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二重国籍であることが判明した今は、潔く代表選は辞退すべし ‐説明が二転三転は代表候補者として失格‐ 16.09.14

 私は、蓮舫の二重国籍問題が取沙汰されて以来、大きな問題にならなければよいが、とずっと心配し続けてきた。9月7日は、長野の三候補揃いの集会ももともと前原候補のために設営した会に、肝心の前原来ず、玉木一人の参加となった。かつその玉木が長野駅前街宣をさせてもらえないというとんでもない愚かなことが起きていた。
 しかし、それよりも何よりも本件が気になり、蓮舫本人にきちんと対応しているのかと念を押した。前日の6日に台湾籍の放棄手続きを行っていたこともあり、いつもの笑顔で決着済みと答えていた。
 ところが、私の懸念していた通り何一つ解決していないので、週末に時間をかけてまとめたブログ案を、9月12日には蓮舫に届けている。事を穏便にすませるため、代表選を辞退してほしかったからである。しかし、翌日台湾当局から台湾籍が残っていると連絡があったことを受け、緊急で記者会見が開かれたが、ちょっと謝っただけですましている。私には到底理解できないことである。かくなる上は、やはり私の考えをこのブログ・メルマガで明らかにしないとならない。9月12日版を一部修正してお届けする。
 なお、私は前原議員の推薦人になっており、それ故に蓮舫に代表選辞退を迫っていると勘違いされる向きもあるが、そのような狭い了見では全くない。この点は引き続き短い第2段も続けて書くので、併せてお読みいただきたい。

【9月12日版より】
<危うい祖国を持つアグネス・チャンの子への想い>
 私は20代の頃、香港生まれでたどたどしい日本語を話し歌うアグネス・チャンのファンであった。1976年から2年間、アメリカに留学させてもらったが、ちょうど同じ頃、彼女がカナダのトロント大学にいたと記憶している。
 日本で活躍する彼女はその後日本人と結婚したが、3人の子供は、それぞれ生地主義で国籍が得られるカナダ、アメリカ、香港で出産している。いつなくなってしまうかもしれない危うい香港が母国であり、子供にいざという時に備えて国籍を2つ持たせていたのだと解説されていた。アグネス・チャン自身は、英国国民(海外)という国籍である。
 日本のように平和な国では考えられないことである。私は子を想う母の気遣いに感心した。

<蓮舫の父の祖国への想いを理解>
 ここからは推測である。
 蓮舫の父、謝哲信は日本でビジネスをして成功したのだろう。しかし、台湾は複雑な位置づけの国(地域)であり、日本も国としては認めていない。その点ではアグネス・チャンの故国(地域)の香港よりもっと複雑である。いつ中国に併合されるかもしれないし、いつ戦乱に巻き込まれるかもしれないと、子供たちの将来に想いを巡らせていたに違いない。
 それが、1985年1月1日から母親が日本人なら日本国籍が与えられることになった。平和な国、日本の国籍を我が子にも授かろうとするのは、自然の成り行きである。報道されているとおり、17歳の蓮舫は父親と台湾の駐日代表処に赴き、母親、斉藤桂子の娘として斉藤蓮舫という日本国籍を得て台湾籍放棄の手続きを行ったと蓮舫は理解していたらしい。
 これなら、父親が自分の祖国への想いも断ち難く、いつか成功した暁に祖国への帰国も念頭に、内緒で娘の蓮舫にも祖国の国籍を残しておいたとしても不思議はなく、責められるべきではない。アグネス・チャン同様に危うい祖国を持つ国の人たちの不安な気持ちは、一般の日本人には到底理解できないだろう。

<民進党代表選出馬故の二重国籍問題>
 日本の国籍法は、「外国国籍を喪失していない場合は、外国国籍の離脱の努力をすること」という努力義務にとどまっている。また日本の役所では当事者が外国国籍をもっているかを確認するのは難しい。従って日本に二重国籍者は多くいるが、普通の人では二重国籍が何だかんだと問題にされることはそれほどあるまい。蓮舫が国会議員となり野党第一党の党首選にまで出馬したため、二重国籍ではないかとの問題が俄然クローズアップされてしまったのだ。

<アメリカ大統領の国籍条件>
 アメリカ大統領は、出生によるアメリカ合衆国市民権保持者(①国内で出生して生地主義に基づいて国籍を得た者、あるいは②合衆国市民を両親として海外で出生した者)、つまり、生まれた瞬間から米国籍を持っていたことが必要であり、移民で帰化した者はなれないのだ。シュワルツェッガーは、カルフォルニア州知事の後、大統領選への出馬の声がかかりかけたが、オーストリア生まれの帰化アメリカ人だったため、すぐに立ち消えになった。従って、アメリカなら蓮舫は大統領になる資格がない。
 アメリカ大統領選になると国籍問題が続出する。2008年の大統領選の時は、オバマの出生について、共和党がテッド・クルーズを中心に攻撃した。ところが因果は巡り、今度は共和党の大統領候補の予備選でトランプから、クルーズがカナダのカルガリーでアメリカ人の母と亡命キューバ人の父の間に生まれたことが問題にされ、2014年5月、カナダ市民権を放棄している。

<国政政治家に二重国籍は認めるべきではない>
 日本の場合は、帰化して日本国籍をとれば国会議員に立候補でき、国会議員になれば、内閣総理大臣になる資格がある。ところが二重国籍については禁止されておらず、一般的な努力義務として、他国の国籍は放棄・離脱すべきとされているだけである。
 政治献金に関しては、外国籍の者からの寄附は禁止されている。前原誠司は外相当時、昔なじみの韓国焼き肉店主からの5万円の献金(5年間)で政治資金規正法違反に問われ、外相を辞任している。
 議院内閣制のもと、与党の国会議員は内閣入りし、一時的に国家公務員となる。総理大臣、外務大臣はもちろん、外交問題を抱えない大臣などいないのだから、内閣入りした者に二重国籍を認めてはなるまい。そして、国会議員は野党議員といえどもいつ政権交代するかもしれず、いつ何時、内閣入りするかもしれないのだから、二重国籍は認めないのが筋であろう。その前に議員外交もある。日本の法律には不備がある。国会議員に二重国籍を認めないよう即刻規定する必要がある。

<民進党幹部は総力を挙げて対応すべし>
 2004年、菅直人代表は保険料未納で代表を辞任している。鉢呂吉雄は2011年、福島第一原発事故後、周辺市町村を「死の街」と言い、記者に「放射能を分けてやるよ」と軽口を叩いたことで辞任している。私はいずれも辞任する必要はないと思っていたが、民主党は守ろうとしなかった。
 蓮舫の二重国籍問題は、岡田代表のいうように「多様な価値観をお互いに尊重する」といった突飛な理屈で済まされる話ではない。多様性と国籍問題とは全く別物である。蓮舫自身は今代表選の最中であり、とても一人では対応できない。蓮舫は、15日には代表になるかもしれない大切な政治家である。民進党執行部が一丸となって対応し、仲間を守らなければならない。ところが残念ながらそうした気配が見られない中、時間だけが過ぎていく。

<複雑な制度の中で混乱が生じただけ>
 蓮舫の場合は、本人が言っているように、台湾籍放棄の手続きが済んでいると思っていたのであろう。蓮舫は、産経新聞のインタビューで、帰化しているのではという問いに「帰化じゃなくて国籍取得です」と答え、台湾籍が残ったままではないかという問いに対して「質問の意味がわからない」と全く答えていない。
 そもそも20歳にならないと台湾籍放棄はできないらしい。そうだとすると、そもそも1985年17歳の時の手続きは日本国籍を取得し、それを台湾に届けて、合法的な二重国籍になっただけではないか。しかし、前述のとおり父の為せるわざで蓮舫に罪はない。

<蓮舫は過去の発言のブレを素直に訂正すべし>
 92年6月25日朝日新聞夕刊のインタビューで「19歳の時、兄弟の就職もあって日本に帰化した。赤いパスポート(日本国籍)になるのが嫌で哀しかった」と述べているが、この時に帰化したと発言している。また、93年3月16日朝日新聞夕刊の新ニュースキャスター決定の記事で、蓮舫は「在日の中国籍の者としてアジアからの視点に拘りたい」と逆に中国籍だと称している。更に97年の雑誌「CREA」2月号では「自分の国籍は台湾」と述べたが、今回その矛盾をつかれると「多分、編集の過程で『だった』という部分が省かれてしまった」と釈明した。その後も発言がぶれまくり釈明も釈然としない。
 事実はわからないが、過去の発言をみるかぎり、蓮舫もしっかりとわかっていたのではないか。そして20歳になった後、必要な離脱手続きが多忙な芸能活動の中で、できていなかった可能性がある。だからこそ9月6日台湾の駐日代表処に赴き、台湾籍を放棄する書類を提出したのだろう。これで名実ともに日本人になりきったのであり、少なくとも今後はとやかく言われる筋合いはない。しかし、現在進行中の代表選が問題である。

<15日の投票日までに決着をつけるべき>
 蓮舫は15日には代表になるかもしれず、その先には日本国総理になるかもしれないのだ。一日も早く、進んできちんと説明して代表選の投票日前にケリをつけるべきである。1985年に台湾籍を放棄したかどうかが判明するのは投票日後だと説明し、それで済ませている。そんなあやふやなことでは、仮に代表になったら、すぐさまこの問題が再び炎上し、民進党はまた声価を下げることになってしまう。今自民党もマスコミも比較的静かだが、代表になってから総攻撃をかけようと手ぐすねひいて待っているに違いない。
 台湾籍もある二重国籍であったことをチェックせずに代表選に出馬した非は担いだ現執行部ばかりでなく蓮舫自身にもある。二重国籍でなかったことを投票日までに証明できない時は、代表選から降りるべきではないかと私は思う。ただでさえ混乱の多い民進党が更にガタガタするという忌わしい事態は回避しないとならないからだ。【9月13日、二重国籍だと判明した今は潔く退くべきである】

<守りも強くならねば代表は務まらず>
 私は、蓮舫はいくら女性という世界の大潮流に乗った政治家といえども、残念ながら今の民進党の代表にふさわしいとは思わない。増子輝彦の指摘するとおり、政権選択を狙う衆議院議員ではなく、まだたった13年目の参議院議員であり、明らかに経験不足である。
 会社勤め等組織で仕事をした経験がない。組織運営の経験が全くないという点では、我が党に多くいる元松下政経塾、ジャーナリスト、弁護士等に共通の難点である。そして、これらの人たちに共通するのは、問題点を攻撃的に追求するのは上手くても、今回のようなスキャンダルの守りにはどうも弱すぎるのだ。こうした者はとても組織のトップは務まらない。
 アメリカの大統領候補は、1年間の予備選の間にこうしたスキャンダルでふるいにかけられ、くぐり抜けた者だけが選ばれていく。そうしてみると、蓮舫も代表にならんとして最初の関門にさしかかっただけの話だ。これを代表選前にクリアできない時は【9月13日クリアできてないと判明】、得意の男気(?)を発揮して、民進党に迷惑をかけないためにさっと身を引くべきではないか。

<民進党の代表には10年早すぎる>
 私は、蓮舫は東京都知事として8年間都の行政をたっぷり経験してから、国政に復帰して党代表なり総理を目指すのが正道ではなかったかと思っている。オバマは違うが、最近のアメリカ大統領の大半は知事を経験した者がなっている。これは単なる偶然ではない。州知事として統治(ガバナンス)をたっぷりと学ぶのである。蓮舫は今48歳、68歳のヒラリー・クリントンと比べて20歳も若い。こういうスキャンダルもきちんとクリアし、もっと地道な政治活動をたっぷりしてから出直すべきである。
 そのほうが本人のためにも民進党のためにも、そして日本の政治のためにもよい結果をもたらすことになる。「今だけ」に固執してはならない。まだ将来が開けているのだ。