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平成31年 地元各紙新年号への寄稿文 -19.01.01

地元の各紙新年号への寄稿文
『外国人労働者の前に本格的少子化対策を (北信ローカル様)』、
『日本の国の形を揺るがす外国人労働者問題 (長野経済新聞様)』、
『建設労働者を外国人で代替していいのか (長野建設新聞様)』 を以下に掲載します。

『外国人労働者の前に本格的少子化対策を』 北信ローカル様(元旦号)

 2018年秋の臨時国会で拙速に審議されて成立した改正入管法の下、4月から特定技能1号、2号とかよくわからない定義の下に外国人労働者が入りやすくなる。
 外国人労働者の受け入れ以外に、日本はやっていけないと決めてかかっている。しかし、あまりに一時凌ぎではないか。私は、少ない人口でやっていけるように社会・産業構造を変えるしかないと思っている。それではあまりにも能がないというなら、本格的な少子化対策が必要である。そっちを放っておきながら、安易に外国人労働者に頼るのは邪道ではないか。
 兄弟なり子供が何人いたらいいとはいえないが、私のような団塊の世代だと兄弟姉妹は3~4人が普通だった。1947年から合計特殊出生率が使われ始めたが、4.54(最大)で、その後下がり続けている。1990年に1.57ショックといわれ急に少子化を問題にし始めたが、対応が遅いのだ。2005年には1.26(最小)となった。直近の2017年に1.43に持ち直したものの、とても十分とは言えない。
人口が減り続け消滅市町村になるといわれる地方は、子育て環境を作り人口増を図る以外に途はない。


『日本の国の形を揺るがす外国人労働者問題』 長野経済新聞様 新春特集号(長野経済新聞・建設タイムズ合併号)

 日本はよく単一民族といわれる。しかし、遺伝子的にはそういうとはありえず、いろいろなご先祖を持つ集合体だという。ずっと歴史を近くに戻すと、漢字も宗教も大半は朝鮮半島を通って我が国に伝えられた。ただ文化が伝わっただけではなく、大人数の人も一緒に来て日本に住みついている。従ってその子孫が日本人の一部となっていることは明らかである。しかし、一挙に大量という歴史はない。
 そこで今回の外国人労働者問題である。
 日本はいわゆる単純労働者は受け入れないという方針を貫いてきた。ところが、1980年代の後半から少子・高齢化もあり、若年労働力不足が顕在化し始めた。それを受けて1990年入管法改正が行われ、1993年に「技能実習制度」が始まった。
 しかし、技能実習生は最長三年で帰国しなければならない。折角日本語にも慣れ、技術も上達したのに何とかならないか、という声が多くなった。そのため、2018年秋の臨時国会で、技能が一定水準に達した者に五年間の就労を認める「特定技能1号」を認める入管法改正を提出し、野党の反対も空しく12月8日明け方に議院本会議で可決・成立した。
 議論は法務省が提出した失踪者の調査結果ミス等に矮小化していたが、私はもっと根源的なことを問題にすべきと思っている。つまり外国から人を入れてまで今の経済規模を維持すべきかどうか、今のコストダウンのために、将来の社会的コストを犠牲にしてよいかという問題である。野党も外国人労働者の受け入れにはやむを得ないと認め、ただ準備不足や外国人労働者の社会保障制度をしっかりさせるべきといった主張に終始した。
 私は、今だけのための安易な「制限付き移民開国」は反対である。低賃金労働の隠れ蓑に運用されている技能実習制度を、本来の趣旨どおり厳格に運用することにとどめるべきである。誰しも生まれた国で幸せに生きて行くことを優先すべきなのだ。


『建設労働者を外国人で代替していいのか』 長野建設新聞様(新年号)

 今(2018年11月下旬)、国会は入管法を巡って野党の攻防が激しさを増している。少子・高齢化の進展により若年労働力不足が加速し、国民も何となく外国人労働力に頼らざるを得ないと諦めてかかっている節がある。そうした声を受け、準備不足や共生社会の実現を主張する野党も、大筋では外国人労働力の受け入れもやむを得ないという姿勢である。
 そして、労働力不足が著しい業界として、介護・農業と並びいつも建設業界が例示される。汗水垂らして働くことが敬遠され始めて久しいが、その傾向は止まる所を知らない。だからといって安易に外国人労働力に頼っていいのだろうかと私は疑問に思う。
 文明批評家ルイズ・マンフォードは、建築家でもあった。戦後の日本を訪れ、廃墟から立ち上がったことに驚き、「この建物は一体誰が立てたのか」と聞いてきた。設計した建築家の名前を答えようとした案内者に、実際にどのような労働者が携わったのかと聞き直した。つまりプロの眼は至る所に行き届いた技術・技能の熟練度合に眼を見張ったのである。大半が東北地方等からの出稼ぎ農民という答に絶句、日本人の質の高さに驚嘆して、その後の経済発展を予言したという。
 日本を支えてきた技術の伝承が危機に瀕し、質のいい日本人を育んだ社会が壊れんとしている。「制限付きの移民開国」よりも根源的問題解決の途を探るべきである。