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偽りのTPP臨時国会要求 -戦う姿勢を示さない民主党の支持率は上がるはずがない- 15.11.24

<いつもの内紛は見苦しいかぎり>
 今民主党のお得意の内紛がマスコミにまた取り上げられている。前原・細野両氏が野党統合を目指して江田憲司と会っていたことが大々的に報じられ、岡田代表がそれを拒否したからだ。江田のパフォーマンス好きと焦りの産物だと言われているが、民主党の2人もいつものとおり脇が甘すぎる。一方の岡田代表も、細野政調会長は5人の幹部ではないが幹部の1人だから自重しろ、執行部は私だ、などといきり立つのは大人の対応とはいえまい。
 この点について、私は既に2012年の大敗北のあと無責任な解散をした野田首相を除名し、党名を変更して再出発しなければ民主党の再生はないと言い切っている。[ 民主党の解党的出直し -民主党の再生は、野田前首相の議員辞職と党名変更から始まる- 13.02.05ブログ等一連の8連続ブログ ] この考え方は今も変わらない。そしてやっと民主党の議員自身も解党的出直ししかないと気付いたのであり、流れとしては好ましいことだ。
 しかし、このタイトルのことについては、ブログにしかと書き留めておかなければならない。

<異例の予算委の閉会中審査>
 臨時国会を開かないことについてのおかしさについてはいろいろと指摘されている。しかし、与党自民党はしらばっくれて開かないでいる。我々民主党をはじめとする野党はTPPがアトランタ会合でまとまったのに全く情報公開していないので、国会論戦で明らかにすべきである、との理由を挙げていた。これには論拠があるので、さすがに政府・与党も衆参1日ずつ予算委員会の閉会中審査という珍しい形でその要求に応えることになった。
 国会のルールは、部屋の割り振り、理事や委員の数、政党助成金等、何事も議員数に応じてきちんと決められる。国会の質問時間は、一定のルールの下、与党の筆頭理事と野党の筆頭理事とで決められ、通常は野党に相当の時間が割かれる。なぜならば与党は事前の審査で十分承知しているからである。ところがテレビ中継の時だけは与党もテレビを通じて国民にアピールしたいので、野党はそれほどの時間をとれないのが普通だ。それでも今回は7時間のうち民主党には2時間59分が与えられていた。質問者が岡田、玉木、山野、柚木、前原。他に例によって4人の閣僚(高木・復興、島尻・沖縄、森山・農水、馳・文科)にスキャンダルがあり、それを攻撃するということもあった。

<TPPの農業問題には10分だけ>
 ところが、TPPに割り振られた時間(玉木)は僅か30分である。しかも、玉木は日米並行協議では自動車で攻めきっていないということにかなり時間を費やし、農業問題にはものの10分余しか触れなかった。予算委員会を不安な面持ちで固唾をのんで見守っていた多くの農民は肩透かしにあった。
 そして私自身も多くの有権者・農民から「何をやっているんだ」と電話やメールで相当きついお小言を頂戴してしまった。野党第一党の民主党が自民党の一連の嘘ばかりのTPP対応をきっぱりと糾弾してくれる、と期待した農民の落胆は大きかったのだ。

<予算委を有効に使った与党自民党と何一つ得点できなかった野党民主党>
 与党自民党の稲田朋美政調会長が一番手で、当然のことではあるが、TPP合意をただすということで、大半をTPPに費やした。おわかりのとおり、与党の典型的ヨイショ質問で、TPPを如何にうまくまとめたか、そしてどのような対策が予定されているかと筋書き通り相当念入りにやっていた。公明党の質問者の石田祝稔政調会長は、農林水産委員会の重鎮であり、同じようにTPP、なかんずく農業農政中心である。テレビを意識して、TPP合意の説明に有効に使いきった。
 民主党は約3時間のうち、少なくとも2時間はTPPで且つ農民の不安に応えて政府を追及することに費やすべきなのに、全くトンチンカンな時間配分であり、人的配置なのだ。新聞は毎日が「野党が攻めきれずと酷評、相当な時間を費やした岡田、前原の質問を報じている新聞はほとんどなかった。民主党はそれだけタイミングのずれた空虚な質問をしていたのだ。民主党が得意だと思われている閣僚スキャンダル追及も、産経が「返り血怖い民主弱腰」と指摘したとおり、ほぼ不発に終わった。
 戦う姿勢が見受けられず、2か月ぶりの予算委員会でも何も得られなかった。

<新メリーゴーランド人事で党内に閉塞感が漂う>
 同僚の一人が、「篠原さん、ひどいですね。今回の質問者を見ても『新メリーゴーランド人事』ですね。3年3ヶ月で同じ人達がずっと政権を運営し、そして潰してしまった。あの時の人達がまた復活して、支持率が全然上がらないようなことをして、また下げている。この党の建て直しは大変ですね」と嘆いてきた。言いたくはないが、いつも同じような顔ぶれの質問者で、相変わらず全員野球ができていない。民主党には有能な人がたくさんいるのに、同じ人達に集中する悪しき慣行がまた頭をもたげてしまっている。テレビの視聴者がそれに辟易し、清新さの欠ける民主党に愛想を尽かしてしまい、支持率がさっぱり上がらないのだ。
 その前に通常国会を見計らって、志位共産党委員長が先手を取って安倍政権打倒のため選挙協力すると宣言したので、ますます民主党の影が薄くなってしまった。これとて野党結集を呼びかけたのが岡田民主党代表なら、全く違った展開になっていただろう。
 こうした閉塞感の打開のために前原・細野も動いたのであり、趣旨は間違っていないのは前述のとおりである。ただ、水面下でやるべきものをテレビのフラッシュを浴びるなど、やり方があまりに稚拙だっただけだ。

<自民党の鮮やかな逆襲:小泉進次郎農林部会長>
 一方、百戦錬磨の与党自民党はしたたかである。農民票が16年参院選の勝敗の鍵を握ることを先刻承知済みであり、なんと農村部会長に政界で最も人気の高い小泉進次郎をあててきた。2012年末の総選挙の「ブレない、TPP断固反対、嘘つかない」以来ずっと嘘をつき続け、国益を損ねる妥協をした自民党の悪評を何とか覆すために、小泉進次郎を全国各地に派遣して人気挽回をしようというのだ。
 これも、民主党こそ農政(ないしTPP)について不満を持つ各都道府県の農協中央会巡りをすべきだったのだ。07年小沢代表が農業者戸別所得補償に飛びついて、それを武器に参院選の1人区を23勝6敗と大勝利に導いたのと大違いである。今や農民はTPP合意に猛反発しており、07年以上の絶好の機会が訪れているというのに、TPPは賛成だなどと言い出す幹部もいる。今や、人気者小泉進次郎には誰が出向いてもかなうまい。またもや遅すぎたのである。

<16年参院選に向けた民主党再生に全力>
 やることが変わらない。その変わらないことの一つが今回外に出た内紛である。同じようなことを繰り返していては民主党の再生は遠いような気がしてならない。ここらで褌を締めなおして国民のためにも野党第一党として野党勢力を結集して安倍政権に対峙していく方策を速やかに考え、速やかに実行して、参議院選挙を勝ち抜いていかなければならないと考えている。
 (なお、私は党内の役職には一切ついていないが、野党統合についても農政・TPPをテコにした参院選対策にもそれなりに動いていることだけを記しておく)