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地方を元気にする「根っこの会」(亀井静香代表)の活動 -篠原は医療過疎地の解消を担当-15.06.19

<根っこの会幹事長>
 私は、今いろいろ活動しているが、その多くの時間を亀井静香さんとともに過ごしている。全体の業務量の5分の1くらいは亀井さんに振り回されている。いつのころからか亀井さんとの付き合いが始り、急激に濃密になっていった。今は、地方を元気にするための超党派議員連盟 「地域活性化協議会」(通称、根っこの会)を造り、私がその幹事長になり、亀井金融担当大臣の時に副大臣もした大塚耕平参議院議員が事務局長におさまり、この会を運営している。
 6月10日、国会議員メンバー55名のうち、27名が出席し、各地方の首長・自治体議員・中小企業者・農林水産業者等が300名程、衆議院第一議員会館の国際会議室に集まり、地方をどうするかということを話し合い実行していくことにした。この準備に相当な時間を費やした。

<亀井さんの37年間の政治活動の集大成>
 こんなことができるのは、亀井さんの圧倒的なリーダーシップの故である。当選13回、年齢78歳、衆議院の最長老である。無所属で自ら傘貼り浪人と称している。広島県の庄原市の中山間地の農家に生まれ、ダムの底に沈みそうになった自分の集落を、偶然建設大臣となり、ダムの建設を中止させて故郷の村がダムの底に沈むのを救った。しかし、今はお年寄りすらも町の老人ホームに行っていなくなり、ダムの底に沈んだも同然となってしまったという。亀井さんは、自分の政治生活は一体なんだったのかと自問自答し、結論に達した。37年の政治生活の最後の1期を地方の活性化のために汗をかくというのだ。
 安倍総理は安全保障に血眼になっており、沈没寸前の地方の声に耳をかさない。亀井さんは、自民党にも人脈をもち、安倍派に所属していた関係もあり安倍首相とも親しい。役所にも企業にもともかく人脈がある。人なつっこい独特のキャラクターで人が集まってくる人である。その下に地方を元気にする超党派議員連盟をつくろうということで、半年以上根回しをしてきた。

<亀井・篠原の共通項>
 私がなぜ亀井さんと一緒かという理由を言うと、極めて簡単なことで、集団的自衛権の行使などもっての外、TPPは大反対、原発など日本にあってはならない、地方を大事にと、中心となる政策で完全に一致している。亀井さんは他に、死刑廃止の議員連盟の会長をし、絵を描いておられたりする。私は死刑廃止を主張できるまで人間ができていないし、芸術的感覚は皆無だが、田舎生まれの田舎育ちというところもそっくりである。だからいつのころからか気が合い、行動をともにしてきている。

<とりあえず実現の見本を示す>
 根っこの会のメンバーは、国会議員と首長と地方自治体議員と中小企業者そして農林漁業者と、地方の人が中心である。同僚の松原仁衆議院議員は東京の選出ではあるけれども、離島を選挙区に持ち、東京の地方であるということで加入している。本当は地方の要望を聞いて実現させる会なのだが、取りあえず地方の問題を2つ3つ解決して存在意義を示さなければならないということで、数項目ほど取りかかっている。そのうちの半分は私の案であるが、①サービスエリアの有効活用 ②地方に全寮制の中・高等学園 ③手形の決済を短くする ④地元材を活用した地域活性化 ⑤医療過疎の解消 といったところである。
 その中から、さらにすぐに見本を示すものとして、サービスエリアの活用、手形の期間の短縮化、そして医療過疎の問題を選んで検討を重ねてきた。6月10日の会合は、その途中経過を発表し、地方の声を聞く場であった。私の担当は僻地医療の問題である。これについて概略をのべると以下のとおりである。

<問題の発端は2004年の新臨床研修制度>
 まず、この問題はもとからあったが、2004年新しい臨床研修制度が導入されたことから始まる。それまでは悪く言えばボス教授がいて、卒業後の2年間の研修地をあんたはこっち、おまえはあぅちと割り振りを決めていたものが、研修医が自由に研修地を選べるようになった。すると、医者の卵たちは大学病院にすら残らず、給与も良く、いろいろと便利な大都市の大きな病院を選んだ。その結果、もともと医師不足でだった地方が更に医師不足になっていった。

<どぎつい篠原改革案:医師への僻地勤務の義務化>
 これを解消するにはどうすればいいか。私の単純でどぎつい改革案は医師全員の僻地医療の義務化である。国家試験が受かった人には、自分の人生設計に合わせて3年から5年、国の指定した僻地での医療活動を義務付けることである。
 医師一人を育てるのに、1億円強の金がかかるといわれている。それぐらいの義務をかけても文句を言われる筋合いはない。国家公務員試験に受かり、各省に採用された場合、例えば農水省の場合、平均2~3回地方勤務をさせられる(私は望んだにもかかわらず、例外的に一度も地方勤務をしていない)。それも林野技官は、相当田舎の森林管理署にもいくことになる。司法試験を通った裁判官や検事も同じである。ところが弁護士は自由に勤務の場を選ぶことができる。そして、弁護士と同じように医者はどこでも選べる。だからお金が稼げて、生活環境のいい都市部に集中してしまうことになる。医療過疎と弁護士過疎は同根なのだ。

<大北地方の産婦人科医ゼロ問題>
 その結果、長野の大町近辺(大北地方)で、10年前は10人いた産婦人科医がゼロになりそうだと大問題になっている。となると、国は保険料を納めている大北地方の住民に対して義務を果たしていないことになる。この件は既に予算委の分科会で務台俊介議員が取り上げている。

<欧米先進国では僻地の医師不足問題はない>
 北欧諸国やイギリス人では、医師は国家公務員であり、当然指定地域での医療活動が義務づけられている。フランスでは、地域ごとに必要な医師数と調査、病院ごとに受け入れる研修区の数を決定している。ドイツも大体同じで、人口当たりの定数の110%を超える地域では保険医としては開業できない。
 つまり国がお墨付きを与えた腕に職のある医師に対して、国が勤務地を指定しているのである。従って日本のようなひどい僻地の医者不足は生じない。農政分野における条件不利地域(中山間地域)への直接所得補償と同様に、地方で生活ができるような制度を構築している。

<合衆国アメリカの州内学生優遇制度>
 アメリカは医学部のあるほとんどの大学は州立大学である。私のいたワシントン大学(UW)の経験で言えば、州内の学生は授業料300ドル、州外は3000ドルだから、ほおっておいてもその州の学生が集まることになる。UWの医学部(メディカルスクール)は全米で10位以内の銘柄大学であるが、そこにはワシントン州内で生まれ育った学生が集まり、必然的にワシントン州内の医者になっている。タイでは2年間の僻地医療を義務付けている。
 このようにいずれの国にも医療過疎地が生じないようになっている。

<遅い日本の対応策>
 厚生労働省と文部科学省もわかっていて、その対策に乗り出し始めている。長野で言うなら5年前から信州大学医学部に長野県が、長野県で医療活動をするということを条件に学生に奨学金(貸与額月10-15万円、6年間で概ね1200万円前後)を出し、国がその費用を援助する取り組みが行われている。2016年初めてその卒業生(313名)が出て来る。9年間医療行為をすれば、貸与額全額を返還をする必要はないという仕組みになっている。
 既に自治医科大学で同じようなことが行われているが、他の大学でも取り入れたのである。根っこの会も急ぐ必要があり、当面この政策をバックアップしていくことにしている。
 どのように展開していくかわからないが、その間にも厚生労働省、文部科学省の担当、そして財務省の主計官にも参加してもらい、3~4回この実現のための打ち合わせ会を行った。これが結実していけばいいと思っている。