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【政僚シリーズ4】自民党の質問時間を長くするといういかがわしい魂胆-政策決定からヒラメ学者、ヒラメ評論家を排すべし- 17.12.05

<自民党の身勝手な提案>
 国会の論戦というのは、予算委員会を中心に国民の関心が高いテーマはNHKでTV中継される。16年秋の臨時国会ではTPP特別委員会がずっとTV中継された。その時の与党と野党の質問時間の配分は、野党8・与党2と決まっていた。ところが突然、今特別国会から5:5にするという頓珍漢なことを言い出した。与党がずっと人数が多く、本来は議員数に応じて配分されるべきだ、というそもそも論を持ち出したのである。そんなことを言っていたら、巨大与党ばかりが質問することになる。そもそもこの割合は、自民党が野党に転じた時に、自民党の強い要求により確立された割合なのだ。

<与党は事前審査で議論済み>
 与党は政調(○○部会)を通して与党内で政策立案に相当関与しており、特に法案については、与党の関係系する部会をパスしなければ国会に提出されないことになっている。いわゆる与党の事前審査である。つまり、与党議員は国会に法律案や予算案が提出される前に、○○部会でかなり深く関与しているのだ。だから与党は質問しなくて済むという仕組みになっている。もし、自民党の言い分を聞くとしたら、与党の事前審査をやめるか、野党にも同じように事前審査の機会を与えないと辻褄が合わない。
 それをとんでもないことを言い出したので、すったもんだがあり、特別国会の審議がなかなか始まらなかった。これもすべて「森友・加計問題」をつっつかれたくない、審議時間を少しでも短くしたいという、与党のいやしい魂胆の表れである。
 11月27日、28日の予算委員会は、7:3ということで折り合いがついた。私の所属する無所属の会は、13人がしかない小さな会派であり、共産党の12、維新の会11よりは多いが、2日間で53分の割り振りとなった。他の弱小野党は1人しか質問に立たなかったが、我が会派は原口一博理事が33分と私が20分と2人で立った。従って私の質問時間は今回予算委員会で図抜けて少ない20分だけであった。

<安倍総理と菅官房長官の過去の質問歴を勤務評定>
 私はこの問題をとりあげた。例によって手間のかかった資料を付けた(別紙参照)、時間をかけて安倍総理と菅官房長官の与党時代の1期~4期のときにどれくらいの回数の質問をしたかを調べて表にした(衆議院の国会議事録の簡易検索システムで安倍晋三と入れるとどっと出てくるが、そこから答弁や委員長代理等を除く作業があり、かなり時間を要する資料である)。
 案の定、2人ともほとんど質問していなかったが、それでも合計30数回年数回は質問していた。安倍総理は、厚生(社会労働)委員会に属していたといっていたが、そこでも5回しか質問していない。それならば外交や安全保障ではどうかをみても、それぞれ8回と2回で多いことはない。つまり、与党議員はほとんど質問などしてきていないのだ。予算委員会や決算委員会での質問もあったが、分科会での質問で本委員会ではなかった。分科会というのは、それぞれ特定の大臣に対し30分の時間を割り当てられ1対1で地元の問題について質問するような場所で、与党の議員はあまり皆質問をしたがらず、若手にそのお鉢を回され、「お前やれ」といわれて仕方なく質問に立つようなところである。

<得意気な総理の答弁集団自衛権について>
 それに対して、安倍総理は、与党議員であったが、かつて予算委員会(日米防衛協力のための指針に関する特別委員会の間違いと思われる)で当時の高村外務大臣に、限定的な集団的自衛権の解釈の変更の質問をしたことがあり、集団的自衛権の解釈の変更を迫ったことがある。 このやりとりは、佐瀬昌盛氏(安倍晋三内閣総理大臣の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」有識者委員)の「集団的自衛権」という本に、重要なやりとりとして記載され、その後我々の基本的な考え方の一つにはなった、と得意げに答弁した。
 私は質問通告の際に「華々しい質問をしたがゆえに、今の地位を勝ち得たのではないのではないか」と突き付けていた。だからそんな質問したいなどといっている人にそんなこと言うな、せいぜい質問しても篠原孝程度にしかならないという冗談も混ぜ込んだ。

<与党議員の見せ場は政策立案への関与>
 この問題は根深い。自民党の若手議員が空しく感じているのは、いったい国会議員は何をしているのかという疑問だと思う。野党議員は質問の機会が与えられ、予算委や重要で注目度の高いTPP特委等はTV中継され国民の目に触れる。しかし、与党議員の活動は与党内の会合なので外に見えない。見えないと言っても、与党の政調等でいろいろ意見を言い、それが政策の企画立案に反映され、実は野党議員よりずっと実質的な活動の場が広いのだ。その活動を地元の国政報告会で、この政策は自分の意見でこうよくなった、この予算は自分が主張して増えたとPRすればよいだけだ。残念ながら、我々野党議員にはしにくいことなのだ。それが国民に見えてこないので、TV中継のある国会でも質問をしたいという都合のいい主張なのだ。

<自己実現の場がない与党若手議員>
 27日(月)の予算委員会では石田公明党政調会長が自己実現というのは人間の最後の欲望として一番大切なことであると発言している。つまり、これを引用していうなら、与党の若手の国会議員としての自己実現の場がないということである。与党議員があまりに多過ぎ、○○族にも自ずと序列ができ、大事なことは大体幹部の数人が決定権を持っており、当選回数の少ない議員は出番がないという弊害がみられることは事実である。その結果、多くが採決要員としてしかみられていないという不満が生じているのはよくわかる。

<ヒラメ学者、ヒラメ評論家のばっこを許す安倍政権>
 しかし、それよりもずっと別のところで安倍政権は、決定的なミスを2つ犯している。
 一つは、加計学園問題でも追及したけれども、国家戦略諮問会議、規制改革推進会議、産業競争力会議など、いろいろ勝手な総理の諮問機関が設置され、そこで勝手な政策が作られてしまっていることである。国家公務員試験を通ったわけでもなく、何万人もの国民に名前を書いてもらったわけでもない。言ってみれば政府におべっかばかりをつかうヒラメ官僚ならぬ「ヒラメ学者」や「ヒラメ評論家」、かなり変わった暇な(?)財界人、こういった人たちが勝手なことばかり言い合い、それが政策になってしまっているのだ。
 国家戦略諮問会議でいうなら、ごく少数のワーキンググループで物事が進められている。これは議事録を読んでビックリしたが、八田達夫と原英史の2人がひっかきまわして、ものごとを決めているのだ。この件は別途国会できちんと問い質し報告したいと思っている。なぜなら、前川喜平前文部科学事務次官の言う通り、まさに行政が、そして政治がこれによって歪められているからだ。今の安倍政権の欠陥の中で最大級の問題と思っている。
 こんないかがわしいことをしているから、国会議員は言ってみれば重要な政策の企画・立案の蚊帳の外に置かれている。こういったことをなくさなければならないと思っている。

<強化され過ぎた官邸の機能>
 2つ目は、橋本行革の時に、官邸の強化ということが盛んに言われたけれども、強化されすぎてしまっている。官邸の首相補佐官や、秘書官がかなりしゃしゃり出て政策を決めてしまっている。だから小泉進次郎(元農林部会長、現筆頭幹事長)が、「党が何も関知していない、党は何も議論をしていない」と苦情を言わざるをえなくなっている。この宿痾は、国会の論戦の場に与党議員が出てきたところで、治ることではない。
 与党と野党は自ずとやることが違う。政府与党はそのことをちゃんとわきまえて、与党議員としてふるまえるようにすることが何より大事である。官邸があれこれ指図し過ぎるのを止め、秘書官や首相補佐官がのさばるのも止め、いかがわしい官邸の諮問機関をなくすことである。

<アメリカの大統領を凌ぐ安倍独裁体制は目に余る>
 小泉内閣でも官邸が取り仕切る弊害が見られたけれども、せいぜい経済財政諮問会議だけであった。その際も、当時の自民党は竹中平蔵に「国会議員でもないのにものごとを決めるな」と反発した。それを受け竹中氏はあとから参議院議員となった。
 内閣機能の強化の際は、アメリカの大統領制は見本とされたが、その本家アメリカではトランプ大統領が強権を発動しても、例えばイスラム国からの入国禁止は司法からストップがかかり、今ロシア疑惑が徹底追及されている。アメリカはチェックのきく国なのに対し、我が日本国は安倍独裁体制が進み、どこからも歯止めがかからない。

<官邸農政に農水省はやりきれない空気が漂う>
 農協をどうするかなどという農政の根幹は、農政審で決めなければならない典型的な事項であるが、ほとんどそのようなことはしていない。農政の専門家など皆無の規制改革推進会議や産業競争力会議で決められ、それを農林水産省に押し付けている。それに喜々として従い、あるいは一緒になってゴマをするウルトラヒラメ官僚が内閣人事局の人事権を通じて出世し、農林水産省にはどんよりとした空気が漂っている。私は役所の後輩に同情を禁じ得ない。

 このようなことを続けているのが問題なのであって、それを国会論戦に与党議員が顔をだしたところで、治るものではない。
17.11.28予算委員会資料(安倍総理と菅官房長官の質問回数)