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1人区だけでなく比例区も野党統一名簿で野党共闘が必要‐共産党を除く野党統一名簿で自公か野党かの選択肢を示す‐ 16.5.31

(このブログ、メルマガの原案は、4月10日の長野駅前の街宣ビラに使用した。きわどい内容なので全国ベースにには載せなかったが、今回、次号とのセットで配信・掲載することとした。)
 7月の参院選に向けて1人区の野党共闘が着々と進み、民進15、無所属16、共産1と32の1人区すべてで野党共闘が実現した。喜ばしい限りである。しかし、一つ忘れていることがある。比例区での共闘である。1人区で野党共闘して投票してくれた人たちに、そのまま素直に受け皿を提供することを考えなければならない。1人区は個人名だが、比例区は大半が政党名を書くが、共産はちょっと嫌だし、民進はどうも信用できないし・・・と、比例の行き場がない。

<順調な1人区での共闘>
 共産党は、今まで議席を得られることはまずないにもかかわらず、全選挙区に候補者を立ててきた。それを今回は立候補させない方向に転換した。勝ち目のない1人区に候補者を立てても、得票数不足で供託金を没収されることが多く、国家に貢献していたのだ。そればかりでなく、野党の足を引っ張り、結果的に自民党を助けていたのだ。こんなことをしていてはいつまでも安倍政権が続いてしまう。志位委員長なり共産党の方向転換は、このような損なことをしないという極めて合理的な決断である。これらはすべて安倍政権打倒のためである。共産党はその分、3人区以上と比例区に力を注ぎ議席を増やそうとしている。
 その結果、32の1人区で半分以上勝利できれば、野党共闘の大勝利といえる。

<民進党はこのままいけば惨敗は必至>
 さて、残る問題は比例区である。民主党は2013年には713万票で7人しか当選していない。2007年には2326万票で20人も当選していたのと比べると凄まじい惨敗である。地方区でも10人しか当選せず、17人の大敗になった。このまま放っておくと改選43議席(維新も加えると47)が半減し、再び大敗してしまうおそれもある。
 自民党は1600~1700万票、公明党は700~800万票で固定化しており、社民党は低落傾向が著しく13年には200万票を割り126万票に減り、1議席獲得がやっと、生活は94万票でゼロだった。共産党はせいぜい400万票強で当選者は3~4人だったものが、13年には515万票となり、5人も当選している。共産党の勢いが止まらないこところにもってきて、地方区に立候補予定で準備していた者をそのまま比例区の候補に変えて、個人名の得票で上積みしようとしている。最近、900万票以上の獲得を目指す当選目標を8議席から9議席に上げた。
 与党に近い大阪維新も関西地区でそれなりに得票するに違いない。となると、残りの中道リベラル政党民進党は片隅に追いやられてしまう。

<今でも遅くない野党大結集>
 私は真剣に野党の大統合に向けて汗をかいてきた。岡田代表も、社民・生活・その他の無所属にも呼びかけると約束したが、維新とそのかたわれの改革結集の4人だけにとどまった。つまり大野党統合とならず、民主党と元々民主から離党した者が大半の維新が統合しただけで、国民にほとんどアピールできなかった。そのため民進党の支持率はさっぱり上がらない。
しかし、嘆いていても始まらない。参院選はもうすぐそばまでやってきているのだ。
 民進党も生活も大した地方組織などない国政政党である。それに対し、社民党は社会党の流れをくむがっちりした地方組織がある。長野県などはその典型であり、自治労は社民党支持基盤である。また、私の所属した全農林も全国各地に組合員がおり、社民党の支持基盤である。だから、又市征治参議院議員ではないが、「我が党は地方組織があり、永田町の幹部だけで合併・統合を決められない」と他党との違いを正直に語っている。それでも強く働きかければ動くかもしれないが、民進党側も腰が引けている。私は、いまでも野党大結集がベストと思っている。2003年の民由合併、1998年の民主党結成の例でみられるように選挙前の野党結集は有権者をひきつけている。

<野党統一比例名簿は緩やかな野党共闘>
 国民は自公(安倍政権)対大同団結した野党という二者択一の選択肢を示してほしいと願っている。その要求に応えるには選挙用という批判はあるが、「野党統一比例名簿」で大同団結振りを示して、比例区の民進党その他の中道当選者を増やさなければならない。そこで私はかねてから小沢一郎の唱える「オリーブの木」と同じような野党の結集に向け下準備をしてきた。そしてそれを「桜の木」構想と呼び始めた。
 野党統一比例名簿は、それぞれの政党に所属したまま比例区で統一名簿を作って共闘して、全体の得票を上げ、死に票を少なくできる。つまり、離党する必要もなく、新しく党作りする必要もなく、参院選の比例区だけ一緒に戦えるのが「桜の木」構想である。何より都合がいいのは、1人区の全野党共闘と違って、比例区は共産党が全く別に戦うので、民共合作などと批判されることもない。
 日本の選挙制度では、参院選の場合、地方区と比例区を合わせて10人以上の候補者を立てれば確認団体として認められ政治活動ができることになっている。比例区だと1人あたり600万円、10人で6000万円の供託金を納めなければならず、かなりハードルが高い。そうした中、過去に唯一だが統一名簿が作られたことがある。

<1983年の新自由クラブ民主連合>
 1983年第13回参院選において、新自由クラブと社民連が統一確認団体である「新自由クラブ民主連合(自ク連)」を結成し統一比例名簿で闘った。参院選で10人以上の候補者を有すれば、確認団体となれることを活用したのである。当時は拘束名簿式比例代表制で、1位は田英夫(社民連)、2位大石武一(新自ク)、3位水野晴郎(新自ク)、〔この間は新人〕、7位(社民連)、8位(社民連)等の9名が掲載された。地方区1人出馬して合計10人となり条件を満たしていた。
 しかし、ミニ新党ブーム《 サラリーマン新党(200万票、2人)、福祉党(158万票:1人)、第二院クラブ(142万票、1人)等 》の影響をまともに受け、124万票しか獲得できず、当選は田英夫(3選)1人にとどまった。13回参院選から大政党に有利なドント式比例代表制が導入されていたが、自ク連は長期戦略が立てられず、かつ統一確認団体の結成が選挙の直前だったこともあり、有権者の支持を得るまでには至らなかった。田英夫(社民連)は社民連から比例区の立候補者がなく選挙時に争っていないため、社会民主連合に移動が可能だった。

<民進社民生活市民連合や民進市民連合が妥当>
 新しい確認団体の名を「桜の木」とするのではない。新しい党名の民進党さえ覚えてもらうのが大変なのに、そこに更にもう一つ新しい名前では有権者は混乱するばかりである。そこで「新自由クラブ民主連合」と同じように「民進社民生活市民連合」といった寄せ集めの名前にすることが一番無難である。なぜならばそのうちの一部、「民進」「社民」「生活」「市民連合」と書いても多分有効とみなされるからだ。
自分の党の名前が残っているので、社民党の地方組織も納得する。
 法律上は不完全な表記は開票立会人が有効か無効か決めることになるが、無効票を少なくするために、その者(なり党)を示しているとわかれば有効にするのが普通だ。例えば「山田太郎」氏は「山ちゃん」「タロー」等でも有効とみなされるのと同じである。比例区の場合全国バラバラだといけないので総務省が指針を示すことになっているようであり、そこはうまくいけると思っている。
 他にもっと簡単に「民進連合」とか、市民連合に敬意を表した「民進市民連合」等も考えられる。要は、1人区の共闘の延長線上で投票できる受け皿が必要なのだ。民進党もいま一つだし、共産党はどうもと思いながら、地方区で野党の方に加勢している人たちが素直に投票できるのが、民進市民連合かもしれないのだ。いくら名前を連呼しても候補者の顔も浮かばない人が大半であり、7割以上が党名を書いている。

<非拘束名簿式比例代表制のほうが導入しやすい統一名簿>
 1983年当時は拘束名簿式比例代表制で、順位をつけて名簿を提出する必要があった。どの党でも頭の痛いところであり、自民党は候補者の獲得した党員数を基準とするなど何とか客観基準を設けようとしていた。しかし、幽霊党員の問題が生じたりして、結局、今の非拘束名簿式比例代表制となった。
 新自由クラブ民主連合(自ク連)も揉めたうえで、1位を社民連、2位・3位を新自由クラブにする等の工夫をしたが、結局1人しか当選しなかった。それに対して今、順位を決める必要はなく、同じ名簿の中でいかに個人名を多く得票するかで決まる。従って揉め事がない。
 ただ、今は当時なかった政党助成金があり、こちらでは多少問題が生じるが、要は議席を1つでも多く得ることが優先されるのであり、政党交付金にこだわるのは本末転倒である。

<捕らぬ狸の皮算用>
 民進党からは、現在連合から12名、立正佼成会2名、の他私が全国選対本部長を務める鎌谷一也をはじめ6名の計20名が公認されている。しかし、前述の通り13年と同じ713万票程度だと最低当選ラインは15万2000票にはね上がり、7人しか当選できない。ところが、国民に野党大統合という本気度を認めてもらい、自民を凌ぐ2,300万票となれば、最低当選ラインも6万7000ぐらいに下がり、票社民2名、生活1名を含めて統一比例名簿の全員当選も可能になってくる。
 また、地方区と比例区のセット選挙が本格化すれば、相乗効果が生じ、地方区にも好影響が生じて、32の1人区で半分以上16人から20人の当選も見えてくる。ただし、これにはTPP絶対反対唐を明確にしていく必要がある。

<次善の策は野党統一比例名簿>
 もう一度、「桜の木」構想の合理性をあげておく。
① (野党大結集がベストだが)参院選で必死で野党が団結して安倍政権に立ち向かう姿勢が示せる。
② 比例区に、地方区(特に一人区)の野党共闘の延長の受け皿が必要。
③ 共産党とは一緒にならず、保守層の批判がない。
④ もとの党籍を離れる必要がないので、野党統合ほど軋轢が生じない。
⑤ 13年の死に票(生活94万、みどりの風43万、みどりの党46万、新党大地52万票を残し、3~4人(1人100万票)野党候補が増える。

 私がペーパーを関係者に開示してから2ヶ月、どこのマスコミもできっこないと報ずるばかりだったが、5月20日の朝日の社説がやっと野党統一比例名簿の必要性、合理性を力説してくれた。
 オバマ大統領の広島訪問は何も安倍政権の外交成果ではないが、やはり支持率アップにつながっている。これが7月10日まで持続するとは思えないが、自公も必死で反撃してくるだろう。
 とにもかくにも、野党勢力と結集して安倍政権の暴走を止めるのが今度の参院選の役目であり、ありとあらゆる手段を講じて、参院選の自公3分の2は阻止しなければならない。
 あとは、民進党執行部の決断だけである。時間は残されていない。