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参院選は野党勝利で安倍政権の9条改正阻止 -憲法改正の参院選争点化は許されず- 16.01.12

 1月4日、第190回通常国会が開会した。私は共産党が今まで開所式に参加したことがない、ということを知らなかった。初めて共産党も参加して天皇陛下のお言葉を賜りお迎えして粛々と論戦が始まった。

<臨時国会不開催は憲法違反>
 しかし、安倍政権の国会軽視を露呈する始まりとなった。
 憲法53条に「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員四分の一以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならない。」と規定されている。与党がさっぱり秋の臨時国会を開こうとしないので、野党5党が臨時国会の召集を要求したにもかかわらず、安倍内閣は召集せず、通常国会となってしまった。明らかに憲法違反である。岡田・松野両代表が糾弾した。ところが、いつものとおり、その分通常国会を早く開催した、と開き直って答弁した。
【ただ、岡田代表は2012年6月に、民主党の党規約(3分の1以上の議員の要請により速やかに召集)違反をして両院議員総会を開催しなかった幹部の1人である。】
(ブログ:『民主党の憲法・「党規約」違反は許されず 2012.6.26』

<説明する気のない安倍首相>
 満を持しての国会のはずなのに、安倍首相の「最近の海外出張に関する報告」は、ダラダラと外遊振りを述べるだけであり、麻生財務相の補正予算の説明も僅か3分、A-4紙2ページ余の短いものだった。補正予算をさっさと通すために、ただすっ飛ばして原稿を読み上げるだけだった。安倍首相は口癖のように「国民に対して丁寧に説明して理解を得ていく」と言うが口先だけで、全くその姿勢が見られない。強引に法案を通してしまえばあとは知らん振りで、再び懲りずに強引な政権運営に逆戻りである。国会や国民を無視していることは明らかであり、野党席から「まじめにやれ、手を抜くな」とヤジが飛んだ。
 夕方、16時30分から飯山市の定例の新年会が予定されていたが、私は欠席の予定だった。ところが、あまりの短い2つの演説のため本会議が早く終わったので14時56分東京発の「はくたか」に間に合い、少々遅れて出席できた。まさに北陸新幹線効果である。

<政治が乱れると右傾化・左傾化し、中道が空白化>
 歴史を振り返ると、政治が乱れると右傾化と左傾化が生じ、中道が空白となる。戦前でみるとまず左傾化が進んだが、1925年の治安維持法の制定を契機にして、政府が共産党弾圧をし始めた。その一方で軍部が台頭し、とうとうあの無謀な第2次世界大戦に突入してしまった。今、政府・自民党が衆議院で294議席を占め、一方2014年総選挙で共産党が8議席から21議席と3倍増する中で、中道リベラルの民主党が72議席と弱小勢力に成り下がった。戦前と全く同じ状況が生じているのは、政治が乱れている証拠である。

<参院で改憲勢力3分の2を目指すと明言>
 一方、安倍首相は年頭記者会見の所感で憲法改正を目指すと明言した。世論調査(共同通信社)で、9月の安保法成立直後38.9%に下がった安倍内閣支持率が、12月には半数に迫る49.4%に上昇したことで自信を深めたのだろう。第1次安倍政権では教育改革を連呼し、挙句に2007年の参院選には憲法改正に言及し挫折していった。それにもかかわらず、1月10日のNHK日曜討論において、自公+おおさか維新で3分の2を確保して改憲を目指す、と明言した。
 私は、憲法改正をやみくもに否定しない。必要ならば、そして国民がそれを望むならば改正したらよい。ひたすら今の憲法を絶対視する必要はない。ただ、時の政権が声高に憲法改正を叫ぶのは許されることではない。しかも高飛車に選挙の争点にするなど前代未聞である。憲法は安定したものでなければならず、政権は抑制的に振る舞わなければならない。だから憲法96条で法律よりもずっとハードルの高い両院の3分の2の賛成による発議という条件を課している。
 安倍首相は、第2次安倍政権でまず憲法96条の3分の2以上の発議を2分の1に変えようとした。まさに邪道であり、憲法調査会では自民党議員からも反対の意見が出るほどで、早々に諦めた。その次に試みたのが、2014年7月1日の集団的自衛権を認める閣議決定であり、それに続く前通常国会での安保法制の強行採決である。

<当たり障りのない緊急事態条項で様子見か>
 そしてまず手始めに念頭にあるのが、世界各地で起きているテロ、大災害、戦争等が起きた時に、政府の権限を拡張する緊急事態条項である。国会議員の任期を延長することも考えられている一方で、基本的人権を制限することにもつながる。9条の改正による自衛隊の海外派遣といった国民の猛反発を喰うものを隠して、もっともらしいものを例として持ち出したのだ。言ってみれば改正の手慣らしであり、お試しである。野党や国民にも受け容れやすいものを取り上げ、改正の足掛かりとしようとしている。次に向けた姑息な癖玉であり、騙されてはならない。
 一方、「加憲」の公明党は環境権の明記等、誰も反対できないことを主張する。おおさか維新は地方分権も含めた統治機構改革を優先課題としている。

<緊急事態に備えるなら衆参ダブル選挙を禁止すべし>
 私は、もし改正するとしたら立憲主義、すなわち国民が政府の暴走を抑えることを優先すべきだと思っている。
 安全保障絡みでいえば、自衛隊を自衛のための軍隊として憲法上も明確に位置付け、その代わり絶対に海外になど派遣しないことを明記すべきである。統治でいえば、いつも与党に利する7条解散を認めず、内閣不信任案が通った時しか解散を認めないようにすることである。諸外国にも政府(与党)が勝手に議会を解散できる仕組みはない。このために政権交代が生じにくくなっていたといっても過言ではない。
 これがひいては今取り沙汰されている衆参ダブル選挙の否定につながっていく。憲法は政治の安定のために二院制をとっている。選挙中に参議院の半分しか国会議員がいないということになれば、国会が国家の緊急事態に対応できないことになる。大袈裟に緊急事態などというなら、まず衆参ダブル選挙を禁止することである。

<憲法改正を主張する資格のない安倍首相>
 連立を組む山口公明党代表も、「国民に具体的な問い掛けをする段階には至っていない」と参院選での争点化に慎重である。安倍首相も予算委員会で何を改正するのかという問い掛けに対しては「新しい時代にふさわしい憲法のあり方について国民的議論と理解が深まるように努める」という抽象的答弁に終始している。まさに9条改正隠しに他ならない。
 憲法学者が憲法違反とする集団的自衛権をも解釈改憲とやらで強行し、憲法違反をして臨時国会を召集せずにしらばっくれているのに、しゃあしゃあと憲法改正を口走る。憲法を無視していながら都合のいい憲法改正に固執するのは、まさに矛盾以外の何物でもない。憲法を守らない安倍政権に憲法改正を言う資格はない。1月6日の代表質問で松野維新代表が指摘したとおり、まさにブラックジョークである。

<参院選勝利で安倍首相の暴走にブレーキ>
 長野県でも1人区となる参議院の候補者として、1月11日の民主党長野県連の常任幹事会で杉尾秀哉元TBSニュースキャスターを公認候補として党本部に申請することが決定した。4期24年務めた北沢俊美元防衛相が引退を決意し、参院選勝利に向けて動き出した。万が一参院選でも自公(+おおさか維新)が3分の2の多数を占めると、安倍政権が一気に9条改正に突っ走ることが予想される。絶対に阻止しなければならない。
 参院選は32に増えた1人区が勝敗を左右する。2007年に民主党が29の1人区で小沢代表を筆頭に農業者戸別所得補償を掲げて戦い、民主党は18、野党共闘5と大勝し、自民党は鹿児島、大分、山口、福井、和歌山、群馬の6県でしか勝てなかった。これにより安倍首相は突然辞任することになった。今年の7月も反安保法制、反TPP、反原発で同じような大逆転に向けて頑張らないとならない。