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【選挙制度シリーズ4】 宮崎謙介議員よりも甘利TPP担当相の議員辞職が先 -不倫辞職よりあっせん利得辞職- 16.02.29

<好対照の宮崎前衆議院議員とサンダース上院議員>
 私は「被選挙年齢は引き下げでなく引き上げが必要」(【選挙制度シリーズ1】16年2月18日)で、例えば国会議員は40歳以上に引き上げるべきだと述べた。そして、平均寿命が伸びた今、それから30年やっても70歳ではないかとも付け加えた。日米に今、2つの例がみられる。35歳の「育休不倫」で議員辞職した宮崎謙介前衆議院議員と74歳のバーニー・サンダース上院議員である。

<育休宣言と不倫の矛盾>
 宮崎前議員は、東京生まれで早大高等学院から早大商学部に進み、日本生命に入社、26歳で学生の就職活動支援を行う会社を設立、京都3区から衆議院選に出馬し、当選2期目である。追い打ちをかけるようで悪いが、まさに私が若輩者を国会議員にすべきではないという典型的事例である。昔懐かしい3高(高身長・高学歴・高収入)、188cmの若きイケメンをいとも簡単に国会議員にしてしまった。
 女性に優しいのだろう、宮崎前議員は突然国会議員も育休を取ると宣言し、男女共同参画を進める世間から拍手喝采を浴びた。しかし、その優しさは出産という大変な状況の妻だけでなく、その他の若い女性にも向けられていた。国会議員の育休宣言とはかけ離れた行動である。

<自民党2012年問題>
 2009年に一挙に143人の新人議員を誕生させた民主党が、政権を10年ぐらいは担うと思ったのだろう、60歳以上の実力派自民党議員の多くが引退してしまった。そして2012年、自民党では一挙に若手議員が誕生した。その大半が2014年に2期目の当選を果たし、適性を欠く軽率発言や行動が噴出する。いわゆる「自民党2012年問題」である。新規公開株による利殖行為、「戦争に行きたくない」は利己的等の発言で自民党を離党した武藤貴也議員(36歳)も、当選2回で宮崎前議員の同期である。2人とも30歳そこそこで国会議員になっている。やはりなってはならない人たちなのだ。

<目の肥えた有権者が選んだプロ政治家>
 一方のサンダース議員がバーモント州バーリントン市長を2期務めた後で、下院議員になったのは1991年、50歳の時である。日本の自民党にあるクローニンの会(50歳を超えて国会議員になった者の会)のメンバーの有資格者でもある。その後、2007年に上院議員となり2期目の途中である。大統領選出馬のため2015年4月に民主党入りしたが、ずっと無所属で自らの政策を主張してきている。周りはその首尾一貫した姿勢を支持しているのだ。東部13州の目の肥えた有権者が育てた、重みのある議員であり、隣州・ニューハンプシャー州の勝利につながっている。サンダース議員は、日本のように若ければいいという上っ面な風潮では存在しないプロ政治家である。

<宮崎議員の国会復帰はありえず>
 宮崎議員のスキャンダルは、甘利経済財政相のあっせん利得処罰法違反にならんとするスキャンダルに続き、政界に波紋を投げかけた。いずれも週刊文春の記事がきっかけである。日本の政界を動かしているのは週刊文春ではないかと思うほどの活躍である。
 宮崎前議員は2月10日、甘利前大臣以上に素早く議員辞職してしまった。今まで不倫で総理や閣僚を辞任したことはあっても、議員辞職まではなかった。目立たんとしたとしか思えない育休宣言故のものである。議員辞職記者会見で、再び国会議員に、などとのたまわっていたが、有権者はそんなことは許さないだろう。あまりに言行不一致が過ぎる。そして何よりも罪なのは、せっかくの男性育休の気勢を削がれてしまったことである。

<甘利大臣の議員辞職が先>
 宮崎前議員の陰に隠れて、睡眠障害とやらで国会にも出てこない甘利前大臣を忘れてはならない。甘利前大臣については、ブログで「一事が万事で、業者が渡した50万円を大臣室でポケットに入れるような政治家に日本の国益を守る交渉ができるはずがない」と述べた(【TPP交渉の行方シリーズ51】TPP阻止もアメリカ頼みの悲しさ、16年2月10日)。国益を守ることもなく、大臣室で私腹を肥やしていた罪は、宮崎議員よりずっと重い。私はこちらこそ即刻議員辞職すべきものと思う。

<甘利前大臣に甘くしてはならず>
 1月28日の記者会見で「政治家の美学」などとのたまわっていたが、美学を持つ政治家なら大臣室で50万円を受け取ったりすることはないはずである。醜いのだ。鈴木宗男元衆議院議員は、毎年100万円の献金を受け取った「やまりん」から、違法伐採問題になった年にだけ400万円を受け取ったことで、あっせん利得罪に問われ、刑が確定し、公民権が停止され議員辞職している。それを甘利前大臣が罪に問われなかったら、あっせん利得処罰法はザル法のそしりを免れない。
 甘利前大臣ばかりでなく、300万円の金を私用に使ったり、高級車を要求した2人の元秘書の証人喚問要求は当然である。甘利前大臣も事実関係を把握して証明すると答弁している。司直の手に委ねるのは当然として、国会でも問題にしていかなければならない。

<降って湧いた京都3区の補欠選挙>
 宮崎議員は、念願の育休をずっと取り続けられる身分となった。一方で、京都3区の補欠選挙が北海道5区と同日(4月24日)に行われる運びとなった。こちらには民主党のイケメン、泉健太議員(比例復活)がおり、補欠選挙に出馬する。ナイスガイであり、確実に当選してもらわなければならない。これにより、北神圭朗議員が繰り上げ当選してくる。彼もまた民主党の将来を担う大物議員であり、民主党にはささやかながら順風が吹いてきている。