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【集団的自衛権シリーズ10】不道徳を改めよ安倍内閣 - 道徳好きの安倍首相が不道徳な政治を連続する不思議 - 15.09.02

 安倍首相は道徳が大好きであり、前回第一次安倍内閣の時は、教育問題について全力を傾注した。その延長線上で道徳を正教科にすべきだということが今も検討されている。ところが、その安倍首相や安倍内閣が全く不道徳な政策ばかりを連続している。私はこれには腹がたつばかりである。

<TPPの大嘘不道徳>
 その第一はTPPである。12年12月、野党自民党はTPP断固反対といって総選挙を戦った。「ブレない、TPP断固反対、ウソつかない」という政策ポスター(選挙期間中に貼りだせるので「流し込み」ポスターと称される)が作成された。私の選挙区は私自身が反対しているのでほとんど貼られなかったが、北海道や九州ではペタペタ貼られた。それでもって北海道は15議席から2議席に、九州は30議席から3議席に激減、意外に知られていないが中国ブロックは12年に2議席に減り、14年も2議席のみ。四国ブロックも12年14年と続いて2議席のみ、北海道と九州は14年にはいくららか回復したのに、全くその兆しがみられない。つまり農山村地帯では自民党は大嘘ポスターで大勝利を収めている。もっともその大きな要因は、TPP推進などというとんでもないマニフェストを掲げた民主党にあるのだが。
 ところが、舌の根も乾かない13年の2月に訪米し、オバマ大統領と握手をし「聖域なき関税化というのは、交渉によっては例外もありうる」といって、しゃしゃあと交渉に参加している。そしてその時に突き付けられた国会決議(重要5品目は守る、ISDSは拒否する、日本の国民皆保険は守る)を、7月下旬のマウイ島の閣僚会議では、ことごとく反故にしているのが明らかになりつつある。米、牛肉、豚肉、乳製品でベタ折れなのだ。これだけの公約違反、すなわち不道徳をしておいて、TPP交渉を纏めようとしている。
 オバマ大統領は正直に、自分のレガシー(遺産)にしたいと言っているが、安倍首相はアベノミクスの三本の目の矢がさっぱりないので、TPPをその目玉にしようとし必死である。今や日本が一番前のめりである。嘘つきはどろぼうの始まりといわれるが、大嘘は不道徳のさえたるものである。

<東京オリンピックの大見得不道徳>
 2番目は東京オリンピック絡みである。リオデジャネイロのIOC総会で、「福島については、統制されております。東京にはいかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく。今後も及ぼすことはありません」と言い放った。その後の記者会見で質問した6人の記者のうち4人が汚染水漏れについて尋ねた。ところが安倍首相は大丈夫といってかわし、東京開催が決まっている。私も、オリンピックの久方振りの日本開催は嬉しいことなので、東京に誘致するためにはこのくらいの大見得はしかたがない、と書いたことがある。
 しかし、今は私は前言を改めたい気持ちになっている。福島の原発の状態は結構深刻ではないかと思えるからだ。
 チェルノブイリに2度行き、そのうち一度は石棺のすぐ近くまで行ったが、日本も石棺を造ったりして放射能漏れを防がなければいけないのではないか、事故原発の中の状態がどうなっているか分からない点では、福島はチェルノブイリより深刻なのではないかと心配が尽きない。
 それよりも何よりも、東京金町浄水場の水道水は、13年末3月23日には100㏃を超える放射性ヨウ素が検出されており、幼児が使用を控えなければならなかった。ところが安倍首相は桜井充参議院議員の質問に答えて、汚染水による影響が東京に及ぶことはないということで、間違ってはいないと強弁している。明らかに国際的にも嘘の上塗りをしているのである。いくら国威発揚のためとはいえいかがなものかと思う。やはり不道徳がすぎるのではないか。

<安保法制の姑息な不道徳>
 3番目は安保法制である。私は正々堂々と憲法改正をしていくのなら、普通の国になってもそれはそれで仕方がないと思う。日本国民が判断するのである。ところが、それを解釈改憲などといって、憲法改正の手続きを踏まずに大方針を変えるというのは、いかにも不道徳であり、あまりに姑息である。海外で武力行使していく途を開く法案だから「戦争法案」だという人もいる。ただ、日本は永らく軍事絡みの事は安全保障といってきたので、今回のとび抜けた法律はひどさを表すために戦争法案とこき下ろしても仕方ないと思う。しかし、さらに図に乗って「平和安全保障法案」というのはごまかし以外の何物でもない。
 こんなことは許されるべきではない。この件は今盛んに議論されているのでこれ以上付言しない。

<原発再稼働・輸出の無責任な不道徳>
 4番目は、原発絡みである。誰が安全と言っているのか。誰が再稼働していいと言っているのか。九州電力社長なのか、原子力規制委員会なのか、宮沢経済産業大臣なのか。あるいは安倍首相なのか。
世論調査では再稼働反対が多数を占め、九州電力のこの夏最大の消費量は90%に留まった。国民の大半は原発の安全性に大きな疑念を持っている。どうやってだれの責任で再稼働を決めたのか不明確なまま、川内原発は再稼働している。
 エネルギー基本計画でも、ベースロ-ド電源として原発が重要だとして2030年の電源構成を20%とした。40年の寿命を延ばさなかったら実現できない数字である。更に、もう一つのインチキが東芝の粉飾決算である。社内抗争とかいわれているが、ウェスティング・ハウス社との提携もあり、明らかに原発に関係している。つまり原発絡みは不道徳の連続なのだ。
 原発がらみでもう一つ重大な不道徳は、日本で新設が出来ない原発を外国にしゃあしゃあと輸出せんとしていることである。私はこのことに大反対し、党の方針に反し本会議採決を退席し処分を受けている。前国会の原発輸出のためのトルコとアラブ首長国連邦との原子力協定については、民主党以外の全野党が反対していた。そうした中、民主党の賛成は、国民に異様に見えたに違いない。原発のセールスマン日本が輸出先の安全よりも自国の金儲けを優先していることが見え見えで、恥ずべき無責任に極まれりの不道徳である。

<オリンピックを金儲けの道具にする>
 5番目は、やたら建設費がかさんでしまった新国立競技場である。これも原発再稼働同様誰が決めたのかさっぱり分からずに、工事費が膨れ上がっている。よくあることだが、オリンピック利権とか言われているようなのもがあるのかもしれない。人口も増えず、企業の設備投資も進まない中、64年来のオリンピックは関連業界にとっては、またとない稼ぎ時である。皆が国家の大事業にかこつけて金に糸目をつけない政府に付け込むのは目に見えている。
 しかし、流石に安保法制がらみで支持率が低下していることに恐れをなした安倍首相がようやく撤回した。国民の知らない水面下で繰り広げられた不透明な工事費の高騰は、日本ははからずもオリンピックのスタジアムを金儲けの対象としてしまう、不道徳な我利我利亡者振りを世界に、そして日本国民に示してしまったのである。
 余りに生々しいので言及はわずかにするが、エンブレムの変更という二重のチョンボも生じてしまった。やはり不道徳なことをしていると天は見逃してくれないようだ。

<オリンピックは仙台や大阪がよかったのではないか>
 私は、安倍内閣の一連の不道徳はこの際全て返上すべきだと思っている。1番の政策課題である安保法制はすみやかに廃案にする。TPPはアメリカにこれだけ翻弄されているのだから、交渉は止めて撤退する。原発も私はすぐにでもやめるべきだと思うが、百歩譲るとして、余程安全が確認されたものだけ例外的に再稼働し、40年ですべての廃炉にしていくことである。その代わりに再生エネルギーに全力を傾注すべきである。
 東京オリンピックは返上すべきではないかと言いたいところだが、ここまで進んだ以上もう後戻りも出来ない。残念なのは、なぜ大阪とか名古屋で開催しようとしなかったのか。地方を活性化しなければならない、東京一極集中がいけないと言っているのだから、国を挙げて被災地仙台という発想がないのだろうか。大阪も大阪都構想とかカジノにうだつをあげずに、オリンピックを大阪で開催し、関西の復権にもつなげたほうが、ずっと日本全体の活力アップにつながったはずである。

<日本の政治に最大の道徳を取り戻す>
 その代わり、日本の復興なかんずく福島原発の収拾にこそに全力をあげるべきだと思っている。今なお仮設住宅で暮らしを強いられている人が10万人近くいるし、福島第一原発の収束の見通しも立っていない。こういった時に、TPPだ、安保法制だ、原発の輸出だ、オリンピックだなどといっている余裕はない。被災者のことを考えたら、東日本大震災からの復興以上に大事な政策はない。
 何よりも政治は最高の道徳と言われており、その政治が不道徳なことをしていては支持率も下がって当然である。民主党を含め他の野党がこの安倍政権の不道徳をきちんと問いたださないことに私は歯ぎしりをしている。