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2020年1月 1日

令和2年 地元各紙新年号への寄稿文 -20.01.01

地元の各紙新年号への寄稿文
『水害は水の流れをよくして防ぐ (北信ローカル様)』、
『安倍政権の何でも民営化はもう時代遅れ (長野経済新聞様)』、
『地球温暖化被害が駆け足でやってくる (長野建設新聞様)』 を以下に掲載いたします。

『水害は水の流れをよくして防ぐ』 北信ローカル様(元旦号)

 地球温暖化による大型台風19号は、中野市と立ヶ花・栗林にも相当な被害をもたらした。長野市長沼地区の70mに及ぶ千曲川の堤防決壊により家が押し流される凄まじい状況をみるにつけ、何十年に一回の天災でも人間の叡智をもって防がなければならないと思わずにはいられない。
 立ヶ花狭窄部のために千曲川の流れが止められていることは誰もが知っている。ところが、その解決策は、入口の(古川の)蛇行を真っすぐにした以外に本格的に検討された形跡はない。もう一つ飯山市戸狩でも川幅が急激に狭くなる。そしてその先に戦争中に突貫工事で造られた西大滝ダムがある。
 理論的に考えられる手段は、西大滝ダムを取っ払い、二つの狭窄部を同時に流れをよくすることである。
 難しいようだが、案外そうでもない。日本ではもうダム建設の予定はない。世界の潮流はダムの撤去に動いている。今の土木技術をもってすれば、狭窄部の掘削はそれほど難しくはない。下流の信濃川に一気に流れ出ると水害が起こるという懸念が浮かんでくるが、新潟県では、途中から大河津分水路(寺泊の日本海に流す)と河口近くの関屋分水路によりここ百年余、水害が起こっていない。従って二つの分水路を拡げてもらえばよいことである。
 国民の生命の安全を守るのが国の崇高な責務である。今は専ら軍事面に意が注がれているが、足下のことを先に手掛ける必要がある。オスプレイが必要だとしても、一機二百億円かかるという。それと比べてみたら、どちらを優先すべきかは誰にもすぐわかることである。政治の力で断行するしかない。


『安倍政権の何でも民営化はもう時代遅れ』 長野経済新聞様 新春特集号(長野経済新聞・建設タイムズ合併号)

 小泉政権以来、「すべて民営化することが良いことだ」という流れがある。その流れは、安倍内閣で更に加速され、官邸に規制改革会議ができ、国家戦略特区諮問会議ができ、昨今むやみやたらに民間活力の導入というキャッチフレーズが幅を効かしている。しかし、今回、英語検定試験の民間丸投げが延長になったことを機に、小泉純一郎内閣から安倍晋三内閣に至るこの流れが、考え直されるきっかけにならんとしている。
 安倍首相は、施政方針演説で「民間の活力を使い、民間の活動に任せる」「岩盤を打ち抜く、ドリルの刃になる。それにより、日本を世界で一番、ビジネスのしやすい国にする」といった言葉を頻繁に使った。
 また、安倍首相は国家戦略特区諮問会議でも「安倍政権の国家戦略特区に終わりはありません。自治体や事業者の方から経済効果の高い規制改革提案があれば、これからもスピーディに対応し、規制改革で日本経済を活性化する」とまでのめり込んだ。
 そして、今回も安倍首相の意向が忖度され、文科省が大学入試自体を民営化しようとしていた。大学入試は料金が高く、民間会社にとってもおいしい話だ。英語の検定試験を会社に丸投げし、国語の記述式試験も、採点も民間に任せようとしていた。1万人のアルバイトを雇って、50万人分の採点をやらせるなど完全におかしい。アルバイトの質で採点がばらつくことや、記述式により自己採点ができなくなる。それよりなにより、1万人のアルバイトを集めることが本当に可能なのか。生煮えのままでの見切り発車に、今回延長になってよかったという話を聞くが当然である。
 大学受験は関係者が多い。受験生が毎年50万人で、親や兄弟も関心を持っている。「食料」「医療」「教育」の三本柱の骨格は、民間でやらせるべきではない。何でも民営化への流れは、本件を区切りとして国民もその危険性に気付き、反旗を翻してほしいものである。


『地球温暖化被害が駆け足でやってくる』 長野建設新聞様(新年号)

 地球温暖化が問題にされてからもう数十年経っている。しかし、いくら大変だと言われても気温上昇は我々一般人はピンとこなかった。積雪量の減少のように目に見えないからである。そうした中で、地球温暖化による台風の大型化(風15号・雨19号)という形で日本人にも警鐘を鳴らすことになった。
 一方、日本は年末にスペインのマドリッドで開催されたCOP25で、例年通り「化石賞」を頂いている。一時の経済成長にばかり目がいき、いまだ石炭火力を推進しているからである。年末、欧州議会との交流でフランスのストラスブール(仏独国境)に行き、ベルリンにも立ち寄った。どの会合でも水が出されたが、日本で定番のペットボトルはただの一度も出されなかった。
 ベルリンからの帰国時には、中高生のみならず小学生まで参加して、大人たちに地球温暖化防止対策を促すデモを行っていた。グレタさんがジェット燃料で地球を汚す飛行機を使わないことに呼応し、空港への道路をデモで埋めることになり、我々は会合をキャンセルして早めに空港に向かわざるを得なくなった。そういえばストラスブールは、都市の中心部の自動車交通を排除し、路面電車(トラム)による交通体系にした先駆的都市として視察が絶えないという。
 日本も、CO2の排出を極力抑え、地球環境に優しい生き方を目指してほしいと思っている。