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小池・都民ファーストの大勝利が民進党に示唆すること-信頼に足る受け皿があれば国民は自民・安倍政権など支持しない-17.07.05

 東京都議会議員選挙は、大方の予想をはるかに上回って、都民ファースト(以下「都民フ」)が大勝利した。公明党はいつものとおり1人の落選者も出さなかったが、都民フも島部で1人落選しただけで、49議席を占め圧勝である。(無所属6人を追加公認し、55議席となっている)自民は過去最低の38議席に達するかどうかなどと、今思えばかなり楽観的な予測が述べられていたが、よもや公明党と同じ23議席とは誰しも思わなかっただろう。
 自民の敗因は、あちこちに書かれているとおり、驕りである。可哀想なことに都政は築地・豊洲問題ぐらいで、争点はもっぱら国政問題となり、自民党候補は後ろから鉄砲で打たれどおしで、多くが討ち死にしてしまった。同情を禁じえない。

<安倍内閣の高支持は消極的理由のみ>
 東京都民の多くは、とても危うい安倍・自民党政権には日本の将来を任せられないというシグナルを送り出したのだ。安倍内閣(首相)の支持率は、6月下旬の世論調査では軒並み10ポイント以上近く下がったが、それでも40%前後を維持している。第1期政権と合計すると、5年目を過ぎている長期政権としては異例である。
 しかしその理由は、世論調査にも如実に表れているように、他に代わるべきものがないからである。実に4割近くが理由としてあげている。まず、自民党内に人材がいないこと、そして次に何よりも野党第1党・民進党が全くだらしなく、とても政権を託せる政党と思われていないからである。

<都市民が見切りをつけた驕れる自民党政治>
 そこに出現したのが小池・都民フである。大阪の橋下・維新、名古屋の河村・減税日本に続く、大都市の不満の受け皿である。前者は大阪都構想や行財政改革を掲げ、後者は減税一本である。但し、今は両方とも色褪せてきているが、都民フはその成り上がるスピードといい規模といい、前2者をはるかに凌いでいる。
 つまり、都民に限らず日本国民は、ずっとダラダラ続いてきた古い自民党政治にはもう何の魅力も感じていないのだ。それは民主党が躍進した2007年の参院選と2009年の衆院選と2回の国政選挙でも明確に示されていた。そして10年後の2017年の今も、実は底流には同じ流れがあることがわかってきた。

<民進党こそ大敗北>
 10年前、そして3年3ヶ月の民主党政権は、09年には民主党に対する期待は大きく膨らみ、いや膨らみ過ぎていた。そしてその期待に応えられないどころか、期待を裏切り、国民は失望に変った。都議選の大敗北は、何も自民党だけではない。もっと深刻な敗北者は、野党第一党の民進党である。
 野党第一党として、加計学園・森友学園で何度も攻めに攻めた。国民もやっと安倍政権の美辞麗句ばかりの政策に飽きがくると同時に、危険を感じ始めた。しかし、民進党は代わるべき受け皿にはならず、7議席から更に2議席減らし、5議席となった。直前の離党組が都民フの推薦を受け、そこそこ当選しているという言い訳が聞こえてきそうだが、誰も聞く耳を持たないだろう。現職8人を含め16人が相次いで離党届を出し、後に都民フに推薦してもらっている。泥舟から逃れ始めたのである。
 4年前、7~8選挙区で共倒れとなり、45議席から15議席に減ったが、今回は更に減った。一方、共産党は17議席から2議席伸ばして19議席。得票数も共産党77万票(13.83%)に対し、民進党は39万票(6.89%)と半分にしか達せず、前回の69万票(15.83%)と比べて半減した。民進党は都民からは、ほぼ完全に見捨てられたのである。

<野党共闘は一方的に共産党に譲るしかなくなる>
 もしこの結果から次期衆院選の民進・共産の野党共闘を考えるとしたら、東京にある25の小選挙区は、都議の議席数の按分比例だとしたら、共産党19選挙区、民進6選挙区であり、得票数の按分比例でも共産17に対し民進は8となる。ちなみにこれを自・公に当てはめると議席数では半々となり、得票数では自民16・公明9となる。このような平穏な共闘が組めるかどうか疑問だが、共産・公明とも主張できる立場にある。
 さて、候補者は上述で落ち着くとして、衆議院選の議席はどうなるか。7月4日の東京新聞は都議選の票をもとにしてすぐに試算している。小選挙区は都民フ13、自民11、公明1 比例代表区は都民フ7、自民4、共産3、公明2、民進1となる。つまり、民進党は合計42議席ある東京で比例でもたった1人しか当選できないことになる。

<新しい党に生まれ変わり、受け皿となる>
 ただ、今回の都民フの思わぬ躍進は、民進党にも一縷の望みを示している。つまり、自民党に代わるべき受け皿と認められれば、政権交代への途が拓けてくるということなのだ。その点を引責辞任した松原仁都連会長が、端的に次のように述べている。
 「自民党に対する国民の怒りの受け皿になれなかった。明快な敗北だ。5議席で一定の評価を出すようでは政権奪還する政党にはなりえない。敗北を認識するところから党勢を立て直さなければならない」。まさにその通りである。
 さすればどうすべきか。
 首都決戦で全く存在感を示せなかった民進党は、政党として終わったのだ。再生のためには3年3ヶ月の民主党政権の負の遺産は、私が2012年12月の大敗北直後から指摘しているように、(12年総選挙総括・民主党再生シリーズ13.02.05~13.2.22まで11回連載)完全に捨て去らなければならない。それを明確に国民に示して、全く新しい政党として再スタートしなければ、社民党と同じように消えていく運命にある。

<負の遺産を抱えた古い顔は消え去るべし>
 私は下野以来終始一貫して社民・生活はもちろん、経験と知恵と腕力を兼ね備えた小沢一郎と亀井静香までウィングを拡げた大野党統合に動いてきた。しかし、私の力は及ばず、なかなか実現しなかった。2016年やっと維新とだけ合流し、党名が変わったものの、中途半端なままである。自民党の補完勢力に成り下がった大阪維新は除外して、今でも大野党統合すべきである。小池・都民フは、都議会では5議席しかない民進党など目に入らないだろうが、国政は違う。もし都民フが国政進出してくるならば、大同団結して対自公に立ち向かっていくべきである。
 そして、何よりも負のイメージだらけの民主党色から脱するためには、象徴的古い顔は、次期衆院選では公認せず、民進党から出ていってもらうことである。小泉純一郎は、2人の大御所中曽根康弘と宮澤喜一を切り、新生自民党を演出している。党運営も、民主党政権を失敗に導いた負のイメージのある顔ぶれは一旦全員退いてもらい、全く新しい陣営で出直すことである。

<民進党の再生は地方・農村からしかない>
 民主党はかつて「1区現象」と呼ばれ、典型的な都市政党だった。しかし、愛知県のような例外はあるが、大阪でも東京でも今は全く支持が得られなくなりつつある。それに対して、逆に農村部は今も民進党を見捨てていない。2016年の参院選の32の1人区での勝利は、東北5県と甲信越(山梨・長野・新潟)、三重、大分の11県だったのがその証拠である。農民は民主党の農業者個別所得補償をやめ、デタラメなアベノミクス農政に走る自民党に敵意を示しているのだ。
 民進党の再生は、農村地域、地方から進める以外にない。東京もいってみれば一地方である。安保法制だ、特定秘密保護法だ、共謀罪だと国はかまびすしいが、国民はもうこうした路線に辟易している。もっと地域住民のことを考えた地に足のついた政治を望んでいるのである。
 我々民進党も、国政レベルでも小池・都民フに見習い「国民ファースト」を掲げ、地方から反旗を翻していくべきである。