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【統一地方選シリーズ1】 地方議会の低迷は「首長一強」が原因 - 県議選の低投票率、無投票の克服のためにすべきこと -19.4.6

明日は第19回統一地方選挙の前半(道府県議選、以下県議選)の投票日である。有権者の関心を高めるとともに経費を節減することを目的として始まったが、広域市町村合併等で統一率は27%に落ち込んでいる。新しい元号「令和」になることを契機に、見直しが必要だと思う。

<大問題の低投票率、無投票の増大>
 しかし、より問題なのは第一に投票率低下、第二にその結果としての無投票の増大、第三になり手不足である。
 2015年の投票率は45.05%(長野県は48.92%)となっており、第1回の81.65%と頃と比べると目を覆いたくなる。特に県議選は市町村選挙ほど身近ではなく、かといって国会議員選挙ほど関心を持たれていないために低迷が続いている。ただし、長野市のように38万人余の人口を抱える大都市になると、市議会議員選挙も身近ではなくなり、前回(2015年9月)は42%と50%を割っている。大合併の弊害がこんなところにも現れている。
 第一と第二の理由がダブるので、まず以下に原因を探ってみる。
 低投票率の原因として、一番目には大政党が有利な1人区、2人区が全体の7割を占め、新人が出馬しにくいこともあげられる。それでも選挙になればまだましで、長野1区内では、今回は飯水地区(1人区)と中高地区(2人区)で無投票になっている。

<1人区は無所属で連続して無投票当選し、挙句の果てに保守化>
 古い数字で恐縮だが、10年余前、長野県の県議定数は58人、そのうち丁度半数の29人が無所属で、2位の兵庫県(38%)を大きく上回っていた。この理由は簡単で 1人区が多いからだ。そして過疎傾向の強い1人区だと、一党一派に属さない全体の代表だとして無所属が多くなり、必然的に現職が強くなり挑戦者が出にくくなっていく。首長の多選・無投票と同じ経緯を辿ることになる。
 この悪例は、飯水地区にみられ、現職は初出馬を除きその後ずっと4回連続無投票になり、今回5期目の当選を果たしている。当初無所属だったがいつの間にか与党自民党入りしている。首長は昨今は無所属が多くなり、市民党だの県民党と名乗っているが、県議会では党派性が強くなり与党側になびいていく。これでは新人が入り込む余地はなく、無投票が多くなり、ますますよくない形が定着してしまっている。

<国会の野党低落傾向が地方議会にもそのまま反映>
 二番目には、我々野党側がだらしなくてピシッとしないからであり、その一員として忸怩たる思いがある。よく比較される12年前の参院選と統一地方選挙の重なった2007年には、上り調子の民主党は476人もの候補者を立てていた。政権与党だった11年は571人、15年も345人を公認したが、今回は立憲民主党177人、国民民主党113人と、計290人で12年前の6割にとどまっている。無所属のうち立憲民主党系(推薦等)35人、国民民主党系(推薦等)87人を合わせても412名にすぎない。仕方がないことだが、支持率が1%前後の国民民主党は嫌われたのだろう、8%前後の立憲民主党の倍以上が無所属となっている。
 更に公認されたり、推薦を取り付けて選挙資金はしっかりもらいながら、ポスター等にその党名を付さない輩も多いという。私はそのようなズルい振舞いはとても看過できない質なので、気付いた時は厳しく是正させた。国民民主党の凋落振りを如実に表しており、悲しい限りである。これでは約4.5倍の1302人も公認している自民党(自民系無所属296人)と対抗すべくもない。

<女性候補が若干増えた以外は低調を極める県議選>
 改めて県議会選挙の低調振りを数字で追ってみるとその深刻さが浮かび上がってくる。
 945選挙区に3062人が立候補しているが、過去最低。無投票は371選挙区(39.7%)に達し、総定数2,227のうち無投票で当選した者は612人(26.9%)といずれも過去最高。新人は1,018人と過去最少。競争率1.34倍も過去最低。つまり、どの数字をとってもその酷さは変わらない。たった一つの良いことは、「候補者男女均等法」の施行もあってか女性の割合が前回の11.6%を僅かであるが上回る12.7%となったことである。
 各県別でみると、7割が無投票になった香川を筆頭に岐阜、広島、熊本、愛知の5県で4割以上が無投票で決まり、山形県が17選挙区のうち9選挙区で無投票になったのをはじめ、12県で半数以上の選挙区が無投票となっている。長野県を見ると無投票区は23選挙区のうち9選挙区(39.1%)とほぼ全国平均並みで、残り14選挙区で68人が46議席を争っている。

<安倍一強の前に「首長一強」が定着してしまった地方議会>
 国会では「安倍一強」と言われて久しく、立法府が軽視されている。野党第一党の枝野立憲民主党代表は「数合わせはしない」と相変わらず高邁な(?)理屈を述べ続けているが、与党が圧倒的多数を占める今の国会では、最後は与党に数で押し切られてしまう。一強多弱も極まれりである。
 ところが地方自治体では遥か彼方の昔から「知事一強」なり「市町村長一強」が生じていた。二元制の下、多選を続ける首長、そしてそれに群がる議会最大会派という形が完全に定着してしまい、地方議会は行政監視機能を失い、予算や事業の単なる追認機関に成り下がってしまったのである。他にも政務活動費の不正使用、必然性の欠ける海外視察等があり、有権者が地方議会の無力化に気付いたことから投票率が低下しているとみられる。更に追い討ちをかけるのが、与野党相乗りの首長選である。今回は11の知事選も北海道を除き与野党対決はなく、自民の分裂選挙か無風かのどちらかである。二元代表制の下、車の両輪がともにしみったれた選挙戦となっていては地方の政治は変わるべくもない。

<新政信州で勝利を目指す>
 こうした現状を打破するためにも今回の統一地方選で野党が議席数を伸ばし、議会を活性化する必要がある。
 幸いにして長野県は2010年阿部守一知事を民主党が担ぎ、自民党候補を僅差で破って誕生している。更に、自民党が過半数に達していない数少ない県の一つである。また、長野県では野党共闘のため国民民主党、立憲民主党、連合で新政信州を立ち上げ、県議選にも8人の推薦候補と1人の支持候補を出している。有権者の皆様には、県政でも知事と最大会派の馴れ合いの「忖度」がおこなわれないように適切な判断をお願いするばかりである。(以下2号、3号に続く)