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政治とカネ―政治家が襟を正し、企業・団体献金の廃止しか解決方法はない―15.03.13

<政治資金規正法は典型的なザル法> 
 国会では、先週から今週にかけて「政治とカネ」問題が吹き荒れた。下村博文文科大臣の特殊なケースを別として、問題は献金した企業が国の補助金をもらっていたことに集中した。

 (1) 政治資金規正法では、補助金受領企業は、補助金交付決定から1年間は政治献金をしていけないことになっている。違反には罰則(3年以下の禁固又は50万円以下の罰金)がついている。

 (2)政治献金を受ける政治家は、その事実を知らない場合は法に抵触しない(→政治家は知らなかったから違法でないとして返金ですませている)。

 (3)試験研究や災害復旧に関するものや利益を伴わない補助事業は例外扱いされ、また、交付者が国でない場合や寄附する団体が別だと違反にならない (政治家が例外で違法ではないと強弁に使う)。

つまり、典型的な不鮮明な規定、すなわち「ザル法」なのだ。

<噴出する違法献金>
 かくして、閣僚からぞろぞろ(安倍、麻生、菅、甘利、林、宮沢、塩崎、下村、西川、上川、望月)と、補助金受領企業からの献金という政治資金規正法違反が明らかとなった。また、高村、大島、石原等自民党幹部にも波及した。当初、上記の(3)を理由に違反していないという者もいたが、(2)に移り「知らなかった」と言い訳し、大半が返金している。
 いくらザル法とはいえ、見苦しい限りである。たぶん、企業献金を受けている大半の議員がこの問題を抱えていると思われる。西川農相は既に辞任している。大きな権限を持つ閣僚たる者身辺を身ぎれいにしておく義務がある。
 いつものことだが、この問題を追及していた民主党にもブーメランよろしく戻ってきて、岡田代表以下数人(福山、玉木、岸本、武正)も同罪だと新聞報道された。野党とはいえ国民に疑問の目でみられるようなことは許されまい。これこそ泥縄式の典型で国民もあんぐりというところである。

<見苦しい言訳>
 いちいち補助事業の対象企業かどうかを問い質すには時間がかかりすぎる、わざわざ献金してくれている企業に対し、補助事業の対象となっているか否かと聞くのは失礼に当たる等言訳が続く。
 細かい領収書の添付もそうだが、企業が補助金受領企業かどうかのチェックにはかなり手間暇がかかることは事実だ。しかし、そもそも政党助成金と企業献金を二重に受け取ることは、国民との約束違反なのであり、浄財をいただく議員はそのぐらい手間をかけるのが当然である。

<微々たる改正では国民は理解せず>
 今のルールのままで規正の目的を達成するとしたら、政治家が企業から政治献金を受ける時は、1年間補助金を受給していないかどうかをきちんと確認する以外にない。民主党では、議員等にきちんと確認するようにという、幹事長名の文書を3月6日付けで出している。
 国民は、1995年に国民1人当たり年250円の税金で政党助成金制度を導入したことを知っている。企業・団体献金の廃止をにらんでのものであり、320億円が政党に配分されている。個人への企業・団体献金は禁止されたが、政党や政党支部への献金は認められるという抜け道が残され、20年来の約束が果たされていない。今回、注意喚起や罰則の強化などの微調整でお茶を濁そうとしても、国民は納得しまい。
 15年3月9日に公表されたNHKの世論調査で、前月比8ポイント減の46%となり、自民党の支持率も4.5ポイント減の36.7%と大きく低下している。日本国民は政治とカネには敏感なのだ。

<企業献金禁止>
 まず最低限政治家は知らなくとも罪に問われるように改正すべきである。罰則は、企業・政治家ともずっと高くして痛い目に合せたらよいのではないか。
 一番すっきりするのは、一切の企業・団体献金の禁止(パーティ券の購入も禁止)である。民主党は、野党時代、岡田政治改革本部長の下に企業・団体献金の受け入れ全面禁止を決めている。また、2009年の政権公約にしたこともあるが、政権に就いたら反故にしてしまった。そして、今もまた、踏ん切りがつかないでいる。自民党は、安倍総裁(首相)を筆頭に禁止は困難と決めてかかっている。政治不信が投票率低下につながっており、こんな時こそ、与野党一致して襟を正さなければならない。

<個人献金中心が筋>
 その上で、日本にも政治に寄付(個人献金)をする習慣を植え付けていくべきである。お寺だと何百万円、神社だと何万円という寄付が日本にも定着している。政治は逆で、数十年前まで、お金をもらって名前を書くことが行われていた。それを票とお金を両方出して支える気持ちに切り替えてもらう以外にない。それには政治家への寄付に係る税額控除の制度を拡充する必要もあり、時間がかかるが、政治家側も努力すべきことだ。
 民主党は2000円のサポーターという制度があるが、昨今の民主党の体たらくのため「篠原さん個人には出すけど、民主党には嫌だな」という方も多い。党のサポーターではなく個人のサポーター、つまり個人献金に切り替えていけばよい。
 ただし、個人献金に限定したところで、既に某業界がしていたが、10人の役員が一律3~5万円ずつ均等に個人献金することですり抜けられる。「蛇の道は蛇」でどこにも抜け穴(loop hole)があるのが難しいところである。

<閣僚は辞任、民主党は役職停止でケジメをつける>
 さて、問題は、今回のケジメである。
 許認可権限を持つ大臣が補助金受領企業から献金を受けることはとても許されない。一般的に閣僚は普通の議員と比べより襟を正さなければなるまい。その意味では、安倍内閣のひっかかった閣僚は全員何らかのケジメをつけて当然である。きつく言えば、関係閣僚の総退陣、内閣改造である。
 そして、そのためにも、権限を持たない野党とはいえ、岡田代表ぐらいは率先してケジメをつけるべきである。代表は、支持者の贈り物も決して受け取らないという。それなのに、企業の政治献金を受け取るのは首尾一貫しない。この際、自ら身を律して役職停止数カ月ぐらいのケジメをつけ、居据わる閣僚に刃を突き付けるべきである。2度目の網膜剥離の手術であまり動けないようであり、ゆっくり休養して体調を整えたほうが後々のためでもある。偶然だが、はじめて2人の代表代行を置いているのであり、しばらく文字通り代行してもらえばすむ。
 マスコミもここまで補助金受領企業からの献金を調べて暴いてくれたのである。民主党は、威丈高に居直る安倍政権に一撃を加え、政治とカネの問題を反転攻勢のきっかけにしないことには、野党第一党の存在意義が問われても仕方あるまい。