残念ながら、今回の3人の候補者は地方出身者とは言い難く、この観点が決定的に欠落している。かくなる上は、長妻候補にこの代表選に見事勝利を収めてもらい、私が意見を具申し続けることで、地方の思いや農政の大切さをおもんぱかることの出来る政党として、民主党が生まれ変わるよう全力を尽くしたい。